「時代ばやり」は「時代おくれ」の前触れだ

 「通信災害」への備え 熊本豪雨から2年を迎えた。地域気象観測システム(アメダス)のデータによると、計25万ミリもの雨が降った。もうすぐ4年になる西日本豪雨の23万ミリ余りを上回る量。年々、スケールを増すのだろうか。気になる大雨のシーズンを迎えた▲台風4号が近づいている。進路に当たる地域では大雨や土砂災害の恐れもある。警戒し、備えなくては。避難を判断するのに降水量は欠かせぬデータだろう。ところがアメダスの一部データが一時配信できなくなった▲おととい携帯大手のKDDIで発生した大規模な通信障害の影響である。同社の回線を使う約500カ所で観測データが更新、集約されにくくなった。ノロノロ進む台風で幸いだったのではないか▲つながらない―。KDDI回線のスマホや携帯電話は通話、通信がしづらい状況に。119番通報は固定電話でと消防庁は呼びかけた。宅配便の配送状況の確認、高齢者の見守りアプリ…。生活の至る所に支障が出た▲さまざまな部分がネットにつながり、便利になった暮らし。しかし案外もろそうだ。依存していては、いざというときが心配。自然災害のみならず、「通信災害」にどう備えるか。考えておかなくては。(中國新聞デジタル・2022/07/04)

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 通信障害が発生し、すでに三日目に入りました。さまざまなところにその影響が及んでいます。少し前には最大手のNTTでも同じような事故が生じた、ソフトバンクでも。ということは、この手の事故・障害はいつでも起こりうるということでしょう。ぼくはスマホを持っていないから大丈夫と言える時代はとっくに過ぎて、今では携帯やスマホは「便利」なものではなく、なければ「生活不能」に近い状況に追い込まれるのですから、持つか持たないかという選択肢ではなく、持つほかない、持つのは不可避で、まるで公共の電力やガス、水道水の提供に依存して生きるしかない事態に、ぼくたちは辛うじて「便利」を感じながら生きているのです。しかし、その「便利」も、ノーマルな状態が維持されている場合に限るのであって、いったん障害(トラブル)が発生すれば、瞬時に「日常」「平常」が乱され、さらに困難な事態に追い込まれてしまうのです。「便利」は「不便」と同義ですな。

 このようなIT化は、個人の選択でもなければ、一企業の開発でもなく、国を挙げての「通信新時代」に向けた方針によって推進されてきたものです。その背景には、グローバルな規模における「ネットワーク新時代」の時代的方針・要請があってのことでした。IT化、AI時代などというものは、地球規模で行われてこそ、旧来の慣習や習慣をはるかに超えた「便利」「利便」を獲得できるものでした。だから、世界のネットワークに入らなければ、一国だけが取り残されるという、極めて危険な時代をぼくたちは、それなりに越えてしまっているのでしょう。いろいろな方面で、プロのハッカー集団が、国家や企業の核心部に侵入し、情報そのものを混乱させ、ネット社会の根底を揺るがす事態が度かなさって生じています。悪質な意図を持った誰彼による「通信障害の発生」ではないらしいが、果たして、今回の「発生原因」は何だったか、すべてが明らかになるとはなかなか思われないのです。ある大手都市銀行は、これまでに何度も重大なネット上の障害を発生させてきました。一銀行の業務に支障が生じたでは済まされない悪影響や被害が引き起こされているのです。繰り返し起こされる障害を、どうすれば克服できるのか。自動車や飛行機はなかなか便利なインフラですが、それには事故はつきものではないでしょうか。

 電気やガスなどの供給施設への妨害はいとも簡単であります。幸いにして、今のところ、その方面での事故や障害は起こっていませんが、果たしてこの先、けっして起こらないという保証はどこにもないのです。生活のインフラなどといいます。その基礎設備や施設がなければ、「便利」な生活はできなくなるのはもちろん、たちまちに「原始の昔」に引き戻されかねないのです。自給自足を放棄して、ぼくたちは「便利で快適な」生活を手に入れようとしてきました。しかし、どこかで誰かが「食糧生産」を引き受けてくれなければ、便利で快適な生活は一日も続けられない。その「当たり前」をどこかに棚上げしているのではないかと思われます。自然災害や人為的自己はきっと怒るものだという態度を失ったとき、大いなるパニックが人心を攪乱(かくらん)するのでしょ。

