看護師たちは真っ昼間から泣いている

高齢コロナ患者を抱きしめる医師が話題に、連続勤務252日目

2020年12月1日 11:20 発信地:ワシントンD.C./米国 [ 米国 北米 ]

【12月1日 AFP】米テキサス州の病院の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)専門の集中治療室(ICU)で、取り乱した高齢の患者を抱きしめて慰める医師の写真が世界中に拡散し、話題となっている。撮影時、この医師は連続勤務252日目だったという。

 写っているのは、テキサス州ヒューストン(Houston)にあるユナイテッド・メモリアル医療センター(United Memorial Medical Center)の医局長、ジョセフ・バロン(Joseph Varon)医師。感謝祭の日に白髪の男性患者を抱きしめる姿を、写真販売代理店ゲッティイメージズ(Getty Images)のフォトグラファーが撮影した。

 バロン医師は11月30日、米CNNに対し、新型コロナ専門ICUに入っていくと、高齢の男性患者が「ベッドから下りて、治療室から出ていこうとしていた」と語った。「彼は泣いていた」

 バロン医師は患者に近づき泣いている理由を尋ねた。「彼は『妻と一緒にいたい』と言った。私はただ彼をつかみ、抱きしめた」と述べ、「本当に切なかった。彼と同じように、私もとても悲しかった」と続けた。「やがて彼は落ち着き、泣くのをやめた」

 CNNの取材に応じた日、連続勤務256日目だと述べたバロン医師は「どうして自分が倒れていないのか分からない」と語った。「看護師たちは真っ昼間から泣いている」(中略)

 バロン医師はまた新型コロナのパンデミック(世界的な大流行)を警戒しない人々にもメッセージを送り、「バーやレストラン、ショッピングモールに多くの人が出掛けている」と述べた。「クレージーだ。忠告を聞き入れなかった人々が、私のICUに来ることになる」

 続けて「みんなを抱きしめなければいけない状態など求めていない。それを知ってほしい」と述べた。「みんなが基本的な予防措置を取る必要がある──対人距離を確保する、マスクを着ける、手を洗う、人がたくさんいる場所に行かないといったことだ」

「みんながそうしたことを守ってくれて、私たち医療従事者が休めるといいのだが」 (c)AFP

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 現段階では特効薬などはないし、もちろんワクチンも、最終段階とはいえ、まだ開発中です。迎えくる季節は、ウィルスには最良かもしれませんが、感染する側には最悪です。光明のないトンネルに入ったままです。感染を防ぐには何が必要か。何ができるのか。「クレージーだ。忠告を聞き入れなかった人々が、私のICUに来ることになる」と件の医師は言います。さらに「みんなを抱きしめなければいけない状態など求めていない。それを知ってほしい」と述べた。「みんなが基本的な予防措置を取る必要がある──対人距離を確保する、マスクを着ける、手を洗う、人がたくさんいる場所に行かないといったことだ」と。それ以外に何があるか。ぼくたちの島でも事態は予断を許さないままで厳寒一直線と突き進んでいます。

 「国民のいのちを護る、これがわたしの政権の最優先課題」というのは島の村長さんです。ホントかね。その椅子に座る人間の言葉ほど信用ならないものはないことを、庶民は知っています。自らのいのちは、自らで守る。ひたすら「専守防衛」に尽きると、ぼくは考えています。「先制攻撃」もダメだし、「敵を迎撃する」手段ももっていない。眼にも見えず、鼻にも臭わず、正体不明ながら、四方八方に潜んでいる、もちろん我が体内にも深く静かに潜航しているかもしれない。決して侮るなかれ。睡眠をよくとる。疲労を重ねない。そして「頭寒足熱」となれば、またいい知恵も浮かんでくるでしょう。(この島の政府や「対策チーム」、さらには連日テレビなどに専門家面して「忠告・指図」をしている一団は、この春先から同じことの繰り返し。事態はいっこう改善されないのは、当然なのかも。まるで再放送の再現画面をのべつ見せられているようです)

 バロン医師のような人がいるからこそ、ぼくたちはなんとか「生きていこう」という意欲も出てくるのです。さらに看護師をはじめとする医療従事者にも深甚の感謝をささげたい。この春以来、片目でコロナ禍の行方を見つめながら、もう一眼で、かみさんの入院手術などの経験を通して、医学や医療者の仕事というものをつぶさにとらえようとしてきました。いまだ、病院からは解放されませんが、だからこそ、このような職業者に対して、ぼくたちは衷心からの敬意を表したいのです。

