
【卓上四季】ドラッカーのコップ コップがひとつ、ある。このなかに「半分入っている」のか、「半分空である」のか。分量としては同じだけれど、意味はまったく違うし、とるべき行動も違う―▼米国の経営学者ドラッカーがイノベーション(技術革新、新機軸)のきっかけについて説明した有名なくだりである。彼は続ける。世の中の認識が「半分入っている」から「半分空」に変わったとき、イノベーションの機会が生まれる、と▼世界がいま直面するエネルギー危機を前に、ドラッカーの記述が胸をよぎる。ホルムズ海峡の航行は滞り、燃料不足や物価高騰が広がるばかり。各国は歴史的な難局を迎えたと認識し、手だてを急ぐ。お隣の韓国も平日の自動車使用を控えるよう政府が節約を促し、備えを固める▼日本はどうか。「いますぐ節約を、と申し上げる用意はない」。高市早苗首相が国会で発言した。経済活動にブレーキをかけたくないから、とも述べていた▼石油備蓄は十分あり、ガソリンや軽油も価格が落ち着いた。ご安心を。そう言いたいのだろうが、鵜吞(うの)みにはできまい▼備蓄や補助金は限りがある。原油調達がうまく進む保証もない。過度に不安がってはいけない。でも現状を正しく認識し、行動を変える時機が来ていないだろうか。コップは半分空なのだと冷静にとらえ、難局に備えるべきであろう。(北海道新聞・2026/04/08)
◎ ドラッカー(Peter Ferdinand Drucker)[1909~2005]オーストリア生まれの経済学者・経営思想家。ドイツのフランクフルト大学を卒業後、ロンドンの金融機関で証券アナリストなどを経て、1937年に米国へ移住。1939年に処女作「経済人の終わり」を発表し、当時の英首相チャーチルに激賞された。その後も、「現代の経営」「断絶の時代」「マネージメント」「見えざる革命」などの著書を通じて社会の将来像を示し、「企業の社会的責任」「知識労働者」「民営化」などの新しい概念を次々と打ち出し、ビジネス界や経営者に大きな影響を与えた。(デジタル大辞泉)
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ドラッカーをはじめ、「コップ半分の水」理論を展開す人々は、いったい、どのような「コップ」を想定しているのでしょうか。その中には何が入っていて、大きさ(容量)はどのくらいか、それを前提にしなければ、単なる「洒落た比喩」にすぎないと思う。おそらく「卓上四季」氏は、「石油の備蓄量」をコップ一杯分に見立てているのでしょう。それはそれでいい。「半分ある」「半分しかない」、この表現が示すところは、物は言いようで、どういう言い方をしても内容は同じということ。「君は賢くない」というのと「あなたは愚かだ」というのと、あまり変わらないんじゃないですか、ぼくはそのように考えてきた。どちらが、現実に即しているかという話だと。いつも疑問に思うのは、「備蓄量は何日分あります」と、政府筋はいうけれど、本当にそうかどうかに関しては疑問(諸説)が出されている。▼昨日の首相の記者会見を聴いていて、「石油(ナフサも含めて)の必要量は十分に確保できる目途がついた」と述べていた。
現段階における「見通し(予測)」を言っただけで、来年の話を今、確言できますか。そんなことを言うたら、鬼が泣くで。国民の多くの心配の種がなんであるか、彼女は知ってか知らずか。普段だって、「嘘」ばかりついている御仁です、「コップ(の中の嵐)」問題だけは本当です、といって信用できますか。「鵜吞みにはできまい」(コラム氏)と思う。▼ここで何よりも大事なのは、コップの大きさ(備蓄量)と、その備蓄されている石油の精製別割合を明らかにすること。加えて…、と問いただしてゆくと、「正体は霞だった」と泡を食わされるのがオチかもしれません。(下図は「石油情報センター作成・https://oil-info.ieej.or.jp/whats_sekiyu/1-11.html)


