「日の丸」に敬意を示さぬ輩は非国民だ

【金口木舌】「寄せ書き」の国民性 サッカーのFIFAワールドカップで国中が盛り上がる。こんな時、ネットで頻繁に登場するのが寄せ書きをした日の丸の写真だ。勝利への願いを国家の象徴に託す。寄せ書きが好きな国民性なのかもしれな▼民衆の願望を表現する手段にもなった。例えば沖縄の復帰運動。寄せ書きをした日の丸を集会やデモ行進で掲げた。復帰への願い、米統治への抵抗のシンボルだった▼戦争にも使った。沖縄戦で戦利品として日の丸を持ち帰った米兵の関係者が持ち主を探しているという記事が本紙に時々載った。多くは出征兵士の名と共に「武運長久」などの勇ましい文字が並んでいた▼ふと思う。日の丸に「生きて帰ってこい」「戦争は嫌だ」と書きたかった人もいたはずだ、と。時代の空気はそれを許すまい。日の丸の寄せ書きは民衆を統合し、戦争を支えた▼自民など4党が国旗損壊罪法案を国会に提出した。「人に著しく不快または嫌悪の情を催させる」方法で日の丸を傷つける行為を断罪する。寄せ書きは罪に問わないそうだ。「日の丸を守る」という名目で民衆の心を縛るその先に何があるか。刑罰以上に怖い。(琉球新報・2026/06/21) 

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⁂「週のはじめに愚考する」(124)~ すべからく「国旗考」再論、三論です。国旗損壊罪」という法律を制定して、いったい何をどうしようというのでしょうか。今から二十年ほど前までは、何が国旗・国歌であるかさえ定められていなかった。もちろん「日の丸」(「日章旗」)が国旗であり、「君が代」が国歌だという、暗黙の理解あるいは了解はあったし、それで不自由・不便はなかった。ところが、高校の卒業式における「国旗掲揚」をめぐって、一人の県立高校校長が死亡するという事件が発生し、それを「奇貨」として、政府は「国旗国歌法」を制定した(1999年8月)。その際、国旗や国歌を、時に強制・強要することは断じてないというのが政府の公式見解でした。

 その後のある時期から全国の公立諸学校では入学式や卒業式では「国旗掲揚」「国歌斉唱」が強制され、それに従わない教師や生徒たちは処分されてきました。今次の「制定」にも同じような経過が見られます。「立法事実(*)」がないにも関わらず、(あったとしても他の法律でいくらでも対応可)制定を急ぐ理由はどこにあるのでしょうか。

 (*)「ある法が存在する合理性の根拠となる社会的事実。各種の統計や世論調査、専門家の諮問など、さまざま」(デジタル大辞泉)

 ぼくは「悪法」制定に断じて反対します。もちろん、国旗や国歌の強制にもぼくは反対してきました。少なくとも「内面の自由」に触れる限り、それを規制することは法律になじまないと思うからです。仮に、国が決めた宗教は「旧統一教会系」であり、それを信仰しないものは断固処罰するといえますか。言える国にしたいというのですか。それとそっくり同じとは言えませんけれど、それくらいに愚かしい、立法行為であるとぼくは考える。少なくとも、(国旗を権力者の意にそわない利用方法であったとしても、その行為自体を処罰の対象にすることが)「信仰」「表現」等の自由に著しく抵触する(conflict)ものだと考えますので、かかる「悪法制定」に、ぼくは反対を表明します。

 (物事には順序というか、段取りがあるのであって、「国旗(日の丸)・国歌(君が代)」の強制と違反者の処罰の次には、当然「国旗・国歌」への無条件の従属(敬意)を求めるでしょう。あるいは「日の丸」に頭を下げない行為は、「国旗損壊罪」に類似する行為というのかもしれない。それにしてもはなはだしい勘違いを「法律」で正当化しようとしているんですね)

 (蛇足、もう何年前になりますか。まだ横綱貴乃花が健在だった頃でしたー横綱引退は2003年ー。ある出版社の経営者に誘われて、大相撲見物に出かけました。両国国技館、千秋楽。土俵から少し離れていましたが、マス席(四人)に陣取って楽しく歓談をしていました。すべての取り組みが終わり「優勝力士表彰式」が始まろうとしていました。その前に「ご起立願います」とアナウンスがあって、「国歌斉唱」が始まりました。ぼくたちは座ったままで盃を傾けていた。しばらくすると、近くからイヤーな視線を感じました。「千代に八千代にさざれ…」くらいまで来たところで、罵声(怒声かも)が飛んできました。「非国民」という、たしかに怒声・罵声だったと思う。(あるいは「国賊(こくぞく)」とも言われたかもしれません。いささか酩酊していたので、記憶が定かではない。「起立」「国歌斉唱」をしないからという理由だったでしょう。何んというバカ者どもと、ぼくは思いましたね。今なお、このような「表現」「物言い」が、民衆の中から出て来るんですからね。なにごとに限らず、ぼくは理不尽にも「強制」「無理強い」されることは嫌ですね)

 (左写真はBSN:https://newsdig.tbs.co.jp/articles/bsn/1885131?display=1

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