嘘は罪、無知も罪ですね(Ignorance is a sin)

 【水や空】「平均以下の人は…」「次のテストで平均点以下だった人には、こわーいペナルティーがあります」-。もしも、テスト前の教室で不意に先生がこう言いだしたら、生徒たちの大ブーイングは必至、その先は授業にならないかもしれない▲でも、生徒たちの不満は当然だ。まず、平均点は全員の点数を足して人数で割るから結果が出そろうまで“安全圏”のラインが分からない。しかも皆の出来次第でこのラインは上下する。つまり、目標値としての客観性が全くないのだ▲さらに-。分布に極端な偏りがなければ平均は真ん中辺りの点数になるから、単純に考えると、クラスの半分程度は罰の対象になることが避けられない。生徒たちは言うだろう。何をどう頑張れというの▲〈マイナンバーカードの普及率が全国平均以上でない自治体には新設する交付金の申請を認めない〉-政府のこんな方針を伝える記事が少し前にあった。理不尽で乱暴な手法にあきれる▲マイナンバー制度自体は既に動きだしているのだから、カード取得に二の足を踏む心理は「食わず嫌い」に少し似ているような気もする。ただし、それも政府の側の説明不足、説得不足に起因する話だ。交付金を“人質”に自治体の尻をたたくやり方はおかしい▲こんな前例をつくってはいけない。地方はもっと怒っていい。(智)(長崎新聞・2022/10/07)

 確か、高校二年生の英語の時間でした。採点済みの答案用紙を返却しながら、教師は「このクラスで、一人で平均点を下げている者がいる」といった。手を上げて、「それは誰ですか」と聞いたような、聞こうと思ったような、そんな曖昧な記憶が残っています。もちろん、「一人で下げている者」はぼくでした。学校から「平均点」(ある時期からは「偏差値」)というメモリがなくなったら、もっとも困るのは誰でしょうか。教師かもしれないし、生徒たちかもしれない。それほどに、学校教育と「平均点」(偏差値)は、「絆」であり、ほぼ同類とみなされています。

 「平均」という言葉にはいろいろな内容が含まれています。そのいろいろを捨象して、「点数」「値」にしか価値を置かないのは、ぼくに言わせれば、「点数病」「テン(点)ノイア」です。ぼくは教師に言われたように「成績」は振るわなかった。と言うより、振るおうとはしなかったのでした。「あんなもの」(「学校の勉強」)という吐き捨てたくなるような素振りを見せていたと思う。「その気になれば」ということだったが、遂に、その気にはならなかった。

 唾棄すべきものとして、ぼくが顧みなかったは「比較」するということ、序列をつけるということだった。並ぶのも嫌だったし、並ばされるのも嫌でした。いつでも「劣・列」からはみ出していた。この習性は相当長くぼくの中に居座っていた。五十もかなり過ぎた頃、電車の特急券を買うために窓口で並んでいたら、後ろのお兄さんに、「おい、まっすぐに並べや」と怒鳴られた。はっと気がついたら、ぼくは前の人の斜め後ろに立っていた。それでお兄さんはぼくの後ろにならんだが、まっすぐじゃないことに気がついたのです。

 平均点とか平均というものが「無意味」だというのではない。学校での使い方が問題だと言いたいんですね。平均より上か下か、全体の中に自分の順位を確かめる参考でしかないのですが、それが独り歩きして、平均点は序列化を伴って、あらゆる場所で威力を発揮しているのです。それが気に入らなかった。ぼくは試験には関心がなかったし、点数(成績)にはさらに無関心だった。その理由は、今でもわからないが、多分、競争することに、それほどの意味を感じていなかったのだと思う。偶然にクラスの仲間になっただけなのに、その級友と「競争する」のが認められなかった。勝ち負けが嫌いだったといったほうが正確ですね。

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● たんじゅん‐へいきん【単純平均】=何個かの数をそのまま全部加えたものを、その個数で割って得た数。算術平均。相加平均。(デジタル大辞泉)

● メジアン=中央値,中位数とも。資料を大きさの順に並べたとき中央にあたる値(奇数個の場合)または中央の2値の相加平均(偶数個の場合)。(マイペディア)

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 〈マイナンバーカードの普及率が全国平均以上でない自治体には新設する交付金の申請を認めない〉もっと他に考えること、考えなければならないことが山ほどあるではないか。

 政府が、国民総背番号制度なるものを盛んに主張していた時期がありました。単純化して言うなら、「収税漏れ」「脱税」防止のための、まつろわぬ民草を捕捉する制度です。今盛んに政府が「推賞」する「マイナンバーカード」はそれに近いものです。しかし、高額所得者は、国内で納税するような愚かなことはしていない。大半は「タックスヘイブン」なる地域にしっかり「節税」というか「脱税」のための口座を所持しているのです。政府や行政官庁がシャカリキになるのは、「税の取りはぐれ」がないための偽装ですが、それに引っかかる国民がなんと多いことか。「アベは偉かった」とか、「スガの弔辞はエモかった」というたぐいです。熱しやすく冷めやすい、まるで持続性のない国民性。いいときもありますが、弊害のほうが多いでしょう。そうして、あの手この手で取り上げた税は、一体どのようにして使われてきたか、使われているか、使われようとしている。それを知れば、ぼくは、ただの一円だって取られたくないよ。

