「本を買え、天に届くまで積み上げろ」

【春秋】秋の書店、新刊に迎えられて 「欠けたまま満ちる」「なぜ日本が世界に必要なのか」「リベラル疲れ」。書店に行くと、手に取ってもらいたい新刊本が多様なタイトルで迎えてくれる。「社喰(しゃぐ)い」「ヘルマン・ヘッセがカレーライスを食べる話、ありますか」▼「本の自叙伝」「本棚の記憶」など本が主役風のタイトルも目にする。「本好きの下剋上」「本を読む人はうまくいく」「人にはどれほどの本がいるか」「乱読御免」▼先日の朝のNHKラジオは「積読(つんどく)の流儀」という本を紹介していた。表紙には大きな活字でこんな呼びかけも。「本を買え、天に届くまで積み上げろ。」▼12年前に出版された「本と暮らせば」(出久根達郎著)の中の言葉を思い出す。「読むだけが、本ではない。そこにあるだけで、私たちは本から何らかのオーラを受ける。(中略)電子書籍には、これが無い。紙と活字と形とにおいと色彩を持つ本だけが、人間の五感に訴えてくる」▼電子書籍が紙の本を減らし始めて久しい。閉じる書店が年々増える。町から「本の森」が細っていく。小さくていい、自分の部屋に森を持っていたい▼「働く人が減っていく国でこれから起きること」「弾丸とヒマワリ」「ネットで“真実”を知ったつもりでデマをまきちらす君へ」「オンナを黙らせる政治とメディア」「誰かと一緒にいたいけど、1人になりたい」。深まる秋の夜長には、数冊でもいい、本の森が似合う。【西日本新聞・2026/10/12)

 昨日、なんと十五年ぶりに都内に足を踏み入れました。東京駅の雑踏ぶりに圧倒されつつ紛れつつ、さっそく、踵(きびす)を返して自宅に帰りたくなりました。「人間群衆」の一要素になることの恐怖というのか、うかうかと、ここまで来てしまったことを悔やんだほど。目的地まで、指呼(しこ)の間だったけれど、その雑踏ぶりに怖気づいて、タクシーに乗るつもりだったが、まったく要領を得ない。たくさん走っているが、簡単に止まってくれない、大半が「予約(ウーバー)」だという。キャッシュレスが横行していて、ぼくには、ほとんど生きていけない世界・他郷になっていた。ぼくは携帯(スマホ)を持たない人間だから、とてもではないが、自分の判断・選択によって住むことも不可能な時代であり社会だ。浦島太郎となり果てて、公衆電話を探すが見当たらない。神保町周囲一キロで、まるで「一本の針」を探すような徒労感に襲われた。だからと、ぼくはスマホには微塵の関心もないのです。

 本日は「体育の日」だそう。毎日が日曜日のような人間には、休日のありがたみも設定の理由もよくわからない。連休を無理やり作ってまで(連続休日)、国民を物見遊山の徒にするような政治の感覚は、拙者にはおよそ理解不能なんですね。それにしても、47都道府県のうち、唯一、人口増を続けているのが東京都とだというのですから、一極集中は、多極閑散を意味するわけで、「夜明けは近い」のではなく、「崩壊は早い」とぼくは見ている。いや、不謹慎ですけれど、期待しているのかもしれません。

 「30年目の邂逅」が都内の神田神保町であったのです。京都から出てきて、それこそ本の蟲になるきっかけは神田にあったといっていいほどに、ぼくは古本屋界隈を飽かずに経巡りました。昨日もその近辺を少しばかり歩きましたが、いくつかあった馴染の古本屋は、まるで地(地面)の上にありながら、その趣は地下街のお店という風情でした。まさに、地階にある「書庫」という感じで、早晩、この地下倉庫も寂(さび)れ切って廃業になるだろうと思いました。かと思えば、繁華街の呑み屋がビルの中に納まるがごとく、に貴浪、高層ビルの階上へと軒を重ねているのですから、入る気もしませんでした。

 町の銭湯が、1968年からの半世紀余で、約9割も減ったとある記事にありました。今年の4月時点では1493軒。銭湯は「デモクラシー実践の場」と誰かが言いましたが、日常的に行われていた「裸の付き合い」の場や機会が著しく減り続けている。同じように町の本屋さん、古本屋も、何が悲しいのか、衰退の一途です。「民主主義を考える、人間を育てる揺り籠」が止めようもなく減り続けているのですから、風呂屋や本屋の稼業上の問題だけに止まらない、生活文化の崩壊・消滅の危殆に、この社会は瀕しているというべきかもしれません。内外を問わず、都心は「上へ上へ」と伸びる一方です。「豚も煽(おだ)てりゃ、木に登る」というらしい。「✖✖と煙は高いところに上る(上りたがる)」とも。

