華美ひと色に成人式の子女あはれ(相馬遷子)

2023年2月
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 本日は「成人の日」だとか。以前には「一月十五日」がそうだったようで、どういう経過で変更になったのか、詳細は論じませんが、いずれ「悪政」のしからしむるところだった。今では、一月の第二月曜日のことを「ハッピーマンデー」というらしい。どこが「ハッピー」なのか、ぼくにはさっぱりわからん。うんと昔の大昔は、「元服の日」なるものがあって、この日からは「大人(おとな)」「一人前」として扱われる、通過儀礼としては特別の行事でした。だから、この一月十五日(小正月)には、それにまつわるさまざまな恒例の行事が各地で保存されていたのです。「元服」といわれる成人式は明確な「通過儀礼(rite de passage)」として、世界各地にも記録保存されています。もちろん、人生のたくさんの「節目」の一つでもあります。

 「大人」といい、「一人前」というのはどういうことか。今ではほとんど失われてしまった感のある「成人」 像は、どこかに生きているのでしょうか。電車賃や各種入場料には明確な差がありますね。だから、大人(成人)になりたくないと思うのか。

 大人って?という問いに、幾つもの回答が出されています。そのいくつかを。「経験の積み重ねでワクワクを失った者。また、未経験のドキドキを恐れて挑戦しない者」「何か大切なものを失い、どうでもいいことを身に付けてしまった人」「誕生日が楽しみじゃなくなる人のこと」「守るべきものを手にした者。自分の立ち位置を理解している者」「諦めることに慣れた人」などなど。(以上は、デジタル大辞泉)殆どが「大人(成人)」を評価していないように思われるのはどうしてか。「大人わ分かってくれない」といっていた人の立場が逆転してしまうこと。「子どもは、ちっとも理解してくれへん」という人間になることさ。

 さらに昨年には「十八歳成人」が出現しました。二十歳と十八歳の「(二種類の)成人」の差はなんですかね。酒タバコが認められるどうかですし、それだけのような気もします。やがて、少子化がさらに進むと「十五歳成人誕生」となるに違いありません。なんだか、江戸時代へ向かって突き進んでいるようで、これは「タイムスリップ」であると同時に、人間成長の著しい退化(先祖返り)でもあるようにも見られますね。逆に、高齢社会が極度に進むと、四十歳とか五十歳が「成人」ということだってありえます。「成人の日」とか「老人の日」などと面倒なことを言わず、「人間の日」とでもしたらどうでしょうか。それにしても、この手の「節目」に何故か、行政が出てきます。選挙目当てではあるのでしょうが、むしろ出ない(やらない)方がスッキリしているのに。

 本日も、例年のように各地で、「成人式」「二十歳を祝う日」にふさわしい、ハレンチが挙行されるのでしょうか。往時のテレビ番組で「ハレンチ学園」なるものがあり、ぼくは時々見る機会に恵まれました。それを思うと、なんだか、この日本という島社会そのものが「ハレンチ学園」のように見えてくるのですから、おかしいですね、と「笑っている場合」じゃないですが。その番組が消えてしまったように、この島も消滅するように思われてならないのです。さきほどの「大人論」には「我慢するときの言い訳に多用される傾向がある。『やめときます、―なんで…』」「夜更かししても怒られない人たちのこと」「昨日と違う風景に気づかなくなった者のこと」なども出ていました。大人になりきれない大人だったり、子どものままの大人がたくさんいるということは、その集団・社会にはまだまだ「成長(伸びしろ)」が期待できるということでしょうか。ともあれ、「新成人の方々、お元気で」とエールを送りたい。(2023/01/09)

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● 一人前(いちにんまえ)= 1人の男や女が成人後に備えているはずとされる心身、技能、力量などの総称。各種の職場をはじめスポーツや芸能方面でも漠然と人並みの能力というほどの意味で用いられることもあるが、村落社会では古来共同労働を組むうえで一定以上の労働力が要請され、1人前の標準作業量をはっきりと設ける場合が多かった。その標準量を一人役(いちにんやく)、一手役(いってやく)、ワッパカ仕事などとよび、農作業をはじめ各種作業についていちいち男女別に1日どれだけと決めた所も珍しくない。たとえば、男は田打ちならば1反(10アール)、物を背負う力では四斗俵1俵(約60キログラム)、女は男の半人前から7、8分で、田植ならば7畝(せ)(7アール)、機(はた)織りでは1反(鯨尺で約8.5メートル)といったぐあいであった。農家の奉公人や職人の徒弟などにはその作業量がとくに厳しく求められた。/ また一人前を年齢で定める場合があり、男は数え年15歳、女は13歳とする例が多かった。これは、若者組、娘組の年齢集団に加入し、あわせて元服(げんぷく)祝、鉄漿(かね)付け祝など成年式をあげるころでもあった。一人前になれば、村落社会の一員として祭礼や村寄合、村仕事に正式に参加することが許され、また結婚の資格が与えられた。(ニッポニカ)

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