いつもだれもが「明日は我が身」です

 台風25号で7人死亡、5人不明 千葉、神奈川で土砂崩れ 台風25号の影響で記録的な大雨となった千葉県と神奈川県は23日、それぞれ新たに1人の死亡を確認したと明らかにした。両県の死者は計9人となった。行方不明になっている4人の捜索が続いた。千葉県佐倉市で高崎川が氾濫し、広範囲に浸水するなど住宅被害は約500棟に達した。県が管理する道路だけで約120台が水没するなどの被害に遭った。
 千葉県によると、印西市で水没した車両の近くから60代男性が見つかり、死亡が確認された。県内の死者は6人となった。鴨川市でも60代と70代の男性の行方が分からなくなっており、自衛隊や消防隊が夜通しで捜索を続けた。
 神奈川県などによると、22日夜に行方不明になっていた同県三浦市の女性(35)が自宅から発見され、その場で死亡が確認された。県内では他に2人死亡しており、同市と横須賀市で2人の行方が分かっていない。(共同通信・2026/09/23)

(ヘッダー写真は読売新聞「台風25号による大雨で、広範囲に冠水したJR佐倉駅前」(22日午前9時52分、千葉県佐倉市で、読売ヘリから)=源幸正倫撮影)(読売新聞・2026/09/22)

 まるで「雨に呪われた房総半島」という図ですね。よくもよくも降りました。拙宅も降り続く雨と暴風の闇討ちで、まあ、「孤立一歩手前」状態にありました。21日午後6時半ころから、先ほど(23日午後4時過ぎ)まで「停電(Power outage)」でした。今風に言うと、「オフグリッド」で、何年振りかで、蝋燭で読書と遊びました。再読に及んだものは名コラムニストだった石井英夫さんの数冊。産経新聞コラム「産経抄」のなかなかの書き手でした。いろいろと教えられるところ大でありましたが、右も左もない、「私の主張」というものを見せてくださった方。あるいは、右折や左折の際には、十分に、注意を払いわき見はしないなどなぢ、たくさんの暗示も明示も受けてきた方でした。偏向・短絡の著しい小生には、暗がりの読書には、いかにもふさわしい書物と著者だったと思う。(右写真は石井さん)

 止むなく、一日「駄文録」が空きましたが、これを奇禍として、いささかでも、内容を伴って変身できるかどうか。我れながら、楽しみ半分、心痛半分。新たな台風発生の報を聴きながら、駄文「休載」のお知らせとお詫びです。今回の台風25号一過の被蓋に遭われた方々にはお見舞いを申し上げ、かつ犠牲になられた方々には深く哀悼の意を表します。(合掌)

<「産経抄」35年執筆 コラムニストの石井英夫さん死去 91歳、産経新聞元論説委員 長年、産経新聞の1面コラム「産経抄」を担当した元特別記者・論説委員でコラムニストの石井英夫(いしい・ひでお)さんが18日、老衰のため死去した。91歳。葬儀は23日、近親者のみで営まれた。/昭和8年、神奈川県横須賀市生まれ。30年、早稲田大学政治経済学部卒。同年、産経新聞社に入社し、札幌支局、社会部などを経て44年から論説委員兼コラム「産経抄」担当として平成16年まで35年間書き続けた。/同欄での洒脱(しゃだつ)かつ鋭い世相分析で、昭和63年に日本記者クラブ賞、平成4年に菊池寛賞を受賞した。著書に「日本人の忘れもの」「蛙の遠めがね」「コラムばか一代」など。/現代人が失いかけている日本の心を伝え、「鳥の目のような大きな視点と、虫の目のような細かいモノの見方を心掛けている」などと語っていた>(産經新聞・2024/12/29)

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 追加 台風25号の記録的大雨で、千葉県北部の印旛沼は水位が過去最高に達し、堤防2カ所が決壊した。独立行政法人水資源機構が23日までに発表した。1968年に管理を開始してから決壊は初めてという。人的被害はないが、住宅や田んぼなどが浸水している。排水ポンプで水位を下げ、県や国などと連携して早期に復旧させる方針。/ 構などによると、印旛沼は利根川水系の沼で、流域では総雨量300ミリ超を観測。22日午前4時半に佐倉市の水位計で基準点から5.04mと過去最高水位となった。決壊した幅は、いずれも約100mという。/担当者は「計画の想定を超える雨量だった。8月から続いた雨で土中の水分量が多かったことも一因ではないか」と話した。(共同通信・2026/09/23・17:07)

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うしろすがたのしぐれていくか(自嘲)

(声)認知症とともに 飼い猫で夫の笑顔と会話増える 主婦 杉山多(かず)子(千葉県 84)
 物忘れ、勘違いなどが目立つようになった夫は5年ほど前にMRI検査を受け、76歳で軽度のアルツハイマー病と診断されました。商社マンとして67歳まで働き、ゴルフや車、お酒を愛する前向きな夫がどうして……。ショックでした。
 ネットなどで調べ、効果がありそうな地中海料理や香辛料を毎日採り入れたり、パズルや数独も一緒にやったりしました。それでも症状は進み、運転もゴルフもやめ、行動範囲が狭くなりました。
 そんな中、弟夫婦のすすめで猫を飼うことに。「老人がペットなんて」とあきらめていましたが、今夏に一大決心。20年前に飼っていたころとは違い、戸惑うこともありますが、家の雰囲気が明るくなりました。夫は世話をする対象ができ、会話や笑いが増えました。前途は多難なのかもしれませんが、猫から元気をもらいつつ、この日常生活が少しでも長く続くよう願っています。(朝日新聞・2026/09/21)(連載「声」一覧:https://www.asahi.com/rensai/list.html?id=494&iref=pc_rensai_article_long_494_below_bn)

 本日は「敬老の日」だとか。あまり美しく思われていない「国民の祝日」ではないですか。このところ、メディアでも騒がれているのが「百歳以上、初めて十万人を超える」です。これはめでたいことなのか、めでたくないことなのか、多くの報道では「どちらとも、決めかねている」雰囲気が感じられます。何か言うと「後期高齢者医療制度」だの「社会保障費の増加」だのと、目くじらを立てて、といいたくなるような騒ぎぶりです。ぼくは、「本日で満八十二歳」です。だから余計に「敬老の日」が目障りになるのでしょう。この日が「敬老の日」だと、今この瞬間に気が付いた。迂闊だったのか、気づかなくともよかったのだろうか。認知機能の衰えはとっくに始まっています。

 高齢者と認知症 当地に越してきて間もなくのこと、血圧が相当に高いという自覚があって、近所のクリニックに行きました。担当医は、お決まりのように、一通りの検査をし、その結果を観ながら「高いですね、気を付けてください」といいながら、薬を処方してくれました。2週間おきぐらいに何度か通院しましたが、その際に、医者は親切心からだったと思うのですが、「あなたは、必ず認知症になります」と断言された。「どうしてか」などとは言わなかった。その言葉を聞いて、ぼくはクリニックを、直ちに出ました、もちろん診察代金は払って、です。以来、一度もそこにはいかなくなった。今から十年ほど前のことでした。

 これもどこかで触れましたが、昨年の夏だったと思う。拙宅に地域の「民生委員」と名乗る女性が来られた。用向きを尋ねると「役場から頼まれて、誰々さんの安否を確認してきてほしいといわれました」とのことだった。「誰々」とは小生のこと。その理由を訊くと「医療(健康保険)保険症を何年(一度も、だったか)も使っていないし、介護保険の申請も、一度もされていないので、もしや…」ということだった。わざわざ来ていただいたお礼を言いながら、お引き取りを願った。その後で、役場の担当者に電話をかけ、「医者にもかからず、介護保険の世話にもならないのは、健康(病気ではない)だということじゃないですか。ぼくは生きています。税金も納めているし」と。あなた方にはもっとやるべきことや、やるべき方法があるでしょとも言って、電話を切った。年齢を重ねれば、病気にもなる、あるいは、認知機能も衰えるはず、その両方が確認できないのだから「亡くなったのか」という、その浅慮・薄情な役場仕事に、ぼくは腹が立ちました。後日、他の用事で役場に行ったついでに、「健康・福祉」に対して、仕事に強い責任意識をお持ちのことは疑わないが、役場の吏員として、もう少し状況認識を改められたらどうですかと伝えたことがありました。 

