
海を渡るチョウ「アサギマダラ」 伯耆町の花畑に今シーズン初お目見え 海を渡るチョウとして知られるアサギマダラが21日、フジバカマが咲く伯耆町丸山の花畑に今シーズン初お目見えし、待ちわびた愛好家らが写真に収めた。/アサギマダラは羽を広げた大きさが10センチほどで、茶色に縁取られた薄水色の模様が特徴。初夏にかけて日本に飛来し日本列島を北上、秋に南下して台湾など南方に渡る。2千キロを旅するチョウともいわれる。/花畑は、大山ブナを育成する会(吉岡淳一会長)が2019年から旅の休息地にと整備。昨年はフジバカマが連作障害で枯れ、今年はダンプカー5台分の土を入れ替えてフジバカマとヨツバヒヨドリを植えた。/この日は5匹前後が吸蜜しながら花の間をふわりふわりと舞った。今月初めから楽しみにしていたという同町内の男性(72)は「色合いがきれいでロマンを感じる」と目を細めた。/吉岡会長(82)は「心待ちにしていた。例年より2週間遅れ。しばらく飛んでほしい」と話した。(日本海新聞・2024/20/21)(ヘッダー写真も:https://www.nnn.co.jp/articles/-/409705)
*「“旅する蝶”と呼ばれる…『アサギマダラ』が三重県御浜町に飛来 秋になると北から南へと1000km以上移動」東海テレビ・2024/10/21)(https://www.youtube.com/watch?v=3LEowb6vKAs&ab_channel)

⦿ アサギマダラ(Parantica sita)= 鱗翅目マダラチョウウ科の大型のチョウで,開張は10cm前後に達し,翅は非常に横長である。和名は浅黄色(丹青色)をしたマダラチョウの意である。淡青色の斑紋は前・後翅ともにあるが,地色は前翅が黒色,後翅は栗色である。インド北部,マレー半島をはじめ,東アジアの温暖な地域に広く分布し,日本全国で採集されている。年3~5回の発生。1981年に成虫の長距離移動の実例が確認された。すなわち,キジョランなどガガイモ科の常緑植物の豊富な暖地林で発生し,ここを根拠地とし,ここでおもに1~2齢幼虫が越冬する。5月ころ羽化した成虫の一部が北地,寒地へ移動を始め,おもにガガイモ科のイケマに産卵する。9~10月にかけて,北地や高地の成虫は南下し,根拠地へ向かうものと推測される。近縁種にリュウキュウアサギマダラIdeopsis similis,ウスコモンアサギマダラTirumala limniaceがあり,迷チョウとして九州などで採集されるが,アサギマダラより小さく,斑紋が細かいことで区別される。(改定新版世界大百科事典)

2週間で長崎から台湾へ 旅するチョウ「アサギマダラ」 バイオパーク・伊藤園長 飛行ルート調査 長距離を渡り「旅するチョウ」として知られるアサギマダラ。長崎バイオパークの伊藤雅男園長(62)が10月に長崎市野母崎樺島町から放った1匹が、2週間後に約1400キロ離れた台湾西部の離島、澎湖(ほうこ)諸島で見つかった。研究者や愛好家らの間では、長崎県上空を飛ぶ「日本海ルート」の存在が知られており、伊藤園長は「澎湖諸島に到達か中継地点とされる説が強まってきた」としている。/アサギマダラは羽があさぎ色(薄い藍色)で体長約10センチ。日本や台湾、韓国などに生息しており、春に北上、秋に南下する。長野県など本州からの飛行ルートは、関門海峡を通る「日本海ルート」のほか、四国などの海岸沿いから台湾へ向かう「太平洋ルート」があるとされている。/伊藤さんは1997年から計8万5千匹超のチョウの羽に印を付けて飛行ルートを調査。今年は県内の山中から約1600匹を放った。今月9日に台湾の調査員によって再捕獲されたチョウは、10月26日に印を付けた130匹中の1匹。今回を含み台湾で見つかった12匹のうち11匹が澎湖諸島という。/伊藤さんは「羽を傷つけながら飛んでいる姿を想像すると感動する。今後もルートについて詳しく解明したい」と話した。(長崎新聞・2023/11/23)

