
どこの国のどの放送局(企業)にも起こりそうな事件(権力闘争)がBBCでも生じていたということでしょうか。アメリカ大統領の演説を恣意的に改竄編集し、「いかにも民衆(支持者)を扇動して『議事堂』に導いたかのように」制作・放送したというものでした。どうして、わざわざ、手の込んだ編集改竄までしなければならなかったのか、問題の根っこはそこにあるということらしい。これは数ある問題の一つ、その一つがきっかけになって、今回の騒動が表ざたになったということでしょう。つまりはBBC内における、長期間にわたる権力闘争の存在が、この「パノラマ」報道において顕在化したということです。問題はしかし、二つに分けて考えるべきであるという論調が、あるいは問題の構造を明らかにするのかもしれません。中には理事会側と編集側の闘争だと断定する向きもあります。それはぼくの関心の外です。(右写真:ティム・デイビー会長(左)とニュース部門トップのデボラ・ターネス最高経営責任者(CEO)(右))
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(表題句「さびしさに宿を立ち出でてながむればいづく(こ)も同じ秋の夕暮れ」は良暹法師作)(◎ りょうせんリャウセン【良暹】=平安時代の歌人。後朱雀・後冷泉両朝頃の人。比叡山の僧で祇園別当となった。橘俊綱家歌会に参加し、賀茂成助・津守国基・橘為仲らと交流。私撰集「良暹打聞」を編み、家集も存在したが、いずれも現存しない。「後拾遺集」以下の勅撰集に三一首入集する。生没年未詳)(精選版日本国語大辞典)「秋の夕暮れ」とくれば、新古今の「三夕(さんせき)」を素通りするわけにもいきません。それぞれの好みは好みとして、以下に。「秋上」の第五。寂蓮の「さびしさはその色としもなかりけりまき立つ山の秋の夕暮」、そして西行の「心なき身にもあはれはしられけり鴫(しぎ)立つ沢の秋の夕暮」、定家朝臣の「み渡せば花ももみぢもなかりけり浦の苫屋の秋の夕ぐれ」と並びます。(ここでいくらかの駄弁を弄したいのですが、いかにも場違いの感がして、言葉が出てくる気配もありませんので、いずれまたの折に)
(余談 伝によると、良暹法師は山城国愛宕郡(おたぎのこおり)の生だという。晩年は洛北大原の雲林院に隠棲したとも。京都に住みなしていた時代、殊に中学に上がる前には、愛宕山近辺を走り回っていました。それだけで、とても地理的にも懐かしさを覚えてしまいます)
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部外者として、何かを言うつもりはありません。BBC(公営放送局・public broadcasting)と雖(いえど)も企業ですから、とうぜん権力争いはあるでしょう、その影響が番組編成に及ぶこともあるのですから、ことさらに声を荒立てる必要はないのですが、それにしても「BBCよ、お前もか」という気もします。劣島国にも、同じような「公共放送(みなさまのN✖K)」はありますが、今ではほとんど官営放送(government broadcasting)になった嫌いがあるでしょう。ぼくはほとんどこの「官営放送局」の番組を観ることはありません。ただ拙宅にはテレビ受信(像)機がありますから、年間の受信料は支払い続けています。気分としては支払い拒否の側に傾いてはいますが(N国党支持者ではありません)、かみさんがよく見ているようですから、規則に従うだけのこと。この放送が「まともに権力側の介入」を受けて、番組内容にまで「忖度」を及ぼしていたという、かなり怪しい状況が十年程前から続いています。今では、「偏向」が当たり前の「売り」「推し」になってしまっているようです。何しろ「会長人事」から「年度予算(その他)」まで、その承認は国会議決されるのですから、時の権力の威光(意向)を無視はしないでしょうけれども「不偏不党」などという、著しい偏向報道は厳しく諫められてきたという経緯があります。(権力の「意向」を汲めということの意)

