【金口木舌】首相のいう「静謐」とは 皇室典範改正案が10日に審議入りしたかと思ったら、その日のうちに衆院本会議で可決、参院送りとなった。高市内閣の暴走列車に、国会が同乗しているかのよう。まともに審議したのだろうか▼男系男子の皇位継承にこだわる高市早苗首相は国会で「静(せい)謐(ひつ)な環境の下で議論を進め、結論を得るよう期待している」と呼びかける。「早(は)よ通せ」が本音だろう。ここはじっくり構えたい。参院では時間をかけ、堂々と審議すべし▼過去にも「静謐な環境」の連呼を聞いた。教科書検定で沖縄戦における「集団自決」(強制集団死)の記述をゆがめた2007年のこと。専門的で中立な教科書検定は「静謐な環境」での審議が必要というのが文部科学省の言い分▼記述回復を求める訴えに苦慮したのだろう。しかし、混乱の元をたどれば官邸が教科書記述に難癖を付けたことに行き着く。「静謐な環境」を壊したのは官邸のほう。今回もそうだ▼辞書によると、「謐」には「しずか」に加え「つつしむ」の字義もあるそうだ。慎みをもって、慎重に物事を進める態度は高市内閣に最も欠けている。「謐」の一字をお返ししよう。(琉球新報・2026/07/12)

⁂「週のはじめに愚考する」(127)~ 一昨日の委員会審議の中で、与党議員だったと思いますが、「静謐な環境で」という箇所で、二回までも「せいひんな」と棒読みしていました。つまり、こんなバカな議員を盾にして、「何が何でも決めねばならぬ」ということだったと思う。この「皇室典範」改正問題では官房長官が担当大臣だとして、総理大臣は背後に控えていたのは、どうしてだろうか。自民党大会での「演説」で、「126代にわたって、『男系』で皇統が継承されてきたという世界でも比類がない歴史的事実こそが、天皇の権威と正統性の源だと考えております」と、「事実」であると、誰も証明できない「空論」を「天皇の権威と正当性」の根拠にしている。お粗末限りないというほかない。天皇制は「お伽(とぎ)話(fairy tale)」では、断じてありません。
(ヘッダー写真「令和初の新年一般参賀で、手を振られる天皇陛下と皇后さまと皇族方(2日午前、皇居で)=稲垣政則撮影」読売新聞・2020/01/02)
この首相は、「天皇制」は大賛成でしょうが、「今上(きんじょう)天皇」は好きではないらしいし、ましてや、その長子である「愛子内親王」(敬宮・としのみや)は好かれてはいないようです。象徴天皇制を云々しつつ、強引に禁じ手とされてきた「養子縁組」をしてまで、「男系男子」を天皇に据えるという、非合理な画策を弄しているのです。「自民党としては、『皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする』案を第一優先として、国会における議論を主導してまいります。そして、迅速に『立法府の総意』がとりまとめられる。そのように努め、静謐な環境で『皇室典範』の改正を行うことを目指します」と、嘘八百を並べ立てて、その恣意的な、誤った方向性を選択するという政策判断を訴えていました。

詳細は喋りたくありませんが、この「36親等から38親等」と遠く離れすぎている元皇族の男性を養子とし、その子を天皇の後継者にするという「謀略」は、衆議院議長とその親玉であるA副総裁の間でそれなりに謀られていたいたことがわかります。(ある情報によれば、すでに旧皇族の内の「どなた」が「寬仁親王妃信子」家の養子に入るかも決定されているという)「天皇」の政治利用を図り、それで、いったい何を望んでいるのでしょうか。
*《宮内庁の緒方禎己次長は(7月)10日の衆院議院運営委員会で、皇室典範改正案に盛り込まれた「旧11宮家の男系男子の養子縁組」に関し、1947年に皇籍離脱した旧11宮家の皇族男子と天皇陛下には「36親等から38親等の隔たりがある」と明らかにした。共産党の塩川鉄也氏への答弁》(毎日新聞・2026/07/10)
◎ しん‐とう【親等】= 〘 名詞 〙 親族関係の遠近を示す単位。親子の関係を一親等とし、祖父母・孫は二親等となる。傍系親族傍系親族の場合は、同じ先祖までたどるので、兄弟姉妹は二親等、いとこは四親等となる。(精選版日本国語大辞典)
仮にこの「皇室典範」が政府の目論見通りに改定されれば、少なくとも現憲法に規定されている「象徴天皇制」は終焉を迎えます。あくまでも、「戦前・戦中」時代の時の権力者の手駒としての「玉(ぎょく)」として動かされることは必至でしょう。(繰り返し述べる気はありません)ぼくは「天皇制」の存続は望んでいません。しかし、深く日本国民に受け入れられている現行制度が続く限りは容認するものです。現段階ではここまでしか述べたくありません。時には「お家断絶」(いわゆる跡取りなし状態)、止むなしということです。(拙宅には二人の子ども(女性)がいますが、一人は既婚、もう一人は未婚。このままでは、文字通りに我が家の跡取りは無です。それでいいのではないですか)

「万世一系(unbroken imperial line)」は「神話(myth)」に類します。男系一統が126代・2600年余も続いたという「神話」、あるいは「寓話(Ffable)」、それを事実と、誰が証明しますか。また女系は駄目だと、どうしていえるのでしょうか。「初代の神武天皇から126代にわたり、様々な過程を経ながらただ一度の例外もなく、男系で継承されてきた。世界に唯一無二の伝統と重みを謙虚に受け止める必要がある」(K自民党政調会長談)と真面目に話す、マジかよ、と言うばかり。「成立の起源が神話に遡(さかのぼ)る」というのは、どういうことですかな。「事実であるとする、その根拠が虚構」だというのですから、話になりません。そんな怪しい「万世一系」を誇るのが「天皇制」なんですか。「皇室と皇族」に対する、もっと真面目な敬愛の念をもたれたらどうか。ぼくは天皇制反対の立場に立っていますが、こと天皇や天皇家の人々への敬愛の念は等しく堅持しているつもりです。
「嘘で始まる天皇制」をでっちあげる限り、この国は浮かばれないでしょうね、だから「あとは野となれ山となれ」という悪口を吐き出すほか仕方がないように思っているのです。そして、またまた、一から出直しですね(We have to start all over again.)。

第93回党大会 高市早苗総裁演説 《(前略)さて、立党以来、自由民主党は「保守政党」としての歩みを続けてきました。保守主義における重要な態度は、良き伝統と秩序を保持した上で、進歩・変革を実現させていくことだと考えます。日本の歴史を貫く支柱が天皇です。私たち日本人は、天皇とともに歴史を紡いできました。/現在も、国民統合の象徴であられる天皇陛下及び皇室は、多くの国民の皆様からの敬慕を受けています。他方で、現行制度の下では皇族数の減少が避けがたいことを踏まえますと、皇族数の確保を図ることが喫緊の課題であり、「皇室典範の改正」が急がれます。その際、126代にわたって、「男系」で皇統が継承されてきたという世界でも比類がない歴史的事実こそが、天皇の権威と正統性の源だと考えております。/自民党としては、「皇族には認められていない養子縁組を可能とし、皇統に属する男系男子を皇族とする」案を第一優先として、国会における議論を主導してまいります。そして、迅速に「立法府の総意」がとりまとめられる。そのように努め、静謐な環境で『皇室典範』の改正を行うことを目指します。(後略)》(第93回党大会 高市早苗総裁演説・2026年4月12日)(https://www.jimin.jp/news/press/212972.html)
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