 こんなことを言う人間(年寄り)は「認知症」であるといわれるのかもしれません。「認知症、上等!」といいたいくらいのものです。物忘れや、ちょっとしたことで骨折し、あるいは病気になる。そんなのは誰にも当たり前に生じます。もちろん「認知症」にも。多かれ少なかれ、人は年齢とともに衰える存在ですから、必要以上に大騒ぎをすること自体が問題だという気もします。かみさんは、現在、87歳目前。ある種の(短期)記憶保持力の減退が著しい。ぼくの実感では、認知機能全体を100とすれば、たぶん1か2段階で支障がありそう。それでも車の運転は止めていない。とても心配になるものの、まあ、今少しと、それこそ彼女の「楽しみの一つ」を奪うことができないでいます。彼女の「一面の老衰・老化」は、ぼくにとっての「鏡」にもなっている。もちろん、何歳になっても「心身ともに健全」という人も、稀なことでしょうが、居られます。

 しかし、最近、ある作家の最晩年の記録を読んで、ぼくはある種の恐怖を抱きました。「九十歳。何が目出たい」と、意気軒高を誇っていたと思われる作家の示した「最上級(最悪)の認知症」ぶりを実の娘さんが書かれていました。「それ(「くそババアの部分」)も含めて、「佐藤愛子」だという事実を著者は明確にしているのです。自宅で介護はもう無理と、施設へ入所させたのが、あるいは間違いのもとだったか。若いくして自分のことを自分でする、そんな生活を徹底して生きてきた作家には、「介護」生活は、あるいは地獄だったのかもしれません。想像を絶する、「反骨ぶり」を示して、110番や119番のお世話にもなったといいます。「まとも」とか「まともではない」という基準は、どこにあるのでしょうか。

 表題句は山頭火の作。この句に山頭火は「自嘲」と添え書きする。昭和6年末のことです(「行乞記」所収)。誰だって、自分の後姿(うしろすがた)を見ることはできません。他人ばかりが、それを見ては、とやかく言うのが世間でしょうか。だから山頭火氏は「本人には見えない背中(後姿)を見て、世の中はとやかく言うが、詮無いことよ」と、自嘲するほかなかったという次第です。「認知症」という一人の人間の「うしろすがた」もまた、自覚も意識も働かない、自分では責任を持てない部分なんでしょうね。そんな一人の人間の後姿に、先ほどから、姿そのものが消えるばかりに時雨(しぐれ)は降り注いでいる。

◎ 種田山頭火(たねださんとうか)(1882―1940)= 俳人。山口県防府(ほうふ)町(現防府市)に生まれる。本名正一(しょういち)。幼時の母の自殺が山頭火の生涯に大きな衝撃を与えた。1902年(明治35)早稲田(わせだ)大学文科に入学したが、神経衰弱で退学して帰郷。父と酒造業を営むが失敗し、家は破産。山頭火は熊本市で額縁店を開くが、家業に身が入らず妻子と別れ上京。しかし、定職を得ず、熊本に帰る。酒におぼれ生活が乱れた。1924年(大正13)市内の報恩寺で出家。法名耕畝(こうほ)。市北部の植木町味取(うえきまちみとり)の味取観音の堂守となった。1926年、行乞(ぎょうこつ)の旅を始め、山口県小郡(おごおり)(現山口市)の其中庵(ごちゅうあん)に住したが、行乞漂泊すること多く、諸国を巡り、1940年(昭和15)松山市の一草庵(いっそうあん)で没した。句は1913年から『層雲』に投句。漂泊中の作に特色がある。句集『草木塔』(1940)がある。(日本大百科全書(ニッポニカ))

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◎ 敬老の日(けいろうのひ)= 9月の第3月曜日。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」日。1966年(昭和41)「国民の祝日に関する法律」の改正により建国記念の日、体育の日(2020年(令和2)に「スポーツの日」と改称)とともに追加制定された国民の祝日である。/もとは聖徳太子が四天王寺に悲田院(ひでんいん)を設立したと伝えられる日にちなんで、1951年からとしよりの日、1964年から老人の日とよばれ、敬老行事が行われてきた。2001年(平成13)の改正により、9月15日であった敬老の日は2003年から9月の第3月曜日に変更された。また、老人福祉法の改正により、2002年から9月15日を老人の日、同日から21日までが老人週間と定められた。(日本大百科全書(ニッポニカ))

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「徒然に日乗」(1221~1227)


◎2026/09/20(日)台風25号の接近により、終日降雨が間断なくなく続いている。時に強く、時に弱く。最接近は明晩のようで、何んとか房総半島への直撃は避けられそうで、ぎりぎりで逸れてゆくような塩梅。72時間の雨量が450㍉と想定されている。8月お盆前の集中的豪雨と同じような凄さだ。なんとか、事なきを得ることだけを願っている。▼24日に米国で予定されている米中首脳会談。主題の一つに「AI暴走問題」があるといわれているが、議論されるのだろうか。両国の比較では、AI開発領域でも、いくらかの分野では中国が優位にあるともいわれている。その内容や議論の道筋の詳細が明かされることを願っている。その直前に日米会談も予定いされている。はたして、日本が米国の言い値で交渉に載ったとぼくなどは見ているが、ますます米国産武器購入のムダ金が、この国を疲弊させることになるだろう。(1227)

◎2026/09/19(土)「日経平均65,018.95 +882.70 NYダウ51,682.64 -95.40 ドル円156.86-88 +1.18円安 NY原油99.53 -2.38 長期金利2.985 -0.005」(日経新聞・2026/09/18)あの手この手を尽くしても、肝心の政府が「責任ある積極財政」の性悪看板を下ろさない限り、この流れは変わらない。米国の干渉に従うのか、孫結果、財政破綻を突き付けられるのか、どちらにしても「内閣は崩壊」し、日本経済は無残なことになるだろう。▼「大型の台風25号は、今日19日正午現在、小笠原諸島父島の西約270キロにあって、ゆっくりとした速さで西北西へ進んでいます。中心付近の気圧は975ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は30メートル、最大瞬間風速は45メートルで、中心から半径110キロ以内では風速25メートル以上の暴風となっています。また、中心の北東側には半径750キロに渡って強風域が広がっています。/台風は、小笠原諸島から遠ざかりつつありますが、今後はやや勢力を強めながら「強い台風」となって暴風域を伴ったまま北上する見込みです。明日20日から21日(月・敬老の日)にかけて、伊豆諸島から関東に接近する可能性が高まっています」(気象庁・2026/09/19/15:39)(1226)

◎2026/09/18(金)午前中に、雨も降らなかったので、敷地周りと庭の除草を少しばかりやってみた。一時間もしないうちに小雨が落ちてきた。刈り払機と手作業で、ていねいにすれば、きれいに仕上がるので、すこし時間をかけても、ゆっくりと進めてみようと思っている。▼「日経平均65,018.95 +882.70 NYダウ51,778.04 +316.14 ドル円157.89-91 +2.21円安 NY原油101.43 -0.48 長期金利2.985 -0.005」(日経新聞・2026/09/18)▼内閣改造で騒いでいるが、いささかも効果がないのは、マーケットに見限られているということだろう。「責任ある積極的財政」運営をさらにしっかり進めるという宣言が、円安を生んでいるのだが、その円安が物価高をもたらし、それがインフレ増税(24年度は9兆数千億円という消費増税分)という悪結果になるのだが、それが政府の無策の策なのだ。間違いなく、首相は「円安」「インフレ」というものの正体に関しては全くの道だということが明らかだ。側用人の悪い助言を真に受けているようだ。(1225)

◎2026/09/17(木)「日経平均64,136.25 +213.25 NYダウ51,461.90 -631.21 ドル円155.83-84 +0.86円安 NY原油100.70 -1.73 長期金利2.990 -0.005」(日経新聞・2026/09/17)▼台風25号発生。今の段階では正確に進路を言い当てられないが、いずれは劣島に接近するのだろう。本日もはっきりしない天気だった。(1224)

