以下、「法の番人」、「人権の砦」を自称、偽称している「法務省」「法務大臣」の会見の一場面です。この会見概要の中に、言いようのない頽廃、堕落の極地を観るのです。ぼくは、時には大臣の会見記録を、必要に応じて読んでいます。我ながら随分と暇なんだという気もしますが、何かの拍子で、この人たち(大臣や官僚)は「人命」など歯牙にもかけないという「空恐ろしい本音」を見聞することがあります。いま、審議中の入管法改正問題。来週火曜日に委員会採決(通過)が予定(調和)されている。法務委員会では、先般、ある女性議員が「問題発言」をして物議を醸しました。入管収容中に「死亡」したスリランカ人女性の「詐病(仮病)」を匂わせる発言だった。法務委員会では法務大臣の発言も「人命軽視」ではなく、「人命無視」発言が際立つ。虚偽、捏造など、まさに日常茶飯事という次第です。そんな無能大臣を虚仮にしているのが「法務官僚」連です。大臣はすぐに辞める、自分たちは先が長い。適当に付き合うだけ。何もこれは、法務省に限らない。どうしようもない「頽廃」の蔓延の根っこに何があるか。人命無視であり、国民愚弄ですな。(ヘッダー写真はLOVEGREEN:https://lovegreen.net/flower/p172416/)

以下は、先週火曜日(5月30日)の閣議後の大臣記者会見「概要」です。一人の記者が「難民審査に当たる一参与員が、一年半で500人の審査をした」という発言、その扱い件数は、本当に可能なのかと大臣に質問した。大臣は「事前の審査も行っているので、それは可能」と明言しました。ところが、同日の午後の会見ではその発言を翻して「不可能だというべきところを、可能と言い間違えた」と、記者の問題質問のせいで誤ったので、発言を「修正」したのです。入管問題の詳細は後日の駄文(予定)に譲りますが、現行の「難民認定申請」はいい加減なものが多いので「申請・認定の厳格化」を図るための法の改正を、というものだったが、その「難民申請」を受け付けて「審査する」作業が極めていい加減で、出鱈目なものであったことが明らかになったわけです。この小さな島国は、どうして難民認定をしたくないのか。恐ろしい「歴史」が底に横たわっています。
「いずれにしても、我々の審査の仕方は、事前に書類を送って見ていただくということをやっておりますので、ですからそれも含めての処理数ということでありますので、一般論として申し上げれば、1年6か月で500件の対面審査を行うということは、(可能であろう ➡ )不可能であろうというふうに思っています」(注 「事前に、参与員に書類を見てもらっているから『可能』である」というのは文意は通る。それを、数時間後に、誰かに指摘されて、無理を承知で「『不可能』というところを、『可能』と言い間違えたというのなら、大臣は即刻辞任すべき。言ったことを言わなかった、いい間違えたというのは「食言」なのでしょうか。「訂正」なのでしょうか。誰を・何を守ろうとして、こんなアリもしない虚言を吐くのか。法務官僚にも、真偽の程を訊きたいね)(食言=[名](スル)《一度口から出した言葉を、また口に入れてしまう意》前に言ったことと違うことを言ったりしたりすること。約束を破ること」デジタル大辞泉)

このようなありそうもない「発言訂正」を臆面もなく法務省ぐるみでやっているという現実に、ぼくは言葉を失う。スリランカ人の女性が収容中に「変死」した問題がいまもなお真相究明の途上にある、そのさなかに、大阪入管では以下のような「女性医師の問題行動」が明らかにされました。その問題を巡る質疑に関しても、法務大臣は「何をかばっているのか」「何を隠そうとしているのか」、それが見え透いているようにも思えてきます。法務省は「恥も外聞もなく、何かを必死で守っている」のです。それは何か?「体面(人が世間に対してもっている誇りや面目。世間体) 」、「面子(面目)」、そうだろうか。連中は、そんなに殊勝なタマではないだろう。「世間や周囲に対する体面・立場・名誉。また、世間からの評価。めんもく」というものを彼や彼女らが保っているとはとても思われない。そうではなく、大臣も官僚も「自己評価(自分はできるんだ)」を落としたくないだけなのだと思う。そんな「下劣なもの」で、人命を足蹴にされてはたまらない。