 「交付金を“人質”に自治体の尻をたたくやり方はおかしい▲こんな前例をつくってはいけない。地方はもっと怒っていい」とコラム氏は言う。怒っていいのは地方ばかりではないでしょう。国民だって、虚仮(こけ)にされているのですから。どうでもいいような事柄ですが、ワクチンを三回以上打っていなければ、旅行の割引はされないというのも、口にするのも嫌な「汚い手口」でしょう。ぼくは打っていない人間ですが、感染予防には人並み以上に気をつけている。しかし、政府の方針に従わないから、排除というのでしょうな。コロナ対策費に要した費用は七十七兆円だと言う。これを国際化、増税で賄うという狂気に、ぼくは愕然としています。

 少しはマシな政治家(国会議員)がいるといいたかったが、絶望的に、まったくいない。まるで永田町は「愚連隊」の巣窟です。喋ると虫酸が走るから止めておきますが、金に汚い、自分の利害にはすこぶる敏い、こんな連中が法律その他を決めるのですから、ろくなものではないでしょう。怒りなさい、怒ろうよ。こんなに熱心にマイナンバーを政府が進めるのですから、明らかな「魂胆」があるんですね。あるいは「陥穽」といっても言い。破綻寸前の国家財政に必要なのは、当たり前の「金融と財政」政策なんだがなあ。飴(あめ)と鞭(むち)と言うが、その飴はいつしか、鞭に成り代わっているのです。無知は罪(ignorance is a sin)ですね。(誰にも、知っておいたらいい事柄はある。しかし、知っておくべきことを知ろうとしないための「無恥」は、まずいでしょうね)

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 マイナンバー、面倒なことこの上ないが、事あるごとに記入を求められています。年金受給のための「申告書」にも「マイナンバーを記入しろ」ときています。「記入がない場合でも、記入がないことのみをもって申告書を受理しなことはありません」と、持って回った書き方です。ぼくは、マイナンバーの記憶がないから、じつに面倒になります。つまりはカードの登録はしていないということ。こんな人間のために、あらゆる手法を使って、無理やりマイナンバーカードをもたせようとする。しかし、ぼくは持つ気はないし、不利益を被ることがわかっていても、カードを作るつもりはありません。政治家や政府などに、ぼくはまったく心を置いてはいないからです。

 「平均」の問題が大きく逸(そ)れました。逸れたのは、政府のせいであって、ぼくの駄文の運びの拙さではないでしょう。個人同士を競わせるのは、じつに愚か。小学校時代、「隣のみよちゃん」とぼくが点数争いしてどうするんだ、それが、幼いぼくの素朴な感情であったし、今もその感情は健在です。あんな女の子に負けてたまるかと競争心剥き出しは、きっと「家庭教育」の失敗だったでしょうね。競争心だけで、あるいは一点や二点の差だけで生きてきた政治家や官僚だからこそ、「競わせれば」「競争させれば」という、己の狭い了見でしか人間を見ることができなくなっているんでしょう。かかる連中を「点取り虫」というのか。千葉県と埼玉県が競い合ってどうするんです。補助金を貰いためなんですか。神奈川と茨城が競争してどうなるんです。本末顛倒(てんとう)などではなく、「本」も「末」も、端(はな)からないんですね、この問題には。

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● こくみんそうせばんごう‐せい〔コクミンソウせバンガウ‐〕【国民総背番号制】=国民一人一人個別番号を割り当て、個人情報を管理する制度。多く、納税管理や住民登録などを目的に運用される。米国ソーシャルセキュリティーナンバー制度、日本の社会保障・税番号制度マイナンバー制度)など。(デジタル大辞泉)

● 納税者番号制度(のうぜいしゃばんごうせいど)=すべての納税者に一意の番号を付与し,経済取引や税務当局への申告における利用を義務づけることで,税務当局が各納税者の課税資料を集中的に管理する制度。個人や企業などの所得を正確に捕捉して公平に課税することや,税務行政を効率化することなどを目的とする。付番機関が納税者に番号を交付するとともに税務当局に番号データを提供し,税務当局は納税者から提出される申告書と取り引きの相手方から提出される申告書を納税者番号に基づいてコンピュータ処理で名寄せし,記載内容を突き合わせて,申告書の内容の適否を判断する。アメリカ合衆国は 1962年から社会保障番号を,カナダは 1967年から社会保険番号を税務に活用しており,北ヨーロッパのスウェーデン,デンマーク,フィンランドや大韓民国(韓国)は 1960年代から住民登録番号を税務に用いている。またイギリスでは源泉徴収など一部の税務にかぎって国民保険番号が使われている。納税者番号は,1977年からイタリア,1989年からオーストラリア,2009年からドイツが利用している。日本でも 1980年頃から税制調査会などで導入が検討され始め,2013年に社会保障と災害対策での利用も含めた社会保障・税番号制度(マイナンバー制度)の関連法が成立した。国民に番号を付与し一元管理することについては,国家による統制の強化や,個人情報の漏洩によるプライバシー侵害なども懸念されている。(ブリタニカ国際大百科事典)

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