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KDDI通信障害、完全復旧のめど立たず…宅配の受け取りや銀行ATMにも影響

2日未明に全国で発生したKDDIの携帯電話の通信障害。音声通話については、利用しづらい状況が続いている(4日午前9時、東京都千代田区で)=伊藤紘二撮影

 KDDIの大規模な通信障害は4日、発生から2日以上が経過したが、音声通話がつながりにくい状態が続くなど完全な復旧には至っていない。回線を利用している物流や金融といった企業でも影響が残っている。完全復旧のめどは立っておらず、3日間にわたって通信トラブルが広がる異例の事態となっている。/ KDDIは4日午前7時過ぎ、携帯電話によるデータ通信がおおむね回復したと発表した。ただ、復旧作業を3日午後5時半頃までに終えた後も、通信網に負荷が集中して再び不具合が起こる可能性があり、通信量を制限している。2日未明に全国で発生したKDDIの携帯電話の通信障害。音声通話については、利用しづらい状況が続いている(4日午前9時、東京都千代田区で)=伊藤紘二撮影

 このため、音声通話は午前11時時点でもつながりにくい状況となっている。利用者が電話をかけるタイミングなどによって、通話ができたり、できなかったりする状態という。KDDIはネットワークの検証作業を続けている。/ 通信障害は2日午前1時35分に発生し、通話やデータ通信がつながりにくくなった。影響は最大で3915万回線に上り、このうち「au」などのKDDIの携帯サービスを利用する個人と法人は最大3580万回線。KDDIが提供している約6200万回線の約6割を占める。

 KDDIの回線を利用している企業でも影響が続いている。/ 宅配大手ヤマトホールディングスでは一時、荷物の配送状況を確認するシステムで、最新の情報が更新されない不具合が起きた。4日午前7時時点でも、一部地域では駅やスーパーなどに設置された宅配ロッカーを利用した荷物の発送・受け取りができない状態だ。/ 日本郵便では、「ゆうパック」の一部の配達が1日程度遅れている。鉄道貨物の荷物などを管理するシステムに不具合が発生し、手作業で対応しているためという。/ 大垣共立銀行(岐阜県)では、通信障害で使えなくなった現金自動預け払い機(ATM)190台のうち、午前11時現在で10台が依然として復旧していない。3日夜までに大半が回復し、4日朝には全面復旧するとの見通しを示していたが、回線状態が不安定で稼働できていないという。/ 金子総務相は3日の臨時記者会見で、今回の通信障害について、電気通信事業法上の「重大な事故」に当たるとの認識を示している。総務省は、KDDIからの報告を踏まえて行政指導を検討する。(読売新聞・2022/07/04 11:42)

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 これまでに大手の通信会社はことごとく大きなトラブルを起こしてきました。決して、KDDIだけのことではなかったのですが、今回は、いまのところ、障害の規模や期間がこれまでとは比較できない大きさであるのも事実で、さらに障害状態が長引けば、予期しない問題が発生することは覚悟しなけれななりません。大手通信社の「宣伝」を見ていると、これからの社会(Future)は我々が作るのだという、どうしようもない「自信」と「過信」にあふれています。そんなにこの先の社会や、そこに生きる人生が花園の住人であったり、バラ色に満たされているとは、ぼくには毛筋ほども想定できないのは、ぼくがこの「未来社会」の端緒に躓いているからでしょうか。未来は「我々が握っている」という自惚(うぬぼ)れ、あるいは自恃心(根拠のない地震)が、おそらく、これまでのかかる事故や障害の大きな原因になっているのではないですか。

 携帯を持て、スマホはいいぞと、盛んにかみさん(だけではありませんが)にはそそのかされましたが、そのかみさんは、今では「スマホ」は持ってはいるが、SNSもチャットもラインも、いや写真すら取れない人間になっています。なに、それで世の中の動きに遅れているからといって、生きることに障害があるようには見えないのです。「時代おくれ」は、あるいは、ぼくの数少ないモットーの一つでもあるのですが、押しなべて、人間は生まれた段階も晩節を迎えるころも、どちらにしても「時代おくれ」そのものであり、「時代に符号」している時間や場面はほんのわずかのことにすぎないのです。㋒あがて、どなたであっても「時代おくれ」になるのだよ。だったら、早めになっておいた方が気も楽なんだ。

