
古来、「虎の尾を踏む」と言います。十分に見極めもせず、きわめて「危険」な言動に及ぶことを指しました。「易経」に出る言葉。「「虎の尾を履
むも人を咥
わず(虎の尾を踏んでも、かみつかれない)」と。あるいは「龍の髭を撫(な)でる」と並び使われ、愚かにも敵を知らない危険極まる行為を諫(いさ)める諺にもなりました。今般の日本首相の「存立危機事態」発言は、まさにこの両方の「諺」の典型のようなものでした。どうして、「存立危機事態」を齎(たら)す国は「中国」であるといったのか、空気を読まないどころか、空気を吸わないばかりの自殺(自虐)行為であったというほかありません。「強がりはよせよ」「いきってるんじゃない」と張り倒してやりたいほどに、この御仁は「軽薄」「浮泛(ふはん)」でしたね。

きっと、この人は一端、緩急の事態が生じても「背後(隣)に米国が」と信じ込んでいるようですが、これまた「筋違い」「読み違い」と言うべき空言でしかないのです。アメリカはこの国を助けることなど断じてしない。具体例はいくらでもある。自らの「国益」にかかわる場合を除けば、そんな馬鹿なことはしないのが、アメリカの真骨頂です。つまり、ここでも「奈良の女性首相」は「虎(ンプ)の威を借りた狐(フォックス)」を演じたのでしょうけれど、虎は化かされなかった。目を覚ましなさいと、本当に誰かが頭をドヤさなければ「逆上せ」が冷めそうにありません。しかし背後にいるのが「口の歪んだ元総理」ですから、どう転んでも展望はないでしょう。では、どうしますか?「発言を取り消す」しかないようです。当座を凌ぐために口から出任せを言って、ことを更に面倒なものにしないためには、それしかないでしょう。「従来の政府見解と変わらない」と強弁するのも「詭弁(sophistry)」、「屁理屈」でしかありません。「誤魔化し」はいいかげんに止めておかないと。(ヘッダー写真=高市総理 「存立危機事態になりうる」発言撤回せず|TBS NEWS DIG・ 2025/11/10)(https://www.youtube.com/watch?v=gGniULlwgYM)
【社説】日中の対立 中国の冷静な対応不可欠
日中関係のきしみが急激に増している状況を憂慮する。過度に緊張を高める姿勢は、両国の国益を損ないかねない。中国の冷静な対応を求めたい。/中国が台湾に武力侵攻する「台湾有事」は、日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」になり得るとした高市早苗首相の国会答弁を巡って、日中間の応酬が続いている。/中国側は、孫衛東外務次官が金杉憲治駐中国大使を呼び出し、答弁を「極めて悪質」と非難して撤回を求めた。/さらに中国は、国民に当面日本への渡航を控えるように求めたほか、日本留学も慎重に検討するよう勧告するなど、対抗措置を相次ぎ打ち出した。/渡航自粛は、訪日客に頼る日本の観光業を狙った措置とみられ、既に中国の複数の大手旅行会社が日本旅行の販売を停止した。ビジネスや交流の停滞も心配される。
高市氏と中国の習近平国家主席が10月の首脳会談で確認した、「戦略的互恵関係」の推進という考え方とは相いれない状況だ。緊張緩和を急がなければならない。
中国は、台湾を不可分の領土とする「一つの中国」原則を掲げ、「核心的利益」とする台湾問題では譲歩しない姿勢を貫いている。/高市氏の答弁は、その繊細な台湾問題に踏み込む内容で、日本政府内でも「緊張を高めるだけの不用意な発言だった」との見方が大勢を占める。答弁に、より慎重さが必要だったといえる。/とはいえ、その後の中国側の反発は、日中関係が改善をみせていた近年では異例の強硬なものだ。/中国政府やメディアは、高市氏の答弁に激しい批判を繰り返す。/「中国人に対する犯罪が日本で多発している」といった根拠を示さない主張もある。/今後の両国関係の発展を阻害しかねない発信だ。中国は国民の反日感情をいたずらにあおることは慎むべきである。/首相答弁を受け、中国の駐大阪総領事が交流サイトで「汚い首は斬ってやる」などと投稿したことに関し、自民党が総領事のペルソナ・ノン・グラータ(好ましからざる人物)通告に言及した決議を首相官邸に提出した。/この総領事が参加を予定していた広島市での日中友好行事を中国側が中止するなど、影響は広がり始めている。
こうした中、外務省の金井正彰アジア大洋州局長は18日、高市氏の答弁を巡り中国側と北京で協議に臨む。金井氏は、答弁が日本政府の従来の姿勢を変えるものではないと説明し、日中関係への影響を避けるよう訴える見通しだ。/歩み寄りは容易ではない。それでも立場の違いを認め、対話を重ねることでしか互恵関係は築けない。そのことを肝に銘じ、両国は協議を前進させてもらいたい。(新潟日報・2025/11/18)

新潟日報の「社説」は、今回の問題発生に関して、果たして条理を尽くした上で理解しようとしているでしょうか。ぼくにはそうは思われない節がいくつもある。「日本の首相発言も慎重さに欠けていた」が、相手の反応も常軌を逸しているから「中国の冷静な対応を求めたい」と言うのですね。まるで「どっちもどっち」のような無責任な言いがかりに聞こえます。そもそも、これは「喧嘩」なんですか。仮にそうだとして、その原因は何処にあり、なんでそれがここまで大事(おおごと)になりつつあるのでしょうか。あるいは、日本の総理大臣が中国に「喧嘩を売った」ということでしょうか。その売られた喧嘩を中国が買ったということになるのですか。そして、それでも「喧嘩両成敗(both parties in a fight are punished)」ということになるのかどうか。
ぼくは中国の肩を持つのではありません。理非曲直を問題にするなら、どう考えても首相発言は「いいがかり」であり、だからそれは「勇み肌」、いや「勇み足」(「調子づいて、やりすぎたり、仕損じたりすること」デジタル大辞泉)でしたね、というわけ。確かに、言いすぎ(exaggeration)でした。余計なことを言ったまでに、事は簡単には収まらないところにまで進んだのでした。メンツ・面目(reputation)もあるのでしょうが、いまさらそんなものを気にかけてどうします、「前言撤回」するしかないでしょう。「撤回」の方法は幾つもある。それを考えることが何よりも両国の関係を荒立てないために求められます。

