【夕歩道】「就任後、24時間以内に解決」の前宣伝ははったりが過ぎたとしても、戦争終結に向けた米ロの協議が現実に。当のウクライナの頭越し、欧州に交渉の席は「なし」と。米国第一にもほどがある。
「黄金時代が始まる」と宣言したトランプ大統領の就任から明日で1カ月。願いかなって触れる物を全て黄金に変えてしまう力を授かったギリシャ神話のミダス王に自らをなぞらえているのかも。
なるほどミダス王もかくやの全能感が伝わってくるが、神話の王は確か、最後は食物まで黄金になって困ることになったし、わがパソコンは「乱す王」と誤変換もしてみせた。黄金時代はどこへ。(中日新聞・2025/02/19)

ロシアによるウクライナ侵略戦争の「和平交渉」が米・露二か国で進められている。荒唐無稽、笑止千万。互いに「腹に一物」を持った「独裁派」「お山の大将」同士がやることは「お里」が知れている。いずれもが、わが身可愛さの「取り引き」であって、「侵略中止」や「和平実現」などにはいささかの関心も持っていないのだ。表向きの「和平」を見せびらかすことは容易い。いま、「ガザ」でやられようとしていることと同じ。一方の当事者を排除して、互いに利権の山分け、分捕り合戦。それを「和平実現」と言いくるめる虚構、絵に描いた餅だ。後に問題を大きく残すばかりだろう。

「金棒」という言葉と「金棒引き」という語の二つが、この問題に口出しする米大統領に関して浮かんだイメージだった。そのいわんとするところは単純。「うわさなどを大げさに触れ回る人」ということ。地球は自分中心に回っていると信じ込んでいる単細胞。昨秋の選挙で、ある地域の移民たちは「犬や猫を食っている」と触れ回った。四年前の負けた選挙では「投票は盗まれた」と言い続けもした。自分は世界を席捲しているつもりだろうし、自らをナポレオンに準(なぞら)えてもいる。「自分の辞書には不可能という文字はない」と言ったとかいうナポレオン。何だってできると「豪語」しているのか、それとも「空元気」を見せびらかしているのか。どんなことがあっても「ノーベル平和賞」が欲しい。名称は「平和賞」だが、実態はなんだってかまわないようなものが、「ノーベル平和賞」だ。欲しがる方も問題アリだが、そんな輩に授ける方も授ける方だ。そのいい加減さの証拠になるのが、日本の元首相。「沖縄密約」をアメリカに唆(そそのか)されて結び、核保有の言質さえ与えた、にもかかわらず「平和賞」を金員で掠め取ったほどなのだ。

あることないことを触れ回っているうちに、その虚言を信じる向きがこの世にごまんといる。「戦争を始めたのはウクライナだった」と、異なことをいい、「ウクライナは戦争を止めることができたはず」と、根も葉もない戯言(ざれごと)も言った。そして「悪の盟友(evil ally)」であるロシア大統領に「金棒を引く」のだ。それもこれも「平和賞」欲しさのため。ロシア大統領を持ち上げるのは自分のためであって、相手を尊敬も評価もしていないのは明らか。つまるところ、「同じ穴の狢」であることに変わりはない。できるなら米露両国大統領に「ノーベル平和賞」を同時に授けることを提案したいほど。それで「平和」が実現するとは微塵も考えられないけれど、少しは「狂気」は鎮まるかもしれぬ。そんな先例はいくらだってある。馬鹿さ加減もこれくらいの規模になると、犠牲者は無限大に膨れ上がるから、早く手を打つべきなのだが、誰が打つのか、それが問題。
ウクライナの頭越しに「和平交渉」を進めているのは、何よりも米露が戦争の、実質の当事者だということを示している。ウクライナを犠牲(踏み台)にして、この後の世界戦略を互いが自己の優位を確保するために描く、それが「米露交渉」の目的だろう。ロシアは言うまでもなく、アメリカまでもがたった一人の「無礼者」「ならず者(ruffian)」に拉致されてしまった感がある。世界の運命は、残念だが、この二人の「ならず者たち」に握られているような錯覚を覚えるのだ。NATO(北大西洋条約機構)は否応なしに変貌を余儀なくされている。米国脱退後にこそ、その真価が問われてくる。アメリカは世界の嫌われ者に、好んでなろうとしている。
「アメリカ第一」を目指す自称「ナポレオン」は、僭称「ロシア皇帝」と果たして二人三脚が上首尾にできるだろうか。

●金棒=1 金棒を突き鳴らしながら夜警などをすること。また、その人。2 うわさなどを大げさに触れ回る人。●金棒引き= 鉄製の棒。特に、鉄尖棒(かなさいぼう)。「鬼にー」2頭部にいくつかの鉄の輪をつけた、長いつえのような鉄の棒。夜回りや行列の先頭に立つ者などが地面に突いて鳴らして歩く。(デジタル大辞泉)
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トランプ氏、ロシアとの戦争は「ウクライナが始めた」と主張 (CNN) 米国とロシアの高官が18日にサウジアラビア首都リヤドで協議を行った。ウクライナを除いて行われたこの協議の後、トランプ米大統領は戦争に対するロシアの主張をまねてウクライナのゼレンスキー大統領を批判した。/トランプ氏は「私にはこの戦争を終わらせる力があると思うし、うまくいっていると思う。だが今日、『我々は招かれなかった』という声を聞いた。あなたたちは3年もそこにいる。3年後に終わらせるべきだった。始めるべきではなかった。取引をすることもできたはずだ」とウクライナについて誤った主張をした。/ウクライナは戦争を始めていない。2022年2月にウクライナを侵攻したのはロシアのプーチン大統領だ。
トランプ大統領は、ウクライナのために「ほぼすべての土地を彼らに与え、誰も死ぬことのなかった」取引ができたと主張。「だが、彼らはそのようにしないことを選んだ」と結論付けた。/米フロリダ州の私邸「マール・ア・ラーゴ」でトランプ氏は、ゼレンスキー氏を「個人的には」好きだとしながら、同氏の支持率は「4%」だと根拠もなく主張した。/「彼は素晴らしいが、私は個人的なことは気にしない。仕事をやり遂げることに関心がある。決して起こるべきではなかった戦争を米国なしでも続けることを許した指導者がいる」(トランプ氏)(CNN・2025/02/19)(⇓下写真:演説後に退席するトランプ米大統領=18日、米フロリダ州パームビーチの「マール・ア・ラーゴ」 /Roberto Schmidt/AFP/Getty Images)

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