この問題の質や程度にはいろいろと彼我の違いはあれ、我が方の「官営放送」と英国の「公共放送」とでは、その差異は質的に違うと考えています。政治権力に従順であるか、それとは一線を画して自立し得ているかどうか。BBC問題の全容がまだわからない段階ですから、余計なことは想像しない方がいいという判断がぼくに働いていると思っています。いかにも奇妙なのは「生(素)のままの米大統領の姿や発言(言動)」をそのままに報じるだけで、この人物は「どういう存在か」と多くの視聴者は判断できる能力があるだろうに、どうして「改竄」してまで「暴力的人物」に仕立てて見せる必要があったのか。つまりは、そうなったのは放送局内部の抗争が絡んでいたからだとするなら、それはそれで、別の次元の問題であり、それに応じた処置がとられるだろうということでしょう。今の段階でぼくが考えているのはこれだけです。これまでなにかと世界規模の「ニュース」報道に際してはBBCに依拠してきた手前もあり、この先の成り行きに関心を持ち続けたいと思います。
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(参考までに:「BBCの「地殻変動」 会長ら辞任で上層部の亀裂あらわに ケイティー・ラザル文化・メディア編集長 これは地殻変動だ。BBCの会長とニュース部門トップの最高経営責任者(CEO)を同時に失うなど、前例がない。BBCの歴史において、極めて異例の瞬間だ。 その影響は過小評価できない。 表向きは、ティム・デイヴィー会長の辞任はある程度、理にかなっている。 デイヴィー氏はこの重圧のある職に自分がいつまでとどまりたいのか、自問自答しているのではないか――。私は以前から、そう思っていた。 今年に入り、物議をかもすさまざまな問題が積みあがる中で、私は何度か彼をインタビューした。彼は普段、「くまのプーさん」に登場するティガーのようなエネルギッシュな人だ。しかし、私がインタビューした時は、様子が違った。 辞任声明の中で彼は、「この激動の時代に長年にわたりこの役職を担うことは、個人的にも職業的にも負担が非常に大きい」と述べた。 両氏の辞任は、ドキュメンタリー番組「パノラマ」について、連邦議会襲撃事件の前のドナルド・トランプ米大統領の演説に対する編集によって、視聴者に誤った印象を与えたと批判されたのを受けたもの。 デイヴィー氏はすでに、パレスチナ・ガザ地区に関する2本のドキュメンタリーをめぐる問題や、英パンクデュオ「ボブ・ヴィラン」が物議をかもすパフォーマンスを見せた音楽祭「グラストンベリー・フェスティバル」の生中継をめぐる危機的状況に直面していた。 そうした中で、また新たな論争が勃発し、彼はもう手に負えないと感じたのかもしれない。もう一度戦えるほどの余力が、彼には残っていなかったのかもしれない。私はそう見ている。(以下略)」(BBC・2025/11/10)(Katie Razzall: A seismic moment that shows rift at top of BBC)(https://news.yahoo.co.jp/articles/c438c80fae15f79a5ca8f3e106fa8ee9b5bfe8cf)

◎ BBC(ビービーシー)British Broadcasting Corporation= イギリス放送協会。イギリスの公共放送機関。前身は 1922年ロンドンでラジオ放送を開始したイギリス放送会社で,1927年に公共企業体に改組し BBCが設立された。以後 1955年に商業テレビジョン(ITA,今日の Ofcom)が導入されるまで,イギリスの放送事業を独占していた。地上波テレビジョン 2系統の全国放送を実施するほか,衛星放送などで 24時間ニュースサービスや議会中継などを行なう。ラジオでは地上波の全国放送が 5系統あり,30都市でローカル・ラジオ局を運営している。財源は受信料収入が大部分で,受信料は政府が徴収し,必要経費を差し引いたのち,BBCに交付される。また 1971年に開校したオープン・ユニバーシティが,BBCの番組で通信教育を行なっている。このほか,政府の交付金によって実施している国際放送は世界でも最大級の規模をもっている。(ブリタニカ国際大百科事典)