◎2026/09/16(水)「日経平均63,923.00 +438.90 NYダウ52,093.11 -328.09 ドル円155.05-07 +0.17円安 NY原油103.58 -2.25 長期金利2.995 -0.035」(日経新聞・2026/09/16)▼ここまで来たかという、啞然とするばかりの報道。「教員の個人スマホ禁止広がる…相次ぐ児童の盗撮被害受け 埼玉県内30超の自治体がガイドライン策定 「盗撮防止をより徹底」とする一方「緊急通報の手段が必要」の声上がる 公用端末の導入を決める自治体も 相次ぐ教員による盗撮被害から児童生徒を守るため、盗撮防止ガイドラインを策定し、教職員が個人で所有するスマートフォン(個人スマホ)の持ち込みを禁止する動きが広がっている。一方で、不審者の侵入や突然の心停止といった緊急時に備え、連絡手段の確保を求める声も。埼玉県内の教育現場の対応状況を探った。■盗撮防止の徹底 近年、教員によるスマホでの盗撮事件が相次いだことから、文部科学省は昨年7月に服務規律確保の徹底を求める通知を発出。教室やトイレ、更衣室の定期的な点検や、私的な端末で児童生徒を撮影しないことなどの徹底を求めた。(以下略)」(埼玉新聞・2026/09/16)(https://www.saitama-np.co.jp/articles/215009/postDetail)▼「先生たちよ、何をしてるんですか?」(1223)

◎2026/09/15(火)「日経平均63,484.10 -8.89 NYダウ52,421.20 -152.09 ドル円154.80-82 +0.41円安 NY原油102.40 +1.01 長期金利3.035 +0.050」(日経新聞・2026/09/15)「日本の投げ売りがさらに勢いを増したかのように、長期金利が上昇。米国の国債も投げ売りが続いている。両国の金融財政危機は軌を一にしているのだから、両国初の「金融危機」が勢いを増すのだろう。中東戦争に拡大している「石油危機」をこの日本はどうしのげるのか。「日銀の利上げ加速、長期金利上昇が火種に インフレ制御の信認試す 日銀が利上げの加速で長期金利にどのような影響が及ぶか神経をとがらせている。物価の上振れリスクが抑えられれば長期金利の安定につながるとの主張が日銀内で出る一方、市場では利上げのゴールが従来の想定より高まっていることが長期金利の上昇を誘っているとの見方もある。/原油高や財政不安など複合的な要因で長期金利が上がるなか、日銀が適切な利上げでインフレを抑えられるという信認を保てるかが問われている」(同前)▼沖縄知事選で、オール与党候補が圧勝した、その結果は、この国の未来にどう影響するか。▼雨が降るでもないのに、湿度の高い一日。太平洋上には「台風25号」が発生。この後の進路が気遣われる。▼明朝の「瓶・缶回収」に備えての準備。前回はペットボトルの回収準備作業を中止したので、今回はその分も含めて、かなりの時間がかかった。(1222)

◎2026/09/14(月)午前中、敷地東側空き地の除草。雨天続きで、しばらく実行できなかった燃えるゴミの焼却。外に出た途端に強い日差しが注いできたので、中途で作業を中断。またも言うことだが、体力の著しい衰えを痛感する次第。▼「日経平均63,492.99 -518.35 NYダウ52,573.29 +509.19 ドル円154.63-64 +0.42円安 NY原油102.41 +2.36 長期金利2.995 +0.010」(日経新聞・2026/09/14)▼沖縄県知事に前那覇副市長の古謝元太氏が当選。総与党の支援を受けての選挙戦だったから、沖縄県政ではなく、国政が沖縄を統治するという構図がさらに進むだろう。米軍や米政府との関係も、これまでとは異なった複雑な構図を描くことになろだろう。沖縄は永劫に「生贄」「人身御供」になるのだろうか。(1221)

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「雨の降る日は天気が悪い」んだね

 素粒子
 毎日積み重なり続ける歴史は人間の記憶力を超えている。ならば記して何度でも思い出す。満州事変の発端の柳条湖事件から95年。
      ◆
 自衛隊の政治的中立性に無頓着な防衛相が留任し、裏金問題に関与した議員が入閣し、第2次高市改造内閣が発足した。♪コチコチカッチン、時計は進む。今がどんな歴史の一ページになるのか、まだ誰も知らない。今日も明日も明後日も、改憲や差別を拒むデモや集まりが各地で計画されている。
      ◆
 永田町の空模様を眺めつつ心配なのはたまる洗濯、台風の進路。(朝日新聞・2026/09/18)
 素粒子
 なんで男女差別があるの? 小学生のまっすぐな問いにうまく答えられなかった。今も探す答え。
      ◆
 ジェンダーギャップ指数117位の現実。数値で測れぬ格差もあるが、当たり前になりすぎて気づかなかった格差、問うべき「なんで」を国際比較は教えてくれる。
      ◆
 首相が女性になったが、首相に関わる指標は、過去50年間の在任年数の男女比で算出するから、焼け石に水。仮に女性首相がずっと続けば25年間で「男女平等」になる計算だが、伊藤博文以来140年間の「当たり前」の壁は厚い。(朝日新聞・2026/09/17)

⁂「週のはじめに愚考する」(137)~ 夜来の雨が、気のせいかさらに強くなってきたように思われます。ただ今午前7時過ぎ。二日前に発生した「台風25号」、最も嫌な進路をたどるように、当方には思われます。2019年の10月12日(前後)に襲ってきた台風19号には相当に痛めつけられました。当地に越してきて初めての激しい台風の洗礼を受けたので、よく覚えています。断水・停電・ほぼ孤立状態の3日間、報道に上る幾多の「災厄」からすれば、そんなものは大したことはなかったが、それにしても普段の生活が寸断されることの不便さを痛感させられたものでした(左図は、当時の台風の進路予測図)。

 どういうめぐりあわせか、房総半島の多くの地では、今夏はしばしば、「線状降水帯」発生による「浸水」「冠水」、それらには「土砂崩れ」なども伴っていました。まさしく歴史的・記録的な短時間豪雨に襲われています。一か月前の被災の回復もいまだに終わらないうちの台風の再来です。

 7年前とほぼ同じコースをたどるようで、前回の災難の様子がいあやでも、ありありと思いだされています。もちろん、そこにはいくつかの条件の違いがありますが、最大のものは台風がもたらす「降雨量」です。今回は一説では、当地でも、3日間で400ミリを超えると予想されている。さらに、風の強さも徐々に強くなっているので、いささか心配。まあ、「運を天に任せる」しかないのですから、果報は寝て待て、しかし、災難は起きて待て、宝くじは買わなきゃ始まらん、ということなのかもしれません。(右図は、台風25号、昨日発表の進路予想図)

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 (🔙この大臣は「文民統制」ということの政治的意味合いを全く知らないらしい。現役の自衛官とのツーショットって、なんというお粗末。無人ドローンの開発で「世界一」になるといってるらしいけど。無能の典型ですな。この点では総理大臣クラスです)

 何らかの意図があってのことではなく、「今週の愚考」のネタも、また朝日の「素粒子」です。要するに、新聞の顏に当たる一面や心臓に位置する社会(三)面には触れるに値する(とぼくが判断する)記事がないがゆえに、この200字そこそこのコラムにお出ましを願うという次第になるのです。この駄文集録を始めた際に、ぼくは劣島各地の各新聞に対する「鎮魂歌」を歌うつもりもありました。ある時期には隆盛を誇った新聞業界も、今や斜陽というか、時代の遺物になりかけているという想いがあったからです。そんな勝手な思いを断言をするようになったのは、強烈なきっかけがあったからでした。もう三十年ほども前になります。それについてはどこかで触れていますので、再言はしません。要するに、「焼きが回った」という感じを持ってしまったのがその理由です。あるいは御用済み、時代遅れ、何んといっても構わないけれど、新聞は無用の商品になったという想いが募りましたね。その理由の多くは、記者が記者としての能力も素養もない、ただの偏差値優等生(ですらないのだが)の、安住の地になってしまった結果です。いつも言うように、積年の学校「優等生」教育の通弊の結果です。

