「まさか」という思い、「やっぱり」という想定

 小学校長が覚醒剤所持 町長「まさかという思い」

 覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで、兵庫県香美町立小学校長の楠田千晴容疑者が逮捕された事件を受け、同町は12日、記者会見を開いた。浜上勇人町長は「教育委員会の中枢にいた人物で、まさかという思い。町として厳粛に受け止め、信頼回復に全力で取り組みたい」と謝罪した。

 町教委によると、楠田容疑者は、教育現場を指導監督するこども教育課の課長を経て、今年4月、児童数が町内最多の同小校長に着任。小学校長は初めての経験だったが、同小は教諭時代の初任地ということもあり、当時を知る保護者らの信頼も厚かったという。教諭の妻と母親の3人暮らしで、逮捕前に勤務した今月11日は午後から有休を取っていた。/ 藤原健一教育長は「覚醒剤に手を出したことは信じられない。職場での負担が原因になったとは考えられない」と話した。/ 保護者の女性(37)は「登下校時の声掛けを絶やさず、子どもとサッカーもしてくれる快活な校長だったのに」と驚いていた。/ 兵庫県教委教職員課は「事実であれば大変遺憾。詳細を確認し、適切に対処する」とのコメントを出した。(金海隆至)(記者会見で謝罪する(左から)今井雄治副町長、浜上勇人香美町長、藤原健一教育長=12日午後、兵庫県香美町香住区香住、同町役場本庁舎 右上写真)(2020/12/12 21:28神戸新聞NEXT)

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 自宅で覚醒剤を所持したとして、兵庫県警尼崎南署は12日、覚醒剤取締法違反(所持)の疑いで、同県香美町立小学校長の楠田千晴容疑者(54)を現行犯逮捕した。「私が使うために持っていた」と容疑を認めているという。/ 同署によると、楠田容疑者は同日午前6時40分ごろ、同県新温泉町の自宅で、チャック付きポリ袋入り覚醒剤1袋を所持した疑い。薬物関連の捜査の過程で、同容疑者が浮上し、同署が調べていた。/ 楠田容疑者は香美町教育委員会こども教育課長を経て、今年4月に香美町立小学校に赴任。逮捕を受け、同町教委は職員らが急きょ出勤し、対応に追われた。12日午後にも記者会見し、経緯を説明するという。(2020/12/12 11:50神戸新聞NEXT)

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 まさか校長が、という周囲の反応は正常です。「やっぱり」というのだったら、「どうしてそんな人間を校長にした」と非難されること請け合いですから。例えが適切じゃないのですが、まるで「交通違反のように」薬物使用は蔓延しているとぼくは見ています。もちろん、薬物使用で逮捕されない者の方がはるかに多いのですから、まるで「薬物天国」という状態じゃないでしょうか。ぼくはこれまでに、何人もの薬物中毒者に会ってきました。薬物に手を出す理由はそれぞれでしたが、一番の目的は「現実逃避」というか、状況を変えたいという心理に駆られての「使用」だったと思います。

 教育委員会の「中枢」だった人が、初めての校長職で、いろいろと緊張や焦燥があったのかもしれない。しかし、そのような場面にある人はいくらでもあり、その人たちがすべて「薬物」に逃避しているわけではないことを考えれば、問題は「本人自身」にあったという、平凡なところに落ち着くのです。ぼくがこの事案を取り上げたのは、校長先生に「怒り」や「同情」を感じたからではありません。先ずはこの学校の子どもたち、さらにはこのニュースを知った多くの子どもたちが持たされる「不信感」の大きさを想定するからです。だれであれ、「薬物所持(使用)」は法律違反。しかし「えっ、あの校長先生が」、という時の驚きと落胆は半端じゃないと思います。「校長も弱い人間だから、仕方ないよ」という子どもがあるかもしれないし、それはそれでまともな反応だといえば、石をぶつけられるかもしれない。

 なにせ、この島では「最高権力者」と自他ともに任じていた人物が「真っ赤な嘘」を国会で、それも長期にわたってついていたのですから。「まさか、あの総理が」と驚いた人はいなかった、「やっぱりなあ」と、納得というのではなく、あの虚仮なら嘘もつきかねないとほとんどの人が知っていた。問題はそんな人間を「総理」に担ぎ通した政治屋・政治家への「不信」が異様に増大したという点です。「政治への信頼」といいますが、その政治を担っている政治家と称する個人への信頼が揺らいでいるのです。これは教師においても同じ。「教育への信頼・不信」「学校への信頼・不信」などではなく、教職にある「個人」への信頼の失墜こそが、子どもたちの内面に消えることのない「ひっかき傷」(外傷ではなく、内傷)を残すという、その後遺症に、ぼくは心を痛めるのです。「あの校長先生ならやりかねない」という、悟ったような反応も困るけど。

 総理が白昼堂々とテレビの国会中継で「嘘を吐く」「国民を愚弄する」、大臣が大臣室で「賄賂を受け取る」、そんなやりきれない時代にぼくたちは遭遇している。ホント、やりきれないね。(さらにぼくはがっかりしているし、いささか体調も心配になりだしてもいます。「アキタフーズ」とかいう広島の鶏卵屋が「贈収賄」事件の中心人物だったとされています。この三年ほど、ぼくはスーパーで、宣伝文句の「シェフにもおすすめ、このコクと旨味。特許取得」「きよら」「グルメ仕立て」「富士山ポートリー産直」「飼料に新旨味原料配合 ビタミン強化」につられたわけではないといいたいんですが、「アキタフーズ」の卵をせっせと買っていたし、食べていたんです、かみさんにも。「ポートリー」というが、「固定籠」じゃなかったのか) 

 どうしますか、この始末。さらに頭にくるのは、衆議院副議長の席を占めていた議員(赤松某)が、今季限りで引退を表明したという報道。彼もこの業者から「献金」を受けていたとされる。賄賂だったかどうかわかりませんが、「政治献金疑惑」のニュースがが出ると同時に「引退」という早業だ。与党も野党もありません、すべては「一蓮托生」であり、「家の子郎党」じゃないかと、ぼくは見てきました。「小選挙区制」は、この「一蓮托生」「家の子郎党」集団の結束を加速度的に強化したのです。いずれ劣らぬ、永田町の住民です。

 今期限りでの政界引退を十二日に正式表明した衆院副議長の赤松広隆さん(72)=愛知5区=は、名古屋市内で開いた会見で、「国会議員生活は波乱の三十一年だったが、政治家冥利(みょうり)に尽きる活動ができた」と振り返った。引退後は「現役の皆さんの邪魔にならない形で立憲民主党県連や各議員のお手伝いをしたい」と述べた。 衆院当選一期目で社会党書記長に抜てきされ、結成に携わった民主党政権では農相を務めた。会見で二度の衆院副議長就任などにも触れ、「県議時代を含めると四十二年間、一度も議員バッジを外さなかった。そういう政治家としての道を歩めたのも、支援者や仲間のおかげ」と感謝した。(中日新聞・2020年12月13日 05時00分)

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