◎[社説]市場の警鐘に耳傾け財政規律の確立語れ(2026衆院選に問う)
日本の債券市場が財政政策に明確に拒絶反応を示すのは極めて異例だ。高市早苗首相が19日に衆院解散を表明し、食料品を2年間、消費税の対象から外す方針を掲げると、長期金利の上昇が加速し、一時27年ぶりの水準をつけた。
市場の混乱は有権者にも打撃が及ぶ。そろって消費税減税を掲げる与野党は市場の警鐘を正面から受け止め、選挙戦で財政の信認向上と堅実な成長戦略の両立を競うべきだ。
日銀の植田和男総裁は23日、政策金利を据え置いた金融政策決定会合後の記者会見で、長期金利の上昇を「かなり速いスピード」と警戒し、市場の安定を目的にした臨時の国債購入について「例外的な状況では機動的に実施することもある」と語った。
「政府と緊密に連絡しつつ、それぞれの役割を踏まえてしっかりみていくなかで判断する」とも述べた。緊急時に対応するのは当然だが、小手先の対応では根本的な問題解決にはならない。金利上昇の根本の原因を見据えるべきだ。
政府の放漫財政に市場が債券売りで警告を出し、方針転換を迫る。そんな動きを「債券自警団」と呼ぶ。日本では超低金利が続き、財政規律が緩んだ。金利上昇は自警団が動き出した証しだ。
税収が増えていることもあり、現時点で日本国債の格下げ議論が高まっているわけではない。だが、減税が2年で終わる保証はない。社会保障費用に充てる歳入に穴があいたままになれば、やがて財政の持続性が問われる。
日本の金利上昇は海外市場にも波及し、ベッセント米財務長官は米長期金利の上昇に「日本からの波及効果を分離して考えるのは非常に難しい」と語った。世界は日本の財政運営を注視する。
英国では2022年、当時のトラス政権の大型減税策を受けて長期金利が急伸し、退陣を招く「トラス・ショック」が起きた。二の舞いとなって世界に動揺をもたらさぬよう細心の注意が必要だ。
日銀に重要なのは物価の安定と、債券市場の機能回復だ。適切なペースでの利上げと国債保有を減らす金融政策の正常化が欠かせない。安易な国債買いは、為替市場が不安定ななか、かえって円安やインフレを招きかねない。政府には市場の信頼に足る財政規律の確立が何よりも求められる。(日経新聞・2026/01/24)
◎米当局がレートチェックか NY円相場155円台に、為替介入警戒で急騰 【ニューヨーク=竹内弘文、ロンドン=山下晃】23日のニューヨーク外国為替市場で円相場は一時1ドル=155円台後半まで円高・ドル安が進んだ。米当局による為替介入への警戒感から円が買い戻された。日本時間の23日夕方にも約10分間に2円程度円高・ドル安が進むなど乱高下した。(日経新聞・2026/01/24)

⁂「週のはじめに愚考する」(壱百參)~ 愚考するのは「週初」ばかりでないのは言うまでもありません。まあ、毎日が「愚考」「愚行」の連発ということろです。その自覚はいささかも失っておらぬつもり。昨年十月の新内閣誕生以来、ぼくは新内閣の政権運営に黄色信号を出し続けていきました。今や黄色は赤に変わりつつある、いや変わったのだいう判断に至っています。「高市総理は(新内閣成立までに時間を要したことを国民のおわびするとともに)、ここからは国家国民のため全力で変化を恐れず果敢に働いていく」と意気込みを語りました。また「この内閣は決断と前進の内閣。国民とともにあらゆる政策を、1歩でも2歩でも前進させていく」と国民目線の政策を展開する意思を示しました」これが自民党が出した新内悪誕生に当たっての号砲(空砲)だった。(https://www.jimin.jp/news/information/211644.html)。以来三か月、その足取りは極めて不安定かつ不穏当なもので、いわば「内弁慶」の引きこもり内閣、あるいは町内会番長的な首相の振る舞いでした。「強い」を強弁するのは「(実際には)弱い」証拠でしょ。
現下の喫緊の課題は天井知らずの「物価高騰」の抑制であり、その誘因になっている「暴落的円安」への歯止めであり、それと踵(きびす)を接している「長期金利」急上昇の原因をとり除くことです。面倒なことになりますから詳細には立ち入らないが、この内閣が編成した当年度補正予算(18兆円余)の半分以上(11兆円余)が新規国債発行で賄っているし、次年度の予算(概算)も国債発行は30兆円、両予算合わせて40兆円余の特例公債発行で帳尻を合わせています。物価の番人である日銀は、政策金利の現状維持(0.75%)を決定(1月23日)、本来なら金利を1%程度まであげたいところだったが、大量の国債発行による「放漫財政」下にあって、やむなく現状維持にとどめたのが実際のところです。「植田和男総裁は会合後の記者会見で、最近の長期金利の動きについて『かなり速いスピードで上昇している』との認識を示した。金利上昇を抑制するため『機動的にオペを実施することはあり得る』と述べ、政府と緊密に連携した上で『それぞれの役割を踏まえ判断していく』との考えを示した」(時事通信・2026/01/23)。