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≪英BBC会長が辞任、トランプ氏演説を誤解招く形で編集 ロンドン(CNN) 英公共放送BBCで、米国のドナルド・トランプ大統領の演説を誤解を招く形で編集したとされるスキャンダルが拡大し、報道の公平性や偏向をめぐる大きな問題に発展する中、BBCのトップ2人が9日辞任した。/ 辞任したのは、ティム・デイビー会長とニュース部門トップのデボラ・ターネス最高経営責任者(CEO)。辞任の前には、BBCの番組内で、トランプ氏による2021年1月6日の演説について、暴力を直接呼びかけたように編集していたことを示す内部文書が流出していた。
デイビー氏は同日午後、職員宛てのメモで、辞任について「完全に自身の判断」だと述べ、BBCの過ちについて会長として最終的な責任を負うと説明した。ターネス氏もBBCの番組「パノラマ」で制作されたドキュメンタリーをめぐる論争が組織そのものに損害を与える段階に達したとして辞任を表明し、「最終的な責任は私にある」と述べた。/ 英紙テレグラフが報じたところによると、問題の発端は、BBCの編集基準を助言するマイケル・プレスコット氏による内部調査メモだった。プレスコット氏はメモの中で、BBCが昨年、トランプ氏の演説を「改ざん」して放送し、トランプ氏が暴徒をあおり「地獄のように戦う」ために彼らと一緒に歩くと発言したかのように見せかけていたと指摘した。/ 実際の演説でトランプ氏は、「国会議事堂まで歩いて行き、勇敢な上院議員や下院議員を応援するつもりだ」と語っていた。

トランプ氏は辞任の報道を歓迎し、腐敗を「暴露」したとして、テレグラフ紙に謝意を示した。/ ホワイトハウスのレビット報道官はBBCを「100%フェイクニュース」「プロパガンダ機関」と非難した。レビット氏は9日、X(旧ツイッター)で、テレグラフの記事の見出しとBBCの辞任発表を引用して投稿した。/ BBCの運営資金の大部分は、英国でテレビを所有しているか、ストリーミングコンテンツを視聴しているすべての世帯から毎年支払われる174.50ポンド(約3万5000円)の受信料によって賄われている。公共放送局として、BBCは編集の独立性と公平性に関する基準を順守している≫(CNN・2025/11/10)
(以下は、BBCの放送番組です)
【解説】BBCはどう運営されているのか 会長辞任との関係は(2025年11月13日)
ドナルド・トランプ米大統領の演説に対するBBC番組の編集が問題視され、BBC理事会も「判断の誤り」を認めた問題で、ティム・デイヴィー会長とニュース部門責任者のデボラ・ターネス氏が辞任した。
これについて、BBCが運営がどのように行われているか、そして今回の問題にBBC理事会がどうかかわっているのか、ロズ・アトキンス分析担当編集長が説明する。(制作:カテリーナ・カレリ・グラフィック:メスート・エルソズ)(https://www.bbc.com/japanese/articles/cd04xn9zpkmo)
BBC会長辞任に至ったトランプ氏の演説動画編集問題 視聴者の反応は(2025年11月13日)
ドナルド・トランプ米大統領の演説に対するBBC番組の編集が問題視され、BBC理事会も「判断の誤り」を認めた問題で、一般の視聴者がさまざまな感想を、電話参加型のBBCラジオ番組に寄せた。
また、かつてBBCの監督機関だった旧BBCトラストの会長で、保守党幹部や最後の香港総督などを歴任したクリス・パッテン氏は、イギリスという国の特性として、公共放送を始めとして、何かとても上手にやっていることがあると、それをひたすらたたく国民性があると話した。/BBCのデイヴィッド・シリトー芸術・メディア担当編集委員が報告する。(https://www.bbc.com/japanese/articles/cx2y3x39396o)
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