タヌキの朝帰り、「おやすみなさい」

<12月の窓>タヌキに出会う深夜の別世界

「こんな都会で、頻繁に会うなんて」。人々が寝静まった夜の街にたびたび出没するタヌキを、東京都豊島区内で新聞配達をする男性(63)が撮影し、本紙に写真を送ってくれた。 男性は新型コロナウイルス禍での生活を安定させるため、約2カ月前から新聞販売店でアルバイトしている。2年前に同じ店で配達していた時にはタヌキはあまり見なかったが、最近は朝刊の配達中によく出くわす。シャッターチャンスを逃さないようカメラを持ち歩いて1週間、やっと撮影できたという。 今月初めの午前2時半ごろ、西武池袋線東長崎駅にほど近い住宅街でバイクを止めて新聞を配達中、前方から自分の方へ向かって歩いてきた姿をとらえた。「ひょっこり出てきて、コロコロ太っていた。写真を撮ったらすぐ消えちゃったけどね」 専門家によると、タヌキは雑食で夜行性。都心でも公園や茂みがある場所では生息できるという。ただ、寄生虫や病気を持っている可能性もあるため、触れない方がいいそうだ。 別の地区を担当する同僚らに男性が話すと、数人が「よく見るよ」と言う。「東京の街で生活して見えている昼間の世界と、新聞配達員が知る深夜は別の世界。タヌキに化かされたのか、なんて、不思議な気分になりますね」(奥野斐)(東京新聞・2020年12月6日 06時00分)

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● 食肉目イヌ科。体長 50~80cm,尾長 13~25cm,体重4~6kg。黄褐色の毛が密生し,黒色の差し毛があり,眼の周囲が黒い。ノネズミ,カエル,魚などの小動物を捕食するが,植物質も食べる。夜行性で,昼間は土中の穴や木のなどにひそむ。家族単位で生活する。早春交尾し,約2ヵ月の妊娠期間を経て5~7子を産む。木登りが上手で,危険を感じた際,一時的に気を失う。毛皮は上質で,毛も毛筆の材料にされる。地方によってはムジナとも呼ばれ,アナグマと混同されやすいが,アナグマは蹠行性 (足裏全体を地面につけて歩行する) で,タヌキは趾行性 (足指だけを地面につけて歩く) である (→蹠行 ) 。北海道,本州,四国,九州およびシベリア朝鮮半島,中国に分布する。日本の民間伝承では,人 (おもに男) や物に化け,また人を化かすとされる。眠っているふりをすることを「狸寝入り」と言い表すのも,古くから人をだますと伝えられているからである。戯画ではよく大きなおなかに描かれ,音にかかわる言い伝えが多い。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説)学名=Nyctereutes procyonoides 英語表記=raccoon dog

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 まだ食べたことはありませんが、「赤いキツネと緑のタヌキ」という名のカップ麺。普段でもぼくは頻繁にうどんを食べます。ほとんどが「キツネ」です。理由はよくわかりませんが、きっと油揚げが好きなせいだと自分では思っています。でも潜在意識では「キツネ」という動物が好きなのかもしれません。深く考えたことはありません。現実生活で頻繁に出会うのは「タヌキ」で、拙宅近くの県道ではよく「轢死状態」で発見されますし(タヌキはほんとに不注意です。人間は乱暴だということを知らないらしい)、実際に運転中に何度も遭遇しています。日常的に出会う機会の多いのはイノシシと双璧です。

 もう何十年も前に友人(三島在の年下の女性)に誘われて出かけ、三島駅そばの料理屋さんでごちそうになった。日本料理がおいしいからということでしたが、もう一つはそこに生きたタヌキがいる、タヌキに出会えるからというのです。たしかに、昼間、料理屋の庭に出てきて、さかんに当方を伺ってしました。可愛いなあ、という感じはしませんでしたが、「早く店から脱け出なさい」と、「タヌキ汁になってしまう」から、と案じたことでした。

 新聞配達の男性はタヌキとの遭遇に心躍らせていたことは事実だし、一週間も機会を狙ってシャッターを押した執念はなんだったのか。「一目ぼれ」だったのかな。それにしても、見事な映り映えですね。パンダのようでもあり、アライグマのようでもあり。午前二時半ごろにしてはやけに明るいのは、紅灯の巷たる池袋だからだったか。あるいはこの「タヌキ」さんはお勤めを終えて帰宅途中だったかもわからない。お店では「妙齢の美女」として、コロナ禍の最中に店にやってきてくれる大事な「お得意さん(カスタマー)」への奉仕に精をつくしたことでしたろう。ちょっと疲労気味にみえなくなはい。

 飲み屋をはじめとする店名に「タヌキ」が多いのはどうしたことか。店主は男女を問わず、です。きっとこの朝帰りの方もたんまり儲かって、ご機嫌よろしくの御帰りだったかもしれません。(いやいや、キツネの方も負けていません。かなりの数でタヌキと張り合っているようですね。ぼくは志ん生の「王子の狐」が大好きです。そこではもう志ん生は狐になりきっています、顔つきは狸似ですが)

 脱線の連続です。ぼくが好むのはキツネうどんで、自分でもよく作りました。お店に入って注文するのは「キツネ」です。ところが場所によって「タヌキ(天かす入り)うどん」を頼んだのに、「キツネ(油揚げ)」が出ることがある。間違えたんでしょうというと、お店の人が「いやこれでいいんです」と。文句を言いかけると「タヌキがキツネに化けた」と言われたこともあります。嘘か誠か。

 どうして麺類の名が「キツネ」「タヌキ」と言われるか、由来がまた込み入っていて、この動物たちとの付き合いを知るきっかけになるかも。暇な折に調べられるといいですね。どんな事柄にも、それらしい歴史があるというものです。(日本の「昔話」に登場するのも、多くはタヌキのようですが、なにか理由はあるのでしょうか。これも、またの機会に)

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投稿者:

dogen3

「上を思えば限りがないと、下を見て咲く百合の花」になれるものなら、という想いです。それこそ、「高嶺の花」ですが。「昨日は俗人 今日は僧、生涯胡乱(うろん)これがわが能」と自称した一休さんは、一面では「相当な人物」だったと、歳をとるとともに思わされています。