そして誰もいなくなった?

 (福島原発事故の一年後の)五月五日(子どもの日)の深夜、列島でたった一基だけ稼働していた北電泊原発三号機が止まりました。五日の東京新聞(朝刊)に、佐藤正明さんのマンガ(「そして誰もいなくなった」)が一面に出ていた。この佐藤さんのマンガを読むためだけにボクは東京新聞を購読しているといってもいいほどに、いつも抜群に面白いというか、秀逸です。風刺なんて野暮なものじゃない、確かな批判精神が横溢していると思われます。GNPは「ゲンパツ」、そのGNP54の最後のメンバーは泊原子(とまりはらこ)さん。寺山修司は「身捨つるほどの祖国はありや」と問いましたが、いまなお、爆発事故の被害に身も心もすり切らせて、数知れない無辜の民が苦悩している。再稼働云々というのは寝言であり戯言であるとボクはいいたい。泊原子さん、これまでの活動、まことにお疲れ様でした。そして、ただ今休業中、あるいは引退されたGNP54のメンバーの方々、(まだ残務処理は残されていますが)どうか、ゆっくりと休養(引退)してください。「また表舞台に出よう」「スポットライトを浴びたいな」などという悪い冗談は金輪際いわないことです。活動歴が四十年を超えた方(心身をすり減らしたはず)もいれば、泊さんはまだ三年そこそこ。これまで(事務所が)投資した資金を回収できないのは残念で気の毒ですが(それも税金なんだよね)、なにも核分裂(臨界)だけが人生ではないと気づいたなら、きっと新しい光が指すと思います。「皆様のご理解をいただきながら、泊発電所の1日も早い発電再開を目指してまいります」と北電事務所は脳天気な期待や魂胆を語(騙)っていますが、その手に乗ってはいけない、騙されてはダメと、多くのファンは見守っています。GNP54時代は終わったんだ。(この駄文は「原発事故」の一年後に書いた)

 人民の人民による人民のための政治と、誰かがいいましたが、それがいかに困難な課題であるか。現下の(というより、この何十年もの)わが劣島の政治の為体(ていたらく)をみせつけられるにつけ、つくづく思い知らされています。規則をつくる、規則を破る、これを同じ人間どもがするのだから、なにをか言わんや。記録を残す、記録を改竄する。贅言を垂れ流す、それを平気で糊塗する。もう、破棄レベルだね、この島の永田町議員は。

 手に負えない代物を作り、その破天荒な暴走に戦きながら異様な経験をした(させられた)にもかかわらず、いままた、あえてその代物に手を掛けるというのだから、もはや手に負えない暴力だというばかりです。無辜の民がどれだけ犠牲になろうと、金儲けのためには委細かまわずに突っ走ろうというのです。この恐怖のシナリオを書いているのはだれか。盗電派か、それとも「美しい国を」派を自認にする悪輩か。「火事場泥棒」が「緊急事態」下に大量に発生しています。度し難い盗人たちだ。事故後十年を前にして、泊さんたちは「堂々と復活」したのか。こそこそと「舞い戻った」のか。それとも、「引退」していなかったのか。「GNP」メンバーは空恐ろしい鉄面皮であり、鉄仮面だ。

 「そして誰もいなくなった」」と引退を惜しんで(喜んで)いたら、知らぬ間に「メンバー復活」という悪夢が現実になっていた。「稼働自粛」を求め、「稼働停止要請」を促す。なんで「自粛」なんだ、補償・保証・保障しろと、散々ごねて、しこたま懐に入れたじゃないですか。「関西電力」はどうです。立地派の「偉いさん」から賄賂を懐に。ぼくは元関電派(京都)でしたから、情けないことかぎりなし。「感電」しそうになっています。

 半世紀以上も前に「核の平和利用」という悪魔のささやきが吐かれたときから、原子炉の技術はまったく進歩していない。「出口がない」建物しか作れないのだから。「トイレのないマンション」といったのは武谷三男さんだった。それ以上に人智の頽廃は著しい。無知蒙昧と国民を侮り、理屈をひねり出して、莫大な税を投入し、気の遠くなるようなカネをばらまき、立地地域をそれなしでは立ちいかなくしてしまった。福島「東電」の事故以来、電力会社、国家政府、官僚たちの振る舞いをつぶさに見ていて、この連中はおのれのことしか眼中にないし、みずからの利害のためには白昼堂々と嘘八百を言い募るという、空恐ろしい悪行を見てきました。(この島の官邸を牛耳るのは「原発第一」派なんですな。野郎どもは「原発」の輸出を目論んでいました)

 まだまだ、この愚連隊の悪戯・悪態は序の口なのかも知れない。大儀もなく、勝算もない無謀な戦争を仕掛けたのはだれであったか。そして国家を破滅に導いたのはだれであったか。その後裔たちが同じ轍を踏んでいる。それをぼくたちは指をくわえてみているだけか。現下の「コロナ禍」でも同じことで、「不義と不正」を、白昼堂々と侵している、厚顔を臆面もなく晒しながら。ある「痴方官僚」たちは、まるで災厄に遭遇したのに「嬉々としている」と思われるようなはしゃぎかただ。その尻馬に乗りたがる下々の輩も輩出(排出したいね)しています。「同調過剰」に「自粛強制」に「自粛警察」??

 政治・行政の「私物化」が横行しています。政治も行政も「公物」だということを知らないんだ。「公物」とは人民(住人)のものであるという意味です。したがって、政治や行政に携わる人間は「全体への奉仕者(servant)」なんです。こんなことをいっても盗人に追い銭ですなあ。マジで言いますが、これは「国家・国民(正確には「人民」)」が拉致されているのだ、と。これこそが「緊急で異常な事態」そのものです。

 「瓢箪から駒っていうのは、どういう駒か。嘘から出たまこととは、どんなまことか」