
【デスク日記】引っかかった記者会見 紙面で連日報じている福岡県庁と県議会の「歪(ゆが)んだ関係」。質問を受ける執行部側が質問案を作り、県議に渡していたという記事を目にして、よみがえった記憶がある。
東京の経済団体を取材した6年ほど前。記者会見の司会進行を担う幹事社として打ち合わせに呼ばれた際、広報担当者に折りたたんだメモ紙を渡された。「各社の関心事項です」。紙を開くと、いくつかの質問案が記されていた。
取材先にしっかり回答を準備してもらうため、記者が質問を事前通告することはある。ただ、その案まで渡されると話は変わる。監視機能を骨抜きにし、取材の緊張感を損ないかねない。会見を円滑に進める慣例だったのか。共に幹事を務める在京の記者はすんなり受け取っていた。
当日、その紙にあった質問から始まった記者会見。私は自分の関心事を聞き、報道各社から厳しい質問も飛んだ。それでも、今もどこか引っかかっている。(山下真)(西日本新聞・2026/08/20)
おそらくこの西山さんという記者は、当時も記者としての最低限の感覚や意識(良心)をお持ちの方だったでしょう。でも、今では、かかる「記者精神」も雲散霧消の体たらくというべきか。福岡県議会の極めつけの不祥事(醜聞)に関して、何かを言う気力も関心も持たない。ひたすら呆れかつ「他県も推して知るべし」だという実感ばかりを持っている。昔の昔、おそらく半世紀やそれ以上前の「首相の会見」など、極めてまれだったから、ぼくはよくテレビなどで見たものでした。能力がある人が、衆人一致で「選ばれる」、それが首相だと思っていたからでした。いつから、その流れが崩れたか、ぼくには思い当たる節はいくらでもあるから、駄弁るのはいとわないけれど、屑(くず)みたいな連中の話をするほど、ぼくは自分を甘やかしたくない。
最近は、ネットニュースが大流行ですから、首相や官房長官、あるいは各省庁大臣の「記者会見」なるものを見て時間をつぶすこそがあります。酷(ひど)いものですね。訊かれる方が酷いからか、訊く方が酷すぎるからか、おそらく両方だろうと思う。首相になる人物も無能・無知であるうえに、訊く方(記者たち)も、それに輪をかけたように無知無能で、その上に不勉強と来ているから、当然「記者会見」は「猿芝居」「茶番劇」(草芝居)という惨憺たる有様を示すことになる。総理大臣記者会見は、最悪の「愚者の達成」と言ったらどうでしょう。両者に「羞恥心」がないから、見るも無残な「惨劇」になるほかないのでしょう。「質問内容」を事前に提出し、それを官僚たちが「適当に回答を作成」し、記者会見ではお互いが、その書かれたもの(台本)を読みながら進める、退廃の極北のような「記者会見」という「愚かな芝居」になるのは止められないでしょう。訊く方も、応える方も、あるいは、性能の低い「AI頼み」であるとも思われます。

笑うべきは、NHKが「報道自由度(World Press Freedom Index)」について、自分を高い棚に上げて、コメントしています。ぼくの推測では、すでにNHKの番組編成では「検閲」「統制」が入っているんじゃないですか。特に大枠のニュース報道に関しては「扱うべきニュース」とそれ以外は、あからさまに選別され、政権に忌避されるような項目報道はしないことになっていると思う。もちろん、ぼくはNHK(を含め、テレビは全く視聴しない)の夕方7時のニュースが、夕食時とぶつかる限りにおいて、テレビをつけるので、それだけでも、少しはその偏向ぶりはわかるつもり。
「報道の自由度」が、日本ではあると答えられるのは極めて限られているでしょう。政治問題にかかわることは、「報道の自由度」は「零」ですからね。訊くべき事柄からして、すでに規制されている。報道管制は、きっちりと敷かれている。(報道機関としての、テレビは、論外)
世界の「報道自由度」が過去最低に フランスのパリに本部を置く国際ジャーナリスト団体「国境なき記者団」(RSF)は4月30日、世界180の国と地域を対象に調査した「報道の自由度ランキング」2026年版を発表し、平均スコアが100点中54.3点と、2002年の調査開始以降、最も低くなったことを明らかにした。報道を取り巻く状況は、5段階評価で最も悪い「非常に深刻」、その次に悪い「困難」に分類された国と地域があわせて94と初めて半数を超え、自由度は悪化の一途をたどっている。/国・地域別にみると、62位の日本は「特定秘密保護法がジャーナリストの活動を阻害し続け、編集の独立性を守るための安全策が不十分だ」と指摘され、下から3番目の「問題あり」に分類された。前年から順位を7つ下げた64位のアメリカは、「トランプ大統領が報道機関に対するたび重なる攻撃を組織的な政策に変えた」として、G7(主要7か国)で最も低くなった。10年連続で1位となったノルウェーは、報道の自由を保障する法的枠組みや、公共放送が強固で、政治的な干渉が少ない点も評価された。RSFは、国家安全保障に関連する法的手段が各国で広がっていると指摘し、「民主主義国家でさえも情報にアクセスする権利が着実に侵害されている」と警鐘を鳴らしている。/このほか、戦争の影響が特に深刻とされたパレスチナは156位で、2023年10月以降、イスラエル軍の攻撃によって220人以上のジャーナリストが犠牲になり、このうち少なくとも70人は取材活動が理由で殺害されたという。一方、イスラエル軍は、ジャーナリストを意図的に標的にしたことはないと一貫して主張している。(NHK・世界の「報道自由度」が過去最低に」:https://www.nhk.or.jp/bunken/d/research/focus/BUNA0000010760060009/)
「2000年代は中堅上位に位置し、民主党政権発足後の2010年には記者会見一部オープン化など評価して11位を記録したが、2010年代以降、日本の報道の自由度はG7の中で最も評価が低い状況が続いている[9]。この理由として、国境なき記者団は、「記者クラブの存在」や、「特定秘密保護法」等を問題点として挙げている。特に記者クラブについては、海外メディアからは政府と既存の大手マスコミとの距離が近く「両者が連携している」との指摘があり、フリーランスや外国人記者が記者会見への出席や政府高官に接触することが困難な点について「あからさまな差別」とする。一方、ランキングはイデオロギー的なものという批判もある」(Wikipedia)

観点を変えれば、日本は「北朝鮮(180か国中179位)」「中国(180か国中178位)」よりランクは落ちるかもしれないと思っています(2025年)。たぶん、本日のコラム氏が言われる、「紙面で連日報じている福岡県庁と県議会の『歪(ゆが)んだ関係』。質問を受ける執行部側が質問案を作り、県議に渡していたという記事)というのは、実はお手本は内閣府の官僚と記者クラブ記者のことだったんじゃないかと、ぼくは勘ぐっているんです。つまり、政権と記者会が「一体」化しているということ。だから、記者会以外の記者が会見に来ると、虫するという事態を生むのでしょう。北朝鮮や中国以下というのは、日本には「報道機関」がないという話になりませんか。こと、政治領域における問題に限定していえば、まさしく「大本営報道」一色だと、ぼくには思われます。多くの有権者、さらには主権者は「それでいいのだ」ということですよね。
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