【北から南から】店頭から消えた指定ごみ袋 空いた棚の向こう側に中東情勢
記事が出れば、明日には売り切れると分かっていた。記者とて生活者だ。迷いがなかったと言えば、うそになる。それでも手は伸ばさなかった。指定ごみ袋を前に、小さな記者倫理は守れたのかもしれない。
宮城県大崎市などで、自治体が指定するごみ袋が手に入りにくくなっている。中東情勢の緊迫化に伴うナフサ価格の上昇や供給不安が背景にある。大崎地域広域行政事務組合は、市販の透明・半透明袋でも出せると決めた。
本紙もルール緩和を伝えたが、売り場の動きは発表直後、変わらなかった。「なくなる」はすぐに広がっても、「代替案」が伝わるには時間がかかる。
2年前、指定ごみ袋の値上げを機に買いだめが広がったという。棚から消えた記憶が、呼び覚まされたのだろう。売り場では、指定袋が真っ先になくなった。冷静に考えれば、より安い選択肢はあるのだが…。
加美町の女性(88)は売り切れと聞き、大崎市古川まで来た。燃やせるごみ用は棚になく、帰ろうとしていた。透明袋でも出せると伝え、売り場に案内した。
慣れ親しんだ習慣を変えるのは、そう簡単ではない。ごみ袋の棚を確かめる癖が付いた。いつもの場所に、いつもの袋があるかどうか。すっぽりと空いた棚の向こうに、中東がある。
(大崎総局・山崎敦)(河北新報・2026/04/27)

(ヘッダー写真「ナフサ不足でごみ袋を指定外もOKに 行政によぎる2年前のトラウマ 大崎市内のスーパーでは指定ごみ袋の棚が空になっていた=2026年4月19日午後4時52分、宮城県大崎市、手代木慶撮影」朝日新聞・2026/04/18)
* たんこう‐の‐カナリア〔タンクワウ‐〕【炭鉱のカナリア】=《canary in a coal mine》= 危険の前兆を示すもののたとえ。金融市場で、株価急落の前兆となる現象など。[補説]かつて、有毒ガスの存在を確かめるために、炭鉱の坑道にカナリアの入ったかごを持ち込んだ習慣に由来する。カナリアは人間よりも早く有毒ガスの影響を受けるので、それを見て避難することができた。(デジタル大辞泉)
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いよいよやってきたかというのが実感です。日本列島全体が、ついに危険な「酸欠状態」に立ち至ったという先ぶれであろうと思われます。各地方自治体指定のゴミ袋が品薄状態だという。幾つかの自治体では品薄どころか品物が売り切れ状態で、このままでは大変と、従来の指定されているものでなくても、中身が確認できる袋なら「大丈夫」という通知を出しているところもあります。小生が住んでいる地域でも、店によっては売り切れ状態のところが出ているようです。当初から、こういうことになるだろうという予測を持っているので、ぼくはいささかも慌てないでいます。「痩せ我慢」でもある。少しばかり「買い溜め」しても、石油輸入問題が長引けばどういうことになるか。腐るほど「トイレットペーパーを買い溜め」して天井裏にしまっておいて、天井が抜けたという話もあったほど。第一次・二次のオイルショック時、ぼくは各種品不足騒ぎをゆくりなく経験したものですから、いざとなれば、なんとでもする・しなければならぬという気分で、少しも騒がなかったことだけは覚えています。

