「(やりたい放題で)何が悪い」

日報抄】朝ドラ主題歌で注目度を上げた夫婦デュオのハンバートハンバートには「虎」という曲がある。〈人の胸に届くような〉歌を作りたいのに〈光ることば見つからない〉〈メロディひとつできやしない〉と思うに任せぬ苦悩を歌う▼もがいた挙げ句〈酒だ酒だ〉と昼間から飲み〈虎にもなれずに溺れる〉と創作活動に伴う鬱屈(うっくつ)を吐き出す。日々コラムを書く身にも通じる。昼間から会社で酒は飲めないけれど▼言葉を紡ぐ作業は、正直になろうとするほど難しくもなる。大仰ではなく、舌足らずでもなく、的確に真意を表現できたらいい。己の非才を棚に上げるつもりはないが、このところ政治を巡るうさんくさい言葉がどうにも気になる▼政府は「国民会議」で社会保障について「国民的な議論」をするという。参加者は限定的だ。ここで言う国民って誰なのか。「過度な」緊縮財政を見直し「責任ある」積極財政を推進するという方針も、何だか浮いて聞こえる▼1100兆円を超える国債発行残高は過度な緊縮で生まれたのか。財源の裏付けなく防衛費増額や消費減税を掲げるのは、責任ある政治なのか。明快なスローガンは時に気を付けねばならない▼首相は「謙虚」な国会運営に徹し「丁寧」に対応するとした一方で、予算の年度内成立を譲る気配はなく、早々に予算審議を収束する日程を示してきた。聞こえのいい言葉の使い捨てなら捨て置けない。知事の「県民に信を問う」とした言葉の顚末(てんまつ)を知る新潟県民としては、なおのこと。(新潟日報・2026/03/04)

  毎日、飽きもしないで新聞コラムを乱読し、「何をいまさら」とか、「物事の真贋を見抜かなきゃ」とか、偉そうなことをほざいてはいますが、なに、所詮は「天に唾する(てん【天】 を 仰(あお)いで唾(つばき)する)」の類で、「他人を害しようとしてかえって自身が災いを招くことのたとえ。天に唾す。天に向かって唾を吐く」(精選版日本国語大辞典)、そんな愚かさをぼく自身は忘れていないつもり。つまり、「自分のことを棚に上げて」ものをいう習慣はぼくにはないという意味です。「たな【棚】 へ=上(あ)げる[=ほうり上(あ)げる・ほかす・置(お)く]、「物を棚へ上げておくの意。手をつけないでそっとしておく。特に、自分の不利や欠点など、不都合なことにはわざとふれないでおくことにいう。棚に上げる」(同前)ならば、どうしてそんな割の合わない小言を言うんですかと問われるかもしれませんね。おそらく「人の振り見て我がが振り直せ」ということになるのですかねえ。「他人の行為の善悪を見て、自分の行為を反省し改めよ。人の上見て我が身を思え」(同前)(蛇足 新潟新聞社はお堅いというか、不自由というか。社内でお酒はだめなんですか?よく言うでしょう。「酒中に真あり(In wine there is truth.)」と、言いたいけれど言えないもどかしさなら、お酒がぐっと後押ししてくれますよ)

 ぼくにはそんな経験はあるはずもないことでしたが、「人の振り見て」という、この戒めは直ちに「人の不倫みて、我が不倫直せ」に通じているように思いました。不倫というのは「不義」という意味で、社会倫理からは許されないという約束違反行為です。「倫(りん)」とは「人倫」をさし、第一に「仲間」「ともがら」です、そしてその仲間内の「約束事」。「人間として守るべき道義」を指し示す。それに反する行為を「不倫」といったのですが、後々には、特に「男女の仲」に関して強調されたんですね。この社会は特に古くから儒教の影響を受けてきましたから、いつだって「五倫五常(五常五倫)」などという「道徳」観(説)が民の心にのしかかっていました。

 「五倫」は「オリンピック」ではなく。「父子の親(しん)、君臣の義、夫婦の別、長幼の序、朋友の信」という社会的地位(関係)の「あり方(道)」(道義)を特に言いました。「親子は一世、君臣二世、夫婦は三世、間男は四世(止せ)」とも言いましたよ。また「五常」とは「仁、義、礼、智、信」という、儒教最高の「五徳目」です。今問題にされている首相の倫理感覚(意識)は、ぼくから見れば驚くほど「怪しい」し「疑わしい」ですな。まるで空っぽじゃないかな。彼女は両親からから常々、「教育勅語」を諳(そら)んじるほどに教えられ、自身もそれをとても大事にしているといっています。しかし、そんなことは「嘘」でしたね。ちっとも大事にしていなことばかり。ある関係者に言わせれば、ただ今、中央教育審議会だったか、教育課程審議会だったかで「学習指導要領」改定が議論されており、あるいは新規に「教育勅語」が学習指導要領にそって「教科書」に書かれるだろうといわれています。学校で「教育勅語を必修にする」という意味です。そうなれば、今以上に「ばれなければいい」「嘘も方便」「好きなことを、好きなようにして、何が悪い」などと嘯(うそぶ)く、まことに勝手で都合のいいように、自らの「振る舞い」を正当化する、「首相」のような腐った人間が作られるでしょうね。

 見つからなければいい、見つかったら、しらを切ればいい。いよいよになれば、黙秘(沈黙)するんだよ、さらに…。そんな倫理がこの社会の「骨や肉」を作ることになるでしょう。ぼくが改めて驚くのは、315人の自民党国会議員全員が「当選のご褒美(ねぎらい)」を首相からもらったと報じられているるし、その金の配り方が問題だといわれておりながら、だれ一人、「こんなものはもらえるか」「瞬時に突っ返した」という議員がいるという報道がされないことです。ということは、実は何人かいるんですが、それは書かないことにと、誰かに頼まれたのかな。つまりは、マスメディア関係者ももらったんだろうなあ、「カタログギフト」を。だったら、なんとも卑しい、卑しすぎますな。議員はみんな、だんまりを決め込んで「もらっている」ことを「暗黙の了解」「公然の秘密」としている。「みなまで言わせるな」という論法かもしれない。嫌な国になりましたね。それとも、これはもらえないと、突き返したが、それは裏口から(世間に知られないように)だったのでしょうか。総理大臣であるべきではない、あってはいけない人間は言うまでもないこと、自民党国会議員の全てもまた、「同じ穴の狢(むじな)」(狢さんには申し訳ない。どうして狢というのか、ぼくにはよくわかりません。「狢」とは「穴熊」の異称とされる)だということが天下に公然たる事実として明かされたことになります。

 本日の「日報抄」を再読三読してほしいですね。「己の非才を棚に上げるつもりはないが、このところ政治を巡るうさんくさい言葉がどうにも気になる」「政府は『国民会議』で社会保障について『国民的な議論』をするという。参加者は限定的だ。ここで言う国民って誰なのか」(註 すべて政治家ばかり。こんな「国民」ってあるものか。:https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/kokuminkaigi/contents/20260226/02_siryou2.pdf)「『過度な』緊縮財政を見直し『責任ある』積極財政を推進するという方針も、何だか浮いて聞こえる」「1100兆円を超える国債発行残高は過度な緊縮で生まれたのか。財源の裏付けなく防衛費増額や消費減税を掲げるのは、責任ある政治なのか」「首相は『謙虚』な国会運営に徹し『丁寧』に対応するとした一方で、予算の年度内成立を譲る気配はなく、早々に予算審議を収束する日程を示してきた」コラム氏の怒りが手に取るようにわかるといえば、どうですか。しかし「酒中に真あり」ですぞ、ここでいっぱい、溜まっているうっ憤を晴らしタラどうですか。「それも首相は女か」とかね。(右のような「議連」があります。*https://sekkyokuzaisei.jp/ 70名で活動しているそうです)

