夫婦ゲンカ うどん 麦わら 

 臨時休業の理由はまさかの夫婦げんか…。

しかし、仲直りできる見込みで、営業再開日まで決まっているというのだ。

お知らせの画像がネットに投稿されると、ネットユーザーは「旦那さん地雷を踏んだってワケだ」「コシがなくなりそう」などと大喜利状態となったが、同時に夫婦仲を心配する声もあった。

このうどん店は、東京・江東区にある「麦わら」というお店だが、なぜ、このような理由で休むことになったのだろう。そして、無事に営業は再開したのだろうか?

編集部は今回、店を切り盛りする50代の夫婦にお話を伺うことができた。

実は夫婦げんかが「直接的な理由ではない」…真相は?

――どの程度の期間、臨時休業した?その後は?

旦那さん:3月29日(日)、30日(月)と休みました。当店は毎週月曜が定休日なので、臨時休業は29日のみですね。31日以降は通常通り、営業しています。

――夫婦げんかで休もうと思ったのはなぜ?

旦那さん:実は夫婦げんかが、臨時休業の直接的な理由じゃないんです。

新型コロナウイルスの影響が東京に広がりつつあり、この状況でお店を開いていいのかずっともやもやしていました。東京都が3月28、29日の週末、不要不急の外出を控えるように呼び掛けたこともあって、3月28日は営業中も憂鬱な気分が続いていました。

そこで、28日夜に翌日(29日)は営業を自粛しようと思い、来店していた常連さんに「いい理由はないかな」と話したところ、あの張り紙を書いてくれた。それを張り出したんです。

まさか、こんな騒ぎになるとは思いませんでした。

――それではなぜ、理由が夫婦げんかに?

奥さん:主人は小言などで静かに私を怒らせるので、お客さんから見ると私は“怒る人”に見えるらしいんです。常連さんが張り紙を書いたときも、私が厨房で「うるさい」と叫んでいたらしく、旦那が奥さんを怒らせたということで、あの文章になったそうです。

奥さん「主人とはいつも本気でけんかしています(笑)」

――聞きにくい質問ですが…けんかはよくする?夫婦仲は?

旦那さん:けんかばっかり。毎日けんかしてるよ(笑)。お店では、奥さんが天ぷら担当、自分がうどん担当なんだけど、出来上がりのタイミングが合わないと「早くしろ」なんて言ってしまう。バタバタしてると、互いに自分のことしか考えなくなっちゃうんですね。

奥さん:主人とはいつも本気でけんかしています(笑)。

――張り紙には「うどんが踏めません」とあるが、うどんはどう仕込んでいる?

旦那さん:自分一人踏んでます。うどん作りは粉や塩水などの素材を混ぜてそれを踏み、踏んだものを団子状にして一日寝かせ、伸ばして麺にしていくので手間がかかりますね。

――けんかするとうどん作りに影響は出る?

旦那さん:踏むときには美味しくなるように愛情・思いを込めて踏みます。適当に踏めば、適当なうどんしかできないんです。けんかすると、その愛情が半減してしまいますね(笑)。

――おすすめのメニューなどはある?

奥さん:武蔵野うどんですね。人気メニューは「肉つけ汁うどん」で、1日50食くらいは売れます。

「お店を営業していいのかなという思いはまだある」

――31日から営業を再開しているが、その理由は?

旦那さん:経営的なところもあり、営業を再開しました。とはいえ、お店を開店していいのかなという思いはまだあります。飲食業にかかわる人、みんなが感じてるんじゃないでしょうか。

――臨時休業について、お客さんから反応などはあった?

奥さん:お客さんからの反応で、特に変わったことはないですね。ただ、張り紙を見た知人からは「仲直りした?」「大丈夫?」などと連絡が来ました。

――ネットで話題となったことについて思うことはある?

奥さん:本当にびっくりです。お客さんが私たちを見て書いてくれたので、半分冗談で「近所の人に休むことを知ってもらえればいいな」と張り出したんです。それがうちの店を知らない人も見てくれているようなので、本当に不思議ですね。

――この場を通じて、何か伝えたいことなどはある?

旦那さん:新型コロナウイルスについては、対策のために誰もが協力する姿勢であってほしいですね。協力するしかないじゃないですか。そして首相や知事は、方針などをしっかり指示してほしい。みんなもやもやしてるんじゃないかな…飲食業に関わる人は特にだと思います。

夫婦げんかでの臨時休業というのは、今の社会的な状況で悩んでいる旦那さんを見かねた常連さんが、気を利かせて思いついたものだった。

心配された夫婦仲についても、「けんかしている」と言いながらも笑い声が絶えなかったことから、問題はなさそうだ。うどんも愛情も「ごちそうさま」といったところかもしれない。(https://www.fnn.jp/articles/-/2824320)(Prime on line 20年4月3日)  

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 このニュースに関してはノーコメントです。旦那さんの発言に尽きていますね。それに「常連の芸達者ぶり」だ。

 「新型コロナウイルスについては、対策のために誰もが協力する姿勢であってほしいですね。協力するしかないじゃないですか。そして首相や知事は、方針などをしっかり指示してほしい。みんなもやもやしてるんじゃないかな…飲食業に関わる人は特にだと思います」

 蛇足ながら こんなうどん屋さん夫婦もいるのですね。コシもキレも抜群かも。ということで、うっとうしい時間が続いている中での一杯のうどんでした。ぼくも「ごちそうさま」でした。

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投稿者:

dogen3

 語るに足る「自分」があるとは思わない。この駄文集積を読んでくだされば、「その程度の人間」なのだと了解されるでしょう。ないものをあるとは言わない、あるものはないとは言わない(つもり)。「正味」「正体」は偽れないという確信は、自分に対しても他人に対しても持ってきたと思う。「あんな人」「こんな人」と思って、外れたことがあまりないと言っておきます。その根拠は、人間というのは賢くもあり愚かでもあるという「度合い」の存在ですから。愚かだけ、賢明だけ、そんな「人品」、これまでどこにもいなかったし、今だっていないと経験から学んできた。どなたにしても、その差は「大同小異」「五十歩百歩」だという直観がありますね、ぼくには。立派な人というのは「困っている人を見過ごしにできない」、そんな惻隠の情に動かされる人ではないですか。この歳になっても、そんな人間に、なりたくて仕方がないのです。本当に憧れますね。(2023/02/03)