法務大臣閣議後記者会見の概要(令和5年5月30日(火))大阪入管常勤医師に係る報道に関する質疑について 【記者】読売新聞が今日書かれています、大阪(入管)の常勤女性医師の、アルコールが検出されたのではないかという関連でお聞きします。こちらは私も取材をしておりまして書かれてはしまったのですが、この女性の医師、1月20日に足取りがおぼつかないため色々指摘を受けてアルコールをチェックしたところ、アルコールが検出されたと。ただ、このときだけでなくそれ以外にも、ポケットからお酒の空き缶が出たり、勤務中に居眠りしたり、失禁するなど、これはアルコール依存症がかなり疑われるということで、だいぶ前から大阪管内で問題視されていたと聞いております。このことについて事実関係と現在どのような状況なのか、この女性医師は今でも医療対応をされているのか、このような状態が病院の医療体制は良くなったと言いつつ、またこのようなことが起きてしまっていることについての大臣の見解をお願いします。 【大臣】まず、御指摘の報道は私も承知しております。現在、大阪局において、まず当該医師を被収容者の診察業務には従事させていません。そして、事実関係の確認など、必要な対応を今行っているというところですので、今の時点で、私のほうからこうだああだと言うことは差し控えざるを得ませんが、大阪局におきましては、被収容者の医療体制に問題が生じてはならないので、現状は、非常勤医師や外部病院医師による診察によってカバーをしております。
【記者】女性医師は処分する予定はあるのでしょうか。 【大臣】それは事実関係がまだ最終確認できていないので。 【記者】いつ発表する予定ですか。 【大臣】それは確認し次第。 【記者】(本年)1月のことですが。 【大臣】確認し次第。
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入管法改正法案に関する質疑について 【記者】難民審査参与員柳瀬房子氏の件についてお尋ねします。難民審査参与員の柳瀬房子氏、2019年11月の「収容・送還に関する専門部会」第2回、第1回ではなく第2回の会議録に、「私は4,000件の審査請求に対する採決に関与してきました。そのうち約1,500件では直接審尋を行い、あとの2,500件程度は書面審査を行いました。」と発言したと記録されています。第1回では1,000件以上と言っていたんですけれども、第2回では約1,500件と明言されています。2021年4月の衆議院法務委員会では2,000人と会ったと語っているので、この1年間で、2019年11月から2021年4月までの1年半の間で、対面審査が500人増えたということになります。どちらも立法に関わる重要な数字なので、疑惑のある以上、2021年・2022年の審査件数だけではなく、それ以前の審査件数も出す必要があるのではないでしょうか。もしまたこの数字が正しかったとしても、1年半で500人の対面審査を行うなどは、とても真っ当な審査をしたとは思えないのですが、かつ参与員の中でも異常な偏りがあるという点はどのようにお考えでしょうか。