 「騙(だま)したお前が悪いのか」、「嘘を信じた自分が馬鹿なのよ」、そんな「開き直り」が、永田町から聞こえてきそうです。故元首相も「根っからの嘘つき」でしたが、現首相は、その「根っからの嘘つき」を、一人の側近としてみていましたから「門前の小娘、習わぬ経を読む」、あるいは、そんなたまではない、きっと「一枚上手の、嘘つき」かもしれません。(下の図表をとくとご覧ください。一般会計(歳出)額と特例国債(赤字国債)発行額は、年を追って増加しています。所謂「アベノミックス」大判振る舞い時代からの推移です。予算額が年々増えているにもかかわらず、「過度の緊縮財政」と言い抜けるど根性、この不見識さは類例を見ません。「馬鹿」としか言いようのないでたらめ(嘘)でしょ)(出典は大蔵省作成図です)

 ヴェルディの「リゴレット」に「女心の歌」という、よく知られた曲があります。おおよその歌詞は以下の通り。「女は気まぐれだ 風になびく羽根のように 言うことも変わる、そして考えも(変わる)」「いつも感じの良い 愛らしい表情で 泣いているときも笑っているときも、それには嘘がある」https://tsvocalschool.com/classic/la-donna-e-mobile/)1851年、初演。この「女心の歌」は、ヴェルディにとっても会心(快心)の作とされたものといいます。どんな意味でしょうか。歌曲「リゴレット(Rigoletto)」に託されたメタファーは何だったか。(ここで、この歌劇を引用する、いかなる他意もありません。久しぶりに多くのテナーやソプラノの歌声を聞きたくなったからでした。ぼくはこの歌劇を、いろいろなレコードで聞きあさりました。誰がいいということもありませんが、やはりデル・モナコでしたか。ソプラノはマリアカラスでしたね。彼女の最晩年のリサイタルを聴いたことがあります。もう半世紀以上も前のこと。同じタイトルで「女心の歌」、日本ではバーブ佐竹さんのものがありますね。よく聞きました。「どうせ私をだますなら、だまし続けてほしかった」という、不条理にも切ない、不倫の匂いが芬々とする、実に頽廃的な歌でした。大学入学したての頃、新宿や池袋で、よくこの流行歌が流れていたことを覚えています。ぼくには立ち入り禁止の世界でしたね。

◎ リゴレット(Rigoletto)= イタリアの作曲家ベルディの三幕からなるオペラ。1851年ベネチア初演。フランスの作家ユゴーの戯曲『王は楽しむ』に取材したピアーベFrancesco Maria Piave(1810―1876)の台本による因果応報を主題とした悲劇で、ベルディの代表作の一つであるとともに、人物の性格描写と旋律的創意との強固な結び付き、また音楽のもつ劇的効果の高さにおいて、後世に多大な影響を及ぼした。領主マントバ公爵に仕える道化リゴレットは、漁色家の主人を唆して女あさりを手伝うが、公爵に娘をもてあそばれたモンテローネ伯爵に、おまえにも父親の怒りがわかるときがくるだろうと呪(のろ)いをかけられ、愛娘ジルダの身を案じて不安に駆られる。そのジルダは、学生に化けて言い寄ってきたマントバ公爵を愛するようになり、やがて公爵邸に連れ去られる。憤怒(ふんぬ)に燃えたリゴレットは殺し屋スパフスチレに公爵の暗殺を依頼するが、それを知ったジルダは愛する公爵の身代わりとなって殺され、リゴレットが悲嘆に暮れるうちに幕となる。単独で歌われるアリアも多く、第一幕の「あれか、これか」「慕わしい人の名は」、第二幕の「悪魔め、鬼め」、第三幕の「女心の歌」などはとくに名高い。日本初演は1919年(大正8)原信子(のぶこ)(1893―1979)、清水金太郎(1889―1932)らによる抄演。(日本大百科事典ニッポニカ)

《La donna è mobile》
La donna è mobile
qual piuma al vento,
muta d’accento
e di pensiero.

女は気まぐれ
風になびく羽のように
言葉が変わる
考え方も

Sempre un amabile
leggiadro viso,
in pianto o in riso,
è mensognero.

いつも可愛らしい
愛らしい表情も
涙も笑顔も
嘘偽り(以下略)

ヴェルディ《リゴレット》「女心の歌」デル=モナコ(テノール):https://www.youtube.com/watch?v=mzfU65NPWsw&list=RDmzfU65NPWsw&start_radio=1

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 女性はすべからく「嘘つき」だとか、「間違いが明らかになっても、決して誤らないもの」だというつもりはありません。そんないい加減な人間は、男女問わずにたくさんいすぎるからです。ただ、為政者、しかも一国の首相が、赤子でもわかる「嘘」をついて、ごまかし続けているという、その風潮にぼくは我慢できませんね。「法的には何の問題もない」と言い張っているけれど、実は法的にも問題ありだけれど、それを感じないか、認めない人間の質(人品骨柄)の問題(評価)が問われているのだという、自覚は皆無。「女性初の首相」と、世間も大騒ぎしますが、何のことはない、今なお男社会の真っ盛り、しかもその「男社会のど真ん中」で、女であることを剥き出しにして、「我が人生に悔いはなし」とでも驕(おご)っているんじゃないんですか。醜悪極まりない振る舞いだと、ぼくには思われますね。

 もちろん、彼女と「リゴレット」とは何の関係もありません。「女心の歌」の「歌心」が過剰にあるのかもしれぬという気はしますけれど。それはそれで、ぼくは嫌ですね、とても「ふしだら」という感じがするものですから。「 ふしだら」とは「1  けじめがなく、だらしないこと。また、そのさま。 品行が悪いこと。身持ちが悪いこと。また、そのさま」と辞書(デジタル大辞泉)は解説します。誰のことを指してるんでしょうか。日本の「財政破綻」の兆しが明らかになりつつあります。スタグフレーションが急激に進行するのだろうか。

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 高市首相カタログギフト配布、党支部と議員個人を使い分け? 25年の国会答弁「党支部と議員は別」と矛盾 高市早苗首相(自民党総裁)は、自民の全衆院議員315人に当選祝いとして3万円相当のカタログギフトを配布したのは「法令上問題がない」と繰り返す。一方、本人が支部長を務める党支部のお金を充てたとの説明が波紋を描く。昨年の「党支部と議員は別」との答弁と矛盾するからだ。政党支部の在り方が焦点になる企業・団体献金の議論で自民は消極的。「政治とカネ」問題に甘い姿勢や、旧態依然の金権体質を物語る。
▶ 高市首相のギフト配布、識者の見方は 「違法ではないが倫理的、道義的に問題」「政治活動に資するのか」
 首相側の説明では、衆院選当選のねぎらいの気持ちで、カタログギフトの「品物」を寄付した。総額900万円超の資金は、奈良県第2選挙区支部から支出し、政治資金収支報告書には寄付と記載するという。
 政治資金規正法は、個人が公職の候補者の政治活動に関し、寄付を禁止。物品なら可能だが、金銭や有価証券は禁じる。政党支部から政治家への寄付は問題ない。首相がカタログ配布を「支部の活動」「品物」と強調するのは、法の網をかいくぐる狙いがある。
 代表を務める政治家の「第二の財布」と批判されてきた政党支部。首相はギフトののし紙に「御祝 高市早苗」と記し、支部と自身が一体となり贈ったことを暗に認めている。
 昨年12月、支部が上限を超す献金を受けていたことが判明した際は、異なる説明をした。支部と議員は別の主体とした上で「支部への献金は高市早苗の献金かというとそうじゃない」と述べ、責任を回避した。「(党支部と個人を)都合良く使い分けるのは政治不信につながる」。2月27日の衆院予算委員会で中道改革連合の小川淳也代表はこう苦言を呈した。
 配布の目的でも疑問が残る。民主主義に資する政治活動に使うのが政治資金。首相は27日の答弁で「飯会苦手女」と自称し、その代替で配ったと説明。支部が全議員対象の政治活動として行う必要性は、説明が尽くされていない。
 派閥裏金事件に端を発した企業・団体献金の規制強化は、与野党で結論を出せていない。献金の受け手を政党本部と都道府県単位に制限する他党の案に対し、自民は7千を超える支部の「きめ細かい政治活動が影響を受ける」と制限に反対してきた。首相を例にしても、支部は政治力の源泉で手放したくないのが本音だ。
 「永田町の論理に終止符を打たねばならない」。1月の記者会見で「脱永田町」を掲げた首相。カタログ配布では「昭和の中小企業のおやじ社長」と反省のそぶりを見せた。周辺はため息をつく。「永田町文化に漬かっていると見られても仕方ない」 (山口新太郎、小川勝也、坂本公司)(西日本新聞・2026/03/03)

 カタログの一部を見て、これのどこが政治活動に役立つのかと思いましたが、それは、ぼくが世間知らずで、政治にはベッドも布団も枕も、温泉も黒毛和牛の高級肉も、当たり前に必要なんでしょうね。近鉄百貨店は顧客名入りの「領収書」を出さないんですか。ご常連さんだから、出しづらいというのですか。ホテルが、ある政治家に出した「領収書」をついに公開しなかった事例が、数年前にありました。顧客は「桜を見る会」主催者とかなんとか言いましたよ。つまり「悪の継承」者たちということかな。「醜悪」と言おうか、「凄惨」と言おうか。

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国とは? 何のためにあるか?

