「コスタリカの奇跡」ってなんですか

コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~(https://www.cinemo.info/movie_detail.html?ck=48)

 南米の(面積が)小さな国「コスタリカ」、この国について、ぼくたちはどれほどのことを知っているでしょうか。「軍隊を持たない国」あるいは、「コスタリカ方式」というようなことを耳にしたことは何度もありますが、果たしてその先について、どれだけ知ろうとしたか、ぼく自身に関して言うならば、それは、実にお粗末極まりない為体(ていたらく)でした。コスタリカと訊けば、まず、ぼくが記憶の棚から取り出してこようとするのは、一人の青年の話になります。以下に、少し古い記事ですが、これも記録の箱から取り出してきました。

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 一人の青年、ロベルト・サモラさん。当時はまだ大学生だった。ある月刊誌に掲載されていたインタビュー記事によって、ぼくは、その青年に引き付けられたのでした。十五年以上も前のことでした。以下はその内容(概要)です。

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 ― 軍隊を持っていることによる安心感と、軍隊 ―人権を軽視する組織ですから、もっとも非民主主義的な組織だと言えるでしょう ― を持つことによるセキュリティの危機を考えた場合、どちらが基本的に安全か、という問題になります。

 サモラ 軍隊を持っている国=戦争の準備が出来ている国ということですね。軍隊とは、目的ははっきりしていて、戦争に行くことしかないんです。戦争にいく体制の国とは、すなわち、人を殺す体制にもあるということ。それは他国民だけでなく、自国の同胞を殺す場合もあるわけです。そこに安全があるの、というと、ない。とても簡単なことだと思います(笑)。

 ― おっしゃるように簡単なことですが、その簡単なことがなかなか世界に広がっていかない。それは不安だとか、脅威だとかを人々が観じているからです。/ 日本の場合だって、たとえば北朝鮮や中国など、現実的脅威ではないにもかかわらず、その脅威が煽られる。そういうところから、やはり軍隊は必要なのではないか、という議論になってしまう。

 サモラ 逆に、なぜ日本の人は、北朝鮮が攻めてくる、と思うんですか?

 ― たとえばミサイルを発射されるんじゃないか、という不安ですね。それから、向こうの考えていることがよくわからない、ということもあります。

 サモラ ということは、向こうのことをよく知らないのに恐れている、ということですか? 

 ― そうです。よく知らないからこそ、恐れるんです。

 サモラ 知らないから、恐がり、知らないから、悪いことをたくらんでいる、と考えてしまうですね。/ 不思議なのは、外交関係がないなら、外交関係をきちんと創っていこう、と考えずに、どうして軍隊を作ることを考えるのか、です。問題が生じて、その国と外交関係がないなら、まず、外交関係を作って問題の解決を図るべきでしょう。軍隊は外交関係とは全く関係なく、問題解決につながらないわけですから。

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 (コスタリカは日本の約7分の一の面積で、人口はおよそ430万人。1502年にコロンブスにより「発見された」。1949年制定の憲法で「軍隊保持の禁止」を明示しました)

 サモラさんは中米のコスタリカ共和国の大学生5年生でした(掲載当時)。04年9月に、コスタリカ政府がアメリカのイラク攻撃を支持したのは憲法違反だと提訴し、最高裁判決で勝訴した人です。(判決「憲法・国連・コスタリカが受け入れた国際人権規約に反する、との結論をもって、2003年3月19日に行政府がイラク戦争及びそれに付随する全ての行為について行った合意を無効とする」)(『世界』2005年5・6月号)(左上の記事:毎日新聞・2019/12/10)

 <日本の場合は、あれだけ大きな戦争で、甚大な被害があった。それゆえに、軍隊を放棄し、平和を守ろうと決意したわけですよね。軍隊を持たずに平和を保つことが、平和の維持にもっとも有効だと判断したわけで、そのことをもう少し考えてみればいいのに、と思います。「なぜ持たなかったのだろう」と。…たとえば、どこかの国がコスタリカを攻めたとしたら、国際的に非難が起こるでしょう。そう考えると、コスタリカを攻める、という行為が政治的にいかに愚かな行為なのか、理解できます。だからこそ、コスタリカはどこからも侵略されない、ともいえますが。>(同上) 

 (このような「無防備国」として、国際的な監視のもとにあっても、あるいは「コスタリカ」を攻撃する、侵略する国(たとえば、アメリカやロシアのような)「超野蛮国」がないとも限りません。その時はどうしますか、といったこともまた、ぼくたちの生きている「世界」の現実の課題でもあるのでしょう。純真無垢の「赤ちゃん」に暴力をふるうような人間はいないといいたいけれど、掃いて捨てるほどいるし、そのために多くの「乳幼児」が、その未来を犠牲にされ続けているのです)

