「国旗損壊罪」より「国家損壊罪」を

⁂「週のはじめに愚考する」(122)~ 「国旗は社会通念上、国旗の用に供していると認識される有体物と定義」とあります。だれが「認識するのか」と問いたいですね。「罰則の対象は国旗を『人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法・状態』で『自ら公然と損壊、除去または汚損する行為』」と規定しています。これも実に曖昧で、「公序良俗」に悖(もと)ると、誰かが判断したら、罰則の対象になるというのでしょね。「おお、こわっ」と叫びたいところですが、そもそも、正式に「国旗」の規定がある以上、それ以外は国旗と認定しないはずですが、どうなんでしょう。国旗紛いもまた国旗と言いくるめるのなら、これは憲法違反になるでしょうね。「ニセ国旗使用罪」とか何とか。

 (その昔、敗戦時までに「国定教科書」というものがありました。これはまさに「自ら公然と(隠れてやっても)損壊、除去または汚損する行為」に当たるものは罰せらました。「国家公民」の教科書でしたからね。国家公認の「国旗」というものは、至るところに存在するんでしょうか)

 その昔、四十年以上も前に、福岡県内の公立高等学校の音楽担当教師が、卒業式当日に「国歌・君が代」をジャズ風にアレンジして演奏し、教育委員会によって処分されたことがあります。「『君が代」ジャズって免職』」(朝日新聞・1979年5月10日朝刊)これは別の事案でしたが、やはり音楽教師が音楽の授業で「ビートルズ」を演奏して処分されたこともあった。今なら「ビートルズ」は大歓迎ですが。「君が代」を「起立・斉唱」しなかったといって、処分された教員は数知れません。また、「君が代伴奏」を宗教上の理由で拒否した音楽教師も何人もいました。これまでは教育現場においてだけ生じていた「無理筋」が広く日常生活の場面で展開されるとなると、突如この世に『痴愚神礼讃』(ちぐしんらいさん)(希臘: Morias enkomion、羅甸: Stultitiae Laus)」の「慫慂する」「愚行」や「馬鹿騒ぎ」、あるいは愚劣な催事などなどの嵐が吹き荒れるか。でも、そうなるためには、いわゆる「旗日(国民の祝日)」における「国旗掲揚」を強いる法律がないといけないでしょうに。余りにも馬鹿げているので、これを論評する元気が出てこない。

 (⁑Shin’ichiro Koya – Kimigayo for piano (1979):https://www.youtube.com/watch?v=6YgKq2-J4pA

 「国旗損壊罪」よりも、もっと重要かつ緊急を要する法案があると思う。まずは「国家(憲法・経済・外交・軍備・道徳等を備える機関としての)損壊罪」を制定するべきでしょう。政治家を対象にした「限定・制限法」ですね。「国家」というのは一種の入れ物(傘のようなもの)、それよりも人間を大事にするべきなんだがね。

 拙宅には「日章旗」はありません。法制定後は、多分、役場か何かを通じて配られるのでしょうか。お金を払って「購入させる」のでしょうか。国旗不保持(不所有)罪も作られるかもしれません。スパイ防止法も目論まれています。いよいよ「治安維持法」時代の「ダイニッポン」に逆流するんでしょうね。エラスムスの書いた「痴愚神」の名は「モリア(モリアエ)」という女神です。「人間のあらゆる営為の根源にその(痴愚なる)働きがあること」を喧伝し、現実世界の「硬直した価値観(イデオロギー)」を罵倒するのです。

 ぼくたちの現実社会には「女神・痴愚神」その名も「SANAE」が君臨して、自らの愚かさに起因する悪事の誤魔化しに悪戦苦闘している有様ですが、その痴愚神が、「痴愚の屋上屋(痴愚の上塗り)」を重ねて、悪事方面なる「悲願達成」を果たそうとしているのです。まるで「完壁の馬鹿(莫迦・破家)」の如くであります。

 (「馬鹿」はあて字。梵語の moha =慕何(痴)、または mahallaka =摩訶羅(無智)の転で、僧侶が隠語」として用いたことによるという」精選版日本国語大辞典)

