
今回の、首相の不用意かつ不必要な「存立危機事態」発言に端を発する「日本と中国」の関係の有様を、たった一言で言うと、多くの報道各社は「こじれる」と受け取っているようで、まことに不謹慎だと思う。「こじれる」原因は何処に・誰にあるのか、言わなくてもわかる。それをいかにもお互いに話がうまく通じずに「こじれる」と言うのですから、困ったものであります。日中関係が「こじれた」のではなく、「こじらせた」のですから、「非」は一方にあるのは明白です。まるで「いいがかり」をつけるような首相の「台湾有事=日本有事」論でしたから、これを消すには、最初から言っているように「発言撤回」あるのみで、それ以外、何も余計な弁解は不要でしょう。「発言撤回」が即「首相辞任」となるかどうかは、「自らの判断」によるでしょうし、それにもかかわらず、「辞任は不要」という声が大きければ続投されればいい。それだけのことです。
「*こじ・れる【×拗れる】読み方:こじれる[動ラ下一][文]こじ・る[ラ下二]1物事がもつれて、うまく進まなくなる。「交渉が—・れる」2病気が治らなくて長引く。「風邪が—・れる」3ねじける。「気持ちが—・れる」(デジタル大辞泉)
しばしば「身から出た錆(さび)」といい「自業自得」と言いますね。今回の「首相存在危機事態」はそういうことではありませんか。錆は誰かが出したのではなく、自分から「言わなくてもいい、余計なことを、知った風に言い募った」のですから、誰かに責任をかぶせるわけにはいかないでしょう。「奈良の女」を自認しているのですから、この場は潔く身を引くことですね。「捲土重来(けんどじゅうらい)」ということもないわけでもないでしょう。「わが身が招いた災厄」「報いを自らが受けるのは致し方なし」でしょうね。それにしても、「口は禍の元(門)」でした。

*身から出た錆=「身」は刀の身(刀身)とわが身を、「錆」は金属の錆と不名誉な悪しき事態を、それぞれかけています。表面に付着した錆なら、砥石で研いで落とすことができますが、刀身の深いところから生じたものの場合手のほどこしようがありません。比喩としては、誰のせいでもなく、わが身が招いた災厄なので逃れようがなく、その報いを受けるのは致し方ないということになります。かなり手厳しい表現ですが、多くのの場合、それなりの根拠があって批判する文脈で使われます。立場をかえて本人が自らいうと、心から悔やんで、すべての責任を認め、結果を引き受ける覚悟を示すことになるでしょう。
戦国時代からの古いことわざで、江戸のいろはかるたに採用されて広く親しまれ、今日でもよく使われます。ちなみに、かるたの絵札には、刀を抜いて刀身を見つめる浪人者や刀屋が描かれるのが通例でした」(ことわざを知る辞典)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

ぼくは昨日も駄弁りましたが、今回の事態は「喧嘩両成敗」なんですかと、改めて再言したくなります。一方が拳を振り下ろしたのに、降ろされた方は、そんなところにいるからいけないのだと、まるで「八つ当たり」みたいに、相手を引きずり込んで「ああだ、こうだ」と「戦略」「戦術」を交えて、得意げにイチャモンをつける、そんな醜い姿勢が目に余ります。以下にコメントらしいものを二つばかり出しておきます。一つは毎日小学生新聞「日中関係こじれる」ですが、この記事で、腑に落ちないのは、「台湾を中国の一部とする『一つの中国』を原則とする中国は、高市の答弁に激しく反発しています」という箇所です。異なことを仰いますな。それでは、日本は「一つの中国」論に立っていないのですかと尋ねたくなります。少なくとも、台湾は日本の領土ではないし、加えて、中国の領土でもないという「国際通説」が出来上がっているのですか。もう一つ「高市の答弁がこれまでの日本の立場を変えるものではない」という「日本側局長」の強弁のような説明です。これまで以上に踏み込んだから(いい悪いではなく)、中国は厳しい対応を取っているのでしょうに。(「石破降ろし」についで、今では「高市死守」に躍起の「毎日」なんですね。阿保草)
日中関係こじれる 高市総理「台湾有事」答弁
日本と中国の関係がこじれています。きっかけになったのは高市早苗・総理大臣の発言です。高市さんは7日の衆議院予算委員会で、中国が台湾の海上をふさいだ場合についての質問に「戦艦を使って武力の行使を伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうる」と答えました。台湾を中国の一部とする「一つの中国」を原則とする中国は、高市の答弁に激しく反発しています。
これまでの日本の政権は、存立危機事態について「個別の状況に応じて総合判断する」と説明し、中国が武力で台湾を統一しようとする「台湾有事」とは直接結び付けませんでした。前の総理大臣の石破茂さんは、高市の答弁について「台湾有事は日本有事だ、と言っているのにかなり近い話だ」と語り、これまでより踏み込んだと受け止めます。
中国が訪日自粛呼びかけ
高市さんの答弁に対し、中国の薛剣(せつけん・駐大阪総領事は8日にXで「勝手に突っ込んできたその汚ない首は一瞬の躊躇(ためらうこと)もなく斬ってやるしかない」と投稿しました(のちに削除)。中国外務省は14日か、中国の国民に対たいし、しばらくの間、日本を訪ずれることを自粛するよう呼びかけました。この発表で「日本にいる中国人に対たいする犯罪が多発している」と主張しましたが、具体的な根拠は示していません。中国で公開予定だったアニメ映画「クレヨンしんちゃん」の上映が見送られるなど、影響が広がっています。
話し合いは平行線
外務省の金井正彰・アジア大洋州局長は18日、中国・北京で中国外務省の劉勁松(りゅうけいしょう)・アジア局長と話し合いました。金井さんは、高市の答弁がこれまでの日本の立場を変えるものではないと説明し、答弁を撤回(取とり下さげること)しない考えを伝えました。薛さんの投稿に強く抗議しました。一方、劉さんは、高市さんの答弁の撤回を求め、両国の主張は平行線をたどりました。(毎日小学生新聞・2025/11/20)