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 ことは単純、でも事情は複雑? いや、そうじゃないんでしょう。「戦争をしたい」、そんな物騒な人がたくさんいるということではないんですか。この劣島に限定しても、憲法を「改正」し(「改正」しなくても)、他国と戦争できる、普通の国にしたい。(同盟国)がやられたら、仲間に対する「仁義」をはたすために「共同戦線」(集団防衛=「集団的自衛権」だというらしい)を張る。そんな理屈にもならない屁理屈で「好戦国」ぶりを発揮してきたのが、この十数年でした。もちろんそれ以前から、その傾向はありましたが、この十年は特に加速して「好戦国」になろうとしてきたのです。言葉もまやかしも目につきます。「敵基地攻撃能力」ではあからさますぎるから「反撃能力」というというごまかしです。武力そのものが「能力」だというのですから、開いた口が塞がらないというべきです。ぼくは「コスタリカ」の国是に痛く共感してきました。武力ではなく対話のたちから(外交・交渉・交際力)(これを能力というのです)にこそ、活路を見出し、友好関係への道を歩こうとするべしというのです。「武力」に物を言わせると、そこからは、際限のない「殺戮合戦」しか生まれない。それが戦争です。でも「言葉」を駆使した「戦争」は、殺し合いには絶対(と自信をもってと、いいたいね)にならない。(それは、長年にわたって、ぼくは経験済みですから。ぼくの場合は「内乱」でしたが)

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 雑誌のインタビュー記事以来、サモラさんについては、しばしばその活動を耳にすることがありました。近年で度々来日され、各地で講演などの活動をされています。その際にも、きっと「コスタリカの奇跡」が話題にされてきました。ぜひとも見るべきドキュメントであろうと思われます。ここでは、その前段階の「予告編」的なものを二編ばかり紹介しておきます。Ⅰコスタリカ国会の刻板 - 映画『コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~』特別編(1)(https://www.youtube.com/watch?v=pnxGYapjZME) Ⅱコスタリカの平和教育“ビー・ピース” 映画『コスタリカの奇跡 ~積極的平和国家のつくり方~』特別編(2)(https://www.youtube.com/watch?v=awLll2S_1FY

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 戦争繰り返さぬために 軍隊を持たない国から学ぶ コスタリカの弁護士が講演 

軍隊を持たない中米コスタリカから学ぼうと、同国の弁護士ロベルト・サモラ氏を招いた講演会が11日、長崎市内であり、参加者が日本の改憲の動きや国民の役割について考えた。/ 高校生1万人署名実行委や市民団体などでつくる実行委が主催。約170人が参加した。/ コスタリカは永世中立を宣言し、軍隊保有を禁じる平和憲法を制定している。2010年に隣国のニカラグアが侵攻してきたが、国際司法裁判所に提訴して阻止した。サモラ氏は「1人の死者も出さず、お金も銃も使わず、また自衛の兵も作らなかった」と強調した。/ コスタリカの大統領や内閣がイラク戦争を支持したり、核兵器製造を提案したりした際には、サモラ氏が裁判所に提訴。裁判所の命令で戦争支持を撤回させたり、核兵器を製造禁止に追い込んだりしたと説明した。/ サモラ氏は日本の憲法九条改正の動きについて「政府が国民を欺いている」と批判。高校生平和大使らの活動報告を聞き「失敗しても希望を持ち続け、不可能だと思うことに取り組んでほしい」とエールを送った。/ 参加した第21代高校生平和大使で諫早高3年の山西咲和(さわ)さん(18)は「戦争を二度と繰り返さないために(戦争の)原因についても貪欲に学び続けていかなければならない」と語った。(長崎新聞・2019/06/13)

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〇 コスタリカ=正式名称−コスタリカ共和国Republic of Costa Rica。◎面積−5万1100km2。◎人口−430万人(2011)。◎首都−サン・ホセ(34万人,2006)。◎住民−白人系(スペイン系がほとんど)97%,黒人2%など。◎宗教−カトリック(国教)が大部分。◎言語−スペイン語(公用語)。◎通貨−コスタリカ・コロン。◎元首−大統領,ソリスLuis Guillermo Solis(2014年5月就任,任期4年)。◎憲法−1949年11月制定。◎国会−一院制(定員57,任期4年)。最近の選挙は2014年2月。◎GDP−298億ドル(2008)。◎1人当りGNP−4980ドル(2006)。◎農林・漁業就業者比率−18.6%(2003)。◎平均寿命−男77.8歳,女82.2歳(2013)。◎乳児死亡率−9.0‰(2008)。◎識字率−96.3%(2011)。*中米,パナマの北に位置する小共和国。東はカリブ海,西は太平洋に臨む。国土は大部分高原状地形で,火山が多い。気候は太平洋側は乾燥,カリブ海側は高温多湿。住民の大部分が,スペイン系白人とその混血で,生活・教育水準は他の中米諸国に比して高い。農業が主で,コーヒー,バナナ,カカオを輸出,牛の畜産もある。米国資本の進出が著しい。1502年コロンブスがコスタリカ(豊かな海岸の意)と命名,16世紀後半からスペイン領となった。1821年メキシコ帝国の一部として独立,1824年―1838年中央アメリカ連邦に属し,連邦解体後は1848年正式に独立した。1949年制定の現憲法は武装放棄を宣言し,軍隊をもっていない。1987年アリアス・サンチェス大統領(国民解放党)は,中米紛争の和平合意への努力を評価され,ノーベル平和賞を受賞。中南米では最も政情の安定した国の一つ。(マイペディア)

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