原子炉建屋水位については現状では有意な変動は…

 原子炉格納容器の水位30センチ以上低下 福島第一原発1、3号機で 震度6弱の地震の影響か

 東京電力は19日、事故収束作業を続けている福島第一原発(福島県大熊町、双葉町)の1、3号機で、原子炉格納容器内の水位が30センチ以上低下し、1日数センチのペースで続いていると発表した。13日夜に両町で観測された震度6弱の地震の影響で、10年前の事故で損傷した部分が広がり、原子炉建屋内に漏れ出る量が増えているとみられる。

 炉内には事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)が残っており、冷却のため1時間3トンの注水を継続。注水量を増やすことを検討している。原子炉の温度や、周囲の放射線量に変化はない。/ 東電によると、1号機で15日から、3号機で17日以降に、それぞれの格納容器内の温度計の一部で測定温度が低下。温度計が水につかっていないと判断し、水位低下と結論付けた。/ 温度計の位置から、1号機で1.9メートルの水位が40~70センチ低下し、3号機も6.3メートルあった水位が約30センチ下がったとみられる。/ 1~3号機では10年前に起きたメルトダウン(炉心溶融)で、格納容器に複数の損傷を確認済み。デブリなどに触れた水は損傷部分から建屋内に漏れ、高濃度汚染水が発生している。(小野沢健太、福岡範行)(東京新聞・2021年2月19日 21時17分)

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福島第一原子力発電所 1,3号機原子炉格納容器(PCV)の水位低下について

                              2021年2月19日
                                東京電力ホールディングス株式会社

 原子炉格納容器水位、温度等のパラメータを監視していたところ、2月18日に1号機の原子炉格納容器水位に低下が見られたことから、他のパラメータを確認したところ、1号機において2月15日以降、3号機において2月17日以降に原子炉格納容器温度計の一部に低下傾向が見られました。/ このため、2月18日に関連パラメータを評価していたところ、本日(2月19日)、1,3号機ともに原子炉格納容器水位が低下傾向にあると判断しました。/ なお、原子炉圧力容器底部温度、格納容器ガス管理システムの放射能(希ガスモニタ含む)、敷地境界のモニタリングポスト及びダストモニタ、構内ダストモニタに有意な変動は認められていないことから、外部への影響はないと判断しています。/ 地震後の点検において、原子炉注水設備のパラメータ及び目視点検では異常が確認されておらず、原子炉への注水は適切に行われていることを確認しており、原子炉格納容器水位低下の要因としては地震による原子炉格納容器損傷部の状況変化も考えられるが、今後もパラメータを注視して監視していきます。/ 原子炉建屋水位については現状では有意な変動は確認されていないが、パラメータの詳細評価及び監視を行っていきます。

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 東電が地震計の故障を半年以上放置、福島第一原発3号機で 13日の地震記録できず

 東京電力福島第一原発3号機の原子炉建屋(右)=福島県大熊町で(➡) 

 東京電力は22日、福島第一原発3号機原子炉建屋内に設置した地震計2台がいずれも故障していたにもかかわらず、修理せずに半年以上放置していたため、今月13日深夜にあった震度6弱の地震データを記録できていなかったと明らかにした。/ 原子力規制委員会の検討会の場で、東電側が地震の影響を報告した際に説明。東電は地震後の記者会見や公表資料で、地震計の故障に一切触れず、それ以前も公表していなかった。

 福島第一廃炉推進カンパニーの小野明・最高責任者は検討会で、「貴重なデータを取れるチャンスを逃し、反省している」と謝った。/ 東電によると、地震計は2020年3月、3号機原子炉建屋の最上階5階にあるオペレーションフロアと1階に、1台ずつ設置。1階の地震計は、設置4カ月後の7月に雨による水没で故障し、同年10月にはもう1台が別の原因で壊れた。/ 東電広報担当者は22日夕の記者会見で、「対策を施したものを設置する予定だった。故障後すみやかに復旧する必要があった」と釈明した。3号機の地震計は、事故時に水素爆発を起こした建屋の耐震性を検討するために「試験的に設置した」と説明した。/福島第一原発では1~6号機原子炉建屋の地下階に地震計が設置されていたが、津波で浸水した1~4号機の機器は動いていない。(小野沢健太)(東京新聞・2021年2月22日 17時40分)

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 東京電力、3号機「地震計」故障放置 昨年把握、修理対応せず

 東京電力が、福島第1原発3号機の原子炉建屋内に昨年設置した2基の地震計が故障していたにもかかわらず、修理などの対応を取らずに放置していたことが22日、分かった。このため本県沖を震源とし最大震度6強を観測した13日深夜の地震の揺れのデータを記録できておらず、公表もしていなかった。原発事故から3月で丸10年となる中、依然として危機管理と情報公開の両面で東電の対応に不備がある実態が浮き彫りになった。

