【日報抄】選良といわれる議員にとって、任期とは何なのか。ビジョンや懸案の解決を公約に掲げて選挙を勝ち抜いた者に、その実現のために与えられた時間にほかならない▼衆院議員の任期4年は決して長くはない。「働いて働いて…」と力まなくとも、腰を据えて政治課題に向き合い、有意義に任期を活用してもらいたいものだが、建前でしかないようだ▼高市早苗首相が衆院解散の意向を固めた。前回衆院選から1年3カ月足らずである。内閣支持率が高い今、選挙をしたら自民党に有利だからというだけで、大した大義など見当たらない。問われるものがあるとすれば、高市政権に盤石な政治力を与えることに賛成か否か、でしかなさそうだ▼有権者も暇ではない。各選挙区での前回の投票結果の是非を検証できるほど、現職の働きぶりや活動成果など判断材料の持ち合わせがないだろう。まずは求められる政策を粛々と遂行してほしいというのが偽らざる思いではないか▼衆院解散権の恣意(しい)的な行使は戒めるべきだと、その制約について憲法審査会が議論をし、民間の政策提言団体からも声が上がってきた経緯がある。解散権は否定できないものの、党利党略で安易に「伝家の宝刀」を抜くのであれば、制度の悪用である▼衆院選には600億円前後の費用がかかる。民主主義を成り立たせる必要経費とはいえ、通常国会の論議が頭からすっ飛ばされ、政党本位の政治ゲームに付き合わされることになるのだろうか。なされるがままが口惜しい。(新潟日報・2026/01/14)

もののいいようにほどがあると思ったが「働いて…」と雄叫びを上げて三か月、通常国会での「冒頭解散」が取りざたされています。どうぞお好きに、というわけにもいかないでしょう。いくつもの新聞の社説やコラムを読んでいて、ほとんどの記事では「党利党略はよくない」などと一応の正論を吐いているように見受けられましたが、本当に「国会冒頭解散」は「党利党略」なんですか。首相の背後霊である副総裁のA元総理も、同じく総理の右腕とされる「自民党幹事長」も、さらに選挙のとり仕切り役と目される「選挙対策委員長」も「解散論」のカヤのソトだったというではないか。

この問題について書かれた、たくさんの記事を読んだが、この「日報抄」がぼくには妥当な判断をしていると読めました。「衆院議員の任期4年は決して長くはない。『働いて働いて…』と力まなくとも、腰を据えて政治課題に向き合い、有意義に任期を活用してもらいたいものだが、建前でしかないようだ」と図星を指されている。「深夜三時から仕事をし」などと、いかにも働き中毒ぶりを発揮してみたが、何のことは「勤勉な私」を売り込む芝居だったという話。「解散を考える暇がない」ほどに難問・課題が山積していると嘯(うそぶ)いたのは「年初会見」でした。お伊勢さん参りをして後に「抱負」を語ったのだったが、その数日後に「国会冒頭解散」に気分が変わったというのですから、信用もできなければ、舵(かじ)取りを任せるわけにもいかない「嘘つき総理」というほかないでしょう。この女性宰相は極め付きの嘘つき。天照大神にさえ、嘘をかませたんですから。
自分の発言に責任を持たない人間は「嘘つき」ですし、間違った発言を訂正も誤りもしなければ、やはり「嘘つき」です。要するに自分に不都合な事柄はなかったことにしたいという、手に負えない無責任ぶり。「力強い経済を」論をぶち上げたはいいが、何のことはない円安と物価高の二重苦を国民に押し付けて、増税インフレ大賛成(万々歳)と「自画自賛」(ある種の自虐ですね)のおおはしゃぎという厚顔ぶりです。虚勢を張って「大国」を見せびらかしているけれど、実態はどうでしょう。あらゆる指標が示すところは衰退の一途をたどるばかりの国勢の没落・凋落ぶりです。

衆議院の解散権は総理大臣(首相)の「専権事項」とされていますが、本当にそうなんすか。天皇の国事行為の「一」項ではありますが、まあ、いろいろと条件が付いているみたいだけれど、「切り捨て」か「四捨五入」すれば首相の「専権事項」と読解してきただけのことではないでしょうか。法解釈はいかようにもできますが、だからどんな解釈も成り立つということではないでしょう。「(首相の)解散権は否定できないものの、党利党略で安易に「伝家の宝刀」を抜くのであれば、制度の悪用である」とコラム氏は指摘します。国会が開かれれば、これまでの自らの「過ち」や「放言」、数々の無責任、あるいは内閣各員に対する責任追及に遭遇するのは不可避ですから、難を逃れ、責任追及を躱(かわ)し、怠慢政治の不作為を指摘されたくないからの「私利私欲解散」としか思われない。やってごらん。先は長いから、さ。
第7条 天皇は、内閣の助言と承認により、国民のために、左の国事に関する行為を行ふ。
一 憲法改正、法律、政令及び条約を公布すること。
二 国会を召集すること。
三 衆議院を解散すること。
四 国会議員の総選挙の施行を公示すること。
五 国務大臣及び法律の定めるその他の官吏の任免並びに全権委任状及び大使及び公使の信任状を認証すること。
六 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権を認証すること。
七 栄典を授与すること。
八 批准書及び法律の定めるその他の外交文書を認証すること。
九 外国の大使及び公使を接受すること。
十 儀式を行ふこと。