【談話室】▼▽国家は何のためにあるのか。人が生まれながらに持つ権利を守るためだ。具体的には、生命、自由、財産を維持する権利である。これを保障するために、個々人が契約を結んでつくり上げたのが国家ということになる。▼▽17世紀英国の哲学者ジョン・ロックの「社会契約論」はこの考え方が骨格をなす。逆に国家が生命、自由、財産を侵そうとする場合、国民は抵抗する権利を持つ。近代社会への転換を背景に、それまでの王権神授説を否定した社会契約論は、後に米独立宣言の礎ともなった。▼▽独立から今年で250年を迎える米国で、この大本が揺らいでいる。中西部ミネソタ州では今年に入り、不法移民の大規模摘発に抗議していた市民2人を取り締まりの捜査官が相次ぎ射殺した。移民・税関捜査局(ICE)に批判が集中したが、当局は正当防衛を主張する。▼▽今度はイスラエルと共にイランを攻撃、最高指導者ハメネイ師ら中枢を殺害した。核問題で米国と協議が続く中での不意打ちである。トランプ大統領は「差し迫ったイランの脅威を排除し米国民を守る」。だがこれほど剥(む)き出しの力を国民が政府に託しているとは思えない。(山形新聞・2026/03/02)

 国、あるいは国家とは何ですかと問われて、簡単には答えられないというか、いろいろな「解釈・解説」がありうるということでしょう。大きい国(面積も人口も)もあれば、小さい国(面積・人口)もある。世界の国別人口数で最大はインドで、14億5千万人です。それに比して、最少はバチカンで、人口はわずか600人余り。これを国というメモリ(入れ物)で測る(比べる)ことは間違いだとは思いませんが、測る(比べる)意味があるのかどうか。たとえば、身長2メートル超の大人と、70センチの幼児を比べることはできますが、比べてどうするんですかといわれるでしょう。このことは精神分析の開祖だったフロイトが言ったと記憶していますが、「人は、わずか1ミリの違いに命をかける」と。大同小異といいますね、「小さな違いはあっても、大体が同じであること。また、そのさま」(デジタル大辞泉)なんですが、現実にはそれと真逆で、とにかく「小異」「小差」に運命を賭けるんでしょうね。

 日本には47の都道府県がありますが、人口比で見ると、最大は東京で千4百万人、最少は鳥取県で55万人。「地方自治体」という単位では同じ機構であるけれど、まさに「雲泥の際」とはこのことでしょう。二つの比較から何が導き出せますかという問題。県それ自体の特色もあれば、弱みもありますから、単純に比較はできないということですね。でも、どこかで「単位」をそろえなければなりません。枠に入れれば、漏れ出る部分はきっとありますよ。「国」などは、その典型です。「国」がでかい顔をする、いや、「国」にでかい顔をさせるイデオロギーというものは、驚くべき単純な「優勢」主義ではないですか。いわゆる「名門」とか「優等」などというものを突き出してみたがる、政治家の質の問題でもあります。帝国主義といい、国家主義というものは、「人より国」を上に置く、人権非尊重長の典型的な教条です。(右上は「国家とは何か―政治理論序説」みすず書房 ・A.P. ダントレーヴ(Alexander Passerin d’Entr`eves)著: 2002/06/06)

 えらい面倒な理屈をしゃべりかけていますが、昨日の山形新聞のコラム「談話室」が「国家は何のためにあるのか。人が生まれながらに持つ権利を守るためだ」とあったことがきっかけになりました。「生命、自由、財産を維持する権利である。これを保障するために、個々人が契約を結んでつくり上げたのが国家ということになる」と実に単純明快、あるいは素朴な「国家性善説」を書かれていました。確かに理屈の上ではそうは言えますけれど、現実にはなかなか、理屈通りにはいかないことだらけですよ。泥棒のような国家もあれば、殺人鬼のような国まで出る始末です。「戦争に勝つ国」とは、「人間を殺し、自然を破壊することがより多かった国」ということで、そんなもののどこに値打ちがあるかと、問い返してみたくなります。だから、人民の権利を踏みにじるような国であるなら、国民(人民)は謀反(革命)を起こして、政府(権力者)を打倒し、権力を奪取しても構わないとまで「宣言」に規定している国もあるほどです。 

 「すべての人間は平等につくられている.創造主によって,生存,自由そして幸福の追求を含むある侵すべからざる権利を与えられている.これらの権利を確実なものとするために,人は政府という機関をもつ.その正当な権力は被統治者の同意に基づいている.いかなる形態であれ政府がこれらの目的にとって破壊的となるときには,それを改めまたは廃止し,新たな政府を設立し,人民にとってその安全と幸福をもたらすのに最もふさわしいと思える仕方でその政府の基礎を据え,その権力を組織することは,人民の権利である.」(「アメリカ独立宣言」・1776年7月4日)

 「独立から今年で250年を迎える米国で、この大本が揺らいでいる。中西部ミネソタ州では今年に入り、不法移民の大規模摘発に抗議していた市民2人を取り締まりの捜査官が相次ぎ射殺した」(コラム「談話室」)となると、もはや国家を無条件で信頼するわけにはいかないでしょう。米国の現大統領は政治的窮地に陥ったのか、主権者(有権者)の関心を逸(そ)らすために、あるいは不人気を挽回するために「イスラエルと共にイランを攻撃、最高指導者ハメネイ師ら中枢を殺害した」(同コラム)いわば、「独立宣言」を拡大・勝手放題解釈した結果の暴挙でしょうか。まさしく、無法でありつつ、暴力の限りを尽くしているというほかありません。この蛮行をだれも止められないとするなら、多くの国家の名において、それこそ「独立宣言」の趣旨に照らして、「断罪すべき」ではないでしょうか。大統領には無関係(赤の他人)である無辜(むこ)の民を含めて、多数の人民を殺害したとして、大統領らは罪に問われないのでしょうか。絶大な権限・権能を有する大統領は何をしても許されている考えることころに「大きな過誤」、人間として欠けたところ(無知・無能・無思慮)があるというべきでしょう。国の最高権力者とは何ですか、バカ(愚者)そのものなんですか?

