探り当てるべきは「非戦」「不戦」への道です

  Jアラートの響き渡る愚劣島 ~ この島国が標的にされているわけでもなく、まして、実際の戦時でもないのに、北朝鮮が行っている発射実験に、異常な反応を示し、まるで人騒がせな警報で「発射」「通過」を知らせる意図(魂胆)はなにか。地上千キロ超の上空を通過したと、あちこちでアラートが鳴り響き、まるで空襲警報時のように「防空壕もどき」に退避する人々が出ている。やがて、ウクライナに向けて発射した、ロシアのミサイルにも「Jアラート」は鳴るだろう。核シェルターの建設を言い出す自治体も出てくる始末。自衛のための戦力では物足りず、「敵基地攻撃納能力(反撃能力)」「戦闘維持能力」まで言い募り、そのために防衛予算を倍増するという。食料自給率が四割にも満たない中で、防衛予算が焼け太りする理由は、有事も無事も無関係に、やたらに鳴らされ続ける「Jアラート」のせいでしょう。周りは危険な「敵国」に囲まれている、にもかかわらず、こんな貧弱な軍事予算で大丈夫かと、戦争をしたがる輩が勢い込んでいます。「台湾有事は日本有事」と叫んでいたのが故元総理だった。五十年前の日中共同宣言で「(日本政府は)中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認する」と合意した、その約束はどこへ消えたのか。嫌な言葉ですが「腹が減っては戦ができぬ」と、まず空腹を満たす必要は何時でも求められているのです。この「戦」とは生活そのものでしょう。「政治」を蔑ろにして、政治(権力ダッシュ)ゲームに現(うつつ)を抜かす永田町住人にこそ、国民の叫びのような「Jアラート(早鐘)」が響いているのに、いっかな耳に入らないんだな。この島は沈没寸前。(第十回・2022/11/04)

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【くろしお】滅亡へ赴く意志 福岡市出身の直木賞作家梅崎春生。彼を「戦後派文学」の代表的存在へと押し上げたのが、自らの海軍経験を基に書いた「桜島」だった。主人公は米軍上陸に備え桜島へと転勤が決まった暗号員村上兵曹だ。▼登場人物の会話が戦時のうっ屈した空気に満ちている。村上が、丘の上で見張り役の男と話す場面が印象深い。両手を後頭部で組んで寝転がった男はこう語る。「人間には生きようとする意志と一緒に滅亡に赴こうとする意志があるような気がするんですよ」―。▼文化の日のきのう。やや遅く起きて、もうろうとした頭でテレビをつけると、聞こえてくるアナウンサーの口調がどうも物々しい。ちゃんと目を開けて見ると、北朝鮮によるミサイル発射のニュースを報じていた。すべてのチャンネルで。「またか―」。思わずつぶやく。▼ミサイルは3発で、うち1発は大陸間弾道ミサイル(ICBM)の可能性があるという。日本の上空は通過しておらず被害情報もないというが、一時Jアラートで宮城、新潟県などを対象に避難するよう呼びかける事態となった。前日の2日には、短距離弾道ミサイルなど23発以上を発射している。▼くだんの「見張り役の男」の言葉が頭をよぎる。そこまで愚かではないと思いたいのだが…。文化の日は「晴れの特異日」。だが、しばらくして外に出ると、すっきりしない天気。どんよりとした空が、傍若無人な国に手を焼く国際社会の心象風景に見えた。(宮崎日日新聞・2022年11月4日)(梅崎さんについては、後日、どこかで触れてみたいですね。大事な人でした、ぼくには)

 中国と戦争をする気でいるのですか、とぼくは問いたい。動機や理由は何かと、さらに尋ねたい。誰にか、といえば、北朝鮮や中国を敵視する(風を装っている)「国家第一」亡者たちに、です。本当に「戦う」ことを求めているのか。あるいは戦わない方向を賢明に探っているのでしょうか。それでも「備えあれば憂えなし」というつもりでしょうか。ぼくに言わせるなら、「備えあるから、憂えあり」だと。中途半端な武力を持つと、どんなに危険な冒険に誘惑されることか。ぼくは不戦派であり、非戦派でしたし、今もそのとおりです。戦う理由より、戦わない方向を、いつでも求めるのがぼくの信条です。どこまで行っても「言葉を尽くす」、それが非戦派の思想・態度です。

 みるからに「精神」も「体力」も貧弱・貧困な愚劣島が「いささか強気を装って」いられるのは、アメリカの「破れ傘」を当てにしているからです。「寄らば大アメリカの傘」、アメリカの権力者を信用するというのはおめでたい限りです。個々のアメリカ人は信じるに足るとしても、権力者は信じられませんね。戦後に限っても、アメリカの国家権力は世界中に「戦争の種」を播き、戦果を得ても得なくても、先の展望がなければ、一気に退散する、遺されるのは戦争の犠牲・被害者と荒廃の限りの破壊された国土です。ベトナムでもアフガンでもイラクでも、すべてがそうでしたね。

 日本を守る、と信じるのは自由ですが、人民を巻き込まないでほしい。「台湾有事は日本の有事」と、まるで「日本の有事」を待望しているような物言いでした。元総理は死して、戦争の火種を残したと言われては、本人以上に国民がたまりません。

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投稿者:

dogen3

 「名もなく貧しく美しく」、ぼくにとって、それは生きる姿勢(流儀)の理想型ではありますが、現実には「名もなく貧しく醜悪に」、せいぜいがそんなところでしたね。「美しく」どころではなかったけれど、「名もなく貧しく」は断固として一貫してきたと思う。とても自慢できませんがね。