どうして事故太りは許されたのか

 福島第一原発など東日本の原発「異常なし」原子力規制委 最大震度6強の福島県沖地震

 宮城、福島で13日夜に最大震度6強の揺れを観測した地震で、原子力規制委員会は14日、東日本にある原発や原子力施設で異常は確認されていない、と発表した。

◆福島第一、第二原発ではプールから少量の水あふれる 東京電力福島第一原発1~6号機(福島県大熊町、双葉町)では事故収束作業が続いている。東電によると、5、6号機の使用済み核燃料プールから水があふれ出たが、外部への影響はない。また、5、6号機の滞留水を貯蔵しているボルト締め型タンクの下部から水が漏れているが、堰せき内に留まっている。免震重要棟や大型休憩所で火災警報が出たものの、現場で火災は発生していなかった。/ 東電福島第二原発1~4号機(富岡町、楢葉町)は廃炉作業中。規制委によると、1号機使用済み核燃料プールからごく少量の水があふれ出たが、水位の低下はなく、核燃料の冷却に影響はない。(以下略)(小川慎一)(東京新聞・2021年2月14日 08時42分)

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 原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か

 東京電力は19日、事故収束作業を続けている福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1、3号機で、原子炉格納容器内の水位が30センチ以上低下し、1日数センチのペースで続いていると発表した。13日夜に両町で観測された震度6弱の地震の影響で、10年前の事故で損傷した部分が広がり、原子炉建屋内に漏れ出る量が増えているとみられる。(註 この事態は今(地震後三週間たった時点でも続いています。十年前の地震で破壊された部分のほかに、今回の地震でさらに亀裂や破損が進んだと思われます。放射線量が高くて、修理することは不可能であるのはもちろんですが、選良が高すぎて接近することすらできません。冷却水は今まで以上に注入しているのですが、破損個所からの漏水はさらに続いている事態が放置されています)

(https://pbs.twimg.com/media/EulqeSOXEAMEHct.jpg)

 炉内には事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)が残っており、冷却のため1時間3トンの注水を継続。注水量を増やすことを検討している。原子炉の温度や、周囲の放射線量に変化はない。/ 東電によると、1号機で15日から、3号機で17日以降に、それぞれの格納容器内の温度計の一部で測定温度が低下。温度計が水につかっていないと判断し、水位低下と結論付けた。/ 温度計の位置から、1号機で1.9メートルの水位が40~70センチ低下し、3号機も6.3メートルあった水位が約30センチ下がったとみられる。/ 1~3号機では10年前に起きたメルトダウン(炉心溶融)で、格納容器に複数の損傷を確認済み。デブリなどに触れた水は損傷部分から建屋内に漏れ、高濃度汚染水が発生している。(小野沢健太、福岡範行)(東京新聞・2021年2月19日 21時17分)

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 東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず

 東京電力福島第一原発3号機の原子炉建屋(右)=福島県大熊町で

 東京電力は22日、福島第一原発3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台がいずれも故障していたにもかかわらず、修理せずに半年以上放置していたため、今月13日深夜にあった震度6弱の地震データを記録できていなかったと明らかにした。/ 原子力規制委員会の検討会の場で、東電側が地震の影響を報告した際に説明。東電は地震後の記者会見や公表資料で、地震計の故障に一切触れず、それ以前も公表していなかった。/ 福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は検討会で、「貴重なデータを取れるチャンスを逃し、反省している」と謝った。

 東電によると、地震計は2020年3月、3号機原子炉建屋の最上階5階にあるオペレーションフロアと1階に、1台ずつ設置。1階の地震計は、設置4カ月後の7月に雨による水没で故障し、同年10月にはもう1台が別の原因で壊れた。/ 東電広報担当者は22日夕の記者会見で、「対策を施したものを設置する予定だった。故障後すみやかに復旧する必要があった」と釈明した。3号機の地震計は、事故時に水素爆発を起こした建屋の耐震性を検討するために「試験的に設置した」と説明した。/ 福島第一原発では1~6号機原子炉建屋の地下階に地震計が設置されていたが、津波で浸水した1~4号機の機器は動いていない。(小野沢健太)(東京新聞・2021年2月22日 17時40分)

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 福島原発事故発生から、間もなく十年が経過します。この十年はどのような日々だったか。直接間接の被害を受けたものは数えきれません。十年の間に「復興」がどこまで進んだのか、おそらくそれはまだ十分に見通すことが出来ないのでしょう。十年一日とも、十年一昔とも、言われます。それぞれの想いは人々の原発事故による打撃・破壊によって異なるのは当然です。事故の責任者というか、原発事故を引き起こした当事者である国と東電はどのような責任を感じてこの十年を過ごしてきたのでしょうか。

 そのことを考えると卒倒しそうになります。きっいかなる痛痒も感じていないどころか、もうとっくに事故処理は終わったという態度を一貫してきました。無尽蔵の被害の数々に対していつでも背中を向けてきたというばかりです。十年目を目前にして、二月十三日の深夜に大きな地震が彼の地を襲いました。その結果に関する状況を新聞記事から引用しただけですが、無責任というより、鉄面皮というか、人間の皮を被った魑魅魍魎というか、もう生半可な感情では始末できないほどの非道ぶりです。この事故の当事者の周りに、無数の、これまた魑魅魍魎が蠢いてきたのです。政・官・業の鉄面皮のトライアングルはこの分野でも、死霊に群がる夜叉の如く、生き生きと蠢動してきました。