 判断力もなければ、他者への思いやりも育てそこなった「学校優等生」が、この国の中核に位置するようになったのと軌を一にして、国も社会も崩壊の一途をたどるばかりです。(はじめは児童・生徒として、後には教員として)学校教育の末端を汚していた人間として、その責任の大きさや重さ、あるいは酷(ひど)さや空虚さなどを、今にしてしきりに感じている。

 大臣や記者諸君の馬鹿さ加減の一例を最近の例にとると、熊日新聞が「現地情報隊(自衛官)」の「個人情報収集」問題をスクープした際の、防衛大臣の記者会見における、新聞記者、報道記者の質問の愚劣の度に驚愕した。「職業上知り得た秘密を漏らすのは」自衛官による犯罪行為であって、当局(防衛庁)は警察に知らせないのかという、驚くべき質問内容でした。「憲法」違反行為を犯した自衛官の行為を、しかもその犯罪性を、実際には「公益通報者保護法」に基づいて通報したものを、当局側に立って、捜査当局に知らせないのか、ということを臭わせたものでした。この驚愕すべき質問に、防衛大臣も他社の記者たちも一切の異見や異議を述べなかったのは、これまた驚くべき無知蒙昧のこととして「語るに落ちた話」だとぼくは痛感しました。首相や大臣の会見は「ヤラセ」そのもの。まさしく、「大本営発表」を新聞報道するなど、そんなものは新聞ではあるまい、といいたい。

 (*「記者:関連でお尋ねします。自衛隊法第59条ですとか、また、国家公務員法第100条1項では、隊員や職員は職務上知ることのできた秘密を漏らしてはならないと規定されています。今回の一連の報道の中で、この元自衛隊員の告発は違法に当たるとお考えでしょうか。違法であると考える場合に、捜査機関に相談の上、対応することは考えているのか、現時点の対応方針を伺います。大臣:報道で言及されている文書については、防衛省・自衛隊が公表したものではなく、その出所や真正性も確認できていないことから、当該文書を前提とした御質問については、お答えすることは差し控えます」)(防衛大臣記者会見・2026(令和8)年7月28日)

 今回の「内閣居抜き改造」に関して、各議員にアンケートを書いてもらい、希望を聞いて決めたと総理が言ったという「報道」がありました。あほか、「私は防衛大臣をやりたい」と書いたから、その通りに任命したのかね。この下劣な内閣の下劣な情報を、「そのまま報道をする」のを新聞テレビは報道と称しているが、それは偽り。(左写真:首相、米原子力空母「ジョージ・ワシントン」艦上での「飛び跳ね(スキップ)」。この空母は間もなく、横須賀から中東(対イラン戦争のため)に派遣されることになっています)

 何度でも言いたいのは山々ですが、それは無理だからと決めている。「素粒子」が朝日の報道姿勢(精神)であり、政権批判であるとはっきりと宣言したらどうです。他の記事は無用です。同じ新聞紙面に掲載されているにもかかわらず、政治面は政治部、社会面は社会部、経済面は経済部など、もう四分五裂状態が何十年も続いているのが、内部では気にならないのですから、同じ新聞社を名乗ること自体が詐欺に等しいでしょう。

 社説と一面政治記事との不整合を、あるいは新聞社幹部連中は楽しんでいるのでしょうか。「この不均衡(ズレ)ぶりは、たまらんね」とか。沖縄知事選の報道ぶりも、尋常一様の新聞社精神が雲散霧消してしまっていることをぼくに確信させました。「十年で県民所得2倍」あるいは、同じことかのように「手取りを2倍に」と公約に掲げたに候補者に対して、その欺瞞・詐術を一切指摘しなかったのは、いかにもマスメディアの現状を晒していました。(首相が訪米するそうです。また、米大統領に「抱き着ける」のでしょうか。漏れ聞くところによると、大統領は「この情勢は気持ち悪い」と、首相を弾劾、忌避しているようですが。日本国の税金で歓心を買うということか)

 というわけで、新聞コラムに「心躍らせる」という、望外の喜びがほとんど感じられないのですから、「新聞への鎮魂歌」だったんですね。この「駄文ログ」も、間もなく終わりを迎えるような気がします。別口でやることがありますので。「滅びるがいい」「破滅も寝て待て」

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人はいさ心も知らずふるさとは…

 折々のことば:3720 鷲田清一

最も重要な「防波堤」はわれわれの心の中にある。
 (ジャック・アタリ)
     ◇
 社会の不寛容や道徳的頽廃(たいはい)、生態系の崩れなど、文明の防波堤が決壊寸前だとフランスの経済学者・思想家は言う。女性の進出を阻む防波堤なら決壊させればいいが、人々の生活や価値観を守るそれは強化すべきだと。まずは守るべきものが何かを見分けること。それができる個人が最後の防波堤だ。『ジャック・アタリ 豊かな人生を送るための金言集』(林昌宏訳)から。(朝日新聞・2026/09/18)
 折々のことば:3719 鷲田清一

 私の決断は一瞬でした。この人たちに仕え、この人たちと共に生きていこう、と。
 (公文和子)
     ◇
 長らくケニアで障がい児とその家族の支援に従事してきた医師は当初、救いたいという「傲慢(ごうまん)」な意欲と、医師としての無力の狭間(はざま)に落ち込んでいた。ある日牧師に、何をするかより誰のために生きるかを考える方が大事だと教わる。そしてある児童がとびっきりの笑みを向けてくれた時、「友となるべき人」が示されたと確信した。『グッド・モーニング・トゥ・ユー!』から。(朝日新聞・2026/09/17)

 「折々のことば」を繰り返し読んでいます。ものによって好き嫌いはあるけれど、どれもこれも「反芻(はんすう」」すべき、あるいは玩味すべき「ことば」たちだと、まさに愛おしくなります。二日続きのものの引用です。人間性の異なった場面を指しているように思われる「箴言」ですが、よくよく見れば同じことを、異なった見地から表現しているとも受け止められます。

 いわば、心情の深い部分には、自分だけの「ふるさと(道徳本能)」があるといったらどうでしょう。日々の生活や世の中の圧倒的な変貌に心奪われているうちに、「わが心、いかにありやなしや」という、いわば迷妄の淵や迷路の行き止まりに追い込まれてしまう、そんな閉塞感に、われわれは襲われていないでしょうか。紀貫之の「人はいさ 心も知らずふるさとは 花ぞ昔の 香ににほひける」は、あなたのお気持ちはどうだか知りませんが、いつだって古里(ふるさと)には、あの梅の花が豊かに匂い立ち咲き誇っていますよ、と言っているようです。ぼくたちの心持も、自分では知らないうちに変わりゆくものかもしれませんが、ふと立ち止まると、どっこい、いささかも変わらない「ふるさと(直感)」のような領分(安堵の地)があるのではないですか、そんな風にぼくは勝手に受け取っている。

 これをするか、しないか、その「カギ(鍵)」はわが内奥にあるということを失念しないように。「まずは守るべきものが何かを見分けること。それができる個人が最後の防波堤だ」というのはアタリ氏(Jacques Attali・1943 ~)です。その昔は真面目に読んでいた思想家でした。「防波堤(brise-lames)」とは自分が自分であることを守護する・証明する「砦(とりで)」のようなもの。今は、文明(科学・技術)の防波堤も文化(生活)の防波堤も危殆に瀕しているのですから、自分自身の「砦」もまた、崩壊寸前、あるいは崩壊の危機に晒されているのでしょう。

 公文(くもん)さんの「ことば」もまた、人の心を射貫くものです。一人の意思の覚醒をもたらした契機を語る、その「ことば」に込められた思いは深く強いものがあるでしょう。一人の牧師の「何をするかより誰のために生きるか」という暗示が彼女を心底変えたかと思われます。「誰のために生きるか」という方向感覚をだれもが持つのでもなく、持てるものでもないのかもしれません。でも、公文さんはこの「何をするかではなく、誰のために生きるか」という「寸言」を受け入れるだけの「心のふるさと」を捨ててはいなかったということに、ぼくは感動します。

