「悪女の深情け」っていうんですか

 日米首脳、対中連携確認 トランプ氏米中会談説明 高市早苗首相は26日、トランプ米大統領と約20分間電話で会談した。トランプ氏は中国の習近平国家主席との会談結果について直接説明した。日米首脳は、経済安全保障を含む経済や安全保障など中国を巡る課題を中心に意見交換し、日米の連携を確認した。首相が会談後、官邸で記者団に明らかにした。
 米中が第2次大戦時の「同盟国」として共闘した歴史をトランプ、習両氏が振り返ったとの米中両政府の発表を踏まえ、首相は「日米は今や最も信頼し合える同盟国となっている」とトランプ氏に伝えた。その上で「共に世界の平和と安定に貢献していくと確認した」と述べた。(共同通信・2026/09/26)

⁂「週のはじめに愚考する」(138)~ 「悪女」というものをどう表現していいか、ぼくにはよくわかりません。ごく一般的な意味では「容貌の劣る女性。男性の視点からの表現で、暗に執念深くて迷惑だが、どうにもならないといったニュアンスで使われることが多いことばです。転じて、男女関係にかぎらず、一方的にほれこんで、どこまでも離そうとしないことのたとえに使われる場合もあります」とある辞書(ことわざを知る辞典)には解説されています。「怖い女」でもあるんですね。あるいは同じことを別の辞書では「醜い女のほうが美人に比べて情が深いということ。また、ありがた迷惑のたとえ」とあります(デジタル大辞泉)。こちらもなかなかに、ですね。(ヘッダー写真は「悪(わる)女」深見じゅん著。講談社刊 1990年)

 このように辞書に書かれている解釈をそのまま、「そうだね」とは、ぼくは受け取りかねます。「悪女」にもさまざまな受け取り方(解釈)があるのですから、辞書の意味のように「一概」には言えないのではないでしょうか。ある種の女性は(もちろん、男性でも)、とても情が深く、相手に対する思いやりがとても強いということなのでしょうが、これも簡単には、そういうことだ、と言い切れないところがあります。

 「悪女」といって、世間では「1 性質・気立てのよくない女。2器量の悪い女。醜い女」(デジタル大辞泉)と、両様の、あるいは両者を合わせて使っているのでしょうか。なんでこんな単語(表現)を思いついたかというと、お察しの通りで、日本の首相は米国の大統領に「ぞっこん」だというのはこれまでも明らかなことでしたが、はたして相手(米大統領)はどうだったか、それが曖昧なままだったのが、この数日間で一層明らかになったからです。誤解されないように断っておきます。第二次世界大戦後一貫して、日本は米国追従外交に徹底していたといえます。(K.T.首相時代は、そうだとは言い切れませんが)つまり、この国の首脳は、米国(旦那)に対しては、いつだって、必要以上の「悪女ぶり」であったし、その悪女のお得意の「深情け」を相手国大統領にかけ続けてきたのでした。これまでのすべての「悪女(首相)」は男性だったから、物事の真相が、今回ほどあからさまには見えなかっただけですね。

 首相は9月22日、国連総会で「演説」し、聴衆のほとんどいない閑静な雰囲気の議場において、日本の「主張(法の支配)」なるものを披歴した。その前に米大統領と35分という時間の中で、「実りある会談」をなしている。「日米同盟の強化」という理解で一致したと首相は明言。その二日後に、「日米」の次元を遥かに超えた「同盟関係」を米中は確認していたことが明らかになりました。「第二次大戦中」は米中両国は「日本軍国主義(ファシズム)に対して肩を並べ戦い勝利した」と確認するのです。それを知って、日米関係の揺ぎなさを再確認したくて、日本の首相は帰国後に米大統領に電話。その経緯が最初の記事(共同通信)として出ていました。「記事にはこんなふうに出ているけれど、この私を袖にしないでね」と。

 方々に「戦争(侵略)」を仕掛け続ける米大統領を、「ノーベル平和賞候補に推薦」し、「世界に平和と繁栄をもたらせるのはドナルドだけ」とデマカセを、表情たっぷりに、心を込めて(装って)発信し、いよいよ日米同盟関係は「強固」になったと思いきや、米中が「ファシズム日本」を相手に「同盟」していたと、驚くようなスピーチを聴かされ、青くなってか、白くなってか、急遽、電話会談に及んで、「大丈夫だ、好きだよ」とささやく声を聴いて「安堵した」という発表を深夜に行ったのです。

 これまでも、ぼくは何度も繰り返し、「日米同盟(Japan-US alliance)」というけれど、アメリカは「同盟」などとはつゆ考えていないこと、一旦緩急あれど、「アメリカは日本を助ける」ことはないといい重ねてきました。日本中に米軍基地があるのは、日本を守るためではなく、米国の極東戦略の必要上からだ、とも。何年にもわたり沖縄の米軍基地問題が大きな、あるいは小さな「火種」になっているのですが、普天間は危険だから辺野古にというのは図面の上での話。辺野古ができても普天間は戻らないことは早い段階で明らかになっています。日本の権力者は、対米関係を「政権維持」の道具にしてきたつもりだったのに、実はそれは最初からアメリカの「掌(戦略)」の上で弄(もてあそ)ばれてきただけのことでした。おそらく、米国大統領は「台湾」は中国の内政問題であると、すでに中国に伝えているはず。だから、現実には「台湾有事」は起こらないとなると、首相の昨秋の「誤った発言」はどうなるのでしょうか。

 中国にとって、今更「取り消す」には及ばないのであって、あの「間違い発言」は歴史として残り続けるでしょう。冷静に見れば、日本の首相は、米中から「足蹴にされ」たも同然です。まるで「寛一・お宮」の構図です(「金色夜叉」)。にもかかわらず、「深い関係はさらに続くよね」と米大統領に言わせたくて、米国に電話をかけたというのでしょう。米大統領は顔を背け、耳を塞(ふさ)いでいるのですが。これぞまさに、「悪女の深情け(The ugly woman’s deep affection)」、じゃないですか。「悪女」は、それはそれで必死なんでしょうが、その悪女が率いるこの国は破綻・損壊の危殆に瀕しているんですよ。(なお、この「日米首脳会談」(時間にして、公表は35分、実質は通訳付きで20分だった。それもそのはず、通りすがりに出合い頭の「立ち話」みたいなものだったからね。一瞥したところ、米国のメディアは、この「会談」にほとんど触れてはいませんでしたね)

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 〔* 高市首相、トランプ氏と連携確認 「米中」受け電話会談 高市早苗首相は26日夜、トランプ米大統領と20分間電話で協議した。トランプ氏から米中首脳会談の結果について直接説明を受け、引き続き日米が連携して経済安全保障や防衛など中国に関連する課題に対処することを確認した。/首相とトランプ氏は米中首脳会談直前の22日に米ニューヨークで対面で会談した。直後にも対話の機会を持つことで、日米離間を狙う中国に対抗する狙いもある。/電話会談後、首相は首相官邸で記者団に「詳細な説明」があったと強調。具体的な内容は明かさず、「1週間に2度の首脳会談は日米同盟の絆の強さを示すものだ」と訴えた。/米側が出した米中首脳会談の発表文には、米中は「第2次大戦での同盟国」として「勝利のため共に戦った」と記された。/ 首相はこれに関してトランプ氏から言及があったかどうか記者団に問われ、同氏に「日本と米国は今や最も信頼し合える同盟国となっている」と伝えたと明らかにした。その上で「共に地域、世界の平和と安定に貢献していくことを確認した」と記者団に述べた〕(時事通信・2026/09/26 22:36)

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