痴愚神礼讃 (ちぐしんらいさん)(Moriae encomium)= エラスムスのラテン語風刺文学(1509執筆,1511刊)。《愚神礼讃》とも訳される。親友T.モアのラテン名モルスからモリア(痴愚女神)なる存在を着想,人間のあらゆる営為の根源にその働きがあることを聴衆を前にした女神の自画自讃の長広舌という形式で証明しようとした戯文。ルキアノスやテレンティウスを愛した著者は,古代ギリシア・ローマに関する深い素養を縦横に駆使し,軽妙滑稽また寸鉄人を刺す警句を用いて硬直した公式文化の価値体系を逆転させ,王侯貴族や教皇から神学者や哲学者・文法家など,いわゆる権威者の痴愚への隷従ぶりを描き,逆にこの世における愚者こそ神の前には英知の人であることを暗示している。宗教改革前夜に出現した本書は爆発的売行きを見せ,各国語に翻訳されて今も風刺文学の傑作として広く読まれているが,発表当時はその大胆な批判のためカトリック教会や神学者からは異端視されて,しばしば発禁処分を受けている。(改定新版世界大百科事典)

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【日報抄】都内のJR新宿駅の東南口広場に、ほぼ毎日現れる32歳の男性がいるという。「いつもいる」と話題になり、道行く人が写真を撮ったり、話しかけたりする。彼は差別や戦争に反対を訴えたくて、路上での対話を試みる▼主張が異なる人たちに絡まれることがある。ネットで炎上するほど嫌がらせも受ける。そんな自分がひるまず、あえて公共の場に居続けることに意味があると配信動画で語っていた▼在日外国人への差別行為にあらがおうと、昨秋から街頭に出ているという。ヘイトスピーチ解消法が施行され今月で10年を迎えたが、外国人への差別的な発信はなくならない。男性は高市政権が進める外国人政策の強化を「官製ヘイト」と表現する▼解消法は不当な差別は許されないとうたう理念法であり、禁止規定はない。おのずと限界がある。国や地方自治体に差別解消に向けた施策を求めるが、聞くに堪えない罵詈(ばり)雑言を発し、人間としての尊厳を傷つける言動に対しても、罰則はない▼片や、深刻で緊急性のある被害はほぼないにもかかわらず拘禁刑などの罰則を定めるべきだと、今国会で審議されようとしている法案がある。自民党がその骨子案をまとめた日本国旗損壊罪である。「国旗を大切に思う国民感情を保護するため」だという▼国を象徴する国旗を大切にしたい心性は尊重されてよいが、差別を疎み、非人道的で狭量な言動は決して許さぬ国を目指すと掲げる方が、よっぽど自国への誇りや愛着を高めると思えるのだが。(新潟日報・2026/06/07)

国旗損壊罪を新設 法案を了承 内閣第一・国旗損壊PT合同会議                                                    法案の名称は「国旗の損壊等の処罰に関する法律案」。「国旗を大切に思う国民感情」を保護法益としました。/国旗は社会通念上、国旗の用に供していると認識される有体物と定義。「お子さまランチの旗」や「絵画の一部として描かれた旗」、アニメ・マンガ・ゲーム・生成AI(人工知能)等による創作物等は対象外とします。/罰則の対象は国旗を「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法・状態」で「自ら公然と損壊、除去または汚損する行為」とし、外国国章損壊罪と同様の「2年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金」とします。/罰則の適用に当たり、侮辱を加える目的の有無等個人の内心は詮索せず、外形的・客観的に判断します。不特定または多数の人が認識できる場合に限定し、自ら損壊等をしている状況をライブ配信することは罰則の対象になりますが、国旗を損壊している様子を報道したり、リポスト等をする行為は対象外とします。(自民党)(https://www.jimin.jp/news/information/213369.html

平成十一年法律第百二十七号
国旗及び国歌に関する法律
(国旗)
第一条 国旗は、日章旗とする。
2 日章旗の制式は、別記第一のとおりとする。
(国歌)
第二条 国歌は、君が代とする。
2 君が代の歌詞及び楽曲は、別記第二のとおりとする。
附 則
(施行期日)
1 この法律は、公布の日から施行する。
(商船規則の廃止)
2 商船規則(明治三年太政官布告第五十七号)は、廃止する。
(日章旗の制式の特例)
3 日章旗の制式については、当分の間、別記第一の規定にかかわらず、寸法の割合について縦を横の十分の七とし、かつ、日章の中心の位置について旗の中心から旗竿ざお側に横の長さの百分の一偏した位置とすることができる。
別記第一(第一条関係)
日章旗の制式

一 寸法の割合及び日章の位置
縦 横の三分の二
日章
直径 縦の五分の三
中心 旗の中心
二 彩色 地 白色 日章 紅色

君が代の歌詞及び楽曲   
一 歌詞
君が代は
千代に八千代に
さざれ石の
いわおとなりて
こけのむすまで

二楽曲(右楽譜等)

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