舵もスクリューもない船に乗っている

 【北斗星】「炊飯器で12時間の保温をやめて電子レンジでご飯を温め直す」「冷蔵庫の設定温度を強から中へ変更」。それぞれ1カ月当たりで364円、130円分の省エネにつながる。昨日付の本紙に載った電力会社の広告で紹介された▼「試してみようかな」と思った方もおられよう。ただ目的は省エネよりも「家計防衛」の方かもしれない。9月の全国消費者物価指数では電気代や都市ガス代が前年同月比20%以上も上昇した▼全体の物価指数上昇は3%。ただ電気、ガスなどの公共料金、食料の値上がりはこの数字を大きく上回る。日銀の9月の生活意識アンケートでは物価が平均で前年比約10%上昇との結果だった。生活必需品などの高騰を反映した実感なのだろう▼秋田市の実家では10年余り使ったストーブを買い替えた。春先より大幅に値上がりしていたそうで「もっと早く買っておけばよかった」とぼやく。値上げの波は暖房器具にまで及んでいる▼きょうは二十四節気の「霜降(そうこう)」。朝晩の冷え込みが厳しい季節を迎え、暖房用の灯油の需要が高まる。思えば昨年の今頃も灯油の値上がりが深刻だった。2年続けて暖房費が心配な冬を迎えることになる▼11月以降に乳製品の原材料となる生乳価格が上がるため、牛乳やヨーグルトなどが値上げの予定。10月に一斉値上げしたビール類などと違い、買い置きができない製品だ。「また上がったか」と値札とにらめっこしながらの買い物がこれからも続くことになろう。(秋田魁新報・2022/10/23)

 ここに来て、いわゆる「光熱費」がやたらに高いと感じますし、実際に、我が家でも電気・ガス(プロパン)代はかなりの負担を強いられています。いくらとは言いませんが、少し、高すぎやしませんか、と余計なことも言いたくなります。さいわいに水道代は、びっくりするほど安い。この地に移住してから、数年は一人住まいをしていたのですが、水道料金は払わなかった、と言うより、請求が来なかったのです。どうしてだろうと、二、三年経って、水道局に問い合わせた。すると、月の使用量が何㍑以下は、徴収しないということでした。広域水道事業の関係で、水道代は、他地域と比較してもかなり安い。だから、余計に電気やガスの高額が目立つのです。加えて、灯油を使う時期になってきたので、今から、恐れをなしています。(今からでも「自家発電装置」を設けようかと思案しています。

 移転当時は、薪ストーブを設置しようと考え、設計図まで書き、ストーブ選びもしたのですが、燃料用の薪(楢や椚など)を入手するのが、思った以上に困難だと判明したので、残念ながら諦めました。杉や松は禁物で、油成分が多くて始末に困るし、わざわざ燃料用の薪を買うとなると、一シーズンで相当な金額になりそうでした。したがって、従来どおり、エアコンは(猫の暖房用以外は)使わず、灯油ファンヒーターにしました(三台)。どうかすると、一晩中つけることもありますので、灯油代が相当に嵩(かさ)みます。いい気分がしないので、昨年度の使用料金額は言いませんが、電気とガスを合算した分くらいを一ヶ月で使いました。さて、今シーズンは、新しい猫たちもいることだし、寒いにも関わらず、今から冷や汗をかいています。(グラフは千葉県の価格です)(https://fatmag.jp/fuel-fee-kerosene-sp-chiba/)

 「天高く馬肥ゆる秋」と、昔は言いましたが、今は、ひたすら物価が騰がる秋であり冬であり、要するに、物の値が騰がる「春夏秋冬」です。物を作らないで、輸入に頼るという悪癖から抜け出せないお国柄ですから、今以上に、大変なインフレ時代が続くでしょう。ハイパーインフレが今にも来そうだという経済専門家の声が聞こえています。まだまだ実感はなさそうというのが大半ですが、この国の財政金融政策の出鱈目さ加減は、いつ何時「超インフレーション」が発生しても不思議ではない瀬戸際まで来ていると、素人は判断しています。

● ハイパーインフレーション(はいぱーいんふれーしょん)(hyperinflation)=きわめて短い間に物価が急激に高騰する激しいインフレーション。超インフレーション、ハイパーインフレともいう。経済学者フィリップ・ケーガンPhillip D. Cagan(1927―2012)による定義では「インフレ率が毎月50%を超えること」であり、国際会計基準の定めでは「3年間で累積100%以上の物価上昇」である。そのおもな原因としては、政府による貨幣や国債、手形の乱発があげられ、とくに歳出や戦費のために大量に紙幣を印刷したことで通貨価値が暴落することが主因とされる。/ 第一次世界大戦後のドイツの例がもっともよく知られるが、近年では1990年代末からみられたアフリカのジンバブエが直面した事例が有名である。ジンバブエでは、2008年にインフレ率が最大800億%程度に達し、額面100兆ジンバブエ・ドルの紙幣が流通した。さらに異常なインフレが進んだために、政府は物価統計の公表を取りやめた。2009年には通貨発行を停止し、外国通貨を使って経済取引を実施している。/ 現代の大半の中央銀行では、このような状況を招く可能性は低い。なぜなら、政府の圧力によって金融政策を行わないように、主要中央銀行がインフレ率2%程度の「物価の安定」を目ざして、政府と独立した立場で金融政策を運営する体制に移行しているからである。また、主要中央銀行は、自行の財務基盤の健全性を維持するように配慮しながら金融政策を運営していることからも、ハイパーインフレを招く可能性は低いといえる。(ニッポニカ)(上写真はドイツ「ワイマールの悪夢」超インフレの一風景)

