
【夕歩道】アイドルグループみたいな「TKG」という略称が生まれるほど卵かけご飯の人気は高いが、鶏卵の衛生管理が行き届き、安心して生で食べられるのは日本ぐらいだとか。しかも、物価の優等生。
世界に誇るべき日本のTKGなのだが、その裏であれこれ怪しげな金が動いていたとは…。大臣室で金を受け取ったという元農相殿は「就任祝いと思った」と。どんな感覚をしておられたのやら。

長期政権の下で緩みきっていたか。卵の大臣は起訴前にバッジを外したが、元法相やら元IR副大臣やら怪しげな金で起訴された議員は他にも。国会始まる。こちらも鶏卵並みに徹底消毒すべし。(中日新聞・2021年1月18日)
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【夕歩道】緊急事態宣言の範囲拡大を発表した菅首相の昨夜の記者会見は、今回も「次の日程」を理由に約四十分で打ち切りに。ネット上では早速、「次の日程」が検索ランキングの上位に浮上したそうな。
あることないこと立て板に水の迫力で事実と異なる答弁百何回というのも困るし、聴く者が煽(あお)られて議会に突入してしまうのも困るが、ここ一番という時に熱が伝わってこないのも、どうなのか。
他紙の話で誠に恐縮だが、M紙の名物川柳投稿欄に先日、こんな一句が。<メルケルの後に棒読み聴く悲哀>。うまい! でも、これじゃ、まずい。もう少し、メッセージが伝わってこないと…。(中日新聞・2021年1月14日)

(内閣広報官)
大変恐縮ですが、次の日程がございますので、会見はこちらで結ばせていただきたいと思います。
今、挙手されている方につきましては、各1問メールでお送りください。後ほど総理の回答を書面でお返しをさせていただくとともに、ホームページでも公開をさせていただきますので、どうぞ御理解を頂きますようにお願いをいたします。
では、以上をもちまして、本日の総理記者会見を結ばせていただきます。
皆様の御協力に感謝を申し上げます。ありがとうございました。(https://www.kantei.go.jp/jp/99_suga/statement/2021/0113kaiken.html)
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【夕歩道】パリ協定への復帰を進めよ。米国民は百日間マスク着用を…。新大統領が初日から十七件もの大統領令などに署名して一気に逆転した超大国の針路だが、バイデンさん、こちらもお忘れなきよう。

核兵器禁止条約が明日、発効する。米英仏中ロの核保有五大国は全く聞く耳を持たぬ風情だが、そんなことでよろしいのか。かつて仕えた先輩オバマ氏は「核なき世界を」と呼び掛けたものだが。
わが方はというと「被爆者の苦痛と被害に留意する」とうたった条約にもかかわらず、米国の「核の傘」に隠れて参加せず。政府は締約国会議へのオブザーバー参加にも及び腰。どこ見てるのか。(中日新聞・2021年1月21日)
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二昔前頃には、長い間、ぼくは東京新聞の購読者だった。何よりもページ数が少なかったのがよかった。まるで日刊雑誌(アメリカの新聞)のような分厚い紙束は嫌だった。その分、広告スペースも少なく済み、読む側はイライラしないで済んだ。購読料も他紙よりは少し安かったと思う。その関係で「中日新聞」にも目を通す機会があったので、「夕歩道」をよく読んだ。ツイッター並みの短文で、しかも、いくばくかの「主張」(言いたい事ではなく、言わねばならぬ事)を抜かしてはならないというコラムだった。ぼくも相当前に「小さな新聞(機関紙)」でコラムを一年間ばかり書かされたので、そのスリルがわかる。いつも感じていたのは、このような短文(百字か二百字程度)を書くのに四苦八苦、何度も推敲を重ねるばかり、このような努力を論文や書物にする原稿ではなぜしないのかと、本気で悩んだことも思い出されます。

新聞購読時代には、かなり熱心な読み手だったし、おかしな記事やコラムには必ず担当者に電話をして「おかしい」と、指摘したこともたびたびだった。今でいう「いいね」に出会うと、読んだお礼を担当者に伝えたこともあった。その後、徐々に新聞社も「問題読者」の扱いがぞんざいになり、担当者にはつながらずに「盥回し」されるようになったので、記事の内容などの低劣化とともに、すっかり購読を止めてしまった。以来、紙の新聞はまともに読んだことはありません。ネット記事はえり好みしてばかりで、かろうじて各誌の「コラム」みたいなものには毎日のように、読むでもなく、字ずらを追っかけています。

しかし、生意気をいうようですが、質が落ちたというか、論旨は意味不明、内容は空虚・軽薄というか、殆んどが観念的な「作文」のレベルですね。雨が降ると、「シトシト」だし、風が吹くと、「ビュービュー」、雪は「しんしん」と定番のような文章ばかりです。バカな総理が出現すると、恐る恐る値踏みをする。ずばっと直言「君は莫迦だ」と諫言に及ぶことはまずありません。他人(他紙)の言うようなことじゃなく、いわないことで、しかも肝心な点を言い当てる記事やコラムが書けないのかな。まるで八方美人(女性に限定していない)のような、風見鶏もどきの「木舌」「木鐸」が劣島各地の新聞に鳴り響いているのを想像するのは、なんと壮観、いや壮絶かと、ぼくは気も動顛するのです。このような異様な光景を見せつけられると、「学校教育の成功」を心底から実感します。右に倣え、右に同じ、同病相憐れむ、類は友を呼ぶ、一蓮托生、同じ穴の狢などなど。つまり、そんな「病的心象」を形成してきたのが明治以来の学校だったというわけです。

