いつ人権は奪われるのか(20/06/09)

米ミネソタ州ミネアポリスで、黒人男性のジョージ・フロイドさんが警官に首を膝で押さえつけられて死亡したことに抗議するデモ参加者にペッパースプレーを噴射するミネアポリス警察の警官ら(2020年5月27日撮影)。(c)Kerem Yucel / AFP

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 「人権の喪失が起こるのは通常人権として数えられる権利のどれかを失ったときではなく、人間世界における足場を失ったときのみである。この足場によってのみ人間はそもそも諸権利を持ち得るのであり、この足場こそ人間の意見が重みを持ち、その行為が意味を持つための条件をなしている」(ハナ・アーレント『全体主義の起源』より)  

 政治学者であったアーレント(1906~1975)は、その前半生において、ユダヤ人であるというたった一つの理由でドイツを追われ、フランスからも追われ、アメリカに亡命しても無国籍状態が続きました。(十八年間も)国籍をもたないという状態はどのような状況に人々をおとしめるのか。その地点からアーレントは世に称揚される<人権問題>を告発するのです。<人間世界における足場>とはなにを指しているのでしょうか。

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