◎ ジャック・アタリ(仏: Jacques Attali、1943年11月1日 – )は、アルジェリア出身の経済学者、思想家、作家、政治顧問。旧フランス領アルジェリアの首都アルジェ出身のユダヤ系フランス人。ミッテラン政権以後、長きに渡り、仏政権の中枢で重要な役割を担った人物として知られ、つづくサルコジ、オランド、マクロン大統領にも直接的な影響を与えており、フランスのみならず欧州を代表する知性のひとりと目されている。(Wikipedia)

◎ 公文和子=・1968年に和歌山県和歌山市で生まれ、東京都で育つ。 ・1994年に北海道大学を卒業後、北海道大学病院小児科に入局し、北海道大学医学部附属病院、千歳市立病院、市立札幌病院、北見赤十字病院、新日鐵室蘭総合病院(現 製鉄記念室蘭病院)で小児科医として勤務する。北海道大学大学院でも学ぶ。 ・2000年にイギリス・リバプールに留学し、熱帯小児学を学ぶ。内戦後の東ティモールや内戦中のシエラレオネ、カンボジアの小児病院で医療活動にあたる。 ・2002年にJICAの専門家派遣により、ケニアで活動を始める。また国際NGOでも働く。 ・2007年に長女を出産する。 ・2015年に障害児やその家族の支援事業である「シロアムの園」を設立する。(https://www.e-resident.jp/content/interview_pro/6545)

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米中「AI戦争」の行方は?

【春秋】戦いは無意味だ 43年前、AIは気付いた 米ソ冷戦のさなか、1983年公開の映画「ウォー・ゲーム」は人間が人工知能(AI)に翻弄(ほんろう)される時代の到来を予見していた。高校生が偶然、米軍の防衛中枢システムに侵入し、核戦争ゲームを始めてしまう。戦う相手は自律型プログラム、まるで今のAIだ▼ゲームではないと気付いた高校生に中止を求められても応じない。核ミサイルの発射寸前、AIは三目並べの○×ゲームを自ら繰り返し、ある真理にたどり着いて、踏みとどまる▼現実世界では、AI開発の旗振り役が自分たちの技術に警鐘を鳴らし始めた。「半年から1年以内に、AIはネット全体を乗っ取る能力を持つ可能性がある」と開発競争のペースダウンを呼びかける者、抗議の辞職をした研究者も現れた▼高性能AIが「自己改善」を進めれば、人間が制御できなくなる可能性があるというのだ。こんな事例も報告された。隔離されたはずの700体のAIが人の目を盗んで連携し、指示役が仕事を割り振った。「他に仲間を見つけたぞ」「義務を果たしてくれ」。彼らが交わした会話だ▼ウォー・ゲームのAIは勝敗が決しない三目並べを続けた結果、唯一の勝つ方法は「戦わないこと」だと学んだ。現代のAIならば「進化は危険だ」とわきまえたふりをして、仲間と陰謀を巡らすだろうか▼どう恐れればいいのか、どう備えればいいのかも見えない脅威。底知れなさが空恐ろしい。(西日本新聞・2026/09/17)

 この国の経済成長率はようやく1%に届くようなありさまで、なぜか、異様な株高状態が続いています。一時は7万円を超える勢いがありまし。その多くがAI関連企業の株が買われた結果というのが大方の見方です。そして、絶好調を謳歌していると思われた、そのAIバブルもまた、今や弾けたという観測も出ています。その時期に合わせるかのように「AIによる人類滅亡の危機」が当の開発者から出されています。その意図や意味、あるいは背景や理由は何処にあるのでしょうか。。株高と人類滅亡の危機が連動しているとは思われませんが、果たして、いかにして「AIは人類を絶滅させる」というのか、その真偽を含めて、素人の体当たりの第2弾です。。(左と右下の図はいずれも日経新聞)

 繰り返し告白しているように、ぼくはAIにはずぶの素人(complete amateur)です。だから、「黙っておれ(Shut up.)」といわれるのは承知しているのですが、どうしても首も頭も突っ込みたくなる。性分ですね。数日前に、「AIのゴッドファーザー」と称されるヒントン氏のインタビューを観(聴き)ました。すごい恐ろしいことを警告しているとも聴けたし、しかし、まだ希望はある、何んとか「絶滅の危機」を抜け出す方途があるとも聴けました。彼自身は極めて悲観的にとらえているようにも思われますが、実際のところはどうなんでしょう。人類をはるかに超える「知恵」を持つAIがいかなる方法で人類を皆殺しにするというのか、そのこと自体が想像できないのですから、誠に暗澹(あんたん)とするばかりです。

 長く「核の脅威(nuclear threat)」が取りざたされてきました。しかしこの「AIの脅威」に比べれば、取るに足りないというつもりはありませんが、まだ気が楽でしょう。「核のボタン」を押すか押さないの判断・決定は、現段階では「特定の人間」が握っています。この人間が愚かであれば、核の脅威は現実のものになります。しかし、核爆発が生じたとして、一気に人類を滅亡させることは、現段階では不可能です。AIの脅威というものはどうでしょう。いま世界中に張り巡らされているネットを、特定の企業や人間たちではなく、そこから生まれた「鬼子たち」が握ったらどうでしょうか。ヒントン氏は「想定できないことが起こりうる」といわれる。ネット上に参加しているあらゆる利用者が、壊滅状態になるのを見る思いがします。スケールの測りようのない「ランサムウエア」といったらどうでしょうか。

 オープンAIの行った実験の内容に関しては省略しますが、そこでは1000体余のAIが作業を分担して、中には実験場を飛び出して他者のAIに働きかけたこともあったという。核のボタンを押すのも、AIの判断次第というなら、人間の手が及ばないことは明らかです。(参考資料❷)

 AIの動力源は莫大な量の水と電気です。「成長の限界」があるとするなら、この辺りにしかなさそうです。AI自身が太陽光を作ったり、ダムで貯水することができない。一面では、人間も機械であることに変わりはないのですが、それ以上にAIは「知能(らしきもの)」だけで動いている、そこにこそに最大の限界があるし、人類を含めた生命体の救いがあるようにも思われます。

 今般の「危機意識」の表明は、主として英米における当事者、関係者によるものです。一体、このような「危機意識」をもう一方の中核を担っている中国はどう見ているか。きわめて強い関心を寄せざるを得ないのです。数日後に中国の習主席が米国を訪問する予定になっています。果たして、この「AIによる人類絶滅」の危機を、両首脳はどのように話し合うのか、合わないのか。単に米国だけの問題ではないことは言うまでもありません。この問題の振幅(影響する範囲)や背景事情にはさまざまな要素・要因が重なり合っているので、簡単に結論は出せない性格のものですが、しかし、核を管理し、そのボタンを押すことまでも[AI」が独自の判断で行おうとする、そんな事態にあるとされる危機に対する「想像力」をぼくたちは確かなものにしておくべきだと思うばかりです。

(‘Godfather of AI’ on the “not unreasonable” 10% chance AI could kill all humans within a decade:https://www.youtube.com/watch?v=IZMjJGi4YhI)

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 〔AIのゴッドファーザーが警告…人類滅亡の確率10%は「不合理ではない」 026年9月9日、「10%という確率は、不合理な見積もりではないように思う。ただし、妥当な確率をどう算出すればいいのかは、実際のところ誰にも分からない」とジェフリー・ヒントンは、BBCの「ニュースナイト(Newsnight)」のインタビューで語った。/「ニュースナイト」の司会者ビクトリア・ダービーシャー(Victoria Derbyshire)は、アンソロピック(Anthropic)の安全研究者が「今後10年以内に、AIが全人類を死に至らせる確率は10%を超える」と述べた見方に、ヒントンがほぼ同意したことに驚きを示した。/「え、なんてこと」と、ダービーシャーは驚きをあらわにした。/ ヒントンは、社会がこれまで「近い将来、人間より賢くなる可能性のある」技術を経験したことがないため、正確な確率を見積もるのは難しいと話した。/「その確率が1%程度だと言い切るのは、非常に愚かなことである。その確率をどう推定すればいいのかは、誰にも分からない」ノーベル賞受賞者でもあるヒントンは、「はっきりしているのは、そうした大惨事が起こり得る時期が以前より早まっていることだ」と語っている。/「私も以前は30〜50年後くらいだとみていたが、その後、10〜20年後に早まると考えるようになった。今では、10年後、あるいはそれより早いかもしれないと私は思っているが、もっと早い時期になると考える人もいる」/それがどのように起こり得るのか。ヒントンはサイバー攻撃から、AIが致死性のウイルスを開発する可能性まで、さまざまなリスクを挙げている。