世界(地球上)には驚くべき事々があります。自然現象(存在や現象)、言ってしまえばそれだけですけれど、その「自然」のほんの表面に一部に住みだしていくらも経たない人間が、あたかも「地上(世界)の王」のような振る舞いを何時から始めたのか、それも、十分に歴史的には解明されてはいません。今でも、都会のど真ん中に「旧石器jん」や「縄文人」が住んでいるともいえますし、そのような祖先とはおよそかけ離れた「凶悪無二」の新石器人が生息しているという錯覚を持っています。
ぼくは、毎年この時期になると、とても気になる「現象」「存在」がいくつかあり、それを楽しみに、あるいは恐ろしいものと待ち構えながら、待望したり、忌避したりして生活しています。「自然環境」と一口に言っても、ぼくたちには謎だらけ、それを解明しようという悪戦苦闘が人間の探求心の為せる業だということもわかりそうです。どれだけ解明できたのか、ぼくには皆目見当もつきません。しかし、少なくとも政治や経済の面においては、すべては「手の内」だという狂った感情で動いているという禍々(まがまが)しい事実を否定できはしないのです。無辜の民がクラス譲許や病院、学校や公共広場に、それこそ無差別にミサイルを撃ち込む。まるで広島や長崎の原爆投下が今も繰り広げられているのだと、底なしの凶悪をぼくたちは、同時代人として目にしています。どうして人間はおろかなのか、故人としても集団としても。この解き明かせない難題に挑戦し続けるのもまた、人間以外にはないのです。
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しかし、どこまで行っても謎は残ります。その謎こそが、人間存在の在り方を幾重にも決めて来たのではないでしょうか。この小さな蝶々の生態や生活圏にかかわるすべてがわかっていません。極東の狭い範囲での軌跡にようやく光が当てられかけてはいますが、この地域以外ではどうなっているのか、まだまだ解明されない部分が残されています。長崎新聞(昨年11月の記事)が紹介している伊藤雅男さんは、このチョウの生態を調べるべく三十年近くにわたり、なんと8万5千匹の翅(はね)に標・印にをつけて、その飛翔範囲を追及されているという。このチョウにして、この研究者あり。それが「人類の平和」にどんな貢献をしているのかとは問うまい。人間が人間である限り、何かをしたい、まるで山登りよろしく、「そこに謎があるからだ」というその探求心が、いい意味でも悪い意味でも、今ある地球の状況を齎してきたのです。

ぼくにはたくさんの「生物学」研究者の友人がいました。同じ学校の別の科に所属していた人たちです。彼や彼女から、ぼくは無知な人間として、たくさんの疑問や愚門を投げかけては失笑されていました。また、アメリカの生物学者のエドワード・O・ウィルソン(Edward O, Wilson:1929 – 2021)の著書から、語り尽くせないほどたくさんの学習をしてきたと思っている。この人は「生物多様性」、「アリの生態」その他、とても広い範囲に及ぶ研究を達成され、斯界(しかい)に限らない範囲に何かと刺激を与えてきた人です。「この昆虫に、この研究者あり」というテーマでたくさんの書物が出来上がっている、そのうちの一人です。
この地球上にどれくらいの生物が生息(存在)しているか、まったくわかっていません。数百万種類と言われていますが、それは人間の手・目の届く範囲を類推しただけの数字です。あるいはその数十倍はいるかもしれないし、新たな新種がぼくらの知らないところで誕生しているかもしれません。よく「レッドリスト」だとか「絶滅危惧種」などと叫ばれます。それもこれも、人間が知る範囲に限定されているのですけれど、膨大な数の生物が、人間の知りうる範囲から姿を消しているのも現実でしょう。人間の生活が、どれほど多くの生物の存在を脅かし、「絶滅」に手を貸してきたことか。(そもそも、人類はそのリストに入らないのか)

一枚の写真に誘われて、よしなしごとを愚想してしまいます。一匹の蝶の生態を調べ、一匹のアリの生態を調べるのに、当事者は生涯を費やしても惜しくはないというでしょう。そのような研究の成果は、どこにその価値を見出されるのでしょうか。もちろん単純な事柄ではないのは分かりますが、結局は、この人間という不可思議なものの来し方行く末を確かめることにつながるのだとも言えます。乱暴な表現をすれば、ぼくたちのDNAの中には、アリやアサギマダラの痕跡が入っているかもしれないのですから、生物多様性の解明は、究極には人間の多様性に結びついていくのだろうとおおよその見当(direction)はつけている。ぼくの年中行事のひとつとなった感のある、アサギマダラの「飛来」に甚(いた)く心が騒ぐのも、どこかで「旅するチョウ」への憧れ(類縁意識)が潜んでいるからかもしれません。
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