

「バンドワゴン効果」とは、選挙などで優勢を伝えられる候補が雪だるま式に支持を広げる現象をいう。勝ち馬に乗れという力学が働くからだが、バンドワゴンとはパレードの先頭を行く楽隊車のことである▲かつて米国南部の選挙運動で地元名士を何人も乗せたバンドワゴンをにぎやかに繰り出したのが由来だとか。だが、まだ選挙も始まっていないのに、いち早く繰り出したワゴンに次々と乗車希望者が殺到したのはどうしたことだろう▲安倍晋三(あべ・しんぞう)首相の後継を選ぶ自民党総裁選の話である。14日の両院議員総会での選出がきのう決まったが、そのきのうの小紙はすでに菅義偉(すが・よしひで)官房長官への有力派閥の相次ぐ支持表明と、新総裁選出の見通しが強まったことを報じていた▲日程決定を受け岸田文雄(きしだ・ふみお)政調会長、石破茂(いしば・しげる)元幹事長も出馬表明したが、両氏にさきがけて菅氏が繰り出したワゴンにはすでに有力派閥が顔をそろえていたからしらける話である。その菅氏の正式出馬表明はきょうにも行われるという▲何とも奇妙なのは多くの国民、いや自民党の党員にしても、すでに後継総裁の座を固めた人の国政への見識や統治の方策をそこで初めて耳にすることだ。早々とワゴンに乗り込んだ派閥議員には、そんなことははなから関心外らしい▲党員投票を求める声も、コロナ禍さなかの政治空白を避けるとの大義名分で封じた後継レースである。もしや長期政権のおごりまで積み込んだワゴンを引き回すつもりなら、思わぬ転覆を恐れるべきだろう。(毎日新聞2020年9月2日 東京朝刊)
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出来レースという言葉があります。「八百長・談合などにより、始める前から結果が分かっている勝負や競争」(デジタル大辞泉)現下の「ソーサイ」選びはそのお手本。「大辞泉」はこの様子を「解説・説明」に載せたらどうです。「N bossが取り仕切り、いち早くSへの流れを作り、烏合の衆は脱兎(誘蛾灯の虫)のごとくにワゴンにのりこむ様子」と。だれがなっても構わない、人民の苦悩・苦労は絶えないのだから。「在職だけがながかった」政権を支え続けた張本人、一人は Kammer の主、他は「ソーカガッカイ」です。もう一つは「ヤトー」(という名の「ヨトー」派)これがなければ、「短命」にすらならなかった。「瞬命だったか」というわけで、前内閣の悪行をすべて知悉していた御仁が後継だという。おかしいね。笑わせるよ。でもこれが島の現状に似合っているのか。(金馬「蛙茶番」→)

ここでも、いつでも「茶番」です。その意とは「客のために茶の用意や給仕をする者。こっけいな即興寸劇。江戸歌舞伎の楽屋内で発生し、18世紀中ごろ一般に広まった。口上茶番と立ち茶番とがある。茶番狂言。 底の見えすいた、下手な芝居。ばかげた振る舞い。茶番劇。「当人は真剣でも傍 (はた) から見ればとんだ茶番だ」」(デジタル大辞泉)
お茶番から番頭に。そこから旦那にと、まるで「出世魚」のようでもありますが、ご当人が目をむいているうちに、「その気」にさせられた(なった)という段取りで、ここは「さすが、ニカイ」と、今は「吉」と出たかもしれぬが、「大凶」は瞬時にやってきます。(人民には備えあっても、憂いありだから、始末に悪い)「台風」が劣島をまっしぐらに襲い来る図が見えてきました。茶番もまた「災害」にならねばいいが。(人は自分を知ってか知らずか、「その気」になっちゃう、一寸先は闇だね)「身の程知らず」、それは蛮勇の人を指していう言葉、「蛮勇引力」のことか。
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