 原子力規制委員会が22日に開いた特定原子力施設監視・評価検討会の会合で、東電が規制庁からの質問に答える形で明らかにした。/ 規制委は、炉心溶融や水素爆発を起こした第1原発1~4号機のうち、劣化が進む3、4号機原子炉建屋への地震の影響を確認する重要性を指摘。これを受け、東電は昨年3月の同会合で地震計を設置する方針を報告し、3号機原子炉建屋の5階「オペレーティングフロア」と1階の計2カ所に地震計を取り付け、4月から運用を開始した。しかし、1階の1基は昨年7月の大雨で水没、10月には5階の1基の計測データにノイズが入る故障が起きた。東電は故障を把握していたが、「ノイズ発生の原因分析に時間がかかった」として放置していたという。/ 会合にオンラインで参加した検討会外部有識者の蜂須賀礼子さん(大熊町商工会長)は「東電は危機管理ができていないと感じる」と一連の対応を批判した。

 東電は今回の地震について、6号機の震度計で測定したデータから、1~4号機への影響を分析すると説明。第1原発構内では、放射性物質トリチウムを含む処理水を保管するタンク約20基がずれているのが見つかっており、東電はタンクが密集する場所への地震計の設置も検討するとした。/ 東電の小野明福島第1廃炉推進カンパニー最高責任者は「貴重なデータを取れるチャンスを逃したのは大いに反省すべき点だ。震度計の設置を急いで検討し、なるべく早い段階で設置計画を説明したい」と述べた。(福島民友新聞・2021年02月23日 09時55分)

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 今回の地震における原発設置地域の事故や過失は多岐にわたっています。汚染水タンクが50基超がずれてしまった、汚染水が漏れた。あるいは上の事故等によって、原因が解明されるという道筋は付けられていません。最悪の場合は再び、水素爆発を起こし、被害が甚大になる危険性が想定されますし、再び汚染地域の除染を行わなければならない羽目になる。それでは終わらないまま、自然環境に甚大な被害を及ぼすことになります。今回の地震によって、いくつかの点で原発地域に生じた事故が確認されたのですが、それはおそらく十年前にも生じていたことを明らかにするものだと思います。津波ではなく、地震による初期被害が、のちの原発の爆発事故を起こしたのは疑う余地がないのです。

 この期に及んで、五輪開催を企んでいるのはなぜか。原発でどんな事故があっても、原発を使い続けるのはなぜか。それと重ねて考えるのですが、青森の核燃料再処理工場稼働を頑なに止めないのはなぜか。このように見れば、権力側の原発政策には異様な執着や執念が感じられてきますが、その理由や背景は何か、この問題を抜きにしてはなにも理解されないのが、この島における原子力利用問題なんですね。少しばかりの資料を基にした原稿がたまってきましたので、原発事故発生、十年を目前にして、そのいくばくかを記録に残したいと考えています。再びの原発事故は防げないかもしれませんし、六ケ所村の再処理工場に大きな事故が生じれば、福島以上の甚大な被害を地球規模で起こすことになるのは間違いありません。

 ただ今政治・経済の「中心地」「震源地」で起こっていることに目を奪われている間にも、着々と原子力政策は深く静かに(一見すると)潜航して行われています。劣島の原発開発はまた、原子力兵器の全島配備に直結しているのです。中国の台頭、北朝鮮の暴走、あるいはロシアの野望などという政治的地理学をを視野に入れながらというよりは、それを喫緊の課題としての原子力政策、原子力発電強行であります。原発続行は原子力開発問題なんですね。アメリカからは、まず離れられない靭帯に絡めとられているこの島の春弥生です。

 報道に接する限り、今回の地震による福島第一原発への影響は、まあ大したことはあるまい、ちょっとした事故のようだ、そんな程度のとらえ方しかできないようになっています。果たして実際の危険性はどうか。ぼくには、原発は再爆発の寸前にあると思われるのです。必要以上に人民の恐怖心を煽るのはよろしくありませんが、大したことはないと言ってすましているのはさらに危険ではないでしょうか。原子炉を一本の瓶に例えると、すでに十年前の地震でこれにはいく本かの割れ目がはいっています。そのために汚染水が垂れ流されているのです。したがって、冷却のための水を常に注入し続けなければならないのです。

 その上に、今回の地震でさらに亀裂が入ったとみられます。それがどの程度のものか、誰にも確認できません。事故を起こしている原子炉に接近することは不可能だからです。しかし水漏れが生じており、それを放置しておけば、燃料棒(デブリ)は、ふたたび水素爆発を起こし、放射能汚染の危険性があることはわかっているのです。水位の低下はその事実を示しています。漏水した分量の水を注入しななければ、原子炉が危険状態から、更に一歩先に進んでしまうのです。現状が維持されるとして、さらに地震が襲えば、確実に亀裂は深くなるばかりでしょう。最高度の危険性に福島原発は曝されているのです。ぼくたちもその危険歳からは逃れられないでいます。

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