些事(自分のメンツ・体裁)に拘(こだわ)り、大事を看過・放置する。円安が昂進し、物価は高騰。長期金利は上昇一途の「責任ある積極財政(経済対策)」が、真っ赤な嘘だと、ぼくのような素人でもわかる。身辺に黒い噂が付きまといつつ(これは有名税なのか…)、保身に奔る姿は醜悪そのもの。じつは、政府が使ういろいろな「コップ」の底には穴が開いていたり、罅(ひび)割れがしていたり。あるいは「横流し」があったりで、油断ならないのです。まず、それを直すことから始めてほしい。「物価(インフレ)増税」をどうしようともしないのは、強烈な政治意図からのことですね。放っておいても「GDP」を膨らむますから。

何に限らず、無駄なことをする必要はありません。節約というか、必要量を満たすだけのこと。それでも立ちいかなくなれば「縄文時代」、あるいは「石器時代」に戻るだけでしょう。それで何の不都合があるものかと、ぼくは思う。第一次・第二次石油ショックを経験しましたが、何のことはない、(その当時から見て)五十年前の「普通の生活」に回帰するだけのような気がしました。各地各所で、今を盛りの桜、いや盛りを過ぎた桜花までを睡眠不足に追い込んでいる、あの「ライトアップ」とやらを止め、過剰な夜間ネオンを消し、箸にも棒にもかからぬ軽佻浮薄「テレビ」等の終夜放送を中止する。それだけで足りなければ、…。やり方は工夫次第。国が破滅に至るまでに「まだ五年ある」「五年しかない」というのは考え方次第。でも、それでどうなるものでもないでしょう。五年は五年ですからな。それを「1825日」とか「43800時間」などと言い換えてどうするんです?
人類は懸命に坂道を登って、頂上にたどり着いて一息つくゆとりが欲しい。けれども、ゆっくり周囲の眺望を楽しむ暇もなく、下らなければなりません。後から後から、登ってくるものが後を絶たないからです。この国が、ひたすら下り道を降りていることは、いろいろな指標を見れば一目瞭然。「夢よもう一度」と念じたところで、それは不可能だと、国の「現実」が示しています。「世界の真ん中で咲き誇れ」といって、そうなるものではないことは、首相自身がしっかりと経験されたばかり。侮辱され、嘲笑され、虚仮にされ。それで奮起などしなくていいんですよ。実際にその通りなんですからね。「内弁慶」は質が悪し、だいいち、ソロから見れば、悪足掻きにしか見えないですよ。(報道の自由度、ランキングに意味があるとは思わないが、ぼくはこれを見て、安心する人がたくさんいるだろうと、不安にはなる。「なに、66位だって、まだ下がたくさんいるじゃないか」と、ね。24年度は「70位」だったんですかね。「してたもんではないね。自由度は盛り返しているから」さ。中国や北朝鮮よりははるかに上位だよ)
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首相「年を越え石油確保」 ホルムズ回避で代替調達 高市首相首相は7日、中東情勢の悪化で供給不安が広がる石油について「年を越えて供給を確保できるめどがついた」と述べた。ホルムズ海峡を回避した中東産原油や米国産の代替調達が進むと説明した。ガソリンなどの需要抑制策は「あらゆる可能性を排除せず臨機応変に対応する」と話した。官邸で記者団に語った。/原油調達は4月が前年実績の2割以上、5月は前年の過半を見込むとした。米国からの調達は5月に前年の約4倍に増える見込みだとも説明。「原油、石油製品は日本全体として必要な量は確保されている」とした。/これに先立ち、赤沢亮正経済産業相は7日の閣議後の記者会見で、中東を出発した原油タンカーがホルムズ海峡を通らないルートで5日に日本へ到着したと明らかにした。漁業や農業でも燃料が届かないケースがあるとして対応を急ぐ考えも示した。/経産省によると、ホルムズ海峡を回避した中東産原油の代替調達は5月以降に本格化する見込みだ。サウジアラビア西側の紅海やアラブ首長国連邦(UAE)東部から出すルートを想定している。(共同通信・2026/04/07)
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