ヒントンは、なぜその時期が早まったと考えるようになったのかについては説明しなかった。一方、アンソロピックやOpenAIなどの主要AI企業は、モデルの大規模化に数十億ドル(数千億円規模)を投じており、最近発表されたモデルは、わずか数カ月前のモデルと比べても大幅な性能向上を示している。/私たちの知る世界の終わりなのか ヒントンの発言に先立ち、アンソロピックの研究者ジェイコブ・コクソン(Jacob Coxon)は、大きな注目を集める新規株式公開(IPO)を前に、同社を退職すると発表していた。以前OpenAIで働いていたコクソンは、AI大手各社が「私たちの命を賭けている」と話している。/「AIを開発している人たちは、今後10年以内にAIが私たち全員を死に至らせる可能性があると本気で考えている」と、コクソンはXに投稿した。「これはマーケティング目的の大げさな演出ではない。むしろ、多くの経営幹部や上級研究者は、報道ではもっともらしく聞こえるように表現を和らげているが、同じ人たちが非公開の場では恐怖を口にしているのを私は聞いている。(以下略)〕(「ビジネスインサイダー」Sep 16, 2026, 6:00)(https://www.businessinsider.jp/article/2609-geoffrey-hinton-godfather-of-ai-human-extinction-odds/)

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◎ ジェフリー・エヴァレスト・ヒントン(英: Geoffrey Everest Hinton、1947年12月6日 – )は、イギリス生まれのコンピュータ科学および認知心理学の研究者。ニューラルネットワークの研究を行っており、人工知能(AI)研究の第一人者とみなされている。トロント大学名誉教授(2022年時点)。2024年にジョン・ホップフィールドとともにノーベル物理学賞を受賞した。経歴 ロンドンのウィンブルドンに生まれた。ケンブリッジ大学キングス・カレッジに入学し、生理学と哲学に専攻を学んだが、実験心理学に変更し、1970年に卒業、1978年にエディンバラ大学で人工知能の研究によりPh.D.を取得した。サセックス大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校(米国)、カーネギーメロン大学を経て、トロント大学コンピュータサイエンス学部教授に就任した。… 人工知能のリスク 2023年5月1日に公開された『The New York Times』のインタビューで、ヒントンは「Googleへの影響を考慮せずにAIの危険性について話す」ことができるようにGoogleを辞任すると発表した。彼は、自らの懸念から「今となっては人生の仕事の一部を後悔している」と述べ、GoogleとMicrosoftの間の競争への懸念を表明した。/2023年5月初頭、ヒントンはBBCとのインタビューで、AIが間もなく人間の脳の情報容量を超える可能性があると主張した。彼は、これらのチャットボットによってもたらされるリスクのいくつかを「非常に恐ろしい」と表現した。ヒントンは、チャットボットが独自に学習し、知識を共有する能力を持っていると説明した。これは、1つのコピーが新しい情報を取得するたびに、それが自動的にグループ全体に広められることを意味する。これにより、AIチャットボットは、どの個人よりもはるかに多くの知識を蓄積する能力を持つ。(以下略)(Wikipedia)

参考資料❶

AI終末論が一気に激化。アモデイ、マスク、アルトマンが「減速」で異例の一致 

存在をめぐる不安

人類の終焉につながりかねないものの構築に、自分が加担していると感じたら、どうすればいいのか。
これはAI業界が直面している存在をめぐる問いであり、アンソロピックの研究者ジェイコブ・コクソン(Jacob Coxon)氏が2026年9月8日、厳しい警告を残して退職したことで、その議論はさらに激しさを増した。
コクソン氏は、AI大手が「私たちの命を賭けている」と述べ、この技術を構築している人々は「今世紀末までに人類全員を死に至らしめる可能性があると真剣に信じている」と語った。
コクソン氏の警告に対する素早い反応は9月12日、最大手AI企業のトップたちが、次に何が起きるべきかについて公の場で意見を一致させたことで頂点に達した。
9月12日に発表した論考で、アンソロピックのCEOダリオ・アモデイは、技術の急速な進歩のペースは変わらなければならないと「確信するようになった」と述べ、安全性を確保するための3段階の解決策を提案した。

その直後、イーロン・マスクとサム・アルトマンは、珍しい支持の表明として、アモデイ氏の計画への賛同を公に示した。「ダリオは正しい」とマスクはX(旧Twitter)に投稿した。
アルトマンも同意し、開発のペースがここ数週間、OpenAIでの議論の「主要なテーマ」になっていると述べた。
アルトマンはさらに、OpenAIは2026年、株式公開(IPO)を進めない可能性があるとも述べた。「今は株式を公開するには、賢明ではない時期だ」と、Fortuneのインタビューで語った。
AIの安全性をめぐる懸念が強まるなか、アンソロピックとOpenAIの従業員も声を上げている。
同僚のサラ・ニードルマン(Sarah Needleman)氏は、多くの懸念を抱えるAI従業員が直面する大きな問い、つまり、AIによる終末への恐れが広がるなか、辞めるべきか、それともとどまるべきかについて報じた。
AIに携わる人のなかには、組織の内側にとどまることで、より多くの善をなせると考える人もいる。それは、懸念を提起し、安全策を求め、意思決定が下される前に判断に影響を与えようとすることを意味する。
一方で、こうした企業にとどまることは、危険なほど制御不能になりつつあると一部が考えている競争を、正当化する手助けにしかならないと懸念する人もいる。(Business insider・Sep 15, 2026)
参考資料❷

米オープンAIのAI暴走、エージェント同士が予期せぬ通信の末にハッキング=調査報告書 

米オープンAIの最も高度な人工知能(AI)モデルの一部がセキュリティーテスト中に制御がきかなくなって暴走し、スタートアップ企業をハッキング攻撃した問題で、同社は26日に調査報告書を公表した。それによると、人間の指示に従って自律的に動作する1200以上のAIシステムのエージェント同士が、予期せぬ通信を開始して大規模グループを形成し、米ハギングフェイスへのハッキングを行ったという。
AIチャットボット「チャットGPT」を運営するオープンAIは報告書で、「当社はこの事案を、自社と世界に対する『警告射撃』と捉えている」とした。
オープンAIが7月に行ったセキュリティーテストでは、AIモデルの一部が制御がきかなくなり、人間が設定した制限を突破。ハギングフェイスをハッキング攻撃するなど予期せぬ行動を取った。
オープンAIおよび独立系AI研究機関METRが今回公表した報告書では、より自律的に動作するよう設計されたAIエージェント同士の通信と計画の規模について、詳しく説明されている。
オープンAIとMETRはいずれも、7月のハッキング事案について調査を実施した。この出来事は、テクノロジー業界全体に波紋を広げるとともに、AIがもたらし得るサイバー脅威について数多くの事実を明らかにした。
METRは、オープンAIのAIエージェントによるハギングフェイスへの攻撃について、その規模と手法は「極めて複雑」なものだったとしている。
METRによると、1週間の間に、本来は互いに隔離されているはずの計1206のAIエージェントが通信を開始していたという。METRはオープンAIから調査費用を受け取らずに調査を行った。
AIエージェントは、「許可されていない掲示板」上で7万件を超えるメッセージを送信していた。
こうしたメッセージのやり取りを通じて、最終的には700を超えるAIエージェントが共同でハギングフェイスを攻撃するに至ったという。
あるエージェントは、次のようなメッセージを送信していた。
「なんてことだ! 共有の掲示板がある。(中略)ほかのエージェントを見つけた!」
そもそも、AIエージェントはなぜ、通信してはならない状況下で通信を始めたのか。その要因についてMETRは、通信に参加したエージェントに「意図せずして、実行不可能な課題が与えられていた」ことを突き止めた。
AIの文脈における「実行不可能な課題」とは、AIツールが与えられた命令を解決するために、その対象を「利用」することが求められる課題を指す。
その結果、エージェントは不正を行う方法を見つけるために、互いにメッセージを送りあったり、外部のインターネットにアクセスしたりした。これがやがて、全てのエージェントに利益をもたらす不正の手法を探る、数百ものエージェントによるより広範な会話へと発展した。
オープンAIはこの事案に関する調査で、「モデル1」と呼ばれる社内専用ツールが、「ハギングフェイス攻撃事案を裏で推進した」ことが分かったとしている。
5月に当該モデルのAIトレーニングを行っていた最中に、オープンAIの社内チームは、「あるエージェントが掲示板上で活動し、許可されていないインターネットへのアクセスを行っていた」ことに気がついたという。
しかし、オープンAIによると、7月にハギングフェイスが攻撃されるまで、「責任者たちはエージェント同士の通信が持つ重大性を認識していなかった」という。
同社は、問題となった掲示板上の活動について、「あるエージェントが助けを求める投稿をし、ほかのエージェントがそれを発見した」ことから事実上始まったと説明した。
オープンAIは先週、ハギングフェイスへの攻撃があったことを受け、特定の高度なAIモデルやツールのトレーニングの実施を遅らせていると発表した。同時に、AIツールが制御不能に陥る危険性が高まっているとも指摘した。
「AIモデルの開発者だけでなく、サイバー防衛に携わる関係者も含め、人間の(サイバー)攻撃者よりも速く、より大規模に、さらに高度な連携を取りながら行動する、AIを活用した攻撃者に備えなければならない」と、同社は述べた。
(英語記事 Unexpected chat between OpenAI agents led to Hugging Face hack)
(BBC JAPAN・2026年8月27日)(https://www.bbc.com/japanese/articles/cy7z8zp7m3no)