 「日本は一晩で“ハイパーインフレ”になる」は、本当か?日本は世界の“孫請け”国に…?生き残る道とは」【報道1930】2022年9月8日(木) (https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/146609)(この番組(ネットで公開)を、かなり熱心にぼくは観ています。知らないことはもちろん、知っているつもりの事柄でも、改めて考えなおすきっかけになっている)

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 元日本銀行理事 早川英男氏「いちばん怖いのは、近い将来にあるとは考えていないんですが、恐れるべきは日本人が円を売る時、これが一番怖い。日本人が財産を外貨に換える、これが怖い。本当に激しい円安が起こり、インフレになります。もし日本人が円から逃げたら、ドラングラードさんが言うように170円も超え、ハイパーインフレになりますよ。でも近い将来にそうなるとは思っていません。(中略)南米なんかは自国民が自国通貨を売ったからハイパーインフレになったが、日本はまだそこまではいかない。でもちょっとだけ気になっているのは、NISAなんかで日本株買う人少ないでしょ。米株買ってるんですよ。こういうのが広がって、どっかでキャピタルフライト(資本逃避)が起こったら怖いなって・・・」(同上番組より)

 経済評論家 加谷珪一氏「アメリカは金利を上げる、つまりドルを回収する。出回るお金を少なくする。日本は金利をゼロにしてお金を大量にばらまくという政策。当然出回る量が多い日本円の価値は下がり、ドルの価値が上がるというのは事実です。ですから、この状態が進めば、マーケットの反応次第ではもの凄く円安が進む可能性はあります」(同上)

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 食料自給率は35%程度です。化石燃料に至っては、ほぼ100%輸入に依存しています。仮に、ウクライナに仕掛けたロシアの「戦争」が終わったとしても、日本のインフレは止まらないでしょう。日本の場合「戦費」に当たる部分は「コロナ対策費」に名を変えています。ワクチンやその他の対応策で、恐らく、すでに百兆円を超えて支出されているはずです。財政規律もなにもあったものではありません。本予算が百数十兆円に対して、補正予算を五十兆円も組もうという。何のための予算編成かと言いたいし、補正予算の大半は内閣の一存で使えるとされる(国会の審議なし)。ただでさえインフレに対処できていないにも関わらず、そのインフレを扇動するような税金の無駄使いです。(筆頭は防衛費の増額、約十兆円にすると言う。どこと戦争する気なのか)

 政治家の誰彼から、日本の現状についての状況認識をまともに聞いたことがありません。きっと、何も考えていないのでしょう。選挙オタクであり、加えて自らの保身専一が最大の政治課題だと盲信しているからに違いありません。ぼくたちは宇宙船・地球号に乗船しているといわれています。その地球号の中の「日本丸」は、本船から切り離され、まるでボートのように漂流している。しかし多くの乗船客は「漂流感覚」を満喫してはいないでしょうが、こんなものだろうと高をくくっている。もっとも情けないのが、この「日本丸」には「船長」の資格(能力)がある幹部船員が、まったく不在であるということ、さらに卒倒しそうですが、この船には操舵装置がないということです。車で言えば、ハンドルがなく、ブレーキもない上に、アクセルは壊れていて、もとに戻らないようなものです。ここでもまた、「一蓮托生」なんですか? さて、どうします。船から飛び込みますか、冬の荒海へ。

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 コラム:貿易赤字は年間20兆円ペース、放置すれば日本版「双子の赤字」も (田巻一彦)(ロイター) 1980年代の米国のように財政赤字と経常赤字の「双子の赤字」状態に直面すれば、基軸通貨国でない日本の円が持続的に下落し、輸入物価の上昇を起点にしたインフレの進行に見舞われるという「未来図」も見えてくる。/ この事態を回避するには、今から貿易赤字脱却のための方策を打つ必要がある。ところが、岸田文雄政権が検討中の総合経済対策には、目立った貿易赤字対策が見られない。電気料金への支援だけでなく、日本企業の国内還流策が不可欠の政策対応ではないか。(以下略)(https://jp.reuters.com/article/column-tamaki-idJPKBN2RF0FE)

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