【産経抄】イラン攻撃、世界は帝国主義の時代に戻った 1日朝に放映されたNHKの「日曜討論」のテーマは、当然ながら米国・イスラエルによるイランへの先制攻撃だった。「高市首相は一言の批判もしていない」。共産党の小池晃書記局長は憤懣(ふんまん)やるかたない様子だった。▼失礼ながら、お気楽な野党ならではの発言と受け止めた。イランの核兵器開発は、米国・イスラエルにとって差し迫った脅威だった、などと両国を擁護するつもりはない。トランプ米大統領に説教して、日本に何の益をもたらすというのか。▼そんなことより、高市早苗首相にはやるべき仕事が山ほどある。イラン、イスラエルと周辺諸国に滞在する邦人をすみやかに退避させる。日本の輸入する原油の大半が通過する、ホルムズ海峡の封鎖という最悪の事態に対処する。戦火の行く末をみきわめ、あらゆる対策を講じてほしい。▼NHKといえば、イスラエルやトルコの特派員がリポートしているのに、イランからの報道がないのは異様だった。今年1月に当局に拘束されたテヘラン支局長の安否が気遣われる。▼イランの現地メディアが公開した映像には衝撃を受けた。南部の小学校が米軍の空爆を受け、多数の女子児童が死亡したというのだ。強権政治が長く続いたイラン国内では、最高指導者ハメネイ師の死に喝采の声も一部であがっている。それでも少女たちの犠牲のニュースが事実とすれば、怒りを覚えない国民はいないはずだ。▼錯綜(さくそう)する情報に小欄は右往左往するばかりだが、ただひとつ確かなことがある。世界は力の行使がまかり通る、かつての帝国主義の時代に戻りつつある。自分の身は自分で守る覚悟がますます問われている。風雲急を告げるなか、強力な高市内閣が誕生していて、本当によかった。(産経新聞・2026/03/03)

 本日付の産経新聞もまた「国」に関して、例の自説(持論)を述べられていると読めるでしょう。アメリカのイラン攻撃に対して、「首相は一言も批判していない」と非難したある党の幹部に対して「お気楽な野党ならではの発言と受け止めた」と書かれている。あけすけな「蔑視」であり「罵倒」だと思います。これが「産經」の長所・売りだというのですから「お気楽な高市シンパ」と言ったらどうでしょう。この女性宰相の誕生から分娩まで大きな力を尽くし、生まれて以来、ひたすらその「保父母」「応援団」を自認している新聞社なら、現首相は「嘘つき」の「屑」、「無能な元ヤンキー」だといえば、非難したものを首相に代わって「仇討ち」をするのでしょうか。「そんなことより高市首相にはやるべ仕事が山ほどある」のは当然で、やるべき仕事をやってもらわなければ困るのは主権者です。しかし、はたして「山ほどある、やるべき仕事」をやっているのかどうか、ぼくは甚だ疑問に思っている。蕎麦屋の釜みたいな政治家ではないですか。その心は「湯(いう)だけ」と茶化せば、「お気楽な後期高齢者」と罵られるだろうが、でも、言うべきことは言わねば、と思う。

 「世界は力の行使がまかり通る、かつての帝国主義の時代に戻りつつある。自分の身は自分で守る覚悟がますます問われている」と書かれる本意はどこにあるか。この国もまた「帝国主義時代」への逆戻りに乗り遅れるなということ、だから、いつ何時、どの国と「一戦を交えるか」わからないのだから「サナエアレバウレイナシ」といいたいのでしょう。「風雲急を告げるなか、強力な高市内閣が誕生していて、本当によかった」というのが本音だが、書かれてみれば、実に興ざめしますね。入門したばかりの「序の口」が大関クラス(人口やGDP比でいうと)に歯向かうみたいです。怪我すること請け合いでしょう。こういう「冗談のような戯言」を購読料を取っている新聞で、よくも書けますな。噴飯物といいたい。これを「買い被(かぶ)り」という。公選法すれすれ、法に触れなければ一向にかまわないという、履き違えた「順法精神」「遵法(遵奉)感覚」の主が、国の最高権力者の地位についている、そのこと自体が、ぼくには「存立危機事態」だと思われるのだ。いい加減に、「無能な番長」の応援団員を辞めたらどうですか。「強力な高市内閣」という、その真意はどこにあるのでしょうか。アメリカのセクハラ大統領に縋(すが)って、ひたすら媚びを売る活動に専心している、そのどこに「強力な」といえる部分があるのでしょうか。

 (ぼくは国家というものの力の及ぶ範囲が可能な限り狭く緩(ゆる)やかであってほしい、と願っている。望みもしない「戦争」に駆り出されて、屍(しかばね)にさせられることも、「国民の義務」とするような野蛮な国などは不要だとすら考えている)

・手と足をもいだ丸太として返し(鶴彬・つるあきら)                                                     (「1937年12月3日に治安維持法違反の嫌疑で特別高等警察に検挙され、東京都中野区野方署に留置された。しかし、度重なる拷問や留置場での赤痢によって、1938年9月14日に29歳で世を去った」Wikipedia)きわめて先鋭な川柳作家でした。

 (「産経抄」コラム氏は「帝国主義」という語を使っているけれど、それも実際上は実に多様な形態がありますね。この国もある時期までは「帝国主義」の泥沼に足を突っ込んでいましたから、それで、コラム氏は「現首相」も帝国主義時代に乗り遅れないで下さいと、エールを送っているのですかね。なんでこんな政体に憧れるのか、よくわからないですな)                                         (「コモンセンス」「人間の権利」、いずれもトマス・ペイン著。これらは、ぼくの「右腕」ならぬ、「右脳」になっているような書物です)

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◎ ペイン(Thomas Paine)(1737―1809)= アメリカ独立革命に貢献した政治評論家。クェーカーのコルセット職人の子としてイギリス、ノーフォークに生まれる。グラマー・スクールに通ったが、13歳のとき父親と同職の徒弟となった。その後、私掠(しりゃく)船船員、収税吏、英語教師などを経た。1772年、収税吏の給料値上げ運動をおこし、小冊子『収税吏の主張』を著した。ニュートン学説と自然科学に深い興味を抱き、1774年37歳のとき、科学者としてすでに有名であったフランクリンとロンドンで知り合い、彼の紹介でアメリカに渡った。フィラデルフィアで1775年に創刊された『ペンシルベニア・マガジン』の編集者となる。1776年『コモン・センス』を匿名で出版。当時本国との対立は戦争状態に発展していたが、植民地のほとんどの人々は和解を信じていた。この小冊子は、本国からの独立による植民地の利益と世襲君主制打破の意義を具体的に平明な文章で説き、人々の独立への気運を促した。独立戦争中は、アメリカ軍に参加しながら政治論文『危機』の執筆を続けた。1777年大陸会議外交委員、1779年ペンシルベニア議会書記に任命され、1787年にはヨーロッパに渡り、バークの『フランス革命への省察』に反論して『人間の権利』(1791~1792)を発表、革命を擁護した。1792年フランス市民権を与えられたが、ジャコバン政権下で投獄され、1年後アメリカ公使モンローに救出された。その後『理性の時代』『土地分配の公正』を著し、1802年再度渡米したが、人々にはすでに忘れられ、不遇な晩年を送った。(日本大百科全書ニッポニカ)

2024年 各国の人口数(単位:千人)

1インド 1,450,936
2中国 1,419,321
3米国 345,427
4インドネシア 283,488
5パキスタン 251,269
6ナイジェリア 232,679
7ブラジル 211,999
8バングラデシュ 173,562
9ロシア 144,820
10エチオピア 132,060
11メキシコ 130,861
12日本 123,753



229ツバル 10
230サンピエール島・ミクロン島 6
231セントヘレナ 5
232モントセラト 4
233フォークランド諸島 3
234トケラウ 3
235ニウエ 2
236バチカン 0
(世界累計:8,161,973)
(国連統計・2025年7月31日)

◎ 国家【こっか】= 一定の領土に定住する多数人で構成される団体で,排他的な統治組織をもつもの。一般に,領土・人民・主権(統治権)の3要素からなるとされるが,憲法などで国家権力の範囲を定める近代国家においては,国家のみが主権をもつことに反対する解釈もある(多元的国家論)。またマルクス主義では,国家は,支配階級が被支配階級を支配し搾取するための権力機構とみなされる(階級国家観)。歴史的には古代奴隷制国家(奴隷制社会),中世封建国家を経て,絶対主義国家の登場に伴い,国家は国際政治の主役となると同時に,中央集権機構をもつ近代国家として整備される。ブルジョア革命ののちの国民国家では,〈人民〉の大多数は国家の動向に関心をもつ〈国民〉に転化する。この段階での国家は,自由放任主義のもとで国家の機能を最小限にとどめようとする〈夜警国家〉であり,立法部が政治の中心を占めるため〈立法国家〉とも呼ばれる。20世紀に入ると,工業化・都市化の進行による社会の複雑化に伴い,国家が社会の全領域に介入する〈福祉国家〉に移行するが,そこでは行政部の比重が急増して〈行政国家〉の様相を呈する。後者はまた〈積極国家〉とも呼ばれる。こうして今日の大衆国家では,国家は国民の日常生活のすみずみにまで深い関係をもち,他のあらゆる社会集団を圧倒する巨大な機構として確立されている。なお,ナチズムやファシズムのもとでの全体主義的国家においては,国民は国家の利害への全面的従属を迫られる。社会主義革命(プロレタリア革命)を経て成立する社会主義国家は,国家権力が労働者階級のために行使される国家であり,マルクス主義によれば,その発展の結果もたらされる共産主義の段階では,国家は〈死滅する〉とされる。(百科事典マイペディア)

