
他国民であっても、ある時期、ある国の大統領の一挙手一投足に固唾を飲む人がいても構わない、いや、それは当り前のことだとぼくは考えています。本日の「卓上四季」が扱った問題に関して、ぼくは大統領就任式当日の「演説」の愚劣さに改めて驚き、一期目で嫌になるほどとんでもない人物だということが天下に知れ渡ったにもかかわらず、その「「虚飾人間」を二度までも大統領に選ぶなどとは、あの国(の選挙民)も焼きが回ったなと思ったし、さっそく、その「不適格性」に対して批判、非難を投げかけました。もちろん、この国だけの特異な問題ではないのは、誰もが知っているはず。この人物は、決して大統領にしてはならない人物だったが、えてしてこういう不合理なことは起るものでしょう。
不適格の理由の第一は、「不誠実」が背広を着ているだけ、そんな人物であるということ。平気で嘘を付く、権力や金をかさに着て、徹底的に「弱者」を叩く。いわば、より一層悪質な「いじめっ子」「お山の大将」だというのです。ぼくはこの主教の「諭(さと)し」「諫(いさ)め」を当然の言葉と聴いたし、しかし、いまでは、誰もがそうだとは受け取られないだろうとも思ったが、案の定、小心な大統領は「むくれて」「不満を述べ」「悪態をついた」のです。つまりはそれだけの人物だったということ。彼の支持者は、何が何でも支持するという、これもまた、いかにも理不尽なことだと思う。分断社会の隘路(あいろ)ですね。
(「トランプ氏に主教が『慈悲』求める…」(https://www.youtube.com/watch?v=tAFOB71jNXw)
【卓上四季】静かだけど強いことば 見聞きしてから、もう半月ほどたったか。ずっと胸底に残り、何度となく思い出すことばと場面がある。先月21日、米国のワシントン大聖堂。新大統領就任を祝う礼拝の場だった。マリアン・バッデ主教は目の前のトランプ氏に向かって静かに切り出した▼「大統領閣下、どうか慈悲のこころを持ってください」。党派を問わず、ゲイ、レズビアン、トランスジェンダーの子どもを育てる家庭があり、命の危険におびえる人もいる―。仏ノルマンディー産の石灰岩を使う白亜の大ホール。彼女の静かなことばが天井に吸い込まれていく▼主教は続けた。「農産物を収穫し、ビルを清掃し、養鶏場で働き、食堂で食器を洗い、病院で夜勤する人々がいます」。こうした移民は犯罪者ではなく良き隣人だ―。弱い立場の人々への寛容を説く▼相手は最高権力者であり、他者への攻撃をいとわない人物である。正面からの直言には勇気がいったろう。案の定、トランプ氏は主教を口汚くののしった▼大統領の「暴走」は加速するばかりだ。航空機の墜落事故を多様性重視の政策のせいにする。自由貿易の理念などお構いなく、高い関税の導入で脅す。これからも世界に混乱と不安をもたらすだろう▼けれども米国は一様ではない。多様な意見があり、声を上げる人がいる。バッデ主教の姿に希望をみる。(北海道新聞・2025/02/04)

かねて「大言壮語」していた「高い関税をかける」の発動は数か国で、本日から始められる。「関税」は相手国だけに打撃を与えるのではなく、自国民にも高い物価を強いるのは馬鹿でもわかるころだが、それをあえて導入するというのは、一種の「脅し」。脅しをかけるのは「弱い人間の証拠」です。弱い犬ほど大声で鳴く(吠える)。恫喝の背後に恐れがあるのです。それを「恫疑虚喝(どうぎきょかつ)」という。「心の中では怯えながら、相手をおどすこと。『恫疑』は恐れて迷うこと。『虚喝』は虚勢をはっておどすこと。こけおどし」(四字熟語辞典オンライン)。困ったことだけれど、この手の小心者ほど権力の座につきたがるのです。なぜか。自分が小心者だということを自覚しているからです。「鎧」をまとって強くなった気になるのでしょう。名誉や地位を求めるのも、金に汚いのも、自分を大きく見せる手段。

貿易相手国のすべてに、とことん「高い関税」をかけ通したらどうです。アメリカは、直ちに超インフレになり、生活困窮者が暴動を起こしかねないでしょう。人間の「性」には「男」と「女」しかないと断言したのだったかどうか。その次には「人種は白人」が一等上だというのだ。「一番病」の典型は「アメリカファースト」でしょう。自分が吐く言葉に彼はいかなる根拠も信頼も寄せてはいない。残念ですが、「口から出任せ」、それが政治のイロハだと思っているらしい。それが、彼の得意とする「ディール(取引)」の底意です。暴力やハラスメントも「ディール」だと思い込んでいるのだから、始末に悪いですな。パレスチナ問題では、ガザの再生・再興は不可能だから、「周辺国はパレスチナ難民を受け入れろ」と言ったが、どう聞き間違えたか。この劣島の首相が初会談を前に「受け入れの準備がある」と宣わるのだから、何を考えているのか。中東問題や「イスラエル対パレスチナ」問題にいささかの関心もない人間の寝言。いうことを聞くものがいるから「恫喝」がやめられないのだから。「無理が通れば道理は引っ込む」しかないというのか。

politic は politeと同根で、ていねいであること、かつ誠実、つまりは礼儀正しさを求められるのです。それがないところは「政治」ではなく「暴力(violence)」そのものです。いたるところで、暴力と政治は「紙一重」の危うさです。
とにかく、やたらに「偉そうに振る舞いたがる人間」がのさばる政治だけは、方法に混乱を招くのは必至だから、早く「こけおどし政治家」は退場を願いたいものだ。政治は「取り引き」ではないし、脅しや虚言で成り立つはずもないことを、あるいは一期目よりも一層早く知る羽目になるだろうか。劣島の一住人はそれを冀(こいねが)っている。(「ノーベル平和賞」が欲しくてならぬ大統領。どうしますか、みなさん)
He is under the illusion that politics is a casino. But casinos are certainly political.
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