ジェンダー新論の所在を探るために 

米ニューヨークで行われた「ロバート・F・ケネディ・ヒューマン・ライツ」のイベントで受賞スピーチを行う英作家のJ・K・ローリングさん(2019年12月12日撮影)。(c)Bennett Raglin/Getty Images for for Robert F. Kennedy Human Rights/AFP
【8月29日 AFP】ファンタジー小説「ハリー・ポッター(Harry Potter)」シリーズを手掛けた英作家J・K・ローリング(J.K. Rowling)さんは28日、米ケネディ家が運営する人権団体の代表が自身のトランスジェンダーに関する見解を批判したことを受け、同団体から授与された賞を返還すると表明した。/ 米人権団体ロバート・F・ケネディ・ヒューマン・ライツ(Robert F. Kennedy Human Rights)は昨年、ローリングさんに「希望のさざ波(Ripple of Hope)」賞を授与した。/ だが同団体のケリー・ケネディ(Kerry Kennedy)代表は今月出した声明で、ローリングさんのジェンダーについての主張がトランスジェンダーの人々の「アイデンティティーをおとしめた」と表明した。
 
 ローリングさんは自身のウェブサイト上で、ケネディ氏の声明は「私がトランスジェンダーを嫌悪し、トランスジェンダーの人々に対する害について責任を負うという誤った見方を示唆する」ものだとし、「私はこの批判に断固として反論する」と表明。/「私に連絡してきたけれど自らの声を届けることができずにいる人々との連帯を示すため、そして私自身とロバート・F・ケネディ・ヒューマン・ライツとの間には深刻な見解の相違があることから、希望のさざ波賞を返還せざるを得ない」と説明した。/ ローリングさんは今年6月のツイッター(Twitter)投稿で、「女性」の代わりに「月経がある人」という表現を使用することについて、「以前はこの人たちのことを指す言葉があったはず。誰か手を貸して。ウンベン? ウィンパンド? ウーマッド?」と、女性を意味する「ウィメン」を思わせる言葉を並べてコメント。/ この投稿には批判が殺到し、映画「ハリー・ポッター」シリーズで主演を務めた英俳優ダニエル・ラドクリフ(Daniel Radcliffe)さんら出演者も非難の声を上げていた。(c)AFP (右写真の中央がケリー・ケネディ代表)

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  どんなに言葉を取り繕っても、その言葉を使っている当人の中に「差別感情」や「蔑視観」があるなら、それは問題になるのは当たり前です。今回のローリングさんの問題も、どちらが正しいとか間違っているという以上に、コトバに対する感受性が欠けているという思いが付きまといます。「自分はトランスジェンダーを嫌悪していない」という一方で、「そういう言葉がトランスジェンダーのアイデンティティを貶めた」という。交わる地点がどこかにあるのかないのか。

 言葉狩りと言葉の誤用、そんな問題でもありそうに、ぼくは考えています。

 今少し資料などを調べたうえで、さらに問題の所在を探求したいと思っています。(さらに別の稿で)

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投稿者:

dogen3

 毎朝の洗顔や朝食を欠かさないように、飽きもせず「駄文」を書き殴っている。「惰性で書く文」だから「惰文」でもあります。人並みに「定見」や「持説」があるわけでもない。思いつく儘に、ある種の感情を言葉に置き換えているだけ。だから、これは文章でも表現でもなく、手近の「食材」を、生(なま)ではないにしても、あまり変わりばえしないままで「提供」するような乱雑文である。生臭かったり、生煮えであったり。つまりは、不躾(ぶしつけ)なことに「調理(推敲)」されてはいないのだ。言い換えるなら、「不調法」ですね。▲ ある時期までは、当たり前に「後生(後から生まれた)」だったのに、いつの間にか「先生(先に生まれた)」のような年格好になって、当方に見えてきたのは、「やんぬるかな(「已矣哉」)、(どなたにも、ぼくは)及びがたし」という「落第生」の特権とでもいうべき、一つの、ささやかな覚悟である。どこまでも、躓き通しのままに生きている。(2023/05/24)