 (「強力」な首相ぶりを示す参考資料として)
 【社説】武器輸出容認 政権の独断、看過できない 国産の武器が外国で人を殺傷する時代が到来するのか。
 自民党安全保障調査会が、防衛装備品の輸出ルール緩和に向けた提言案をまとめた。
 政府は防衛装備移転三原則の運用指針で、輸出する装備品の用途を救難、輸送、警戒、監視、掃海の5類型に限定している。今回の提言案は、戦闘機や護衛艦のような武器を含む完成品の輸出を原則容認する内容である。
 提言案は「現に戦闘が行われていると判断される国」にも輸出の余地を残している。紛争を助長する懸念が拭えず、武力紛争に加担することになりかねない。
 政府は提言を基に今春にも三原則の運用指針を改定し、5類型を撤廃する方針だ。武器輸出は憲法の平和主義を崩すことになる。安全保障政策の重大な転換になり、断じて容認できない。
 さらに問題なのは、輸出の可否判断を国家安全保障会議(NSC)に委ねていることだ。出席者は首相、外相、防衛相、官房長官らに限定され、国会の関与だけでなく閣議決定も要件としない。
 高市早苗首相は27日の衆院予算委員会で、武器輸出について国会の事前承認を求められたのに対し、NSC審査を経て政府が判断する考えを示している。政府の裁量が大きくなり、歯止めのない輸出拡大に道を開くことになる。
 武器輸出を巡っては、1960年代以降、与野党が国会審議を積み重ねてきた歴史がある。
 佐藤栄作首相は67年、共産圏諸国、国連決議による武器禁輸国、紛争当事国への武器輸出を認めない「武器輸出三原則」を衆院で表明。76年には三木武夫首相が三原則の対象以外の地域でも「武器輸出を慎む」とした政府統一見解を発表している。
 いずれも政府と野党が国会で問題点を掘り下げる中、政府が方針を示した重みを理解するべきだ。
 それなのに、事実上の全面禁輸を解いた2014年の防衛装備移転三原則では、安倍晋三内閣が与党了承だけで方針を転換し、国会を軽視した。
 高市早苗政権は今回、新たに連立を組んだ日本維新の会と昨年10月に結んだ連立政権合意書で、5類型撤廃を明記。国会審議を深めることなく、与党内の協議だけで一気に武器輸出の拡大にかじを切ろうとしている。
 国の安全保障政策の根幹につながる政策は、国会の議決を経て決定するべきである。政府の独断は看過できない。時間をかけた丁寧な国会審議を求める。(信濃毎日新聞・2026/03/02)

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No questions asked, regime change.

【卓上四季】理不尽な攻撃 親米の王朝を倒した1979年のイラン革命で、ハメネイ師は反王政のイスラム運動に参加し頭角を現した。カリスマ的に君臨したホメイニ師の死後、弟子として最高指導者に。弱かった権力基盤を徐々に強化し「憲法に則(のっと)った権威主義体制」を築いた(黒田賢治著「イラン現代史」)▼30年以上も統治する中で強権的になり昨年末からの反政府デモを激しく弾圧した。欧米と対決姿勢を強め核開発を是とする。トランプ米大統領は「歴史上もっとも邪悪な人物の一人」として殺害を正当化した▼あまりに身勝手な主張だ。イランを離れて日本に暮らす俳優サヘル・ローズさんはSNSを真っ黒な画面にして「簡単な言葉にできません」と記した。心中を察して余りある。多くの市民が犠牲になり報復の連鎖が広がっている▼一国のトップに問題があっても他国が武力行使して排除することは正当化されない。2度の大戦を経て達した世界のルールだ。なのにあの大統領は「私に国際法は必要ない」とうそぶく。暴走を止める手だてはないのか▼ベネズエラに続く蛮行、しかも核協議の継続を約束した直後のだまし討ちだ。民主主義国が力を合わせて米国をいさめるのが急務である▼信じがたいのは日本が軍事行動に理解を示したことだ。これほどの理不尽をまだ容認するか。対米追従極まれり。(北海道新聞・2026/03/02)

 「問答無用」と、いきなりの暴力。これがアメリカ大統領のやり口だ。「体制転覆だ」と。そこには「国際秩序維持(maintaining international order)」も、「外交交渉(diplomatic negotiations)」も一切ない。今次のイラン攻撃は米国とイスラエルの「合作」であるのは言うまでもない。イスラエル首相は「刑事事件の被告」で、首相の座を追われると収監されることになっている。同じように、米国大統領は三十数件の犯罪加害者として裁かれた身です。「不逮捕特権」に逃げ込んで、あわよくば「刑事事件の加害者」である身分を帳消しにしたいのであろう。「国際法」など自分には無関係と言い張る米大統領は「脳細胞が破壊された状態」にあると、早い段階からぼくは指摘してきた。だから、秩序だとか、約束だとか、交渉などというものは、彼にはいささかの制約要因にはならないし、ここまで違法・違反行為を繰り返しても、「誰も何もできない」と勝手に判断するほどに、彼の判断力は皆無に等しい。一方のイスラエル首相も、「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」で描かれたような、飛んでもない悪辣な人物なのだ。(ヘッダー写真・https://courrier.jp/news/archives/436267/

 この二人の無法者の「権力を笠に着た」振る舞いは異常でも何でもないのかもしれない。世間の多くの「権力者」は、大なり小なり、かかる不正や不義を働いていても、それを許す仕組みが機能しているからだともいえる。問題は、主権者(有権者)が、どこまで、どの範囲までなら「権力者の犯罪」を見逃すか、見て見ぬふりをするかという視点に立ち戻る必要があるだろう。この国でいうなら、警察や検察(司法当局)もまた、権力の一部であることを考えれば、「権力者の犯罪」に対して、大ナタを振るえないという事情が、かならずあるのだ。国家機構というものは、どこからでもいえることですが、権力者には都合よく作られている、そのことをぼくたちは忘れるべきではない。

 たまたま、二人の犯罪者が組んで、今次の「イラン攻撃」を敢行した。攻撃される側の権力者も、目に余る「暴政(暴力政治)」をほしいままにしていたのだから、大悪が小悪を叩き潰す図なのかもしれない。それにしても、このようなことがまかり通れば、世界秩序は乱気流に飲み込まれたように荒れ狂うほかないだろう。だが、悲しいかな、神経の異常者には、「乱気流」も「殺戮」も、ひたすら高揚感を伴う快楽なのかもしれないと思うだけでも、ゾッとする。翻って、この国の現状は、さらに寒々しいものがあることを、ぼくは耐えられない思いで見ている。とにかく「アメリカにくっついていく」ことが、この国の「政道」だと深く信じこんでいる。そのような亡者が権力掌握に躍起になるのだ。まるで「コバンザメ」のごとく、米国に密着するほかないと思い込んでいる(「大形魚の食べ残しなどを餌にすることから)力の強い者の近くにいて、そのおこぼれにあずかる者のたとえ」デジタル大辞泉)。

 まともに論じられていないが、現首相のこれまでの言動を考えれば、今回の「中東戦争」勃発は、まさしくこの国の「存立危機事態」に直結しているし、頭の上がらない「親玉」がイランと戦うのだから、その帰趨を考えれば、まさしく「集団的自衛権行使」に当たるというはずだ。自衛隊のホルムズ海峡への「派兵」(石油輸入の大部分、9割ともいわれる、そのエネルギー源をこの海峡で堰(せ)き止められる懼(おそ)れがあるから)も日程に上っているはずだろう。この3月19日に、首相は訪米するという。アメリカからすれば、「渡りに船(Godsend)」であり、「飛んで火にいる春の虫(Spring insects flying into the fire)」ではないだろうか。首相自身はどう見ているのか。おそらく、考えは空虚、なにもないのかもしれない。トランプ(かつては捕食者だった)に会えるのがうれしいだけかも。