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 追加 

【12月1日 AFP】ベトナム最大の都市ホーチミン(Ho Chi Minh)で11月30日、同国で約3か月ぶりとなる新型コロナウイルスの市中感染が確認された。当局者らは感染拡大を食い止めるのに必死だ。
 厳しい移動制限、広範な隔離措置、そして感染経路の追跡を徹底的に行ったとして、ベトナムの新型コロナウイルス対策は称賛されていた。/ しかし、ベトナム保健省は先月30日、ホーチミンで32歳の男性の感染が確認されたと発表した。男性は、先週末に陽性と判定されたベトナム航空(Vietnam Airlines)の客室乗務員の親族。/ 保健省は「感染者が訪れていた(ホーチミン市内の)場所を一時的に封鎖する措置」を取り、数十人の濃厚接触者を隔離していると発表した。/ 人口約9600万人のベトナムだが感染者は1347人、死者は35人に抑えられている。(c)AFP

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 何に此師走の市にゆくからす(芭蕉)

(東京新聞朝刊・2020/11/19)
(東京新聞・2020/8/14)
(毎日新聞・2020/5/2)

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 本日から師走です。新型コロナというストーカー・ウィルスに迫られ、追い回されて、ほぼ一年が過ぎようとしています。今年はグローバルな意味では、人類史初の「マスク人出現」の曙光でした。世界の感染者数は六千三百万人、死者は百五十万人。いまだに、災禍からの回復の目途が立っていません。最古の細菌、或いはウィルスが猛威を振るう傍で、宇宙ロケットの打ち上げが相次ぎ、宇宙船に何か月も滞在する時代でもあります。人類の進歩というのは、あるいは夢幻物語で、片一方に数億年前からの超細菌が存在し、もう一方では人類史で初めての「地球外生存」への第一歩という偉業を誇っているのです。

 それもこれも含めて、地球の歴史であり、現在でもある。宇宙をの謎を解明せんとし、細胞の成り立ちから生命の「謎」をほぼ解明しようかという時代、もう一方の足は地球の歴史の始まりにつながれていたということになります。風邪なんかと言いますが、罹患のメカニズムは未解明です。天才であると同時に、驚くべき鈍才でもあるという人間群、それが力を合わせて人類史の壁を越えようという考え自体が、実はお門違いであったというのかもしれません。人類は「ヤヌス(Janus)」のひそみに倣っているのでしょうが、展望は開けていません。誕生前も死滅後もまったくの闇で、ひたすら「今を生きる」ことばかりに人類は釘付けされているのです。

 無数の写真を眺めていて、ぼくは「マスク人」の登場を、深く実感しています。科学の貢献は人類に著しい幸運をもたらしたといえますが、片方では素朴かつ単純な「予防法」が欠かせないのも事実でしょう。「B29に竹槍」「原爆投下にバケツリレー」は笑いのめされ、揶揄されましたが、今だって、その域を一歩も出ていないのです。「やっつける」という敢闘精神が安心感、いや焦燥感を和らげてくれるのかもしれません。しないよりはした方がいいかも、ね。

 たかが「マスク」と言いますが、それをすれば、コロナウィルスが防げるかどうかという以上に、「口を塞いでいるから」という、単細胞的な安心感が生まれて、免疫力の低下を防ぐ、いや免疫値を高めてくれるかもしれぬという無根拠の感覚が、もっとも「対コロナウィルス」に効果があるというのでしょう。イソジンも同じ発想だったが、ちょっとまずかったのは、何かが足りなかったからですね。「鰯の頭も信心から」「痛いの痛いの 飛んでけー」という呪いの精神ですよ。「非化学」だなどと、バカにしてはいけません。

「ご来光」を求めて山に登り、渚に出かけ、やおら手を合わせているではありませんか。

 まだまだ、マスク時代は続き、「マスク生活」は終わりそうにありません。(いろいろなマスクが登場してきましたが、ABENOマスクばかりは、ウィルス以上に汚染されていそうで、二度と御免ですね)

月白き師走は子路が寝覚かな 芭蕉「泊船集」
旅寝よし宿は師走の夕月夜 芭蕉「熱田三歌仙」
雪と雪今宵師走の名月か 芭蕉「笈日記」

空を歩む朗々と月ひとり (放哉)

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12月1日のこよみ。
旧暦の10月17日に当たります。つちのえ とら 一白 友引。
日の出は6時52分、日の入りは16時58分。
月の出は17時37分、月の入りは7時21分、月齢は15.9です。
潮は大潮で、干潮は高知港標準で0時08分、潮位6センチと、12時20分、潮位80センチです。/ 満潮は6時47分、潮位173センチと、17時56分、潮位174センチです。(高知新聞・2020/11/30)

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