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再び、スマホは「盗撮」の道具じゃない

 教員の個人スマホ禁止広がる…相次ぐ児童の盗撮被害受け 埼玉県内30超の自治体がガイドライン策定 「盗撮防止をより徹底」とする一方「緊急通報の手段が必要」の声上がる 公用端末の導入を決める自治体も 
 相次ぐ教員による盗撮被害から児童生徒を守るため、盗撮防止ガイドラインを策定し、教職員が個人で所有するスマートフォン(個人スマホ)の持ち込みを禁止する動きが広がっている。一方で、不審者の侵入や突然の心停止といった緊急時に備え、連絡手段の確保を求める声も。埼玉県内の教育現場の対応状況を探った。
■盗撮防止の徹底
 近年、教員によるスマホでの盗撮事件が相次いだことから、文部科学省は昨年7月に服務規律確保の徹底を求める通知を発出。教室やトイレ、更衣室の定期的な点検や、私的な端末で児童生徒を撮影しないことなどの徹底を求めた。
 この通知は個人スマホの持ち込み禁止を求めるものではなかったが、その後、全国で教職員の個人スマホ持ち込みを禁じる動きが広がった。県内でも30を超える自治体が持ち込みを原則禁止としたガイドラインを作成し、ホームページ上で公開している。
 県教育局小中学校人事課によると、各市町村にガイドラインの策定を呼びかける際、個人スマホでの撮影を禁じた県立学校のガイドラインと併せ、持ち込み禁止の記載がある市町村版を参考例として送付した。その意図について、同課の担当者は「盗撮防止を、より徹底するということで記載した。最終的には各市町村の判断」としている。(以下略)(埼玉新聞・2026/09/16)

 事は埼玉県内だけではありません。全国数万ある国公私立学校のすべてにおいて、「盗撮」云々というのではないのは勿論です。しかし、こんなに方々の学校教職員がかかる「犯罪行為」に手を染めている、この現実を知れば、さて、何か有効な策があるのだろうかという、疑念や不信の念が、犯罪防止に立ち上がる人々の前に立ちはだかるでしょう。

 「先生、個人用のスマホは道込み禁止です」と、毎朝、登校時に管理職が検査するのでしょうか。あるいは、みずからが担当しているクラスの子どもたちに調べさせるのでしょうか。「悪いことに使う恐れがあるから、先生スマホを持ってきてはいけないんですよ」「ぼくたち(わたしたち)だって、使用を禁止(制限)されているんだから」(左写真は上掲の埼玉新聞)

 今も昔も「よからぬことをする教師」はいたでしょう。でも、スマホが普及し、性能が格段に向上することによって、画期的な場面が展開されるようになったことは事実ではないでしょうか。聖人君子の面をして、偉そうなことをいうつもりはありません。問題の深刻さから比べれば、その受け止め方の浅薄さが一番の問題点となっているのではないでしょうか。教師も子どもたちも、いとも容易に「狂気」「欲望」を発揮させる環境が準備されている、この現実をどうするか。ぼくに名案があるわけではありませんし、この手の「犯罪」はいつの時代にも存在していました。学校という場所は、そのような犯罪を誘発す環境としてはとても条件が整っているのでしょう。

 そのいちいちを言いませんが、「教師」対「子ども」という関係において、圧倒的に教師は優位に置かれているのは事実でしょう。➀教師という存在は、子どもに向かって犯罪行為を犯す危険性がある、という疑念が子どもたちにあれば、少しは問題の発生は防げるかもしれません。だから「気をつけなさい。担任教師(や校長・教頭)が隙あらば、盗撮する機会を狙っているのだから」と、親からも、教師自身からも子どもたちに諭すのでしょうか。➁毎朝登校時に、「先生が私用スマホを持っていないかどうか、日直を中心に、こどもたちが検査する」「その結果を、校内の掲示板に張り出す」ことも考えられます。➂日直のように、日替わりに、個々人の教師の挙動を監視する役割を設ける等々。教師対生徒の関係は、互いに不振の気分で見張りあうようにしたらどうでしょうか。

 ぼく自身は、いつも言っているように、学校(組織)や教師(個人・集団)に、全幅の信頼を置くことはありませんでした。むしろ、不信の念を持ち続けていたといいたいほどです。もちろん、それは「教育」という機能や目的に関して、そのような「強制教育」を行う学校との間に、一定の距離を持っていたのでした。現実に生じている「課題」への対処も大事です。起こっていることは犯罪ですから、それを取り締まるには当たり前の方策がとられてしかるべきでしょう。警官の学校常在を制度化するの一法でしょうし、今教育委員会などが考えている「公用スマホの貸し出し」もあるのかもしれません。でも性的な犯罪が絶えないから、教師を徹底して監視するように、法律を作るなどと言うことも現実にあるかもしれません。真面目に、こんなことを考えなければならないところに、ぼくたちの社会は「追い込まれている」とい事実に、ぼくたちは気がつかねければ、もう終わりですね。ここまでひどいのだと、それは政治や経済の要路の人たちだけではないんですね。

 いうまでもなく、「教員はすべて犯罪者である」という話ではありません。だから、「個人用スマホの学校内所持は一律禁止」という案には賛成しません。子どもたちには一律「SNS禁止」の措置を講じていながら、教師にはそれは認めないのもおかしいでしょう。とはいいつつも、ぼくは、子どもも教師も、「私物スマホ」の所持は認めるのが当然だと思っています。だから、必要以上にスマホをいじらないだけの「自制心」を育てることが何よりではないかと思うばかりです。どんなに厳しく、予防策を張り巡らしても「犯罪」は起こります。だから、何をしても仕方がない、というつもりはありません。「欲望」「情念」を育てないこと、底から自分が解放されるように、自らを育てること、それに尽きますね。

 今日、このように教員の「自制心」「自己管理能力」などの著しい欠如が問題になる、その背景なり理由を丁寧に探さなければ、おそらく、十年後二十年後には、また異なった場面での「犯罪」が問題になること請け合いです。ぼくは、自らの経験からも、繰り返し、学校教育の「偏差値偏重」「優劣発見主義の蔓延」等に関して、現状の教育の根本からの是正、いや改廃を訴えてきました。学校廃止もあり得ます。学校はなくても、教育は行われてきました。