もう何十年も前、民俗学の柳田国男さんの本を読んでいて、感心したことがある。柳田さんに、ではなく、名もない庶民の言動に柳田さんがいたく感心していたのを読んで、ぼくは感心したのです。神奈川県下での出来事で、多くの人がにわか雨にあって、それぞれが慌てて走り去って行く中を、悠々と騒ぎもしないで歩いている人がいる。もちろん雨に濡れながら、です。「なぜ、急がないのですか」と誰かが訊いたら、「先も降っとる」と言って、悠然と立ち去って行ったという。濡れると大変とばかりに奔ったところで、帰路は長く、雨は降り続くというのだ。柳田さんがなぜ「大したものだ、この知恵は」と感心したのか、読んだ際にはよくわからなかったが、その後、「なるほど、そういうことだったか」と、ほとほと感心したことでした。今回は、「どれくらい先まで降っているか」、ですね。一年、いや二年?
もう一つ、柳田さんが感心した話。これも神奈川県下のある地域の出来事。海岸近くの栗林では、近くの住民が、他人の土地に無断で入ってきて、落ちている栗の実を拾っていたそうです。「無断でとってはダメでしょう」と誰かが注意したら、一人の女性は平然と「生では食べられんから」と答えたそうです。なっている栗(実)をもいでとるならいざ知らず、熟して墜ちたんだから、それを取るのは問題ないし、誰だって生は嫌でしょう、という「頓智」だったんでしょうか。

今次の物価高騰問題において、いくら高くても、指定された袋を使わないで、家庭ごみを出すのは憚られる。その指定回収袋に品不足が生じているとなると、我先にと焦るのは当たり前にも思われますが、買い占め・買い溜めに奔るというのもどうですかね、ぼくなどはそんな風に考えている。自分さえよければ、という「利己主義」など、普段は隠されていても、こういう緊急時には、各自の「根性」がむき出しになるのでしょう。致し方なしという部分も、当然にありますけど。ある自治体では市販のもので、透明ないし半透明なら使用可としたとあります。こうなると、自治体の指定袋をたくさん買った人はきっと文句を言うはずです。買い溜めた分を「元の値段で買い取れ」と、ね。また、市販の品でも構わないというなら、どうして「指定」しているんですかかという疑問も出てきますね。要するに、ルールを守れない人が多すぎるということがまずありそうですね。
これは今回起こったことではなく、以前から疑問に感じていたことですが、各自治体で「指定袋」の値段がまちまちなことです。たぶん、拙宅のある地域で指定されているごみ袋は、県下で最も高価な部類に入ると、常々思っていたところでした。ざっと調べると、それこそ全国まちまち、無料から有料、有料でもピンからキリまで。それだけの差が出る理由(背景)があるのでしょうけれど、今回のナフサ不足を期に、少しは考えてもらいたいところです。

拙宅は夫婦と猫二十人ほどの家族。生ごみ(燃やせるゴミ)の量はそれほどでもありません。回収日は週に3回ありますが、おそらく、ゴミ出しは週に1~2回がほとんど。30㍑用のゴミ袋は10枚で500円。一枚当たり50円。ごく当たり前のナイロン製のごみ袋。とても高いと思いつつ、仕方なく使っている。月にすれば5~6枚使うから、大体300円前後です。大家族となるとなかなか大変。不燃ゴミにビンカン類用もあります。それにしても、当地のゴミ袋の値段、千葉県内でも最も高いし、全国的に見比べてもダントツという印象を持ちます。それ以外に、ぼくは時には、直接ゴミ焼却場に持ち込む(キロ単位で有料)ことがあります。
昨年はコメ不足が起こったということでしたが、何のことはない、流通業者が「出し惜しみ(秘匿)」をしていただけのこと。5㌔2000円台で買えたものが5千円、6千円もするという悪辣な商売人たちのずるい商売だったようです。今頃になって、倉庫に保管(隠匿?)しておいたものを出さざるを得ない羽目に。そして消費者は、「これだけ安くなると嬉しい」と、一年ほど前のもとの値段の倍で買わされても「喜ぶ」のですから、あまりにも賢くないですね。もちろん、いろいろなところに行政・政府が介在・介入しているのですから、こんな状況が生み出されるのも、必要適切な政治の「不在(absence)・不作為(inaction)」ということにもなります。

