排除ではなく、共生の方向を求めてこそ

(大阪都構想の住民投票で外国人にも投票権を認めるよう求めて記者会見した在日コリアンや市民団体メンバーら=2019年11月、大阪市役所)(共同通信社)
「大阪都構想」の賛否で14万人 
大阪市を廃止して4特別区に再編する「大阪都構想」の賛否を問う住民投票で、外国人住民に投票権がないことに「私も市民なのに」と疑問の声が上がっている。大阪市の外国人住民は14万人を超え、政令指定都市では最多。市長は「国籍を取得して」と話すが、識者からは「日本社会は外国人抜きでは成立しない時代。議論を進めるべきだ」との指摘が出ている。/ 法律に基づく今回の住民投票では、投票権があるのは日本国籍を持つ18歳以上の大阪市民。市では昨年末現在、外国人住民が約5%に当たる約14万5千人いて、比率・人数とも20政令市でトップだが、投票できない。(2020/10/23 16:51 (JST) ©一般社団法人共同通信社)
来秋にも予定される、大阪市を廃止し、特別区を設置する「大阪都構想」の住民投票を巡り、外国籍住民にも投票権を認めるよう求める市民団体が20日、松井一郎市長に要望書を、市議会に1509人分の署名と陳情書をそれぞれ提出した。市の人口に占める外国籍住民の割合は約5%で、人口、比率とも政令市最多。全国の住民投票では、条例で永住外国人などの投票権を認めた例もあり、近く国会へも請願を提出する。/ 市民団体「みんなで住民投票!」は約1カ月前に結成。都構想の賛否からは自由な立場で、選挙権を日本国民に限った公職選挙法の規定を準用するとした大都市地域特別区設置法と同施行令の改正を求めている。団体によると、この日までに、劇作家の平田オリザさんや思想家の内田樹さんら計約60人の呼びかけ人と賛同人が集まった。(毎日新聞2019年11月21日 地方版)

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 この問題は積年の課題となってきました。当面は11月1日に行われる「大阪都構想」についての「住民投票」に外国人住民の投票を認めるかどうかが問われている、というより、認めてくれという要請が出されているということです。このままでは外国籍住民を排除して、投票は実施されることになります。なんでまだこんな問題を残しているのかと、ぼくには不思議でなりませんが、この島社会の「死活問題」と言わぬばかりの反対を主張する方々もおられます。ぼくは、このような問題に(仕事の)必要上から何十年と考えてきました。「住民投票」くらいと思う人もおられるし、反対の立場の人には「参政権(国政選挙ではない)」を認められない事情があるのでしょう。立場をかえて、自分が外国に永住しているとして、住民としての意志を投票で表明できないということがあればどうでしょうか。そんなん、ないのがあたりまえやないかといえるかどうか。

 投票日が直近に迫ってきました。いずれ間をおかないで、この問題(を含む、外国籍の方々の法的地位など)について、ぼくがこれまで考えてきたところを述べてみたいと思います。今回はこんな課題が取り残されているという指摘のみに留めておきます。結論的に言えば、世界は「排除」ではなく「共生」に根差した市民社会の方向を求めているのではないですか。その願いが強まっているからこそ、「排除」の運動も強くなるのです。政治や行政の任に当たる人の「方向感覚」がマヒしていては、住民の不幸は減ずることはなさそうです。

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投稿者:

dogen3

 毎朝の洗顔や朝食を欠かさないように、飽きもせず「駄文」を書き殴っている。「惰性で書く文」だから「惰文」でもあります。人並みに「定見」や「持説」があるわけでもない。思いつく儘に、ある種の感情を言葉に置き換えているだけ。だから、これは文章でも表現でもなく、手近の「食材」を、生(なま)ではないにしても、あまり変わりばえしないままで「提供」するような乱雑文である。生臭かったり、生煮えであったり。つまりは、不躾(ぶしつけ)なことに「調理(推敲)」されてはいないのだ。言い換えるなら、「不調法」ですね。▲ ある時期までは、当たり前に「後生(後から生まれた)」だったのに、いつの間にか「先生(先に生まれた)」のような年格好になって、当方に見えてきたのは、「やんぬるかな(「已矣哉」)、(どなたにも、ぼくは)及びがたし」という「落第生」の特権とでもいうべき、一つの、ささやかな覚悟である。どこまでも、躓き通しのままに生きている。(2023/05/24)