

扶養手当の非正規不支給は「不合理」 最高裁判決 夏・冬季休暇など5項目(毎日新聞・2020/10/15) 日本郵便の非正規雇用の契約社員らが、一部の手当や休暇が正社員だけに与えられているのは「不合理な格差」に当たるとして、同社に格差是正を求めた3件の訴訟の上告審で、最高裁第1小法廷(山口厚裁判長)は15日、扶養手当をはじめとする5項目の待遇格差をいずれも「不合理」と認める判決を言い渡した。/ 日本郵便は従業員約37万人のうち、約半数の18万人が非正規社員。格差是正を巡る訴訟は東京、大阪、佐賀の3地裁に起こされ、扶養手当▽年末年始勤務手当▽夏季・冬季休暇▽有給の病気休暇▽年始期間の祝日給――の5項目について、正社員との待遇格差が適法かどうかが争われていた。【近松仁太郎】
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「従業員約38万人の約半数の18万4千人が非正社員という巨大企業に対する、待遇格差についての初の最高裁判断。13日には退職金やボーナスの支給を認めない第三小法廷の判決が出たが、この日は実質的な原告勝訴で、非正社員の待遇を見直す動きが広がる可能性がある。」(朝日新聞・20/10/15)

日本郵便はこの島における労働問題の坩堝(るつぼ)です。詳細は省きますが、公社だったものをを民営化(じったいは会社化)し、それが有していた資本を市場に開放するという美名のもとに、いまでは全国の郵便局でアメリカ資本の「がん保険」が販売されています。何のための「郵政民営化」だったが、今になってどうしようもないほどの政治目的で強行されたかが分かります。その後の日本郵便のでたらめさは、郵便行政や保険業務のだとうせいをついきゅうするためのものではなく、ひたすら強国にゆすられたための「会社化⇒資金の開放化」だったのです。歴代の幹部職員は天下りや民間企業の「老害」効用所となり、会社は滅茶苦茶になってしまいました。詳細は省くといいながら、キーを叩いているうちに「政治家」「民間下がりの老害「天下り官僚」などの腐敗しきった顔がちらついて、頭がくらくらしてきました。






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今回の判決は当たり前の権利の証明みたいなものでした。この権利獲得のために裁判に訴え、それも長い時間をかけなければ勝ち取れなかったことの方がむしろ犯罪的だと、ぼくは言いたい。人民を句する占めるためにこそ、政治は機能してきたというむなくそのわるくなる「典型」です。遠い回り道を人民はいつでもさせられているのです。「月がとっても青いから」と、遠回りするのも市場がありそうですが、これは生活闘争です。本来は当然保障されるべきものだったのに、裁判で下された判決が「地獄に仏」のように思えてくるのだから、じつに嘆かわしい。けれども、これが頂門の一針となり、奪われている人民の権利が回復される道がつけられたことはいいことだった遠むのです。隗より始められた、第一歩です。一歩前進二歩後退か。

それにしても「生存権」という権利保障のげんともなった「朝日訴訟」から六十年以上も経過して、なお「朝日訴訟」は続いてきたのですね。これからも、延々と続くに違いありません。この島は人間使い捨ての島ではなかろうかと、大きな挫折感に襲われもするのです。「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」をほしょうする、それは「自助」でも「共助」でもない、「公助」そのものだ。眼を開け耳を掃除して政治や行政に携わってくれ。自らの急場凌ぎに「劣悪マスク」で数百億円、税金で権力維持を図るという、これは「泥棒にも劣る」政治犯罪ではないですか。人民の権利を損なう「最低限度の政治」だな。
●朝日訴訟=岡山県の療養所に重症の結核患者として入院していた朝日茂さん(当時44)が1957年、生活保護費が少なすぎて必要な栄養すらとれず「健康で文化的な最低限度の生活を営む」には不十分だとして、国に改善を求めて起こした行政訴訟。60年の東京地裁判決は全面勝訴したが、3年後の控訴審では敗訴。上告後、朝日さんが亡くなる直前、支援者の健二さん夫妻が養子になり、訴訟を引き継いだが、最高裁は継承を認めず67年に上告を退けた。一連の訴訟は大きな社会的関心を呼び、「人間裁判」と称された。その後の日本の社会保障制度のあり方にも多大な影響を与えた。(2009-05-03 朝日新聞 朝刊)
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