上掲の日経新聞の「社説」を一読、これまでも放漫財政主導の財政運営に、ほとんど注文を付けてこなかったにもかかわらず、アメリカ財政当局が「日本の財政政策」のお粗末さ(火遊び)に業を煮やし、伝えられるところによると「レートチェック」を実施したという。日本の長期金利の異常な高騰は世界各国の「金利上昇」を誘発しているとの認識で、日本の財政当局に強い注文を付けたのです。そのような事態を招いて、日経新聞は「アリバイ作り」のように「政府の放漫財政に市場が債券売りで警告を出し、方針転換を迫る。そんな動きを『債券自警団』と呼ぶ。日本では超低金利が続き、財政規律が緩んだ。金利上昇は自警団が動き出した証しだ」との警告らしきものを出しました。経済財政の素人であるぼくにも、この日経の記事は遅きに失したというほかありません。「日本の金利上昇は海外市場にも波及し、ベッセント米財務長官は米長期金利の上昇に『日本からの波及効果を分離して考えるのは非常に難しい』と語った。世界は日本の財政運営を注視する」と柔らかく書かれているが、おそらく米国はもっと激しい口調で日本政府の財政政策をなじったともいわれています。このままでは「日本発」の金融ショックが起きることを恐れたためでしょう。(上の図表はいずれも東京新聞・右上は2026/11/29、左は2025 /12/26)

「日銀に重要なのは物価の安定と、債券市場の機能回復だ。適切なペースでの利上げと国債保有を減らす金融政策の正常化が欠かせない。安易な国債買いは、為替市場が不安定ななか、かえって円安やインフレを招きかねない。政府には市場の信頼に足る財政規律の確立が何よりも求められる」と、拙劣政策の主因として日銀と政府を明示し、いかにも警告を発しているように思えますが、実情はまだまだ認識は甘すぎるのではないかとぼくは考えます。物価の高騰でインフレ財政を続かせることによって、見せかけのGDP増大を図ろうとする内閣の姿勢にはあきれるほかないにもかかわらず、さらにやるべきではなかった「衆議院選挙」における「消費税廃止」、あるいは「減税」が叫び交わされています。イギリスの首相による「トラスショック」は、極東の小国でも起きる前夜にある、いやすでに始まっているのでしょう。天井知らずの円安や政策金利上昇という事態に、内外の市場(マーケット)からの「NO !」を突き付けられたままでいながら、膨張予算・借金漬け財政策は止められないとしたら、「禁治産」のレッテルを張るしかないでしょうね。
いたずらに国債を乱発し、後は野となれ山となれという「アベノミクス」の大失敗を検証すらしないで、その「轍(わだち)」に進んではまり込もうとしている、現内閣の愚行、これをなんというべきか。自らを「アマゾネス(amazones)」と称し、敵の位置も能力も見極めないで猛進するという「猛毒宰相」は、現下の国にはまったくいらない存在です。「責任ある積極財政」と表現はまともを装っていますが、実態は「無責任極まる膨張予算」であり、不必要な「過大な軍事費予算」ではないですか。たぶん、金融財政においてもこの国は「米の管理下に置かれた」といっていい事態にあります。
(*禁治産= 心神喪失の常況にある者を保護するため、法律上自分で財産を管理・処理できないものとして、後見をつけること。また、その制度。本人・配偶者・四親等以内の親族・後見人・保佐人または検察官の請求により、家庭裁判所が宣告する。平成12年(2000)民法の改正とともに廃止され、成年後見制度へと移行した。きんじさん。デジタル大辞泉)
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