

初優勝、バンザイ! 正代の故郷・宇土市も興奮 花火20発も彩る

初優勝、バンザイ-。大相撲秋場所千秋楽の27日。優勝争い単独首位の関脇正代(28)=本名正代直也、時津風部屋=が歴史的な勝利を決めた瞬間、故郷熊本県宇土市の市民体育館ecowin宇土アリーナのパブリックビューイング会場に地鳴りが響いた。応援グッズを身に着けた後援会メンバーやまわし姿の相撲少年ら200人余りは、県出身力士初の快挙を大喜びした。/ 正代が会場の大画面に姿を現すと、ボルテージも最高潮に。自然と「正代」コールが湧いた。そして行司の軍配が返り、激しく動き回る翔猿に土俵際に追い込まれると、悲鳴が上がった。だが、しぶとく回り込んで難敵を突き落とした瞬間、歓喜に変わった。(熊日新聞・2020/9/27 22:02 )
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昔(栃若・柏鵬時代)ほど相撲に興奮はしなくなりましたが、時には線香花火のように燃え上がることもあります。このニュースで何がぼくを引き付けたかというと、お国贔屓というか、郷土意識です。熊本は何かとぼくにも縁のある土地柄でしたが、それはともかく、何かにつけ地域対抗意識のような雰囲気が今でも濃厚に残っているのでしょう。「都市対抗」というのはよくないね。村や町は排除されていますから。地方意識の持続化に一役も二役も買っているのは「大相撲」と「N●K」です。まるで「のど自慢大会」のように「地方場所」は盛り上がる。現下のコロナ禍であれば、なおさらにそうなります。閉塞感の打破ですか。加えて熊本地震や豪雨災害で立て続けに打撃を受けてきた熊本だけに、その感が強い。ここは「火の国」といわれます。「火の女」は石川さゆりさんはじめ、たくさん。(熊本の友人は狂喜乱舞しているかもしれない)


ネットでしか見ませんが、正代は入幕したころから「強くなる」と予感していました。そんなふうに思える力士は数えるほどですが、二か月ごとの本場所で年に六場所、過酷な土俵が続くので怪我人が多発しています。遥かの昔には、「一年を二十日で暮らすよい男」という江戸川柳があったほどに、春秋の二場所、それぞれ十日間ずつの興行でした。また、「無事これ名馬」という格言みたいなものがありますが、「無事これ名力士」というのでしょうか。ともかく、この優勝で熊本が少しでも元気になったとすれば、正代の功績は大大です。地方の時代などというフレーズは、今や絶えて聞かれなくなりましたが、「愛国心」などという人為的なものより、よほど郷土主義は健全だと思います。これが本来の「愛国心」(My Country)の原初・根源じゃないでしょうか。「郷土思い」「古里・故里」への郷愁、それが人を忍耐強くも優しくもするのです。
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