 この国は、何が悲しくて(繰り返します)、上に、高いところにばかり上り(昇り)たくなるのでしょうか。地に足をつけるのが辛くなってきたのかもしれない。「閉じる書店が年々増える。町から『本の森』が細っていく。小さくていい、自分の部屋に森を持っていたい」とコラム氏は、夢のような希望(ほぼ絶望に等しい)を訴えておられます。この社会には「本」が必要だというのですが、その本の「本(もと)」になる「木」「林」「森」が放棄され、後輩に任されているのですから、前途多難。木を植える人、木を育てる人、本を生む人、本を作る人、本を売る人、こういう一連のプロセスと、それに携わる人々がいなければ、木は枯れ、林は荒れ、森は衰退していくほかありません。本は、一人の人間の脳髄に作用する「木」「林」「森」であるでしょう。「フィトンチッド効果」「テルペン」などという成分で、どれだけ、気性の起伏を抑え、穏やかにさせられているか。新鮮な空気本を読む人の出番がなくなるしかないでしょう。「読書は脳の森林浴です(Reading is like forest bathing for your brain.)」といいたいほど。

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「徒然に日乗」(1242~1248 )

◎2026/10/11(日)午後、都内に出かける。山中の僻地に越して以来、およそ十五年ぶりの「お上りさん」。場所は神田神保町。三十年前のゼミの卒業生の「親睦・同窓会」に、数日前に誘われていた。二度と東京に足を延ばすことはないだろうと思っていたが、声をかけてくれたH君の「誘惑」に怯(ひる)んだ格好だった。この間、拙宅において面語(めんご)していた人もいたが、まさに邂逅三十年ぶり、そんな卒業生もいた。約十人。群馬、山梨からも出向かれた人がいた。帰宅は、何んと日付が変わっていた。最寄りの駅から、電話をしてたら、「黙って今頃まで、どこへ行っていたんだ」とかみさんの声。出かけた理由も場所も、帰宅時間(予定)もすっかり彼女の頭から消えていた。それにしても、都内は林立するビルの杜。その下に残されている地面で人間が生息している、そんな悍(おぞま)しさを痛感。ぼくにはとても安心して、歩いたり座ったりできな気がしたな。(1248)


◎2026/10/10(土)「高市早苗政権がリフレ政策は不要だというメッセージを打ち出している。高市首相や片山さつき財務相、城内実経済財政相が相次いで発言した。市場やトランプ米政権に配慮し『利上げに慎重』という印象を打ち消す狙いがある。/首相は8日の衆院本会議で「リフレ政策が必要な局面ではない」と強調した。雇用や所得の増加につなげて経済の好循環を実現し、税収を増やす政権の方針は『いわゆるリフレ政策と異なる』と主張した」▼何を今更。体制は全く変化しているとは思われないままだ。「日経平均69,030.92 -11.19 NYダウ51,654.95 +423.31 ドル円158.26-28 +0.08円安 NY原油91.66 +0.17 長期金利3.010 -0.070」(日経新聞・2026/10/10)▼午前中に茂原に買い物。その際、衣料ショップに立ち寄り、ジーンズを買う。(1247)


◎2026/10/09(金)終日快晴。いつものように猫の缶詰購入のために市原のHCに出かけたが、どういうわけだ、不注意なことにも、右折すべき交差点を見逃して、迷子になった。前回もあったことだが、いよいよ怪しくなりつつあるのが、我ながら気にかかる。大いに自覚はあるのだが。考え事をしていたためのミス。交通事故にも直結することもあるので、いっそう慎重な運転をと、気を引き締めている。▼「日経平均69,030.92 -11.19 NYダウ51,231.64 +51.77 ドル円158.23-24 +0.05円安 NY原油90.66 -0.83 長期金利3.010 -0.070」(日経新聞・2026/10/09)▼昨夜遅くに、卒業生のF君からメールが入っていた。祖母上が亡くなられたので、訪問中止の連絡だった。享年102だという。10日に、誉田駅前の葬場で葬儀だという。(1246)