 青天井の被害補償額や事故からの回復費用を国税で賄ってきたのですが、それは軽く十兆円を超えたとされています。この先、どれくらいかかるか計算不能です。昨年三月、五輪開催を期してR常磐線の全面開通を強行しましたが、その結果は、日々高濃度の放射能汚染が引き起こされています。別のところでも触れましたが、国の基準値の放射線量被被爆限度の二十倍を超える放射能が車両に付着して福島~東京を毎日往復しているのです。JR東日本は、車体を始め列車区間に汚染地区はないということで目を瞑る、いや口を塞いでいます。保線区や操車にかかわる人々の被爆は無視され、更に乗客にも被爆の危険性を告知していません。被爆しているのに、放射の汚染は存在しないという、この姿勢はどうしたら保てるのでしょうか。

 明治以降、近代化といい、西欧化といって、旧来の遺物と言わぬばかりにあらゆるもの(人民の生活の軌跡)を蹂躙してきた挙句に、今では人命をも犠牲にし踏み台にして、「我が世の春」を謳歌する屑どもの天下になり果せたかの如くです。「春高楼の花の宴」と謳ったのは滝廉太郎と土井晩翠でしたが、いまはどうか。汚職や選挙違反はやり放題です。その陰で、苦悩を強いられる人民は死の淵に立たされ、そこから突き落とされているのです。震災発生十周年を祝おうというバカ者はいないでしょうが、それを機にさらに欲の皮を突っ張る、盗人猛々しい五右衛門の末裔ばかりが「虚業」を誇る時代社会に、さらに決定的な一撃が襲うことをぼくは恐怖しているのです。(右上は東電「福島復興本社」)

 どうしてこのような鬼っ子のような企業が生まれ、かつ政府をも凌ぐ力を手に入れたのでしょうか。おそらく、政治家や官僚は、このような想像を絶する膂力を持った企業の配下で、その手先となって税金を合法を装って横流ししているのです。官庁から政治家に、更には民間企業に天下りは後を絶つことなく延々と続けられてきましたが、それこそが、政官業の黒いトライアングルが島社会をこの意手だに取ってきたのです。マスコミもまたトライアングルの端っこにへばりついてその一角に共棲している気になっているのです。(有名グループのメンバーの父親が官庁のトップから民間企業への天下りを果たしましたが、その軌跡をたどってみれば、まさに黒いトライアングルの強靭化の一端を示しているようです)

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 東電の「反省文」です。「福島への責任」というくだりに、いろいろと御託が並べられています。

事故の総括 巨大な津波を予想することが困難であったという理由で、福島原子力事故の原因を天災として片づけてはならず、人智を尽くした事前の備えによって防ぐべき事故を防げなかった。
東京電力は、福島第一原子力発電所の設置の許可を得るために、1966年7月に原子力発電設備の仕様や安全設計方針、安全解析の結果を記載した設置許可申請書を国に提出しました。そこでは、多重の安全設備が確実に機能して、原子炉の停止、冷却、放射性物資の放出防止が図られることを説明していました。
しかしながら、2011年3月11日の地震と津波により、事故の収束に有効に作動すると説明していた安全設備のほとんどすべてが機能喪失しました。
このような事態に至ってしまったのは、設計段階において外的事象(地震と津波)を起因とする共通原因故障への配慮が足りなかったことが原因です。
さらに、運転開始後にも海外の安全強化策に対して収集・分析して活用する仕組みが不足しており、設備の継続的な安全性の向上が十分ではありませんでした。
当社は、設計段階の技術力不足、さらにその後の継続的な安全性向上の努力不足により、炉心溶解、さらには広域に大量の放射性物質を放出させるという深刻な事故を引き起こしましたことを、深く反省いたします。
さらには、事故発生以降、広報活動全般が迅速さと適切さを欠いていました。広報活動の迅速さと適切さを欠いた結果、当社が立地地域のみなさま、全国・全世界の方々の不安や不信を招いてしまったことを深く反省いたします。(https://www.tepco.co.jp/fukushima/review/)

 事故は津波によってではなく、地震による原子炉機器の破損(破壊)によって引き起こされた。この事実を徹底して無視、原因を津波に転嫁するという一貫した姿勢を保持しつつ、東電は、信じられないことですが、「焼け太り」ならぬ「事故太り」を着々と遂げています。詳細は略しますが、やがて株主に配当することさえ考慮されています。木の葉が沈み、石が浮くという「破天荒(unprecedentedness)」な事態が太陽光の下で、これ見よがしに起こっているのです。世界は「東電の行く末」を、この島の人民の未来としてみているのです。以下のグラフは、事故前から、東京電力の経営成績推移です。このグラフだけを見ていると、いつ「未曽有」の原発事故が起こったのか、判然としませんね。空前の大事故も、この大企業からすれば、いささかの傷跡も残さないほどの小ささだったとも言えます。

 どこまで続くか、死屍累々たるありさま、これはまるで、無能な軍人将校によって死地に赴かされた兵士の如くに、背広を着てぬくぬくと居座りながら戦争を命じた鬼神たちによって生み出された、現代の「地獄図」です。「経世済民」の志を有する人士はどこにいるというのですか。

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・多額の賠償金に関して、東京電力は返済義務がない  
・機構が保有している東京電力の株について、1500円という具体的な売却金額が試算されている  
・過去を参考に考える(スリーマイル島の原子力事故、ピーターリンチの名言)
・売上、利益、キャッシュフロー全て事故前の水準に回復している  
・避難指示の全域解除が2023年春を予定

(https://www.tepco.co.jp/corporateinfo/illustrated/accounting/statement-income-consolidated-j.html)

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