【斜面】本当の危機を案じる 「責任ある積極財政」ならぬ「責任ある中道改革勢力」という言葉を目にしたのは昨年9月。惨敗した参院選の総括で公明党が掲げた。高市早苗氏が自民党の総裁に就くと連立を解消し、衆院選を前に立憲民主党と中道改革連合を結成◆「反高市自民」の結集は構図としては分かりやすかったものの、組織票を当て込んだ皮算用は高市氏の人気を前に外れ、大敗を喫する。当時の野田佳彦共同代表は「中道の種火はともった」と強がったけれど、敗戦は双方に不満と不信の火を付けていた◆結党から約7カ月。事実上の分裂に至った。自民党と長く与党を組んだ公明と、与党と対峙(たいじ)した立民の垣根はやはり高い。安保や原発といった基本政策から異なっていた。結果だけを見れば高市総裁誕生による離合集散がもたらしたのは立憲民主という塊の解体だったともいえる◆中道の四分五裂は1強の自民をさらに勢いづかせるだろう。「リベラル政党には力がない」というイメージも広がるのではないか。結党の試みが浅はかだったと冷笑するのは簡単だが、行政府を監視、けん制する立法府の役割を思えば、とても笑えない◆中道分裂後の臨時国会はどうなるだろうか。ここで野党議員には、「責任」という言葉と与党に投じられなかった票の意味をかみしめてもらいたい。大局観を欠いて反目しあい、右往左往する醜態はお断りだ。多党が多弱のままでは、議会政治は力を失って民主主義が本当の危機を迎える。(信濃毎日新聞・2026/09/02)

日本発の金融危機が始まっている、その瞬間に、いったい「中道」の連中は何をしようとしているのでしょうか。アメリカ主導の「円の防衛(それはドル防衛でもあるが)」も強力なマーケットにはほとんど意味をなさないばかりか、日本国債やアメリカ国債が投げ売りされる始末。気の遠くなる赤字国債の山を横目に、さらに膨大な特別国債(赤字国債)に依存しきった次年度予算の概算要求が、何んと144兆円になろうかという。さらにこの先「青天井」は必至というのだから、金の亡者でなくとも、目をむき、牙をむくでしょう。総理大臣も財務大臣も、あるいは官僚も、この国を亡ぼすために、その地位に恋々としている思わざるを得ません。一国の破綻では済まないのに。
財務省の抵抗勢力は首相や財務大臣の「臭い」鼻息に一蹴され、あちこちに飛ばされ、散らばってしまう事態にあって、現内閣が世界の投資家から総スカンを食っているというのに、日本のメディアは何ひとつ盾突けないという、信じられないほどのテイタラクです。日本の長期金利は3%を超え、対ドル円は160円を突破している。ぼくは経済問題の素人であることを隠していません。そんな人間が昨秋以来の「安倍のミックス」なる大間違いの財政政策を継承し、案の定、国家経済を破綻に導いてきたにもかかわらず、それを取り上げ批判を試みるマスメディアがどこを探しても見られなかったという事実こそ、この国が「完全沈没」を余儀なくされていることを示していたのです。

昨日、「中道改革連合」なる政党?を含めた「(仲間内」三党党首会談」の模様を垣間見たが、見るに堪えませんでした。中道代表のO氏が就任した際、ぼくは、この御仁はだめ、まず優柔不断で、右顧左眄が超得意。結局は自分を売ることに政治的魅力を感じ、生命をかけているだけの愚物、偽物と断じました。まさに彼は「蕎麦屋の釜」だともいった、その子ことは「いう(湯)だけ」と。その通りでしたね。彼は財務省出身の元官僚。その心根がどこにあるかわかるじゃないか。彼の親分格のN元首相もまた、いつだって「政権界隈」の住人だ。松下政経塾出身で、現首相と兄妹の関係を誇示さえしていた人物。要するに、「野党」の魂を権力に売り渡すために存在しているような議員だったのだ。「蛇の道は蛇」という。「じゃのみちはへび = 同類のすることは、その方面の者にはすぐわかるというたとえ」(デジタル大辞泉)つまり、身は「野党」でも、心は「与党」などと言う不謹慎な政治姿勢で、あれこれ言ってほしくないね。
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◎ がっしょう‐れんこう〔‐レンカウ〕【合従連衡】読み方:がっしょうれんこう《「合従」は、秦に対抗するために他の6国が連合すること、「連衡」は、秦が他の6国とそれぞれ同盟を結ぶこと》合従の策と連衡の策。転じて、その時々の状況に応じていくつかの勢力が結び合うこと。また、そのかけひき。《「合従」は、秦に対抗するために他の6国が連合すること、「連衡」は、秦が他の6国とそれぞれ同盟を結ぶこと》合従の策と連衡の策。転じて、その時々の状況に応じていくつかの勢力が結び合うこと。また、そのかけひき。(デジタル大辞泉)
◎ 呉越同舟〔ごえつどうしゅう〕= 《「孫子」九地から》仲の悪い者どうしが同じ所に居合わせたり、行動を共にしたりすること。また、敵対していてもいざというときには共通の困難や利害のために協力し合うこと」(デジタル大辞泉)
【小社会】健全な野党 1941年5月、ドイツ軍の爆撃で英国下院の議場が大破した。宰相チャーチルは再建に向け、建築と人間の関係をこう演説している。「われわれが建物を形作り、その後、建物がわれわれを形作る」
再建を機に、他国のように議場を半円形にしてはどうかという声も上がったという。しかし、チャーチルは伝統的な長方形にこだわった。与野党が向き合って座り、激しい論戦を展開する。時には鋭いやじの応酬にもなる。
「いまこの議場で国家の命運を決する重大問題を討議しているという緊迫した雰囲気が醸し出されてくる」(河合秀和著「チャーチル」)。下院は戦後、ほぼ元通りに復旧された。チャーチルが国会の論議、野党の存在意義を重視していた証左かもしれない。
近年は崩壊もいわれるが、英国の二大政党制を日本は長く手本にしてきた。その理想も随分遠くなった。巨大与党の「数の力」を背景に強引な国会運営が目立つ高市政権。それを許している要因に多弱の野党がある。
また多弱に拍車がかかるのか。衆院の野党第1党、中道改革連合の分裂が確定的になった。国会はこの先、「緊迫した雰囲気」を醸し出せるのかどうか。野党勢には巨大与党のチェック機能、有権者の選択肢の再生に重い責任があることも忘れてほしくない。
英国といえば、高市首相が憧れるサッチャー元首相にもこんな言葉が残る。「民主政治に必要なのは健全な野党だ」(高知新聞・2026/09/02)