◎ 喧嘩両成敗(けんかりょうせいばい)= 喧嘩で暴力を行使した者双方に対し,理由を問わず同等の刑を科すこと。戦国大名による喧嘩両成敗法に顕著な法理で,その源流は室町幕府の故戦防戦(こせんぼうせん)法や成員相互の武力行使を禁じる国人一揆の盟約などにある。中世社会では,実力行使によって紛争解決をはかる自力救済観念が強く,個人間の紛争はただちに帰属する集団相互の私戦に発展した。喧嘩両成敗法の狙いは,諸集団の実力行使を否定し大名の裁判による解決をうけいれさせることにある。当事者双方に均等な被害を与えて終結をはかる衡平観念は,加害者側から被害者側へ下手人(げしゅにん)を引き渡す慣習など中世人に共通のもので,紛争に際し近隣有力者が調停にあたる中人(ちゅうにん)制の慣行もかかわる。(山川日本史小辞典改訂新版)
◎ けんか【喧嘩】 を 買(か)う=① しかけられた喧嘩の相手をする。② 他人の喧嘩に関係して、それを引き受ける。好んで喧嘩の相手になる。(精選版日本国語大辞典)
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表向きは、公明党が四半世紀を超える「連立」から離脱したことになっていますが、その実は「離脱」を仕向けたのが首相側だったことは明らかです。事の経緯は措くとして、この間、公明党は自民党の「下駄の雪」などと、あらぬ揶揄(ridicule)に揶揄を重ねられながら、政権内にとどまっていました。もちろん、そうせざるを得ない公明党側の事情(深い闇)があったことによりますけれど、それはともかく、さて「連立離脱」した途端に、自民党のこの醜態です。あろうことか「半グレ・半端もの政党」との野合で、拳を振り上げたというのでしょう。この事態を受けてみれば、公明党は「下駄の雪」だったのではなく、「下駄」そのものだったと評価され直されてくるでしょう。危険な自民党の政治判断に、多分公明党はいくらかの「ブレーキ」役を果たしてきたし、それがために公明党は「初心(「平和と福祉の党」)を放棄した」とまで非難されてきました。(左・公明新聞:2025/11/14)
そのブレーキ」役がなくなり、自民党という「ヤクザ政党」は、維新と言う「半グレ」と手を結んだ(評論家佐高信氏の表現)。つまり、ブレーキ役の代わりにアクセルが加わったという始末。この野合(馴れ合い)を「ダブルアクセル」というらしい。「2回転半」です。自民党は「2回転半」を成し遂げて「右翼に」なったことを示しましょうし、やがて、これにさらに「国民❍×党」や「参✖党」が加わって「トリプルアクセル(3回転)」を成功させようという構え(stance)です。「極右政党」へ、もう一歩(一回転)のところに来て、首相の「(呆れた)発言」が出ました。回転ではお手の物である「フィギュアスケート」の世界では、今や「クワッドアクセル(4回転半)」を成功させた選手が現れたと言われています。自民党 「T(お粗末) 内閣」は、それに追いつこうとしているようです。そこに至れば「超々右翼」の「政治的シンクレティズム(syncretism)」、つまるところは「ごちゃまぜ(ごった煮)政党」の完成(陥穽)です。四分五裂は不可避で、政治の混迷は透けて見えるし、この混乱はかなり長く続きそうであると、ぼくにだって想像できます。あるかななきかの「ガラスの天井(glass ceiling)」を破った、あんたは凄いなどとと囃し立てられての狂喜乱舞、それは「自分一個」に限定にしてほしいものです。
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◎ 武力攻撃・存立危機事態法(ぶりょくこうげき・そんりつききじたいほう)= 平成15年法律79号。正式名称「武力攻撃事態等及び存立危機事態における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」。2003年有事関連3法の一つ,「武力攻撃事態等における我が国の平和と独立並びに国及び国民の安全の確保に関する法律」(武力攻撃事態対処法)として成立し,2015年改正,名称変更した。日本の平和と独立,国民の安全を守ることを目的とし,他国からの武力攻撃への対処に関して,基本理念,政府や地方公共団体などの責務,手続きなどを定める。「武力攻撃事態等」とは,実際に武力攻撃が発生した事態および発生が切迫している事態(武力攻撃事態)と,武力攻撃が予測されるにいたった事態(武力攻撃予測事態)の両者をさす。また 2015年の改正で追加された「存立危機事態」とは,日本と密接な関係にある他国に対する武力攻撃により,日本の存立が脅かされ,国民の生命,自由,幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態とされ,これへの対処を認めることにより集団的自衛権の行使を可能にしている。武力攻撃事態等や存立危機事態が生じた場合,政府は対処基本方針を決定し,対策本部を設置する。対処基本方針には,武力の行使が必要な理由も記載される。自衛隊に防衛出動を命ずる際は,原則として国会の事前承認を要する。ほかに,地方公共団体に対する指示権や代執行権(→代執行)など内閣総理大臣の権限強化,自衛隊の行動の円滑化,アメリカ軍への支援などについて規定し,国民にも必要な協力をするよう求めている。(→有事法制)(ブリタニカ国際大百科事典)
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