
小池都知事「街灯除いて明かりを消して」路上飲みで警察との見回りも
新型コロナウイルスの感染拡大で、緊急事態宣言の対象となる東京都の小池百合子知事は23日、定例の記者会見を開き、繁華街近くの公園や路上で飲酒するグループが後を絶たないことを受け、都職員や警察が合同で見回りをすることを明らかにした。小池知事は「路上飲みを抑えることが感染防止につながる。繁華街を中心にして呼びかけを強化したい」と述べた。

都によると、23日午後8時半から、新宿区の歌舞伎町周辺で、都や区、警察や消防の職員で編成されたグループで、見回りをして呼びかける予定という。
都は現在、人流を抑えるため、大規模施設でのイルミネーションやライトアップ中止を要請している。小池知事はそれに加えて、午後8時以降は街頭の明るい看板やネオンなども停止するよう求めていくことも明らかにした。小池知事は「街灯を除いて、全ての明かりを消すことを徹底して頂きたい」と述べた。(朝日新聞・2021/04/23)
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“灯火管制”【水や空】 夜間に敵機の攻撃目標になってはいけない、と明かりが漏れないように窓を塞いだり、照明器具に覆いを被せたり…。戦時中の日本で「燈火管制規則」が施行されたのは1938年4月のこと▲令和の灯火管制-真っ先に同じ連想をした人は少なくなかったようだ。東京、大阪などを対象に25日から出される3度目の新型コロナ緊急事態宣言に合わせて、小池百合子東京都知事が打ち出した“消灯要請”が話題を呼んでいる▲今回の緊急事態宣言、キーワードは「短期集中・強い措置」だ。酒類を提供する店には休業を要請、デパートも閉めてもらい、野球やサッカーは無観客、鉄道やバスでは減便や最終便の繰り上げも計画される▲小池氏の提案は、店舗の看板やネオンサイン、イルミネーションなど街灯以外の明かりを消すよう協力を求める内容だ。街を真っ暗にして人出を劇的に減らす作戦らしい▲胸の内を想像してみた。思えば、感染防止策と“抜け道探し”の応酬も根強く続いてきたこの数カ月だ。飲食店が時短で早じまいになれば昼から酒を飲む人々が現れ、公園や路上で宴会が始まる。電気ぐらい消さなければ、皆、言うことを聞いてくれない▲対策の手詰まり、都民への不信、政府や行政への不満…明かりの消えた東京、見えてくるものは何だろう。(智)(長崎新聞・2021/4/24)
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ニュージーランドのアーダーン首相が3月25日の夜、自宅からFacebookライブを使って新型コロナウイルス対策について説明し、視聴者からの質問にも答えた。/ ロイターによると、ニュージーランドは25日に、新型コロナウイルスの感染者急増を受けて国家非常事態を宣言。この日の深夜から外出制限をする方針を示していた。

アーダーン首相はFacebookライブで「これから数週間続く自宅待機に備えるため、オンラインでいくつか質問に答えることにしました」と説明する。/ さらに、緑色のカジュアルな服を着たアーダーン首相は、「カジュアルな格好ですみません、赤ちゃんを寝かしつけるのが大変で。今は仕事着じゃないんです」と明かした。/ この日、ニュージーランド政府は「自宅にとどまって、人と数メートル距離をとって接する『社会的距離』を取るよう」求めるテキストメッセージを国民に向けて送った。/ このメッセージについて「皆さんを驚かせたかもしれません。しかしこれが、皆さんにとって大切なメッセージを皆さんに伝える良い方法だと思いました」と、首相は説明する。/ そして、Facebookライブ中に寄せられた「外に散歩に出てもいいだろうか」といった質問に「散歩に出てもいいけれど、一人で出かけて他の人から距離を取るように」と一つ一つ答えた。
ニュージーランドでは27日現在、368人の感染が確認させている。/ アーダーン首相は、社会的距離がすぐには結果を出さなくてもがっかりしないで欲しい、数日後には表れるはずだと説明した。/ 「どうか自宅にとどまってください。感染の連鎖を断ち切りましょう。そうすればあなたは命を救うことになります」/ 約17分にわたるライブは、現時点で403万回再生されている。今回答えられなかった質問には、次のFacebookライブで回答する予定だという。(haffpost/2020年03月27日)
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本日現在の関連データです。日本の感染者は五十六万人、死者は九千八百人。ニュージーランドは感染者は二千六百人、死者は二十六人です。数の比較でもなけば、指導者の力量の差異を述べようとするのではありません。事実は、この通りという外に他意はないのです。目下、この島の指導者は「だれかと戦争中」だと、先日ぼくはいいました。したがって敵を欺くために有効な方法なら何でもやります、「灯火管制」も、もちろん実施します。原発事故以来ですか。その時は消費電力を抑えるためでした。いよいよ、本土決戦の様相を呈してきたようです。本土の大都市部では苦戦中です。空爆も原爆も持たない相手(ウィルス)ですが、なかなか手強い敵だし、いつ果てるとも見通しが立たないのです。
一年前に示された彼の国の首相の判断力と、一年後のこの島の首都の指導者の「判断力」「見通し」には見(「気づく)べきものがあるかもしれません。これほどに異なる根拠のようなものが理解できるのではないでしょうか。コロナは灯りがなければ威力を発揮しないとは思えないのですが、まるで誘蛾灯に集う蛾のように、夜になると、ある種の人たちは明るいところに引き寄せられるのでしょうか。ぼくもつい最近まで誘蛾灯に引き込まれて溺れ死ぬ直前でしたから、他人様のことは言えた義理ではないのです。(以下を参照しました。https://www.bloomberg.com/graphics/2020-coronavirus-cases-world-map/)

来年のこの時期、果して事態はどうなっているのでしょうか。
*参考までに 「コロナとの戦いは世界でも一進一退で、予期せぬ変異を繰り返すウイルスの動きは予断を許さない。しかし、学んできた知見の積み重ね、ワクチンという武器もある。必ず終わりが見えてくると確信している。首相としてできることは全て全力を尽くしてやり抜く」(「宣言」発出時の首相会見21/04/23)
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国や首都の指導者の言うことは、今回の災厄に当たっては、どこでも、ほぼ同じような事柄・内容になる筈だと思われます。しかしその同じような「呼びかけ」「要請」がまったく異なった結果を招くとしたら、その原因や理由は何に起因すると考えたらいいのでしょう。問題となるのは、まず指導者に、社会を構成している人民の、どれだけの表情が見えているのか、固まりでもなければ、抽象化された観念でもなく、どれだけの個人が「表情」として目に見えているか、「声」として耳に届いているか。そこにもヒントがあるようです。ワクチンは特効薬ではないし、万能薬ですらありません。まず、なにをおいても「感染しない」「危うきに近寄らず」、これが「いのちの綱」になるのです。誰に言われたからではなく、自分の命は、自分が守る、これに尽きます。助けを求めている人には言葉と心をかけたいですね。言葉が相手に届く、あるいは届けたい、届いてほしい。それは政治であっても、教育とまったく同じでしょうね、言葉を侮らないことです。「君が口にしている言葉に誠実・誠意がこもっているか、偽りが混在していないか」、ぼくたちはいつでも、そのように問われているのです。
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