 何度でも立ち返って考えるべきなのは「一国のトップに問題があっても他国が武力行使して排除することは正当化されない」(「卓上四季」)ということだ。「民主主義国が力を合わせて米国をいさめるのが急務である▼信じがたいのは日本が軍事行動に理解を示したことだ。これほどの理不尽をまだ容認するか。対米追従極まれり」とも書く。「媚中」ならぬ、「媚米」だが、それを良しとする「哲学」自体がこの国の政治の最深部に巣くっている。支持者もしかり。米国に向かって批判するなどもってのほかという「先例」には事欠かない。日本が「世界の笑いもの」になるならなっても構わないが、米国のもたらす「人道に悖る」「正義に反する」行為にまで、尻尾を振ってアメリカに追従するなら、世界の仲間としては認められなくなるだろう。人は一人で生きていけないのと同じように、いや、それ以上に、一国だけでは、世界の中で存続していくことは不可能だ。

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 「日本政府、イラン核反対を強調 米攻撃に一定理解 日本政府は米国とイスラエルによる対イラン軍事攻撃に関し、「イランの核兵器開発は決して許されない」とする立場を表明した。国際的な核不拡散体制を維持する観点から、米国の行動に一定の理解を示した形だ。/木原稔官房長官は1日未明の記者会見で、核開発を巡る米イラン間の協議について「イランの核問題解決に極めて重要であり、わが国として強く支持してきた」と指摘。不拡散体制の意義を訴え、「イランは核兵器開発および地域を不安定化させる行動をやめるべきだ」と呼び掛けた」(時事通信・2026/03/02)(右写真「「対イラン戦争」に抗議するロンドンのデモ参加者たち Photo by Vuk Valcic / SOPA Images / LightRocket via Getty Images」)

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◎トランプ裁判 「トランプ次期米大統領、禁錮や罰金の刑受けず 重罪34件で有罪 ドナルド・トランプ次期米大統領が元不倫相手への口止め料支払いについて事業記録を改ざんした罪状34件について有罪評決を受けている裁判で、ニューヨーク州地裁は10日、禁錮や罰金などの刑罰を科さない「無条件の放免」という、異例の量刑を言い渡した。これによって、アメリカ大統領経験者に対する史上初の刑事裁判は終わり、トランプ氏は重罪で有罪判決を受けた初のアメリカ大統領になる。(以下略)(BBC JAPN・2025年1月11日)(https://www.bbc.com/japanese/articles/clyewx8gerxo

◎ ネタニヤフ首相の汚職裁判 イスラエルのネタニヤフ首相に対し、検察が詐欺や背任、収賄の罪で2019年11月に起訴した訴訟。起訴状によると、ネタニヤフ氏は米ハリウッドのユダヤ人プロデューサー、アーノン・ミルチャン氏から葉巻やシャンパンを受け取った見返りに、ミルチャン氏に有利な税法改正を財務省に働きかけたほか、イスラエルの通信大手企業に政府の規制関連で便宜を図る見返りに、同社傘下のニュースサイトで好意的な報道を求めたなどとされる。現職首相の起訴は初。ネタニヤフ氏は「魔女狩りだ」と否認している。(共同通信ニュース用語解説)(「ネタニヤフ調書 汚職と戦争」:https://eiga.com/movie/104693/

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 「ハメネイ師の“殺害”はこうして遂行された CIAが攻撃の決断にいたる「極秘情報」を手にした方法 米国とイスラエルによるイラン攻撃で、最高指導者ハメネイ師が殺害された。その背後には、CIAが数ヵ月にわたりハメネイ師の所在と行動パターンを追跡し続けた情報活動があった。土曜朝のテヘラン中心部での幹部会合という情報を掴んだことで、攻撃のタイミングが急遽変更されたという。作戦の内幕をニューヨーク・タイムズが伝える。米国とイスラエルがイランへの攻撃をまさに開始しようとしていた直前、米中央情報局(CIA)はおそらく最も重要な標的の所在を特定していた。イランの最高指導者、アリ・ハメネイだ。 作戦に詳しい関係者によれば、CIAは数ヵ月にわたってハメネイを追跡し、その所在や行動パターンについて自信を深めていたという。その後、テヘラン中心部にある指導部施設で、土曜の朝にイラン高官らの会議が開かれることを突き止めた。さらに決定的だったのは、そこに最高指導者が同席するという情報だった」(クーリエ ジャポン・2026/03/01)(ヘッダー写真:Photo by Bedirhan Demirel / Anadolu / Getty Images

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「徒然に日乗」(1018~1024)

◎2026年3月01日(日)午前9時半に車検のために修理工場(民間車検場)に納車。今回で11回目の車検。初年度登録が2003年4月。(夕方6時過ぎに車検終了)▼イスラエルとアメリカによるイラン攻撃で、最高指導者のハメネイ氏が殺されたという。核開発阻止を理由にした攻撃とされるが、要するにイスラエルのイランに対する脅威を断ち切るために、ネタニヤフに唆(そそのか)され、もちろん米大統領も「魚心に水心」で行われた、「侵略は合作」だ。この先、果たしてどういう具合に事態は進むのか、とても気にはなる。「ホルムズ海峡封鎖」が現実の難題になってきた。日本のエネルギーの危機でもあるのだから、「集団的自衛権」と「存立危機事態」に、こんなに短期間で「直面」するとは、という思いを持っている。「イラン、学校への攻撃で少なくとも148人が死亡と発表 イラン当局によれば、イラン南部の学校への攻撃があり、少なくとも148人が死亡したという。(略)女子校はミナブにあり、以前も攻撃の標的となったイスラム革命防衛隊(IRGC)基地の近くに位置していた。/イラン赤新月社によると、イランでは土曜以来、空爆により少なくとも201人が死亡、747人が負傷した。(以下略)」(BBC・2026/03/01)国際法違反は明白だ。「国連憲章および国際慣習法では武力行使は原則として違法。認められる際の条件が決められている。(憲章第2条4項)。(憲章第51条)米大統領は「国際法」は眼中にないと宣言している。(1024)

◎2026年2月28日(土)終日自宅内に。本日で2月も終わり。「トランプ大統領、イランで『大規模戦闘作戦』を発表 ドナルド・トランプ大統領は、米国がイランで「米大統領は、イランの首都テヘランで爆発が報じられた直後、米国時間早朝、自身のソーシャルメディアネットワーク「トゥルースソーシャル」にビデオを公開した」いうまでもなく、自らの都合で他国を攻撃するのは、国際法違反。(BBC:https://www.bbc.com/news/videos/c1d60wvz9zko)米大統領の「狂気」は極めて深刻になってきたと思う。かかる大統領に抱き着くような「外交」をする日本は、本当に「世界の笑いもの」になるだろう。▼それにしても、この国の政治状況は末期症状。「政権批判」が許されないという風潮が徐々に強まってきた理由は、何だろうか。大手メディアがその重要な要因になっていることは間違いない。例の『カタログギフト』の原資は何かと考えるが、どうやら「官房機密費」だと受け取れば、この間の首相の二転三転の落ち着かない説明がよく理解できる。同時に、この「官房機密費」は早い段階で、「マスコミ対策」に使われたと思いたくなるような、どうしようもない腐敗・堕落が浸透しているのだ。破局への一本道を突き進んでいるのだと思わざるを得ない。(1023)

◎2026年2月27日(金)昨日書かなかったが、鼠坂下の周囲の田んぼには水が張られていた。もうこんな時期になったのかと、驚く。これから田起こし矢や代掻きが行われ、いよいよ田植えに向かう。近年は大型の機械が導入されて、昔日の風景が見られなくなったのはいかにも寂しい。このところのコメ問題にしっかりとした終止符が打たれるか、それが気になる。人口減少がさらに進み、食事の好みも変わり、一時ほどのコメ需要もないのが、これまたさ寂しい。▶昼前に茂原まで買い物。取り立ててこれはというものは買わないが、毎日の仕事となると、なかなかに大変(面倒でもある)だ。終日穏やかな天気が続いた。明日はさらに気温が上がるという。一時期の渇水状態も先日の降雨で、一息付けそうだという報道。田植えには大量の水が不可欠だから、何とか事なきを得たことになるならいいのだが。▶気が付けば花粉の飛散がとっくに始まっているようで、まず目が痛い(痒い)し、鼻がぐずぐず、くしゃみが出る、頭が重いと、方々に不愉快な症状が出ているのだ。(1022)