◎2026/10/08(木)暖かい陽気だったので、午前8時前から庭作業。主として草取りで、すべて手作。庭の方々にはイノシシが掘り起こした大小の穴が無数にあるので、草取りをしつつ、その地均(なら)しもしなければならない。いったん休憩して、再開。終わったのは午後2時頃だった。股関節だろうか、腰。膝もふくめて、がたがたで痛みも伴っていた。無理をしているつもりはないのだが。▼「日経平均69,042.11 -993.60 NYダウ51,179.87 -341.41 ドル円158.27-29 +0.17円安 NY原油92.62 +4.34 長期金利3.080 -0.025」(日経新聞・2026/10/08)(1245)


◎2026/10/07(水)曇天が続く。台風(27号)は劣島を逸れて、影響はなかった。次に、二つの台風が続いている。県下の各地をはじめ、復旧作業はまだまだ済んでいるとは思われない。▼「本日、第222回国会の開会式に臨み、全国民を代表する皆さんと一堂に会することは、私の深く喜びとするところであります。/ここに、国会が、国権の最高機関として、当面する内外の諸問題に対処するに当たり、その使命を十分に果たし、国民の信託に応えることを切に希望します」(宮内庁・026/10/05)いかなる感情が心中に去来していたか。こんなことはおb国は初めてのことだった。「天皇はお飾り」でいいという政治的風潮に反旗が翻っているのか。▼「日経平均70,035.71 -648.27 NYダウ51,521.28 +253.38 ドル円158.26-27 +0.16円安 NY原油89.88 +0.44 長期金利3.105 +0.010」(日経新聞・2026/10/07)米国に叱られ、軽蔑されてもなお(「米中同盟国」発言「日本は米中共同の敵」発言)、尻に火がついているのに、内閣は気づいていない、そんな滑稽な図が見える、国会首相演説の陳腐。「気が付いている」という風を見せることは「内閣」の存亡にかかわると恐れているのさ。(1244)


◎2026/10/06(火)快晴ではなかったが、台風の影響は見られなかったといっていい。終日、気温25度未満だったか。▼昼過ぎに茂原まで買い物。いつもの道路は「崖崩れ」が数か所に及び、いまだ十分に修復ができておらず、迂回路もかなりの交通量が多くて、普段はあり得ない渋滞が発生している。いつもの何倍もの時間がかかった。▼「日経平均70,683.98 +737.12 NYダウ51,267.90 +90.94 ドル円157.98-00 +0.33円安 NY原油87.50 -1.93 長期金利3.095 +0.010」(日経新聞・2026/10/06)株価が7万円台に乗ったというが、足元ではインフレ(円安)で物価高、長期金利も3%超が当たり前になった状態だ。国会の首相演説でも、やや「マーケットを気にしている風」は見えるが、これまでの「放漫財政」は改める風が見えないのは、白旗揚げると、我が身が危ないという直感が働くからだろう。加えて、今更引き下がれないという撤退論に対する恐怖もあろうか。残念だけれど、亡国の道を一直線という「経済音痴全開」、驀進中。「道づれ」はご免被りたいのだが。(1243)


 
◎2026/10/05(月)遥か南方海上に台風が3つも同時発生していて、劣島を目指して北上している。過日の被蓋・被災の爪痕がまだはっ切りと残っている中、今後の進路が気遣われる。終日曇天が続き、ち期にはあめも降っていたようで、この先がほんとうに思いやられる。▼本日から国会が開かれた。〔「〔首相は〕国内投資の呼び水として、大規模かつ長期の、予見可能性の高い財政支出を計画的に行う」と強調。財源は明示しなかった。消費税減税の財源に関しても「特例公債に頼らず確保する。心配には及ばない」と述べたが、具体策はなかった。/積極財政の影響もあって、長期金利は上昇を続け約30年ぶりの水準にある。首相は演説で「経世済民」が自らの志だと強調したが、既に物価高騰は国民生活に長く暗い影を落としている」▼「日経平均69,946.86 +1637.40 NYダウ51,176.96 +250.40 ドル円158.23-25 +0.66円安 NY原油90.23 -0.88 長期金利3.085 -0.015」〔日経新聞・2026/10/05)日米ともに「インフレ・物価高・長期金利上昇」に喘(あえ)いでいるし、いよいよ「ITバブル」が崩れる寸前の様相を見せている。「世界同時金融破綻」の悪夢が、正夢になるような気がしている。(1242)

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