【大臣】まず、色々数字をおっしゃったので、一つ一つ確認しなければ答弁できないですけれど、今突然言われてもですね。ただ、1年6か月で500件ですかという御発言がありました。この点について、私は、柳瀬氏の御発言は、様々な場所で様々な御発言をされているわけでありますので、各御発言の時期や経緯、これバラバラでありますので、参与員としての事件処理数を、そのときその都度お話しになっているのだろうと思いますが、いずれにしても、我々の審査の仕方は、事前に書類を送って見ていただくということをやっておりますので、ですからそれも含めての処理数ということでありますので、一般論として申し上げれば、1年6か月で500件の対面審査を行うということは、不可能であろうというふうに思っています。(※)
それから、様々なデータについては、今、参議院の法務委員会において様々御要請いただいているところでありまして、精査をしたり作業が必要なものもありますので、全部出せるかどうか分かりませんが、御指摘のようなものも含めて、今、対応を検討しているところであります。 (※)法務大臣の発言においては、「可能」とありましたが、「不可能」と発言しようとして誤ったものであり、訂正しています。 (https://www.moj.go.jp/hisho/kouhou/hisho08_00416.html)
(注 臆面もなく、こんな面妖な『修正』を施す神経は異様ですが、そこには決定的に欠けたものがあるでしょう。何が欠けているのか)
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斎藤健法相「可能だ」が夜には一転「不可能だ」 難民審査「1年半に1人で500件対面」巡り発言撤回(東京新聞・2023年5月31日 18時42分) 難民認定されなかった外国人の不服申し立てを審理する「難民審査参与員」の審査件数を巡り、斎藤健法相は5月30日朝の記者会見で参与員1人が「1年6カ月で500件の対面審査は可能」とした発言をその日の夜に撤回、「不可能」と訂正した。朝令暮改のようなやりとりに、法務省の広報担当は「不可能と発言しようとして誤った」とする。入管難民法改正案の根拠の一つが崩れたとして、支援者らからは「立法事実の根幹が崩れた。廃案にすべきだ」との批判が上がっている。 ◆どんな発言だった? 30日の会見では、参与員の柳瀬房子氏が1年半で500人の対面審査をした可能性があり、それで十分な審査ができるのか、という質問が出た。斎藤法相は「審査では事前に書類を送って(参与員に)見てもらっている。それも含めて一般論として、1年6カ月で500件の対面審査を行うことは可能であろうと思っている」と回答。事前に書類を渡し、審査を迅速化していると取れる発言だった。/ これに先立つ5月29日の野党ヒアリングで、出入国在留管理庁審判課の担当者は対面審査について「一般論で考えれば、月に最大10件、年間で100件程度だ」と回答。単純計算で1年半ならば150件程度となり、斎藤法相の発言はこれと食い違っていた。斎藤法相は6月2日に予定される会見で改めて説明する意向だ。/ 柳瀬氏は「審査で難民を見つけたいが、見つけられない」という趣旨の発言をしており、入管庁は3回目以降の難民申請を原則認めないとする法改正の理由の一つとしている。一方、柳瀬氏は昨年1年間で1231件の審査に当たったとされ、個々の事情を詳しく審査したかどうか、野党などから疑問が出ている。(望月衣塑子)(東京新聞・2023年5月31日 18時42分)

6月1日は「人権擁護委員の日」です。人権擁護委員法が昭和24年6月1日に施行されたことを記念して、毎年6月1日を「人権擁護委員の日」として定めています。人権擁護委員は、あなたの街の相談パートナーとして、様々な人権侵害など、皆さんの問題解決のお手伝いをしています。女性・子ども・高齢者などをめぐる人権の問題やインターネット上の人権侵害などでお困りの方は、ご相談ください。(https://www.moj.go.jp/JINKEN/jinken02_00046.html)

あらゆる官庁で日常的に行われている茶飯事の一コマ、それが偶然問題になっただけ。誰も関心を示さないし、報道機関も、大半は権力の傘の下に。「屑も積もれば山となる」、その「屑の山」がこの劣島の骨格と中枢をなしている。だから、もはや手に負えないほどに「焼きが回っている」というほかないのです。ちなみに、「焼きが回る」とは「焼入れの際の火が行き渡りすぎて、かえって刃物の切れ味が悪くなる。 頭の働きや腕前が落ちる。年をとるなどして能力が鈍る」(デジタル大辞泉)ここにいう「焼入れ」とは「大学教育」を始めとする「暗記力競争」を指す。表面しか「鍛えられていない」脳を持って世に出ると、生半可な「愚人」が出来上がるんですね。過剰な自尊心や、その反動である他者を蔑視することにかけては、衰えることはないんだ。入管法と並んで、人命無視の法律に「マイナカード保険証紐付け法案」があります。これは成立した。問題ばかりが条文になっているというお粗末。「国民」を縛るにこと欠いて、カードを作らないとひどい目に合わせるぞ、などと脅しをかける、そんな法律が機能するかね。(ここには NTT等 と総務省・政治家とで掘り下げられてきた「暗くて深い汚職の海」が広がっているんです。政治は、この「汚職の海」を泳ぐ技術なんですね。これぞ、公共事業でした。それについても後日に)