◎2026年2月26日(木)本日は九十年目の「二・二六」の日だった。極めて奇妙な立論だが、この昭和十一年の「二・二六」は、令和七年の「二・〇八」(衆議院選挙投開票日)に重なるところがあるのだ。片や武力行使の「クーデーター」だったし、もう一方は選挙投票(集団の無意識)による「クーデーター」だったと思う。衆議院選挙では、驚くべき「選挙運動が、投票日当日まで繰り広げられた。旧来の公職選挙法では太刀打ちできない「選挙違反類似行為」が堂々とまかり通っていたと思われる。▶既存のマスメディアが報じるべきニュースを報じないのはどうなのかという批判が常に認められるが、この現実が、まさしく「ファシズム」そのものの表出だと思う。間違いなく、新たな政治局面に突入していると考えるべきだろう。旧来のメディアは元に戻ることはあり得ないと思う。▶「高市首相のカタログギフト配布、公選法が禁じる寄付にあたる疑いあると市民団体が告発状送付 (略)告発状では、カタログギフトを贈ったことが、政治家個人から選挙区内の個人らへの寄付を禁じた同法に抵触するとしている」(読売新聞・2026/02/26)▶虚偽満載の言動をまき散らし、統一教会と関係を保ち、公選法違反に問われながら、それが、この人物に限り不問に付すという「不条理」「は、この国のあからさまな危機だ。(1021)

◎2026年2月25日(水)終日降雨が続いた。気温はそれほど低くはなかったので、雪の心配はないと一安心。終日を自宅で過ごす。▶「複数の政府・自民関係者によると、首相の事務所関係者が議員事務所を訪れ、カタログギフトを贈った。首相はXへの投稿で『自民衆院議員の全員宛てに、政治活動に役立つものを選んでいただこうと思い、カタログギフトを差し上げることとした』と説明した。『政党交付金は一切使用することはない』とも強調した」(読売新聞・2026/02/25)― この程度の感覚で何十年も政治家が続けられるのだから、腐敗するのも当然だと思う。首相個人からの贈り物ではないとするなら、誰が、どういう根拠で送ったのか。ここでもまず「説明」を果たすことであるが、それをしないで逃げ切るつもり。▶数日前から、目の痒み、鼻のむずがゆさ、くしゃみの頻発で困っている。同時に、頭が重い状態も続いている。間違いなく「花粉症」症状だろうと思うが、処方箋はない。これまで通りの「目薬」のみで、今年も乗り切れるだろうか。(1020)

◎2026年2月24日(火)午前中に茂原まで買い物。その前に役場の確定申告受付場所に出向き、申告書を取りに行った。面倒な年中行事だが、今年も申告するつもり。相変わらずの物価高騰がその勢いを持続しているのだから、本当に政府の不作為を呪いたくなる。「高市首相、追加利上げに難色示す 日銀・植田総裁との会談で 高市早苗首相が日銀の植田和男総裁と16日に会談した際、追加利上げに難色を示していたことが分かった。複数の関係者が毎日新聞の取材に明らかにした。日銀は『金融正常化』や円安対応で追加利上げが必要との認識だが、衆院選圧勝で政権基盤を固めた首相との関係で、難しい対応を迫られそうだ。(以下略)」(毎日新聞・2026/02/24)夜に、首相の「施政方針」演説を録画で見聞きしたが、まるで覇気もなく、ひたすら原稿を読んでいるだけのこと。無内容で、現行の棒読み。「無能」首相という観点では、戦後の首相経験者でも1、2を競うのではないか。「責任ある積極財政」とは「打ち出の小槌」か、「成長のスウィッチ」を押しまくると、まさに狂っているのがわかるだけに、このまま野放しにしておいていいのかと心配になったほど。首に輪をかけて今の地位から早く降ろさないと、「世界の笑いもの」になることは間違いない。「財政破綻が秒読み」に入ったが、アメリカは放置するのだろうか。夜になって以下のニュースが流れた。腐りきっているとはこのことか。「高市早苗首相(自民党総裁)の事務所が、先の衆院選で当選した自民議員側に対し、当選祝い名目で数万円相当のカタログギフトを配布していたことが分かった。複数の関係者が24日、明らかにした」(共同通信・2026/02/24)― 「法的に何の問題雄ない」と、開き直って突撃・突破しようとするだろうが、「政治家感覚」の鈍感さは、これまでの長いキャリアで育てられてきたもの。党内の地盤固めという、権力亡者のすることをしただけだが、「女トランプ」を看板にするということか。弁解も何もない、即刻辞任ですな。(1019)

◎2026年2月23日(月)午前中に猫の食料などを買い出しに。近所のホームセンターまで。このところ、近所の「飼い猫」、その実、たまにしか食餌をやらず、当人は「野良猫」だからといっている、その家の猫がいくつか、拙宅に朝晩、決まってやってくる。多い時には3匹以上も。できるだけ間をあけずに、ドライフードと缶詰をやっている。それはいいことかどうか。たぶん、「避妊」や「去勢」手術をしていないので、さらに子どもが生まれることになるだろう。何とかしたいが、物分かりがいい隣人だとは思われないので、少し様子を見ることにしている。家に来た、たくさんの猫たちも、はっきり言うなら、この家から逃げてきた猫の子どもたちだと思うから、いわば、みんな兄弟姉妹、分け隔てをしないで、付き合っていこうと考えている。食事をやるようになってから、猫同士の「喧嘩」がすくなった気もしている。▶アメリカの政治の動きと、我が国の動きが重なって、なんというか「破局(catastrophe)」が、突然やってくるような気もしている。ウクライナへのロシアの侵略は開始以来4年が経過。中東のイスラエルとパレスチナの「殺戮」戦争はまだ終わらない。そして「イランへの攻撃」を米国は企んでいる、そんな状況のど真ん中に、この国の首相は紛れ込もうとしている(3/19に訪米らしい)。「飛んで火にいる(夏ならぬ)冬の虫」というべきか。長期金利は下げる気配がないし、円安が落ち着いたとは言えない状況にある。異様に高騰を続ける「株」は「天井」を打ったのだろうか。4日連続して下げている。(1018)

IIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIIII

某は「集団的自衛権」を口にするさ

⁂「週のはじめに愚考する」(108)~ イスラエルとアメリカはイラン攻撃を開始しました。「核開発」を根絶させるためという理由が攻撃の理由として挙げられています。しかし、理屈と膏薬はどこにでもつくもの、ネタニヤフとトランプは自国内における自らの政治的威信(地位)を維持し、あるいは回復させるために「博打(ばくち)」を打ったということではないでしょうか。情勢は刻々と変わりつつありますから、何かしらの断定はできません。欧米のいくつかの報道に接して、現状とこの先の展開のいくばくかを考えてみたい。そしてこの「(米・イスラエルによる)対イラン攻撃」がこの劣島にどんな影響を与えるかについても少しばかり愚考したい。何はともあれ、世界はさらに一歩「野蛮時代」「殺し合いの世紀」へと、深みへ入り込んだんです。

 (ヘッダー写真は「イランの首都テヘランで大きな煙が立ち上る様子が確認された」と伝えるBBCニュース・2026年2月28日)

 「米国とイスラエルによるイラン攻撃は、トランプ米大統領にとって重大な転機となった。かつては絶対に始めないと誓った戦争を、自ら引き起こすことで、2期目の政策アジェンダを強化できると読んで賭けに出た形だ」「つい2カ月ほど前にはベネズエラで大胆な米軍作戦を命じており、トランプ氏の外交政策は力による介入へと傾斜を強めている」「支持率は低下し、国外を偏重し、経済をないがしろにしているとの見方が広がる中、11月の中間選挙では共和党が敗北し、下院での過半数を民主党に奪われると予測されている。こうした状況でのイラン攻撃は、トランプ氏にとってかつてない大きなギャンブルだ」(Bloomberg・2026/03/01)