今騒がれているのは、有料ゴミ袋問題ではなく、あらゆる製品・商品が「石油」抜きでは考えられないような生産・流通・販売の仕組みになっていることと、石油無産出という非産油国の悲哀という問題です。石油は100%輸入に依存しています。ホルムズ海峡問題が落ち着かなければ、日本経済は立ち上がれないほどの打撃を受けるでしょう。これに対して政府は何をしているか、してきたか。一方で「大丈夫だあ!」と放言しつつ、もう一方では、ひたすら「国力増強」「軍事国家化」にシャカリキです。勇ましいことを言って、「腹が減っては戦ができぬ」というのは、戦国時代の話ではないんですのに。「強い国家」にというキャッチフレーズ、何とかならなんでしょうか。
第二次世界大戦に至った一番の理由は「石油不足」でした。化石燃料を自給・自足できない国情・国勢を打開するために、敵国に石油の輸出を頼りながらの「開戦」という、考えられない愚かな「日米戦争」でした。事、化石燃料に関しては当時といささかも事情に変化がないにもかかわらず、現政権党は「戦闘準備」に躍起になっています。燃料がなければ、何事も始まらないというのに、いったい、大量の武器をそろえ、軍事国家を急造して、いったいどこの国と戦う準備をしているんですか。リュウマチ病みだとかいうアマゾネス首相、誰に向かって「私は強いのだ」というところを見せようというのか。文字通り、松根油と竹槍をもって、正体不明(もちろん、はっきりと決めているのだが、「中国だ」とは公言しないだけ。はっきりといえばいいじゃないですか)の敵国と戦うというのらしい。悲しくなるほどに愚・愚・愚ですね。
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安保3文書改定、高市首相「国家の命運を左右する」…有識者会議の初会合で防衛産業強化など呼びかけ 政府は27日、国家安全保障戦略など安保3文書の年内改定に向け、取るべき方向性を検討する「総合的な国力から安全保障を考える有識者会議」の初会合を首相官邸で開いた。高市首相は、日本の平和を守るために「総合的な国力を徹底的に強くしていくことが大事だ」と訴え、「新しい戦い方」への備えや先端技術の活用、防衛産業の基盤強化などの議論を呼びかけた。有識者からは総力を結集する重要性を指摘する意見が相次いだ。

首相は「総合的な国力」について「外交力と防衛力を、経済力、技術力、情報力、人材力と有機的に連携させる」ものだと説明した。2022年以来となる3文書改定は「国家の命運を左右する」と語った。
3文書は、安保政策の指針となる国家安保戦略、自衛隊の能力などに関する国家防衛戦略、整備する防衛体制や必要な金額を示す防衛力整備計画からなる。国家安保戦略はおおむね10年間の指針とする想定だが、政府は国際情勢の激変を受け、前倒しでの改定を決めた。有識者会議は秋頃をめどに報告書をまとめる。政府は有識者会議と与党での議論を反映し、年末までに新たな文書を策定する。(以下略)(読売新聞・2026/04/27)
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(蛇足です。エルビスが歌ったこの曲を聴いていて、なんだか「日本の首相」が必死に「Can’t Help Falling in Love」と叫び倒している景色が見えてきます。たとえ誰が反対しようが、「私は戦争(暴力)を好きにならずにはいられない(I can’t help but love war (violence).)」と。彼女はロックだろうから、この「バラード」も、とにかくロック調でやっているのだ。騒々しいよ。(* ❶Elvis Presley – Can’t Help Falling In Love (Official Audio):https://www.youtube.com/watch?v=vGJTaP6anOU&list=RDvGJTaP6anOU&start_radio=1)(* ❷Can’t Help Falling in Love – Lucy Thomas – (Official Music Video):https://www.youtube.com/watch?v=0siyVtIxu4M&list=RD0siyVtIxu4M&start_radio=1)
・・・
Take my hand
Take my whole life, too
For I can’t help Falling in love with you
For I can’t help Falling in love with you…

(どいうきっかけだったか、ぼくはこの曲が使われた映画「ブルーハワイ」を京都で見ています。1961年公開。中三だったか、高一だったか。映画の中身はほとんどわからなかったね。もちろん、ハワイに憧れることもなかった)
(蛇足の蛇足です。「だ‐そく【蛇足】読み方:だそく《昔、中国の楚(そ)の国で、蛇の絵をはやく描く競争をした時、最初に描き上げた者がつい足まで描いてしまったために負けたという「戦国策」斉策上の故事から》付け加える必要のないもの。無用の長物」デジタル大辞泉)(’an unnecessary addition‘ in English)
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