場合によっては死刑も

 基本的法制度に関する世論調査 内閣府大臣官房政府広報室 (世論調査報告書 平成21年12月調査)

(1) 死刑制度の存廃

 死刑制度に関して,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」,「場合によっては死刑もやむを得ない」という意見があるが,どちらの意見に賛成か聞いたところ,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者の割合が5.7%,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者の割合が85.6%となっている。/ 前回の調査結果と比較してみると,「場合によっては死刑もやむを得ない」(81.4%→85.6%)と答えた者の割合が上昇している。/都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。

 ア 死刑制度を廃止する理由

 死刑制度に関して,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者(111人)に,その理由を聞いたところ,「生かしておいて罪の償いをさせた方がよい」を挙げた者の割合が55.9%,「裁判に誤りがあったとき,死刑にしてしまうと取り返しがつかない」を挙げた者の割合が43.2%,「国家であっても人を殺すことは許されない」を挙げた者の割合が42.3%,「人を殺すことは刑罰であっても人道に反し,野蛮である」を挙げた者の割合が30.6%,「死刑を廃止しても,そのために凶悪な犯罪が増加するとは思わない」を挙げた者の割合が29.7%,「凶悪な犯罪を犯した者でも,更生の可能性がある」を挙げた者の割合が18.9%などの順となっている。

 イ 即時死刑廃止か,いずれ死刑廃止か

 死刑制度に関して,「どんな場合でも死刑は廃止すべきである」と答えた者(111人)に,死刑を廃止する場合には,すぐに全面的に廃止するのがよいと思うか,それともだんだんに死刑を減らしていって,いずれ全面的に廃止する方がよいと思うか聞いたところ,「すぐに,全面的に廃止する」と答えた者の割合が35.1%,「だんだん死刑を減らしていき,いずれ全面的に廃止する」と答えた者の割合が63.1%となっている。

 ウ 死刑制度を存置する理由

 死刑制度に関して,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者(1,665人)に,その理由を聞いたところ,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」を挙げた者の割合が54.1%,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」を挙げた者の割合が53.2%,「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」を挙げた者の割合が51.5%と高く,以下,「凶悪な犯罪を犯す人は生かしておくと,また同じような犯罪を犯す危険がある」(41.7%)などの順となっている。(複数回答)/前回の調査結果と比較してみると,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」(50.7%→54.1%)を挙げた者の割合が上昇している。/都市規模別に見ると,「死刑を廃止すれば,被害を受けた人やその家族の気持ちがおさまらない」,「死刑を廃止すれば,凶悪な犯罪が増える」を挙げた者の割合は小都市で高くなっている。/性別に見ると,大きな差異は見られない。/年齢別に見ると,「凶悪な犯罪は命をもって償うべきだ」を挙げた者の割合は70歳以上で高くなっている。

 エ 将来も死刑存置か

 死刑制度に関して,「場合によっては死刑もやむを得ない」と答えた者(1,665人)に,将来も死刑を廃止しない方がよいと思うか,それとも,状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよいと思うか聞いたところ,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合が60.8%,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合が34.2%となっている。/前回の調査結果と比較してみると,大きな変化は見られない。/都市規模別に見ると,大きな差異は見られない。/性別に見ると,「将来も死刑を廃止しない」と答えた者の割合は男性で,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。/年齢別に見ると,「状況が変われば,将来的には,死刑を廃止してもよい」と答えた者の割合は30歳代,40歳代で高くなっている。

(2) 死刑の犯罪抑止力

 死刑がなくなった場合,凶悪な犯罪が増えるという意見と増えないという意見があるが,どのように考えるか聞いたところ,「増える」と答えた者の割合が62.3%,「増えない」と答えた者の割合が9.6%,「わからない・一概には言えない」と答えた者の割合が28.0%となっている。/性別に見ると,「増える」と答えた者の割合は男性で,「わからない・一概には言えない」と答えた者の割合は女性で,それぞれ高くなっている。(詳細は内閣府のHPを参照)

(古いデータですが、「死刑」問題に関してはこの島の政府の基本姿勢は変化がないと考えています。詳細な「調査結果」を掲載しようと考えたのですが、あまりにもお粗末なのでやめました。「死刑」を弄んでいるのではないかといいたくなるのです。「内閣府」は今日の政治状況の中でどんな役割をしているのか、想像しただけで虫唾が走ります。調査は「中立」「公平」だとぼくにはとても思われません。他国を持ち出すまでもなく、この島社会の「犯罪」「刑罰」に対する姿勢はきわめて恣意的であり、刹那的であると、ぼくはずっと考えてきました)

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 ●2012年の死刑判決と死刑執行(2013年4月10日現在)(amunesty International 報告)

 2012年の死刑をめぐる状況は、数カ国で多少の後退はあったものの、世界的には死刑廃止の潮流が継続していることをアムネスティは確認した。/アムネスティの調べでは、死刑を執行した国は21カ国、件数は682件であった。これは2011年とほぼ同数である(それぞれ21カ国、680件)。この682件には、他の国々の総数を優に上回って数千にのぼるとされる、中国の死刑執行は含まれていない。確認されている死刑執行数では、イラン、イラク、サウジアラビアの3カ国で、世界総数の4分の3に達している。/死刑廃止に向けた前進は、世界の全地域で見られた。米国は、南北アメリカで唯一の死刑執行国だが、州単位で見ると2011年に13州が執行したのに対して、2012年は9州に減少した。コネチカット州は4月、死刑を廃止する17番目の州となった。また、全米で下された新たな死刑判決は、12件であった。

 南アジアでは、数カ国で死刑の再開など退行的な動きがあったが、これは、アジア太平洋全体の死刑廃止の潮流に逆行するものである。ベトナムは死刑判決を下さず、シンガポールも死刑の法律の改正を検討しているため、執行停止を順守している。/サハラ以南のアフリカでは、死刑廃止へのさらなる進展があった。ベナンでは、死刑関連の条項を撤廃する立法的措置を取った。また、ガーナは、新憲法で死刑を廃止する計画だ。シエラレオネでは、ついに死刑囚がいなくなった。/そしてラトビアが、特定の犯罪にのみ適用していた死刑を廃止する法律を1月1日に発効させ、世界で97番目の全廃国となった。

 死刑廃止へ向かう世界の動向

•G8国で死刑を執行したのは、日本と米国のみ

•国連加盟国193カ国のうち174カ国で死刑執行なし

•米国は、南北アメリカで唯一の死刑執行国

•ベラルーシは、ヨーロッパと中央アジア唯一の死刑執行国

•アフリカ連合54カ国中、死刑執行は5カ国のみ。37カ国は、法律上または事実上、死刑を廃止

フランスで死刑制度を廃止した時の法務大臣(バダンテー)。上の本は彼が書いたもの

•アラブ連盟21加盟国のうち7カ国が死刑を執行

•ASEANでは10加盟国のいずれでも、死刑執行なし

•英連邦54カ国で死刑執行は、5カ国のみ

(最近のデータ等については次回のブログにでも載せることにします)

(「死刑制度」などに関する問題は、ぼくには重いテーマですが、これまでもふらふらしながら考えてきましたので、その愚論をゆっくりと述べていきたいと考えているのです)