 一国の最高権力者の地位に就くことを懇望・懇願する人間は、おそらく常人には解しがたい特段の欲望に突き動かされるのでしょう。つまりは端倪すべからざる「権力欲」が、当人をして、正常な感覚や判断力を失わせるのです。驚くべき残虐行為も、当人からすれば、自らの権力維持の代償になるなら、いささかの躊躇もならないと考えるだろうし、現状ではどうしても権力の座を維持することが困難だとみるなら、まず何よりも姦計を弄してでも「外敵攻撃」に自らの地位を賭けるはず。

 米国大統領は、早い段階から「狂気に襲われている」と、ぼくは見ていましたが、ここにきて、彼は正常な判断力が尽きているとみて差し支えないと思っている。いくら無知(裸の王様)でも、国内で自分の評価がどうなっているかを悟らないはずはないからです。「自分の権力維持を賭けたギャンブル」だという見方は間違っていないでしょうし、「犯罪者の身であるイスラエル首相は「首相でなくなれば」拘束されることが決まっているのです。いずれもけち臭い「地位」「身分」を賭けての攻撃だが、それが各方面に思わぬ広がりを見せるかもしれません。(右上は「国会審議における「集団的自衛権の可能性に言及」の一場面)(ANN・2015?03/3)

アメリカとイスラエル、イランを攻撃と発表 米軍駐留の近隣国に報復攻撃か アメリカとイスラエルは28日、イランへの攻撃を実施したと発表した。アメリカのドナルド・トランプ大統領は、「大規模な戦闘作戦」が進行中だと自らのソーシャルメディアで説明。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相も、「存亡の危機を排除する作戦に着手した」と述べた。イスラエル軍は、イランから報復のミサイルが発射されたとしている。米軍が駐留する中東各国も、イランから報復攻撃があったとしている。
イランのファルス通信は、テヘラン、イスファハン、コム、カラジ、ケルマーンシャーの各都市で爆発音が聞こえたと報じた。
BBCは、テヘランのジョムホリ広場とハッサン・アバド広場の上空に煙が立ち上っている画像を確認している。
テヘランにあるイラン最高指導者事務所と大統領府も、攻撃の標的になったと報じられている。
イラン国営通信IRNAによると、南部ホルモズガーン州ミナブ郡の女子小学校で、イスラエルの攻撃によって40人が死亡、48人が負傷した。モハンマド・ラドメフル知事は、死者数が増えていると話した。(略)
ドナルド・トランプ大統領とベンヤミン・ネタニヤフ首相はそれぞれの声明で、イランは自国に対する危険であると述べた。トランプ氏は、イランが世界にとって危険だと述べた。アメリカとイスラエルの両国が、イスラム体制と激しく敵対し続けたことは紛れもない。しかし、両国とイランとでは、実力の格差はあまりに巨大だ。となると、自衛という法的正当性が適用できるとは、考えにくい。
対するイランは、アメリカもイスラエルも信用していない。トランプ氏は最初の任期で、オバマ政権の外交政策の柱だったイラン核合意(JCPOA=包括的共同作業計画)から離脱した。
イランはこのところ、第二のJCPOAのような合意を、少なくとも時間稼ぎのために受け入れようとしていると、そういう兆しもあった。しかし、アメリカはどうやら、イランのミサイル開発計画や、イランがイスラエルとアメリカに敵対する周辺地域の同盟国を支援することも、厳しく制限するようを要求していたようだ。
それはイランにとって「降伏」に等しい、受け入れ難い要求だった。ミサイルと同盟国を放棄すれば、体制が最も恐れる政権転覆の危険がむしろ高まると、イラン指導部はそう認識していた可能性もある。(BBC・2026年2月28日)
イラン最高指導者ハメネイ師の死亡を確認、イスラエル情報筋 (CNN) イスラエルは、28日の攻撃によってイランの最高指導者ハメネイ師が死亡したことを確認した。イスラエルの情報筋2人が明らかにした。/情報筋の1人は、イスラエルがハメネイ師の遺体の写真を入手したと明らかにした。もう1人の情報筋は、公式発表の準備が進められていると述べた。/これに先立ち、イスラエルのネタニヤフ首相は、ハメネイ師が「もはやわれわれと共にいない」ことを示す多くの兆候があると語っていた。一方、イラン外務省の報道官は、イランの大統領と最高指導者は「無事だ」と述べた。だが、攻撃開始以降、ハメネイ師は公の場にも映像にも姿を見せていない。(CNN・2026/03/01 Sun posted at 06:55 )

 3月半ば過ぎ(19日)に訪米することが決まっているこの国の首相、です。間が悪いというべきか、この三十年でも「最悪の政治家」、「最低の首相」が、よりによってこの時期の最高指導者であるとは。彼女は求められれば、いや求められなくても、この急進左翼主義者は「集団的自衛権の発動」を言い出すと思われます。誰かが非難されると、いかにも「あいつは媚中」と蛇蝎のごとくに嫌われるが、それでは「媚米」は構わないというのでしょう。この国の主権者(有権者)の多くは「集団催眠」に罹っているのですから、「マッチョ首相」が「対米支援」をいえば、反対する理由はないでしょうし、自衛隊の戦争参加を容易に容認するに違いありません。中東でアメリカが戦争を仕掛けた今、ホルムズ海峡を通過して運ばれる日本向け「石油」輸送が危機に瀕しているとみるなら、まさに、我が国の「存立危機事態」と、もろ手を挙げて米軍に加わるでしょう。そんな危機をなんとも思わないどころか、これ幸いと、自らの存在価値を米大統領に高く売りつけるかもしれない。

 ぼくは、しばしば「時宜にかなう(well timed)」という言葉を使う時があります。ある人物が、史上最長の首相在任期間を遂げたのも、彼からすれば「時宜にかなった」からであり、彼自身の政治センス(感覚)や知性(才能)とは次元の違う「幸運」「偶然」によるものだったと、今でも思っている。それと同じように、現下の状況は総理大臣の地位にあるものには「千載一遇」の好機とばかりに、自らを高く売りつけるかもしれません。もちろんアメリカ大統領に、です。なにしろ、大統領に煽(おだ)てられて、「治外法権の米軍基地」に入り込み、あろうことが「艦上でスキップ」したほどの人物ですから。台湾海峡をホルムズ海峡に見立てれば、十分に「存立危機事態」は成り立ち、「集団的自衛権の成立(行使)」要件を満たすと、この「人品(品位)骨柄(風采)」なら、かならずや短絡的に考えるでしょう。

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 「米軍が基地置く湾岸アラブ諸国、爆発の報告相次ぐ (CNN) バーレーンとカタール、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで、複数の爆発が発生したとの報告があった。いずれも米軍基地の所在地となっている。/バーレーン内務省は市民に対し、最寄りの安全な場所へ直ちに避難するよう呼びかけた。/イランの半国営通信社ファルス通信によると、イランはバーレーンにある米軍基地をミサイル攻撃した。/バーレーンはペルシャ湾における米国の主要同盟国であり、首都マナマには米海軍第5艦隊司令部が常駐している。/バーレーン通信は米海軍第5艦隊の施設が「ミサイル攻撃を受けた」と報じた」(CNN・2026.02.28 Sat)

 大事なことは、この国が戦争に巻き込まれる、あるいは戦争に加担するような事態を万難を排して「避ける」政治をすることでしょう。ところが、その真逆にあるのが、無能政治家や為政者(紛い)です。どうしたら「戦争できるか」、いかにすれば「集団的自衛権行使」が起こりうるか、そればかりを願っているとしか思われないのです。実に悪いタイミングで、日米ともに、「権力欲」だけは超人的なものがあり、しかし当たり前の「平和な事態」を生み出す政治的センスや配慮には全く関心を持たない、要するに「自らの権力行使」に盲目・酩酊する政治家がそろったものです。これこそ、「存立危機事態」ではないでしょうか。(左写真:28日、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビで立ち上る煙 / CNN・2026.02.28 Sat)

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