他はコラム「春秋」です。ここにも「こじれた」という曖昧語が使われています。こじれているのは事実だとして、「こじれさせた」のはどちら(誰)か、それを問い質さなければ、事の推移は明らかになるまい。中国の外交官の汚い発言は論外、だからそれをはっきりと指摘し、厳重に抗議しなければならないが、問題の発端は、あるいは「核心」はそこにあるのではないでしょう。衆議院予算員会の岡田克也議員(元外相)と首相の「質疑」を数回にわたって聞き及びましたが、どうしてそこまで首相は「能弁」「雄弁」「多弁」に言葉を継いだのでしょうか。「私はこれだけ知っている」と他言・多言したかったのだとしたら、なんというお粗末の君だったろうか。この程度の人間が「首相でございます」と言うのは、ぼくにすれば「国辱もの」ですね。時と所をわきまえないなら、それは責任ある人の言動とは言えないでしょう。言えない、言うべきないことを「衆人環視」で、これ見よがしに「中国何するものぞ」とばかりに畳み込んだのですから、岡田克也氏は「軽々に口にするべきことではないでしょう」と窘(たしな)めたにもかかわらず、言われる意図(親切心)が通じなかったのですから、悲しさ一杯。
【春秋】こじれた日中の行方は 妹を救うため、兄が鬼の首を斬る闘いに挑む。アニメ映画「鬼滅の刃(やいば)」最新作の世界興収は邦画で初めて1千億円を超えた。先週封切られた中国では前売り券だけで売り上げが数十億円に達し、待ちわびた観客が劇場に列をなした。日本の漫画やアニメは国を超え、相互理解を育てる架け橋でもある▼「勝手に突っ込んできたその汚い首は斬ってやるしかない」。大阪の中国総領事がSNSに書き込んだ一文は、アニメに登場する剣士のようなせりふだった。ふざけたわけではあるまい。国を代表する外交官の言葉として、あまりにも度を越えている▼きっかけは、台湾有事を巡り、高市早苗首相が「存立危機事態」になり得ると述べた国会答弁。歴代政権が積み重ねた見解を踏み越えた、不用意で不必要な首相発言に中国は猛反発した。総領事の投稿もその一つだ▼本国では日本への旅行や留学の自粛を求め、映画「クレヨンしんちゃん」最新作は公開延期になった。「オラの映画、見てほしかったゾぉ」としんちゃんも嘆いているだろう▼首脳同士が握手を交わし、建設的で安定的な関係をつくろうと合意したのはつい先日のことだ。両国の溝がこれほど急速に広がると、誰が予想しただろう▼幸い、それぞれの国民の多くは落ち着いて事の推移を見守っている。小さな往来を守り、重ねることを絶やしたくはない。不毛な対立を、政治の知恵で収めてほしい。(西日本新聞・2025/11/19)

コラム「春秋」氏は、「幸い、それぞれの国民の多くは落ち着いて事の推移を見守っている」と、大人びた態度で書かれています。その「謂」は汲みますが、はたして「多くは落ち着いて」見ているのでしょうか。貴紙の所在地出身の「大政治家」は自他ともに「現首相」の生みの親を任じているし、「産んだら育てなきゃ」と減らず口を叩いておられる。この御仁は、これまでにもしばしば「国益」を損ねてきました。御紙は誰よりも、そのことをよくご存じです。乾坤一擲(いちかばちか)、この際に、「超高齢者(副総裁)」に向かって、国益尊重の一意専心から、議員引退を唆(そそのか)されませんか。迷走する我が国政道一のためにも…、と余計なことながら。
*蛇足 それにしても、マスメディアは「対中戦争」を煽ってるんですか。まさに「天に唾する」と言うほかない。政治家に狂気が感じられれば、それを少しでも鎮め、諫め、諭し、宥(なだ)めて、事なきを得るというところにもっていかねばならぬのに。「平和」だとか「戦争放棄」などと、無数の屍(しかばね)の上に築かれた、この国の「国是」をいとも簡単に踏み躙っていてどうすんですか。いいかげんにしてほしい。アメリカは「台湾有事」(台湾関係法による)にはまず参加しないのだから。彼の国は、そのために日本国を守るなど、金輪際あり得ないのは、火を見るよりも明らか。血迷ってはいけないですよ。

(「本音のコラム」(東京新聞)の「本音」は一本筋が通っていましたね。斎藤さん、ぼくは特に贔屓筋ではありませんけれど、こういう「コラム」こそ読みたくなるもので、新聞各社の「御用聞きぶり」が情けなくなるのですから、欠ける言葉もないし、「中国と戦争すべきですか」と問われて、「ぜひとも」などと答えている者の数字がゴミの山に見えてくるまで、集計するのは止めにしなければ。聞かれていることの子細は理解できず、聞く方も、「何を聴いているんだか」と言う為体(ていたらく)ですから、一丁前に「世論調査」などと言ってほしくないね。
(「台湾有事で集団的自衛権の行使」の意味が分かっているのか。首相が安易に踏み込み、中国の対応への反感から、国民もイケイケドンドンの恐ろしさ。安直な質問も含めて、大メディアの報じ方も大問題だ」日刊ゲンダイ・2025/11/18)。みなさん揃いも揃って、「お花畑」なんですか?
IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII





