「衆院選には600億円前後の費用がかかる。民主主義を成り立たせる必要経費とはいえ、通常国会の論議が頭からすっ飛ばされ、政党本位の政治ゲームに付き合わされることになるのだろうか。なされるがままが口惜しい」というコラム氏の嘆きはぼくも同感です。何のために解散するか、艱難辛苦、自分がようやくにして座り得た「椅子」から離れたくないだけのこと。まさしく「私利私欲」の沙汰でしかありません。国家。国民の状況をいささかでもよくしたいというのではなく、一日でも権力の座にしがみついていたいという我欲のなせる業ですね。「自分の利益を第一に考え、それを満たそうとする気持ち」(デジタル大辞泉)です。「我欲」を満たそうとするためだけの「天皇の政治利用」でもあるのですから、「天皇」崇拝論者の首相にあるまじき行為ではないですか。「不敬罪」に当たりますよ。
<社説>首相が解散意向/「経済最優先」と矛盾する 高市早苗首相が、23日召集の通常国会冒頭で衆院を解散する意向を自民党幹部に伝えた。衆院選は2月中旬までの投開票が想定される。
通常国会の冒頭解散は極めて異例だ。2026年度当初予算案の年度内成立は困難となり、「経済最優先」を掲げる首相の方針と矛盾する。なぜ解散を急ぐのか、疑問を抱かざるを得ない。
高市政権は昨年10月、衆参両院ともに少数与党で船出した。衆院では無所属議員を自民会派に取り込み、連立を組む日本維新の会と合わせて過半数を回復したが、過半数に満たない参院の状況に変わりはない。
発足以来、内閣支持率は70%前後の高い水準を維持している。首相の人気に乗じた早期解散で自民の議席を増やし、政権基盤の安定を図る狙いが透けて見える。物価高騰にあえぐ国民生活を置き去りにした党利党略ではないか。(以下略)(神戸新聞・2026/01/14)

そもそも政治は、などという言い方はしません、したくありません。見るべきは現実ですから、今あるがままの政治状況しかぼくたちは得られないのです。本来なら、「政治とは…」という愚痴だか、期待などは言うべきではないとは思わないけれど、なるべくしてなった現状から目を逸(そら)していては、いつまでたっても空論・画餅に弄(もてあそ)ばされ、結果的には退廃政治家の思う壺という羽目になるでしょう。どうしてこの「嘘つき首相」の支持率が高いか、この政権が続くうちは「利益」を得られると算段する人が多いということです。もちろん、「女性だから」という支持者が圧倒的だというのも、そのことで、自分の生活や環境が悪くなるとは思わない能天気な支持者がいてくれるおかげでしょう。まあ、いわば有権者の「オウンゴール(own goal)」みたいなもので、この、自分で墓穴を掘る愚かさに気が付かないうちは、この国は危険水域を運航している巨大な船ですね。あるいは「舵(rudder)」のない船、いや、ひょっとしたら「スクリュー(screw)」すらないのかもしれません。車で言うなら、ハンドルもブレーキもない、しかも2馬鹿力(連立)政権ですから、沈没は免(まぬが)れませんね。

船長は無免許、航海経験なし。乗員(内閣)も好き勝手な行動をとる、そして乗組員もどんな船に乗っているのかにさえ関心がないのです。沈没するか、座礁するか、あるいは難破するのか。例えは不適切が、この日本丸は、現代の「タイタニック号(Titanic)」であるような気がしてならないのです。この巨大客船は「初航海(1912年)」で、大西洋上の氷山に激突し、沈没しました。(4月14日、23時40分、氷山と衝突。約1,500人が亡くなった)船は海上にありますが、この「日本丸」はしばしば地震で揺すられますものの、大陸にあって、あちこちへ自由に動き回ることはできませんから、あえて言うなら「日本丸は陸沈」するというほうが正確でしょう。「陸沈(りくちん)」とは、「滅亡すること」を意味しますよ。もう一つの意味は「ひそかに市井に隠れ住む賢人」のことです。この社会にもきっといるはずですね。「水(海)に沈む」のは道理でしょ、でも「陸に沈む」というのはなかなかのことで、ことにわが社会の政治家など、死んでも「陸に沈まない」ですよ。その昔の「隠居」といっても通じますか。横町の隠居というように。この社会からすっかり絶滅したのが「隠居」ではないかとも思う。「賢人、よくおのが生を持する」、しかも、慌てず騒がずに、です。騒々しいだけの政治家は嫌だし、いらないですね。
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