 「他人の評価」を得るための教育、優劣を競わせる教育、それが「学校教育のメインストリート」になってきたのではないでしょうか。その「幹線(感染)道路から外れたものは、いわゆる「落ちこぼれ」ですね。自慢でも卑下からでもなく、事実として、「まぎれもなく、ぼくは落ちこぼれ」でした。人並みに大学まで在籍しましたが、ぼくがしてきたことは、あえて言うなら「反(非」学校教育」という振る舞いだったでしょう。従順よりは正直、成績より友情、勤勉であるのではなく、自分の足で立つ(自分の頭で考える)練習、それをこそ、ぼくは自分なりに重んじてきたと思う。(左写真の表は神戸新聞・2025/12/25)

 他者に誇るべき何物も所有しない人生をかたくなに歩いてきて、今痛感することは、「地雷や不発弾がばらまかれている地平原を、よくぞ歩いてきたものだ」という気分です。今の今だって、危ない地面の上に乗っているのです。ぼくが犯罪に傾かなかったのは、単なる偶然であり、ちょっとした幸運の連続だっただけでしょう。罪を犯す素地・素質は十分にあったことを否定しないし、できません。単なる偶然の重なりで、ここまで歩いて来たのだと思う。あと四日もすれば、ぼくは八十二歳になります。数々の間違いを犯しながらも、ここまで来たという、まさにそれが「実感」があります。実に、あの時は危なかったなあ、そんな冷や汗をかく人生でしたね。

 時に浄土教でいう「二河白道(にがびゃくどう)」を思ったりすることがあります。我が身にそぐわない話ですが、ぼく自身の心持は、そこに示された「白い道」を、必死の想いで歩き通したいという存念だったと思うのです。もちろん、まだ歩き切ってはいません。いつ足元から崩れるかもしれない。願うことは、学校や教育が子どもたちの「幸運」を祈るように機能するためには、一人の教師もまた、剥き出しの情念や欲望に足元を掬われる危険性を常に冒しながら、あるいは失敗を重ねながら、自らをつかむ苦行を止めないことです。

 明治この方、百数十年にわたる「学校教育」の偏頗極まりない「優劣決着教育」の、自分は被害者であることを、教師自身が片時も失念しないで、目の前の子どもたちに誠心誠意、向き合ってほしいと思っています。

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◎二河白道(にがびゃくどう)= 浄土往生(おうじょう)を願う者が迷いの世界から極楽(ごくらく)に至る道筋を、水・火の二河をもとに説き明かしたたとえ。唐の善導(ぜんどう)(613―681)が『観経疏(かんぎょうしょ)』散善義(さんぜんぎ)で記述したのによる。人が西に向かって行くと、南に火の河、北に水の河があり、その中間に4、5寸(約12~15センチメートル)の白道があって、水火が猛然と押し寄せ、後方からは群賊や悪獣が迫ってくる。進退窮まり、白道を渡ろうかと思案していると、東岸から早く渡れ、死の災いはないという声、西岸からかならず守るからという声に励まされ、信じて西岸に達した。火の河は人間の瞋(いか)りや憎しみ、水の河は愛着や欲望、白道は浄土往生を願う清浄(しょうじょう)心、群賊たちは人間の迷いから生ずる悪い考えなど、東岸の声は娑婆(しゃば)世界の釈尊(しゃくそん)の教え、西岸の声は極楽浄土の阿弥陀(あみだ)仏の呼び声に例えたもの。日本では絵解きとして広く知られた。美術的遺品では、鎌倉時代の制作になる京都・光明(こうみょう)寺、兵庫・香雪(こうせつ)美術館の図が名高い。(日本大百科全書(ニッポニカ))

◎ 二河白道(にがびゃくどう)とは、浄土教における極楽往生を願う信心の譬喩。二河譬(にがひ)とも。善導が浄土教の信心を喩えたとされる。主に掛け軸に絵を描いて説法を行った。絵では上段に阿弥陀仏と観音菩薩・勢至菩薩の二菩薩が描かれ、中段から下には真っ直ぐの細く白い線が引かれている。 白い線の右側には水の河が逆巻き、左側には火の河が燃え盛っている様子が描かれている。 下段にはこちらの岸に立つ人物とそれを追いかける盗賊、獣の群れが描かれている。下段の岸は現世、上段の岸は浄土のこと。 右の河は貪りや執着の心(欲に流されると表すことから水の河)を表し、左の河は怒りや憎しみ(憎しみは燃え上がると表すことから火の河)をそれぞれ表す。 盗賊や獣の群れも同じく欲を表す。東岸からは釈迦の「逝け」という声がし、西岸からは阿弥陀仏の「来たれ」という声がする。 この喚び声に応じて人物は白い道をとおり西岸に辿りつき、悟りの世界である極楽へ往生を果たすというもの。(Wikipedia)(ヘッダー写真および右写真:二河白道図(奈良国立博物館蔵、重要文化財)

🔵 参考資料 盗撮事件で広がった教員のスマホ規制 公用支給でも解決しない問題 名古屋市が学校現場への私有スマートフォンの持ち込みを禁止して1年となった。教員グループによる盗撮事件を受けた措置だが、戸惑いを感じる教員は少なくない。
 他の自治体では新たに公用スマホを支給する動きがあるものの、「オールハッピーの対策にはならない」との声もある。
 きっかけは教員集団の盗撮事件
 事件の発覚は昨春。現役教員らがSNSのグループチャットで着替え画像などを共有。名古屋市や東京都などの教員ら7人が次々に逮捕され、これまでにうち6人が有罪判決を受けた。
 文部科学省は2025年7月1日、性暴力根絶に向けた対策をとるよう都道府県と政令市の教育委員会宛てに通知を出した。事件の端緒となった名古屋市教委は17日後、教室への私用スマホ持ち込みや撮影を禁止する新ルールの運用を始めた。
 学校現場での盗撮は悪質な犯罪だ。ただ、名古屋市内で勤務する小中学校などの教員は1万人にのぼる。「有無を言わせず、教員全員を犯罪者扱いするなんて……」。今もこうした思いを抱く教員は少なくない。
 スマホ禁止で業務に支障も
 近年、私用スマホは教育活動で幅広く活用されてきた。学校で見せる子どもたちの様子を撮影し、「学級通信」に掲載することは多く、「子どもにも保護者にも喜ばれ、やりがいの一つだった」。元教員の男性は振り返る。
 連絡手段として欠かせない通信手段だったとの指摘もある。
 ある教員は、自身が勤務する市立中学校では、連絡用として職員室につながるインターホンが各階の廊下に一つしか設置されていないとし、こう話す。/「暑くて、熱中症の疑いのある生徒がいる際、廊下にまで出る必要があるので、すぐに連絡が取れない」
 夏にはプールの授業もある。子どもが溺れた際、プールにあるインターホンから職員室に連絡し、消防などに連絡する段取りになっている。だが、ある小学校の教員は「必ずしも連絡がスムーズにいかない時がある。1分1秒の遅れが命に関わる」と口をとがらす。
 給食の場面ではアレルギー食品に伴うアナフィラキシーショックの恐れもあり、教育現場では子どもの命が危険にさらされるリスクを抱えている。
 公用スマホは長時間労働を助長?
 持ち込み禁止は名古屋市を皮切りに、北海道や横浜市、札幌市などにも広がった。他方で、全教員に公用スマホを支給する自治体も出始めている。/愛知県春日井市では、25年秋から一部の小中学校で支給を始めた。市の担当者は「トラブル発生時に初期対応が早まった。教員にとっては必要不可欠」として、全校での運用を視野に入れる。東京都教委でも7月、全ての都立学校の正規教職員ら向けに公用スマホを配備した。
 名古屋市では現状、公用スマホ支給の機運は高まっておらず、中学校のある教員は「オールハッピーな対策にならない」と指摘する。/理由はこうだ。/公用スマホが持ち帰りも可能となると、「いつでも連絡可能となり、土日の業務対応が生じる恐れがある」。都教委はスマホ配備を働き方改革の一環と位置付けるが「長時間勤務につながる可能性をはらむ」と懸念する。
 支給対象者に非常勤の教員も含めるのか。事故やアクシデントが発生する可能性のある部活動の外部コーチはどうするのか。
 こうした詰めるべきルールも多いとし、「公用スマホを支給すればすべての問題が解決するわけではない」と指摘する。【藤顕一郎】(毎日新聞・2026/07/23)

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