 時々長野から電話をかけてくる後輩(女性)は、いささか「うつの君(気味)」ですが、電話がかかってくる時はきっと「片手にスマホ」「もう一本の手には缶酎ハイ」、そして、「口にタバコ」(銘柄は聞いたけれど忘れました、一箱五百円ほどらしい)というスタイルが固定しているのですが、これが「時代に符号」しているとはとても思えないのです。よく「呂律(ろれつ)」の回らぬ口ぶりで、「私は欝(うつ)です」と宣う。両の手に別の何かを持て、本を読んだらどうだ、そしてそば粉を練る、そばを作る、飯田辺りは蕎麦の本場ですから、そうするといいなあと、まさに書こうとしている、この時に、また電話がありました。お昼過ぎでしょうか。

 人間には「内的治癒力」というものが備わっています。いわば「自衛力」「自己保存力」です。悪いウィルスが入ってきても、それを食い殺す細胞が働いてくれるし、体内に数億もいるとされるウィルスが好き放題に暴れないように、自らの身体の調子を整えておく必要があります(免疫の働きを損なわないために)。それにはまず「睡眠」です。しかも、同じ睡眠時間でも、何時に寝ていつ起きるかによって、睡眠の効果はまったくと言っていいほど異なるのです。ぼくは、年寄りですからあまり参考にはならないかもしれない。若いころは、夜の十時に寝て、翌朝の四時五時に起きていたし、さらには、夜九時ころに寝て、三時には起床していた時もありました。要するに、前の晩に寝て、次の朝に起きる。そんな睡眠がいいのだと実感(経験)している。

 いつ何時、ネット障害が起こるかわからない。しかも起こらないことはありえないから始末に悪いのです。AUにもしものことがあったらと、docomoを予備にという人はまずいないでしょう。二重三重に備えるというけれど、その理由はどこにあるのか。事故や故障が起こることを「前提」にインフラは成り立っているのですから、あまりにも過信することは禁物です。もしもの際に備えるなら、「糸電話」の新型などはどうでしょうか。数週間ほど前に、都内の女性が茨城県の山中で殺害された状態で遺棄されていたという事件が報道されていました。この事件にかかわった男が逮捕されたのですが、二人は見ず知らずで、ラインだか何だかで知り合ったという、二度目の出会いで「殺害」されたのでした。スマホが便利なのか、人間の能力が劣化したのか、驚くようなといいたいが、われわれの神経もマヒして、またこんな事件が、ということになるのです。どこかでも触れましたが、道具には「両義性」があるということです。「諸刃の剣」といいますね。「諸刃の=《両辺に刃のついた剣は、相手を切ろうとして振り上げると、自分をも傷つける恐れのあることから》一方では非常に役に立つが、他方では大きなを与える危険もあるもののたとえ。両刃の剣」(デジタル大辞泉)

 物事には二面性があるということであり、好都合ばかりではないという教えでもあります。相手を傷つけると同時に自分を傷つけるのは当然でもあり、便利が行き過ぎて、思わぬ不幸に陥ることがあるという明示であります。不携帯人間の言うことですから、言葉半分ということかもわかりません。しかし、「今持っている携帯(スマホ)は、必要不可欠の道具ですか」と自問してみて、さて、大半の人は「不可欠」と答えるでしょうね。確実に時代は誰かのペースでかき回されているのです。ミサイルも核爆弾も通信手段で操作されています。あるいは、とんでもないところに、とんでもない爆弾が落下するかもしれない、いやもうすでに、静かに、新手のミサイルは落下しているんですよ、という囁きが聞こえそうです。

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投稿者:

dogen3

「上を思えば限りがないと、下を見て咲く百合の花」になれるものなら、という想いです。それこそ、「高嶺の花」ですが。「昨日は俗人 今日は僧、生涯胡乱(うろん)これがわが能」と自称した一休さんは、一面では「相当な人物」だったと、歳をとるとともに思わされています。