【小社会】というコラムが書いています。「英国の二大政党制を日本は長く手本にしてきた。その理想も随分遠くなった。巨大与党の『数の力』を背景に強引な国会運営が目立つ高市政権。それを許している要因に多弱の野党がある」と。「野党勢には巨大与党のチェック機能、有権者の選択肢の再生に重い責任があることも忘れてほしくない」と、もっともらしいことを言います。それが新聞の役目だとでもいうように、ですよ。現内閣の勢いなど、あるいはほんの一瞬の「旋毛風(つむじかぜ)」、「熱帯低気圧」だと、ぼくは見ている。間を置かず「温帯低気圧」になる運命。五年も十年も続くとは考えられないし、というものの、その内実は、まるで軟(やわ)な「ガラスの器」じゃあないですか。盤石の強さは何処にも、誰にもない。頼るべきは、この国の現在・将来を誤りなきものにする「政治哲学」と実行力だけです。保守だ反動だというのもいいけれど、それはある種の遊芸・政治談議みたいなもの、そんな怪しい政治家どもの手玉に取られてたまりませんよ。分裂するのも時の企み。くっつくのも時の勢い。

一面でも二面でも政治政党は「合従連衡」が常であるし、あるいはのべつに「呉越同舟」を繰り返しています。「昨日の友は今日の敵」、「敵の敵は仲間」、そんな離合集散を重ねて今日に至っている。これが日本の政治の姿だったが、だんだんに薄汚れ、スケールは小型化、まるで尋常小学校の「学級会」みたいなものに成り下がりました。それもこれも、ぼくの見立てでは、明治以来の「学校教育」のもたらした「一台帰結・成果」だったと思っている。自らが考え、他者の立場に思いを及ぼす、そんな余計なことを考えないで、ひたすら「今だけ・金だけ・自分だけ」を最優先にしてきた「優勢主義教育」にこそ、今日の国家退廃の最大の原因・理由があったのです。現職国会議員の「学歴」「学校歴」を一瞥すれば、ぼくの暴論は、まさに正論だと気が付くはずです。ここまでくると、「君は小学校しか出ていないのに、どうしてそんなに馬鹿なんだ」と、同窓生と久しぶりに会って、相手に放った上田庄三郎という元小学校訓導の「名言」を思い出してしまう。もちろん、大学出であってもかしこい人はいるでしょうが、国会議員の中には、たくさんはいそうにもないようにぼくには見えてしまう。

【小社会】氏はコラムの最後に付け足しのように、サッチャー元英国首相の言葉を紹介している。「民主政治に必要なのは健全な野党だ」、と。まさか、この国をして民主主義の国とでも言いたいのでしょうか。暴力的な権力とその与党に必要なのは、それらに負けない「不健全な野党」だというのはどうでしょう。この国の現実の姿ですよ。でも大事なのは、こんな暴力ばかりを武器にする邪道政治は続くものではないと、ぼくは断言します。船の底に穴が開いているし、さらに穴をあけようとする「仲間」たちもいるのですから。「健全な野党」というのは紙の上(頭の中)の話かな。
その昔、ぼくが大学生のころには「井戸塀代議士」などと呼ばれる政治家がいました。「政治家が政治や選挙に自己の財産をつぎ込んで貧しくなり、井戸と塀しか残らないということ。『―代議士』」(デジタル大辞泉)今でも、ぼくは何人でも、その名前を挙げることはできます。時代は変わって、今では「世襲議員」が政界を圧倒・睥睨(へいげい)しています。この輩を称して、ぼくは「井戸端議員」と呼ぶ。中身は言わない。
【素粒子】
分裂して増えていくのが細胞。分裂したら縮んでいくのが政党。
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足し算をしても増えないどころか大きく減った。ましてや割り算をしても増えるとは考えにくい。
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左派色を薄めなければ支持は広がらないと言われてきた。薄めたら支持ではなく空洞が広がった。
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国民の多くが疑問に思った皇室典範改正に賛成した。真ん中を取りに行く政党には見えなかった。
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3党に必要なものは新しい戦い方なのか。新しい考え方なのか。(朝日新聞・2026/09/01)
(ヘッダー写真は「2007年9月1日、ポーランドのラドム(Radom)で開催された航空ショーで、空中で接触し空中分解するアクロバット機」)(c)AFP/REPORTER/DAREK REDOS)
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