「一億一心」なんて、悪い冗談だとたかをくくっていたら、なんとそれは報道の「現実の形相であり実体」だったと、空恐ろしくなりながら、ぼくは一日を始めます。そう、「47コラム」を読むのです。内閣記者会、平河クラブ、番記者制度、その他、ぼくは素人で報道界の裏や表には通じていませんが、同棲や事実婚(それを茶化したり揶揄するものではないつもり)のような、外部に明らかではなさそうな交わり(くっつきあい)が、報道する側される側の間で、日夜行われているに違いありません。いまでも時々見かけますが、「総理番記者」「✖✖大臣番記者」と誇らしげに言い触らす記者諸氏。ぼくには恥ずかしくて、開いた口が塞がらない。いっしょに飲み食いするところまで行くと、ぼくはそんな連中の書いた腐敗記事を読まされているのかと、おぞましくなる。検事長と麻雀、警察幹部連と麻雀や飲み食い、これで感覚や神経がマヒしないというやつには、端から感覚も神経もないと、ぼくは言いたい。「虎穴に入らずんば、虎児を得ず」とか何とかいって、胆をつかまれてやしないか。
おかしいことを言う、間違いを犯す、内容空虚な発言、政治家に限らぬが、そんな情けない事態に遭遇したら、それを指摘するなり、直言する、そんなことが出来るくらいなら、記者なんかしていないといいたいでしょうな。世の末かどうか、ぼくには判断はできないが、まともでなくなって久しいという感想は持っている。兼好や長明の時代から、いささかも「人情の機微」は変わらないし、嘘つき政治も変わらないね。

と、ここまで来て、「夕歩道」にたどり着きました。すっかり日も落ちて、しかも雨模様で道はぬかるんでいる。そんな悪い天気の日に「夕歩道」でもあるまいに、と思わないでもありませんが、天気を選べないのですから、寒さに震えながら、「夕歩道」を歩こうとします。
①「TKG」については、別の角度から、どこかで触れました。賄賂を大臣室で受け取っても起訴されない、あるは逮捕されないとはどういうことですか。「政治家」は人民のはるかに上層に君臨しているという自己認識があるんですね。ぼくらは軽い交通違反でも反則金を取られるし、それが重なると「刑事罰」を科される。政治家は「嘘つき」というのは相場ですが、金品受領も「賄賂に無自覚(賄賂だとは思わなかった)」でお目こぼしだというのですか。こんな警察や検察に処罰される人民や哀れ。「徹底消毒」じゃなく、「まず処分」です。この悪事の陰で、罪も咎もない「鶏」が、劣島各地で数百万羽も「殺処分」されています。現・元含めて、他に数人の議員が賄賂をとっていますね。「殺処分される鶏」や哀れ。

②これについてもどこかで記述しました。要するに「人前」に出てはならぬ人間だったわけで、それをとやかく言わないが、裏に徹するからこそ、今まで間違えなかった(いや間違えたかもしれないが、表沙汰にはならなかった)人それぞれ、向き不向きがある、この御仁はこのポストは不向きもいいところ、でも己の分を知ることは莫迦にはできない。この莫迦さ加減は「前総理」もご同様。時に、「役不足」といいますが、この場合は「役負け」といおう。しかも「素人顔負け(素人はだし)」の政治家ぶり、でもありますね。端的に言えば、「力不足」。これで大迷惑を被り、死者まで出ているのだから、即刻退場を求めます。総理や内閣はいらない。国会もいらない。議員もいらない。各地域自治の本来の姿に戻ればいい。小社会デモクラシーを志向しているのです。

③「核の傘」が、いざという時に役に立つというのは、誰もが知っている「幻想」。この「幻想」が無益・無効だと知りつつ、大丈夫だと自己を偽って生きてきたのが戦後レジューム。「核の傘」はじゃじゃ漏れです。どこからでも放射能はやってくる。その証拠になるか、福島原発爆発で放射能被爆を防げなかったではありませんか。アメリカがまもってくれるという「幻想の安保体制」を選んだのは「ぼくたち(選挙民)」だったのだから、いまさらとやかくはいうまい。でも、アメリカが加わらないから、島社会も、というのは世界の非常識だし、島でも非常識。
「唯一の被爆国」というフレーズがとても気に入っているのが、この島の専制政府かね。ことあるごとに、器用に、便利に使いたがるが、その「被爆の実態」には無関心を決め込んでいる。さらに言えば、確かに戦争における被爆国は今のところ、唯一かもしれませんが、核実験被爆者や国々はどれくらいあるか。欧米大国の実験場にされて、否応なしに被爆者にされた被爆国にされた、しかも今なお、放射能は漂流している。アメリカはネバダ実験場で自国民をどれほど被爆させたか。
この島においては「核保有のポテンシャル」というお題目で核保有の「悪魔の権利」を決して手放さないし、その確たる証拠として原発推進をと虚仮の一念でほざいているのだから、まるで手には負えない、というのが実際。原発は内部爆発、原爆は外部爆発、爆発の原理はまったく同じです。それを隠蔽して、あくまでもシラを切って原発に執着する。核兵器禁止条約に、この政府は一言半句も言及する資格も権利さえもないと、ぼくは言いたい。ここでも、即刻退場を願う。コロナ災厄で「国民のいのち」をいささかも守れない(守らない)どころか、いまなお人民は危殆に瀕しているのに、サル山のボス争いにも劣る「椅子取りゲーム」に、この危難のさなかに狂奔している。マジで「サル下軍団」のヤクザ政治に我々は殺されますね。油断大敵、くれぐれも注意すべき、それも細心の注意を、です。
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